子供にどう話せばよいのか 1

大人になるまで待ちなさい

Source: Cannabis Consumers Campaign
Subj: Talk to your kids about Pot
Author: Mikki Norris
http://cannabisconsumers.org/reports/gettinghigh.php


中年になった今でもカナビス・ユーザーであるならば、たいていは、子供とカナビスの話になると途端に口が重くなる。若い頃には親に隠れてカナビスを使っていたはずだが、今では子供に隠れて使っている。

一部の人たちは、子供が大きくなるまではこの問題をさけるために、子供から離れてカナビスを使うのが無難だと感じているが、子供の前でアルコールを飲むのと同じように誠実でオープンに振る舞い、責任あるカナビスの使い方はどうあるべきが示して 「正常化」 を果たそうとする人もいる。

いずれの道を取ろうとも、子供たちの人生にかかわることでもあり、ともかくコミュニケーションを保ち続けることが重要だ。

親や大人たちは子供たちにとっては手本でもある。もし、カナビスをオープンに使うのであれば、子供に教える価値観や倫理観、振る舞い方についてしっかりとした意識を持っておく必要がある。カナビスの責任ある使い方の意味を示して、自分自身の無責任で不注意な行動の言い訳に使わないように教えなければならない。


最初に押えておくべきこと

まず、子供には、カナビスは現在違法になっているために、トラブルに巻き込まれると家族全体が深刻な社会的・法的な結果を招く恐れのあることをしっかりと教えなければならない。

また、価値観や生き方が違うと、ただそれだけの理由で憎悪して罰しようとする人も現実にいる。そのような偏見は正当なものではないが、現実には褊狭で卑劣な人もいることを教えて、カナビスを使うかどうかの選択は個人と家族の問題であって、家の外で議論すべきではないとよく納得させる必要がある。

次に、カナビスに対する法律は間違っていて、アルコールと同じように合法的にコントロールすべきだと考えていることを説明しなければならない。もし、あなたがカナビス法改革運動に加わっているのであれば、それを見た子供たちは、カナビス法を適正なものに変えて、アルコールやタバコと同じ社会的・法的なスタンダードで扱うようにしようとしていることを理解するようになってくる。

もし、少なくとも子供の前では、あなたがカナビス・ユーザーではなくても、カナビスについて話し合うことが重要であることには変わりはない。普段は、カナビスの話題が出てこないことを望んでいたとしても、準備を怠るべきではない。もし、子供たちがカナビスを使っていることに気づいた時には、その時がやってきたと考えて、叱るのではなく、自分もカナビスには関心があるとして話し合うようにする。


最初は子供の言うことに耳を傾けることが重要

子供とカナビスの問題は、取り組むべき適切な時期を見極める必要もある。多くの子供たちは10〜11才の時期に学校で反ドラッグ教育を受けるので、それから余り時間を置き過ぎてしまうのもよくないので、最終的には16才ぐらいまでに行うべきだろう。

対応は、事実をベースにした直接的なアプローチを取る必要がある。この世代の子供に対しては、頭ごなしの対応は好ましくない。もし、子供が学校で教わったことを持ち出してきたのなら、事実で嘘を指摘しながらその時の教材を見直して、率直に話し合う機会にするとよい。

深刻がらずに気軽に話し合う。しかしシンプルで分かりやすい必要もある。自分の経験を聞かせることには、それがそのまま跳ね返ってくることもあるので注意したほうがよい。例えば、「カナビスをやったことがないと言っているのに、どうして知っているの?」 とか 「父さんはやっているのに、どうしてボクはだめなの?」 とか逆に質問されたりする。だが、こうした話題には深入りせずに全体の話し合いの中で十分な時間をかけてこなしていくようにする。

何はともあれ、最初は子供の言うことに耳を傾けることが重要だ。子供との話合いの共通グランドを確立するためには、最初にカナビスについてどのようなことを知っているのが聞いておくことが役に立つ。子供たちの言うことをじっくり聞けば有用な情報がたくさん得られる。




●大人に許されていることでも、子供には不適切なものもあることを説明する

自動車の運転、契約、結婚、セックス、飲酒などの例をあげて、大人には許されていることでも子供には不適切なことがたくさんあることを説明する。カナビスを使うこともその一つで 「大人にも」 に許されていることで、十分に大きくなって責任を持った大人の判断ができるようになるまでやってはならないと教える。


●カナビスは遊びの道具ではないことを強調する

カナビスは、アルコールやタバコと同じように強力な効果を持ったドラッグであることを説明し、従って、大人のみに許されていて、リスペクトして扱わなければならないと教える。煙は気管支を刺激して悪影響を与えるだけではなく、どのようなドラッグでも、思春期の発達途上の体やホルモンの変化を乱す恐れがあることを説明する。

子供がすでに何らかの問題を抱えているならば、カナビスは解決の役には立たず状況をさらに悪化させる可能性のほうが大きいこと。登校前や学校でカナビスを使うと集中力や理解力に影響を与えるのでよくないこと、やり過ぎるとお金と時間の無駄使いになることを教える。また、カナビスを吸っていると、学校や家庭、あるいは警察で問題になることもあるので、自分自身のためにそうした問題を避ける必要があることを強調する。


●責任ある使用と乱用を明確に区別することを教える

人によってカナビスを使うパターンは異なり、月に1回とか数週間に1回というオケージョナル・ベースの人もいる。このような場合は乱用とは言わないが、毎日使っている人でも責任ある使い方をしている人も少なくない。責任ある使用が乱用と違うのは、他人の迷惑にならずにさまざまな社会活動を営みながら、リラックスや人生を豊にするために使う点にある。

