鳩山政権で社民党の福島瑞穂氏が担当していた薬物乱用対策推進会議担当大臣が菅新政権では誰になったのか、内閣府に電話で確認した。
共生社会政策のご担当によると、新たに同ポストに就任したのは、荒井聡国家戦略担当相(北海道3区)の兼務とのこと。
社民党の福島党首は、薬物乱用対策について、昨年11月に開かれた衆院の「青少年問題に関する特別委員会」で次のように述べている。
『私自身も弁護士として、覚せい剤中毒や、覚せい剤使用の人たちを、少なからず、会ったり、見てきました。フラッシュバックが起こったり、ショックで病院に運びこまれたり、命の危険を感ずるほど、甚大な被害が、生命や身体や精神に対して起きるにも関わらず、まだその怖さがしっかり伝わりきれてないところもありますし、それから、ダルクや、いろんなNGOの活動もありますけれども、まだまだ支援、予防と支援、両方とも取り組まなければならないことがたくさんあると思っております。』
これは大麻種子や大麻の使用に罰則を適用すべきだと主張している民主党の初鹿衆議院議員の質問に答えたものだ。
民主党は、野党時代には何度も法案を提出していた取り調べの可視化についての対応が後退しているように見受けられるし、高速道路無料化や、「国外、最低でも県外」とした普天間問題のように、マニフェストで示した政策や、昨年の総選挙の際に党首が明言した内容を実現できず、迷走している印象が強い。
薬物政策に関しても、「民主党政策INDEX2009」では、「薬物依存・中毒者への治療と自立支援、家族への相談支援を整備します」とし、保健衛生の観点からのアプローチを掲げているが、その一方で初鹿議員のように大麻の科学的事実を検証することもなく罰則の強化を求めるトンチンカンな議員も存在し、官僚の抵抗も考え併せると、先行きはとても不透明だ。
菅新政権のもとで、薬物乱用防止政策全般や、大麻規制の扱いはどうなるのか。大麻報道センターとしても注視するとともに、7月に予定されている参院選の前に各党に対するアンケートを行い、その過程で各党の政策立案担当者に大麻の事実を伝え、ロビー活動としたいと考えている。
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