以下は談話室への野中さんによる書き込みです。
TIME
U.N. World Drug Report
By M.J. Stephey Thursday, Jun. 25, 2009
国連薬物犯罪事務所による今年の報告書は,去年はしなかったある事をした:それは、薬物の法律を全て廃止することを支持する人々の発する”増大する声” に向けて呼びかけた。そして、その著者は麻薬を合法化することは”大きな誤り”であると主張するが、事務所所長アントニオ・マリア・コスタは、規制を緩和することはそれほど悪い考えではないかもしれないことに同意した:”我々が、アメリカにおける1920年から1933年の間のアルコールに関する失敗した試みから学ばなければならない様に、あなたは、禁止法の下では効果的な規制を行うことは出来ない。”
guardian
UN drug chief: drug use should be treated more as an illness than a crime
Duncan Campbell guardian.co.uk, Wednesday 24 June 2009 15.06 BST
薬物使用は犯罪というよりは病気として取り扱われるべきである、国連薬物犯罪事務所所長は世界的なコカインとヘロインの生産の減少を主張する際に発言した。
国連薬物犯罪事務所所長アントニオ・マリア・コスタは”薬物を摂取する人々は、刑事的な懲罰ではなく、医療的な支援を必要としている”と述べ、薬物治療への普遍的なアクセスを要請した。薬物需要の大部分は深刻な薬物問題を抱える人々によってもたらされるものであるので、この問題を治療することは、マーケットを縮小させる最善の方策の一つである。
国際的な司法当局に対し、使用者より密売人を標的とすることを求める彼の要請が行われたのは、合成麻薬の世界的な増加が発表された時だった。
麻薬規制法改正運動家はコスタの発言を”麻薬戦争”に関する議論における重要なサインとみなした。しかし、彼は合法化は解決策ではないと言った。
---(中略)---
より強力な大麻
概算は正確ではないが、大麻は依然として世界中で最も広く栽培され、使用されている薬物である。データはまた、それは一般的に信じられているよりも有害であることを示していると報告書は述べる。
北アメリカにおける水耕栽培の大麻の平均THC含有量(有害な向精神性の成分)は、十年前のおよそ倍になった。”治療を求める人々の重大な増加が示しているように、これは健康に大きな影響を及ぼしている。”と報告書は述べる。
大麻の世界最大のマーケットは、北アメリカ、オセアニア、西ヨーロッパである。コカインについては、北アメリカと西ヨーロッパの一部の地域は依然としてメインマーケットであり、イギリスは最大数の使用者を抱え、スペインは最大の一人当たりと押収の数を示している。報告書は開発途上国のデータは不完全であることを認めた。
およそ1億6700万人の使用者が2007年に少なくとも一度大麻を使用した。報告書における発見の一つはヨーロッパの若者の間での大麻使用の減少であった。これは報告書の筆頭著者の一人である、サンディープ・チャウラ博士によって、より強力な品種、特にスカンクの潜在的副作用に対する懸念に対する反応とみなされた。
(※全体的な翻訳が”今日の覚書、集めてみました"様にて公開されております。無許可でリンクを貼らせて頂きました。)
我が国ではあまり報道されていない World Drug Report 2009ですが、世界各紙の報道をみると2008年から2009年の間に大きな転換があったようです。これもオバマ効果でしょうか?
主な転換点は、国連薬物犯罪事務所所長アントニオ・マリア・コスタ氏が『薬物使用は犯罪というよりは病気として取り扱われるべきであること』、『国際的な司法当局に対し、使用者より密売人を標的とすることを求める』ことなどを明言した点にあると思います。
我々はこれを踏まえて、大麻は他の危険な依存性薬物とは分離して独自の規制を行うべきであることや、アルコール依存症は治療が必要な病気であるが、節度ある通常の飲酒は治療すべき病気でも矯正すべき悪癖でもないのと同様に、節度ある大麻の使用は病気や悪癖ではなく、逮捕・拘禁を伴う刑罰によってこれを規制することは重篤な人権侵害であることなどを広く社会に訴える必要があります。
外務省によると、『薬物統制計画基金に対する我が国の拠出は、2005年は約250万ドル(全体に占める割合3%)で世界5位、2006年は約217万ドル(同2.3%)で第11位となっている。』そうです。
もっと情報を公開して国民に役立ててもらいたいものです。
(※THC注:参考情報)
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