これに対して、カナビスの乱用ユーザーは、カナビスを使うことが生活の中心になってしまって、その他のことには関心がなくなってしまう。中には、何年もあちことをさまよったあげくに、時間を無駄にしたのをカナビスのせいにしてしまう人すらいる。成熟した大人は、あまり後悔もすることなく人生を全開で生きている。自分の意思決定に責任を持ち、ほかに責任を転化したりしないで行動する。

こうしたことを説明して、「乱用」症候群に陥いって怠惰になったり言い訳をするようになったりすることは受け入れられないと明確に告げて、カナビスを使うにしても、あるいは使わないにしても目一杯実りある人生を生きてほしいと伝える。それが出来ないならば、少なくともカナビスをやってはならないと諭す。


●カナビスは他の違法ドラッグとは違うことを強調する

カナビスには毒性はなく、中毒することも非常にまれにしか起こらない。煙のよる悪影響を除けば、健康への悪影響もほとんどない。このことは他のドラッグには全く当てはまらない。天然のハーブそのものであるカナビスは、加工したピルや粉とは本質的に異なっているとシンプルに線引きして理解を促すことが大切だ。

もし、子供がすでにハードドラッグにも手を出しているか、その手前にいる場合は話し方も全く異なってくるが、すべてのドラッグが同じようなものでなく、一つ一つ効果やリスクが違うことを教える必要があることには変わりはない。


●説明は率直で、大げさにならないように注意する

なぜ子供はカナビスをやってはならないのか説明するときには、事実に基づいて行うことが大切だ。何よりも信頼を失わないようにすることを第一にしなければならない。カナビスを悪魔扱いしたような説得の仕方では、やめさせることはできないばかりか、信頼も損なわれてしまう。カナビスの効果を誇張すれば、反抗期の若者の目には逆に魅力的に見えてしまう。

親として、子供の健康と安全にはどれほど気にかけて、カナビスがそれらを脅かす可能性のあることを心配していると説明する。カナビスを吸うことは法律で禁止されているので、深刻な法律問題にまで発展することがあると強調する。

その上で、法律が間違っているので、カナビスの個人使用に関してはアルコールと同じように年齢制限を設けて、課税して規制管理するように改めるべきだと考えていると説明する。

いずれにしても、子供たちは時期が来れば、カナビスを使うか使わないかの判断を自分で下す。この選択は、大人になるノーマルな過程の一つだと言える。その過程の中で、子供たちは偏見と誤った情報に晒されるが、仲間と話し合うことで、回りの人がカナビスや他のドラッグでどうなったか学んでいく。

用心のために、カナビスの使用開始をできるだけ先になるように試みることも必要だ。節度を促すことは、カナビスが大人の生活の一部だと分からせるにも役立つ。また、しかるべき時期が来たときには責任のある選択をしてほしいと伝える。

従って、親だけではなく子供にとっても、単にドラッグだけではなく、子供の健康と安全にかかわる人生の選択のすべてについて、正確な情報やガイダンス、開かれたコミュニケーションで武装することが決定的に重要な意味を持っている。


●親としての心構え

親とすれば、子供たちにはカナビスを使ってほしくないし、話題にもならず面倒なトラブルも起こらないでほしいと願っているかもしれないが、子供の信頼を失わずに、子供の将来に関心を持って、アクティブに関与していけば、それに勝る授業はない。


●子供が十分に大きくなる時

カナビスの問題を最も安心して話せるようになる年齢は、自分自身の責任で行動の選択ができるようになる法的に成人になってからだ。それで子供との関係が変わるわけではないが、少なくとも法的責任は親の手元から離れる。

子供たちは、何らかの行動を起こす前に法的な結果がどうなるのか知る必要が出てくる。責任を持ってカナビスを使うことができるようになるためには、適切の成熟して責任を取れるようになっていなければならないが、無責任の行動の結果をカナビスの所為にするようでは、まだその状態に達していないと看做さなければならない。


●未成年のカナビス使用が問題を起こすとどうなるか

未成年においても、カナビスのほうがタバコやアルコールよりもがすっと体に安全だが、カナビスに対する法的な罰則は非常に厳しいことも知っておく必要がある。課外活動に参加する権利や運転免許や奨学金を失うこともある。目標の大学に入学するのが難しくなったり、犯罪歴が残ることもある。

用心深さが絶対に必要だ。もし、子供がこれまでにトラブルを起こしたことがないと言うのであれば、あえてそれを否定してやり込めても子供たちは聞き入れない。そんなときには、今後もトラブルを起こさないように言う程度で十分だが、万一トラブルが起こって親の助けが必要になったときには十二分に手助けをする心構えも必要だ。もっとも、そのようなことは冗談でも話すべきではないが。


●カナビスの栽培や販売は、使用とは違う

カナビスに関して最も法的に重い罰則は、栽培や販売、あるいはそれらの共同謀議になっている。カナビスは、美しい植物であるばかりではなく栽培するのも簡単なために、一部を売って費用の足しにしようとする誘惑も大きい。

だが、栽培や販売には手を出さないほうがよい。しばしば、私服の警官が、罪のない人を説得して買いに行かせて罠にかけようとしたりする。カナビスの個人目的の所持と、栽培や販売・流通では罰則に極めて大きな違いがある。