2-参-厚生委員会-15号 昭和23年06月24日
昭和二十三年六月二十四日(木曜日)
午前十時四十七分開会
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本日の会議に付した事件
○麻藥取締法案(内閣提出、衆議院送付)
○大麻取締法案(内閣提出、衆議院送付)
○興行場法案(内閣提出)
○旅館業法案(内閣提出)
○公衆浴場法案(内閣提出)
○民生委員法案(内閣送付)
○厚生年金保險法等の一部を改正する法律案(内閣送付)
○医師法案(内閣送付)
○保健婦助産婦、看護婦法案(内閣送付)
○歯科衛生士法案(内閣送付)
○歯科医師法案(内閣送付)
○医療法案(内閣送付)
○國民健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○委員長(塚本重藏君) 只今より開会いたします。本日は麻藥取締法案、大麻取締法案、興行場法案、旅館業法案、公衆浴場法案、民生委員法案、厚生年金保險法等の一部を改正する法律案、医師法案、保健婦助産婦省護婦法案、歯科衛生土法案、歯科医師法案、医療法案について、厚生大臣より逐次提案理由の説明を聽取いたします。
○國務大臣(竹田儀一君) 只今議題となりました麻藥取締法案について御説明いたします。阿片、モルヒネ、コカイン等のいわゆる麻藥は医療上欠くことのできない藥品でありますが、他面これらを濫用することによつて惹起される害毒が甚大でありますことは過去の歴史が示しておる通りであります。誠に麻藥の取締いの如何は民族の興亡に影響するといつても過言ではありません。從つて麻藥の害毒を排除しつつ一方医療上学術上必要なものを確保し以て國民医療の完璧を期するためには、國内的にも國際的にも適切且つ強力な施策が講ぜられなければならないことは申すまでもありません。
政府におきましては、戰後國内の麻藥の取締りを一層強化するため、幾多の省令を制定し、各般の施策を講じ、鋭意遺憾なきを期している次第でありますが、その後情勢の変化に伴い法規の改廃を要する点もあり、又一方には日本國憲法実施に伴いその精神に則つて、新しく法律を制定し以て取締りの万全を期すると共に、國際的協力の完璧を図るため、本法案を制定した次第であります。
本法案の構成といたしましては、「総則」「免許」「麻藥取扱者」「監督」「雜則」「罰則」の六章及び附則からなつておるのでありまして、全條文は七十五條であります。
次にこの法案の骨子といたしまするところを説明いたします。先ず麻藥の不正取引及び不正使用を防止するため麻藥を取扱う者はこれを免許制とし、この免許を受けた者以外の者は麻藥を取扱うことを禁止いたしておるのであります。
次に麻藥の中毒者の中、特に公安を乱す者等については、これを取締り、これが絶滅を期する次第であります。
次に麻藥の取引の系統を一定すると共に、取引を要式行爲とし、又麻藥取扱者に記帳義務を課して、麻藥の所在及び移動の責任を明確たらしめることといたしたのであります。
次に行政機関が麻藥の製造、在庫、消費等につきましての適切な施策を行い得るため、麻藥取扱者に対して所定の報告を徴することといたしました。
最後に阿片法及び勅令第五百四十二号に基ずく四つの厚生省令(昭和二十年省令第四十四号、同年省令第四十六号、昭和二十一年省令第八号、同年省令第二十五号(は、これを廃止いたしまして、今後麻薬の取締りに関しましては、本法により一元的に処理し得ることといたしたのであります。
以上麻藥取締法案の骨子につき大要の御説明を申上げたのでありますが、何とぞ御審議の上速かに可決せられんことを切望いたします。
次に只今議題となりました大麻取締法案について御説明いたします。大麻草に含まれている樹脂等は麻藥と同樣な害毒を持つているので、從來は麻藥として取締つて参つたのでありますが、大麻草を裁培している者は大体が農業に從事しているのでありまして、今回提出されています麻藥取締法案の取締りの対象たる医師、歯科医師、藥剤師等とは、職業の分野が甚だしく異なつています関係上、別個な法律を制定いたしまして、これが取締りの完璧を期する所存であり、本法案を提出する理由であります。
本法案の構成といたしましては、「総則」「免許」「大麻取扱者」「監督」「雜則」「罰則」の六章及び附則からなつておるのでありまして、全條文は二十三條であります。
次にこの法案の骨子といたしまする処を説明いたします。先ず大麻の不正取引及び不正使用を防ぐため大麻を取扱う者は、これを免許制とし、この免許を受けた者以外の者は、大麻を取扱うことを禁止しておるのであります。次に大麻の取引を要式行爲とし、又大麻取扱者に記帳義務及び報告義務を課して大麻の移動の責任を明らかにしたのであります。勅令第五百四十二号に基ずく大麻取締規則を廃止したのであります。以上大麻取締法案の骨子につき、大要の御説明を申上げたのでありますが、何とぞ御審議の上速かに可決せられんことを切望いたします。
(後略)
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