●財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターとマスコミの薬物乱用問題への姿勢(特に大麻問題)
ここまで薬物乱用問題について述べてきたが、では厚労省下財団法人自称麻薬防止センター(以下薬物乱用絶対ダメセンター、即ちダメセン)ではどの様な見解と対策を持っているのだろうか。
ホームページを除いてみると、特に大麻と覚醒剤について声を大にして叫んでいる様子である。さらに大麻については、全く根拠のない事を言っているのだが、これについてはダメセンもとっくにその事実を知っており、そのこと自体が既に周知の事実だ。
大麻については、検挙者数が覚醒剤についで2番目であるが、そういう事実は日本の薬物による精神疾患患者のデータと無関係である。又、アルコール依存症、薬物依存症、中でも覚醒剤中毒者に対しての記述もおざなりだ。考えてみると、麻薬防止センターの統計データとしてあるのが、麻薬薬物取締5法における検挙者数を第一に上げているというのも疑問だ。上記の二つのサイト、「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査(PDF)」や「赤城高原ホスピタル」で述べられている記述及びデータとは全くコミットしていないと言える。
主な活動は、特に覚醒剤と大麻にの害についての宣伝、教育活動の様に見えるが、本当にこの様な組織が日本のアルコール依存を含めた薬物乱用の害削減に対し必要なのだろうかと、根本的な疑問もわいてくる。ダメセンは「取り締まり」だけが目的の警視庁傘下の一部署の様な活動がその本質の様に見えるが、それで良いのだろうか。
薬物乱用者は治療を要する病人ではなく、取り締まりの対象でしかないのだろう。覚醒剤以外の、麻薬ではない薬物乱用問題も深刻な状況のとき、啓蒙活動は大麻問題など放ってき「体に有害な薬物の乱用」に取り組むべきだと思う。だからシンナーの害が蔓延すると言われても仕方がないと思う。
現に厚労省のサイト「薬物乱用防止に関する情報のページ」では、『薬物乱用とは、ルールに反した「行い」に対する言葉で、社会規範から逸脱した目的や方法で、薬物を自ら使用することを言います。』と決めつけている。正しくは「乱用すると体に危険な害のある薬物の乱用」というべきではないか?
医師の処方による睡眠薬などの過剰摂取(サジ加減の過誤によるもの)もルールに反した行いになるのか?という事になる。ルールに反しなければ薬物乱用と言わないのか。こういうのは依存症になってから事後的に薬物乱用だったという事が多く、単に社会規範から逸脱したでは片付けられない。「被害者、場合によっては犯罪者」を防ごうという発想が欠けているのではないか。
患者が要求したことによる医師の処方が原因だとしても、過誤か不法か必ずしも断定できない。あるいはリタリンの過剰投与による医師の逮捕例もある。この場合、「自ら使用すること」と簡単には言えない。『「薬物乱用」とは、一種類以上の『薬』を使用しすぎて健康を害すること』とも言えるだろう。
(この項つづく)
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