●有害・無害二元論や二分法では何も生み出さない
禁止法には害削減という考え方はない。反対派は大麻を1本でも吸えば害があるとして、医療大麻ユーザーも、つきあいでたまに吸うようなオケージョナル・ユーザーも、毎日何本も吸うヘビーユーザーも、全然区別せずにすべてのユーザーを乱用者 (Abuser) と呼ぶ。ひとかけらの大麻でも所持していれば、犯罪人の烙印を押す。
このような乱暴な二分法では、結局、害を減らすことはできない。逆に、禁止法は、大麻そのものでは起こり得ないような苦しみを人にもたらし、社会に多大な被害を与えている。さらに、犯罪組織の膨大な利益の源泉にもなるという本末転倒な機能も果たしている。
有害・無害二元論や二分法は何も生み出さない。何事についても、鋭く対立する意見はどちらも正しくない。古典力学では、光の波動性と粒子性という対立する性質を矛盾なく説明することはできなかった。だが、古典力学を越えた全く新しい量子力学では当然の現象として説明される。
大麻の場合も、有害・無害二元論を越えた新しい取り組みが必要とされている。合法化と組み合わせた害削減というコンセプトは有害・無害二元論を越えたところにある。十分とは言えないかもしれないが、オランダのコーヒーショップはそれを体現した例のひとつと言える。
確かに、大麻には害がある。しかし、それがどのようなものなのかを知り、大麻をリスペクトして害削減や教育に努めれば、害は最小限に抑えることができる。
Source: カナビス・スタディハウス カナビス無害論の罠
Pub date: Sep 3, 2006
Author: Dau, Cannabis Study House
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