グリット混入バッズのリスク

イギリスからの報告

Source: UKCIA
Date: 10 January 2007 update
Subj: Cannabis contamination - "Grit weed" alert
Web: http://www.ukcia.org/


グリット・ウイード

UKCIAでは、ここ数ヶ月間にわたって異物混入バッズについて注目し、繰り返し取り上げてきた

混入バッズについては、2006年の夏の終りごろから噂が出始めた。「キーマー作戦」と呼ばれる、大がかりなカナビスの違法栽培に的を絞った取締りで、イギリス全土でカナビスが品薄となった。こうした事態はここ数年で初めての出来事だった。この事実は、間違いなく、警察の的を絞った広範な手入れが大成功をおさめたことを示している。

しかしながら、数週間続く家宅捜査の最中に、「小砂(グリット)」のようなものが混じったカナビスが出回っているという噂がささやかれるようになり、「グリット・ウイード」と呼ばれるようになった。当初は、ただカナビスの重量を重くして稼ぐために砂が混ぜられているだけで大して害にならないと考えていた。しかし、今となっては、そのようなことは言ってられなくなった。

このグリット・ウイードを写真を撮影したところ、フラッシュによく反射する小さなガラス玉のようなグリットが確認され、サイトに写真を掲載した。(2006年11月)


汚染カナビス - 小さな透明な砂が・・・


その後、12月のクリスマスの日に、初めてこの混入物の正体を明らかにした信頼できる証拠が送られてきた。混入物の粒子の大きさは50〜120ミクロンの球状で、非極性溶剤の石油エーテルや極性溶剤のエタノールに溶けず、濃い水酸ナトリウムや硫酸にも溶けなかった。融点は400℃以上であることも確認された。こうしたことから、ナトリウムやシリコンが主体の物質であると推察された。

さらに、手触りや吸ってみた感じや拡大写真の様子から、道路表面に吹き付けて反射文字をつくるのに使われる小さなガラス・ビーズの疑いが濃厚になってきた。バッズにはスプレーして深く染み込ませていた。


直径100ミクロンのガラス・ビーズ


さらに、年が明けた1月5日には、電子顕微鏡でスキャンした別の分析結果も寄せられた。この写真から、粒子の多くは100ミクロン程度の大きさだが,10ミクロン以下のものもあることが判明した。これは、非常に悪い知らせだった。何故なら、10ミクロン以下の微小粒子は、肺の奥深くまで侵入してしまうほど小さく、大きな害をもたらす可能性があるからだ。


バッズにスプレーされたガラス・ビーズの電子顕微鏡写真



政府は、健康被害の恐れを警告すべし

グリット・ウイードについての報告は全国各地から寄せられていることから、末端のディーラーの仕業ではなく、全国的な大がかりな組織が、流通の初期の段階で細工しているものと思われる。

この混入物は、文字通り数百万人ともいえるほど非常に多くの人びとの健康に影響を及ぼしている。特に、カナビスを医療利用している患者さんたちにとっては懸念が大きい。だが、政府は何の警告も出さずに沈黙を続けている。政府の反ドラッグ・キャンペーン・サイトである「トーク・ツー・フランク」(Talk to Frank)には何百万ポンドも費していながら、何もできないのか、あるいは何もする気がないのか?

この危険なバッズは、もともと政府の禁止政策がもたらしたものだ。この危険は、ピュアーなカナビスを使ったときの危険性とはまったく別物だ。こうした事態は、内務省の命令で警察がカナビスの栽培供給源を壊滅的に破壊したために起こった。ドラッグ・マーケットの供給源が壊滅されると、いつも同じようなことが起る。今回の事態の十分に予測できたはずだ。

皮肉なことに、禁止法が成果を上げれば上げる程、供給源は汚染される。もともと、禁止政策を進める政府の体質には、根本的な矛盾がある。もし、今回ような健康を害する事態に理解を示せば、禁止法自体が生み出している危険性に言及しなければならなくなるために、国民の健康を無視して沈黙を決め込んでしまう。

われわれは、政府に対して、態度を改め、ガラス・ビーズに汚染されたバッズの危険について明確な情報キャンペーンを早急に実施することを要請する。また、ユーザーには「グリット・ウイード」を買わないように忠告する。すでに持っている場合には、返却するか廃棄すべきだ。さらに、もし、あなたがディーラーならば、グリット・ウイードは売るな。



2006年11月


汚染カナビス - 小さな透明な砂が・・・


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2006年12月25日 光学顕微鏡写真




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2007年1月5日 電子顕微鏡写真