車に不具合が発見され、数十万台単位で自動車メーカーが回収(リコール)するといったニュースに触れることがある。自動車の欠陥は人命に直接関わることだから、リコールせずに放置した場合、事故に至る危険がある。
その点、報道はお気楽な商売のようだ。
よっしーさんが談話室で
「大麻やマリファナって、なんだこの記事w
ドラッグについて書く人間が、ドラッグの事知らなさ過ぎる。」
と突っ込みを入れた毎日新聞ウェブ版の件、報告が遅くなりましたが、記事を出した神戸支局の支局長さんに修正を申し入れてからの続報です。
私が指摘したのは、「大麻やマリファナなどさまざまな種類のドラッグ」という記述について、これでは大麻とマリファナが別のものだと誤解を招くので、修正して頂きたいということでした。このような意味不明な記述を新聞が平気で書くから、日本ではマリファナと覚せい剤を混同しているような人が多いのではないだろうか。
最初、支局長さんは、大麻とマリファナは必ずしも同じものではない、とか言っていたが、だって、マリファナって日本語に訳すと大麻でしょ?という私の問いに、支局長さんもそれはそうですね、と。
「薬物乱用防止:「1回やったら死ぬ」 京都ダルク、神戸・井吹台中で講演 /兵庫」と見出しの付いたこの記事は、ウェブ版だけでなく、新聞紙面にも掲載されたとのこと。新聞の賞味期限は1日で、翌日になれば古新聞だけど、ウェブの記事は掲載されている間、関連する言葉で検索され、読まれ続けるという特性がある。だから、紙面に出した記事を訂正してくれとは言わないけど、ウェブ版については誤解を招かない表現に修正してほしい。
私がそう伝えると、支局長さんは、「ネットの記事だって1・2週間で消えますけどね」と、およそこれが新聞人の言うことかと呆れるようなことを言う。
で、検討して回答をくれることになっていて、翌日(12/8)に電話があった。支局長さんの説明によると、本社とも相談したが、指摘の箇所は、大麻とマリファナが別のものだと書いているわけではなく、この記事は薬物乱用防止の取り組みを紹介することが目的なので、修正には応じない、ということでした。
「大麻やマリファナなどさまざまな種類のドラッグ」を「1回やったら死ぬ可能性がある」というこの記事を読んで、よっしーさんや当サイトの常連読者のみなさんなら、嘲笑混じりに「なんだこの記事w」という反応になるだろうけど、知識のない人が読んだら、大麻とマリファナは違うモノだと思うだろうし、この記事には他のドラッグ名は出て来ないので、1回でも大麻やマリファナをやると死ぬ可能性があるのだと思い込んでしまうのではないか。
支局長氏が「ネットの記事だって1・2週間で消えますけどね」と言ったこの記事は、毎日新聞の程度の低さを晒すかのように、今もまだ公開され続けている。
「1回やったら死ぬ」
「大麻やマリファナなどさまざまな種類のドラッグ」
「1回やったら死ぬ可能性がある」。
薬物政策への疑いなど微塵もなく、ダルクを取り上げながら依存者対策の貧困にも触れず、行政に対する批判精神が欠片もない、混乱を深めるばかりの、おバカな提灯記事。
「大麻やマリファナって、なんだこの記事w」
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- 欠陥記事はリコールを-毎日新聞神戸支局長の回答- (2010-12-30)
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