オランダ、室内栽培場の摘発強化で

カナビスの効力が下降、価格は上昇

Source: NIS News
Pub date: Oct 3, 2007
Title: Dutch Cannabis a Bit Less Powerful
Author: Gema Martinez
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=12880

オランダ・トリンボス研究所が昨日発表した報告によると、オランダのコーヒーショップで販売されているカナビスの効力が下がってきていることが分かった。カナビスの主要な活性成分であるTHCの平均濃度は、2006年の17.5%から2007年には16%に減少している。

トリンボス研究所は、オランダ保健省の依頼でコーヒーショップで販売されているカナビス製品の効力について調査をしているが、1999年の調査開始以来THC濃度は確実に上昇を続け、2004年には20%以上にまで達している。しかし、それをピークに、それ以降の情勢は反転の兆しを見せていた。

しかしながら、コーヒーショップのTHCの濃度は、野性のカナビスの平均濃度(2〜5%)に比較すれば依然としてはるかに高いレベルにある。これは、オランダのカナビス栽培が高度に洗練された栽培技術と器具を利用して行われているからで、しかも、グローショップに行けばそうした情報と器具を誰でも簡単に購入することができることが背景になっている。

カナビスの小売価格についても調査が開始された1999年以来少しずつ上昇を続けてきたが、今年は昨年に比較して20%も急騰している。また、輸入されたハシシの価格も上昇している。

現在のカナビス1gの平均価格は7.3ユーロで、トリンボス研究所は「価格が高騰とTHC濃度の減少は、警察のよるカナビス栽培者の取締りが強化されたことが影響していると思われる。供給が減ったことでコーヒーショップでの価格も上昇した」 と説明している。

もう一つ目を引く結果として、輸入ハシシのTHC濃度が減少を続けていることがあげられる。2006年が18.7%だったものが2007年には13.3%に大幅に減っている。価格については若干の上昇にとどまっているものの、7.3ユーロから7.7ユーロに上がっている。

「ハシシの濃度減少については、大半の供給源になっているモロッコの気候が悪くて、収穫量が減り品質が低下した可能性が考えられます。また、もう一つの別の要因としては、モロッコ政府のハシシ政策が厳しくなり、生産量と輸出量が減ったことが考えられます。」

また、他の記事 によると、カナビスの供給の減少と価格の上昇は、一部のカナビス製品に細かい砂やガラスビーズが混入されていたことが原因だとしている。(異物混入バッズの疑惑、処理済ウィードが出回っている?

また、ロッテルダム警察は、2005年と2006年に600の室内栽培場を摘発したと発表している。それでも市内には約6000人の生産者が残っている。当局の見積では、オランダ国内には4万の室内栽培場があるが、ロッテルダムで照明用の電灯線の火熱による火災が1ヶ月に2件も発生したために、全国的に手入れが強化されることになった。

栽培場の摘発強化のよるカナビスの品質低下と価格上昇の関連については、以前の記事 に次のような指摘もある。

「取締りの強化で、きちんとした栽培者は栽培しなくなっています。余りに危険だからです。組織犯罪者たちは大規模な栽培工場で品質が悪く値段ばかり高いものを育てています。ショップ側が理想とする栽培者はどんどん減っています。われわれが25年もつき合ってきた仲間も次々にやめてしまっています。」

現在では、高度に組織化されたギャングがカナビスの栽培と供給をコントロールしている。ギャングは栽培器具を用意し、普通の低所得者たちを狙って多額の現金を見せつけ、自宅の地下室やガレージや屋根裏などでカナビスを栽培させている。

つまり、カナビスの栽培リスクが高くなって優良な栽培者が脱落して供給量が減れば、ギャングの独占状態がますます強くなり、栽培者のスキルの低下が品質の低下をもたらす一方で、価格は上昇し、遺物の混入も増えることになる。

実際、イギリスでは取締り強化によって、異物の混入した危険なソープバーやガラスビーズの入った グリットウィード などが出回り、保健省が警告 を出す事態も起こっている。