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大麻取締法違憲論裁判 > 桂川さん裁判
第4回公判調書(手続) 前編
桂川さん裁判 : 投稿者 : hairen 投稿日時: 2014-11-19

平成25年(わ)第174号等

第4回公判調書(手続)

被告人氏名 桂川直文(出頭)

被告事件名 大麻取締法違反

公判をした年月日 平成26年7月7日

公判をした裁判所 長野地方裁判所松本支部

裁判官  本間敏広

裁判所書記官 望月久史

検察官  高橋朋

出頭した弁護人 森山大樹

出頭した証人 白坂和彦

証拠調べ当

証拠等関係カード記載のとおり

今後の進行等

弁護人

追加立証の請求を予定しています。

指定告知した次回期日(弁護人請求の同意書証書調べ)

平成26年7月18日午後4時30分

平成26年7月25日

長野地方裁判所松本支部

裁判所書記官 望月久史

弁護人

まず、あたの経歴について、簡単にお話していただけますか。

 はい。私は1962年、昭和37年生まれです、52歳です。高校までは普通に進学しましたけれども、現役での大学受験に失敗して、浪人中にそのままの人生に疑問を感じて日本をでることを決意して渡米しました。2年半ほどアメリカにいましたけれども、その間に大麻を覚えました。帰国後は普通に就職をして、歯車のメーカーに勤め、総務で給与計算や社会保険事務を担当していました。6年ぐらい勤めました。あと、15年ぐらい前にその会社を退職しまして、独立してインターネットの自営業を営んでいます。現在は、株式会社アサヤケというCBDの輸入販売会社を立ち上げて、桂川さんと一緒に経営しています。

何か大麻に関する活動はされていますか。

 はい。

何をされていますか。

 私は現在、、大麻報道センターという大麻の合法化を求める運動体を主催しています。

その活動を始めたのは、いつ頃ですか。

 大麻報道センターを始めたのは十年ほど前ですけれども、大麻合法化運動を始めたのは、十五、六年前のことです。

大麻の活動を始めたのは、どうしてですか。

 私は自分が酔っぱらう目的で、ずっと大麻を吸っていましたけれども、その十五、六年前に大麻ががんに効くとか、医療的な効果があるということを知り、それまでも、ただ好きで吸ってるものを逮捕するのはおかしいと思っていましたけれども、医療的に使うことすら懲役刑で禁じているという現実を知って、これは合法化運動に関わって、大麻自体を合法化するしかないと思って始めました。

大麻合法化の運動というのは、何をするのか簡単にお答えください。

 まず基本的な運動として、海外の大麻に関する正しい情報を発信しています。それと、あと、大麻で逮捕された人たちの裁判支援、あるいは相談対応、それから、政治家への働きかけ、マスコミへの働きかけなどを行っています。

他には何かされてませんか。

 相談対応と、あと、政治家への働きかけもしています。

正しい大麻情報を発信するということに伴って、間違った情報の是正なんかは求めていないんですか。

 日本では「ダメ。ゼッタイ。」ホームページという厚生労働省の外郭団体が発信している大麻情報が公的なものとされていますので、その情報を是正するように求める活動を、この10年以上にわたって取り組んでいます。

先ほど大麻報道センターというのが出てきましたが、これは組織ですか。

 きっちりした組織図や規約がある組織ではありませんけれども、私が主催して、大麻合法化運動に賛成してくれる志を同じくしてくれる人たちと協力しあって、個人の緩やかな連帯による運動体として展開しています。

何名くらいが関わっていますか。

 スタッフ的に関わってくれている人たちが、運営側が15名ぐらいいます。それから、読者会員として、毎月の購読料を払って会員登録してくれている読者会員が約50名ぐらいいます。

どのような立場のかたが関わっているのですか。

 スタッフとして関わってくれている人の中には、大学病院の小児内科のドクターや、あるいは別の大学病院の腫瘍内科の医学博士、あるいは翻訳家のかた、薬剤師のかた、インターネットのプログラムのプロのかた等、いろいろ専門知識をお持ちのかたに手伝っていただいています。

大麻報道センターでは、何を行っているのですか。

 基本的に大麻の合法化を求めて活動しています。

具体的に何をされていますか。

 具体的には、インターネットのホームページにおいて、海外の大麻に関する学術論文の翻訳を提供したり、日本語で、日本社会に提供したり、あるいはマスコミによくでたらめな大麻情報などが出ますので、マスコミにもその訂正を求めたり、あるいは、政治家や政党に対して大麻取締法についての見解を問うたり、見直しを求めたり、それから、あとは、そんなことでしょうか。

大麻に関する情報というのは、海外から得るのですか。

 そうです。日本では大麻の臨床試験も禁止されていますので、正しい情報がありません。

海外のどのようなところから情報を得るのですか。

 主に翻訳の基にしてるのは、アメリカの大麻合法化団体のノームルというのがありますけれども、そこが毎週3本ほどニュース記事として各地の研究報告や社会的な情勢について記事を出しておりますので、それを主に翻訳しています。それと、あとは学術論文に関しては、パブメドといったアメリカの医師会の図書館ですけれども、そこの学術論文ですね、カンナビノイドに関する学術論文などを翻訳して、日本社会に提供しています。

ノームルという組織が出してる情報というのは、ちゃんとした根拠はあるのですか。

 はい。ノームルの記事には必ず出展が付いていまして、それが今お話ししたパブメドだったり、アメリカ医師会の文書だったり、学術論文を翻訳しています。

そうすると、大麻報道センターは、そういった外国の情報を翻訳してホームページで提供しているということですか。

 そうです。

翻訳されているのは、どのようなかたですか。

 一般的に、日常的な活動での翻訳は一般の社会人のスタッフに翻訳お願いしていますけれども、監修、医学的な用語には難しい表現などもありますので、そのような表現に関しては、プロの翻訳家のかたに翻訳お願いした上で、それを今度、医学博士のドクターのかたや、あるいは内科医の先生なんかに見てもらって、表現や語意についてチェックを受けています。

そうすると、大麻報道センターで提供している情報というのは、しっかりとした裏付けがある情報だということですね。

 そうです。

情報の更新は、どれぐらいのペースで行われていますか。

 私が今回捕まってしまってからは、ちょっと皆さん引き気味になってしまって更新頻度が落ちていますけれども、盛んな頃で一日に二、三回の更新をしています。

海外では一日に二、三件の大麻に関する情報が出ているということですか。

 もっと、たくさん出ています。

大麻報道センターのホームページなのですが、閲覧数はどれぐらいですか。

 現在、1日に56000ページがアクセスを受けています。

じゃあ、次の質問いきます。先ほどのお話だと、日本の大麻情報の是正を求める活動もされているということでしたね。

 はい。

日本の大麻情報というのは、何を指しているのですか。

 日本では皆さんもよく御存じかと思いますが、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページという厚生労働省の外郭団体が、これは、財団法人麻薬覚せい剤濫用防止センターというところで、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページを運営しているので、私たちはダメセンと呼んでいますが、そのダメセンが公開している「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻の情報が日本では公的な大麻情報とされて、教育現場などでも使われています。

もう一度、整理しますが、私も以下、ダメセンと呼びますが、ダメセンというのは、どういう団体ですか。

 これは厚生労働省の外郭団体でして、大麻に限りませんけれども、違法薬物の有害性などについて国民に啓もうし、薬物の正しい知識の普及を目的として掲げている財団法人です。

ダメセンは薬物の正しい情報等の普及っていうのを、具体的にどのようにされているのですか。

 インターネットのホームページで各薬物の情報を発信している他は、キャラバンカーを使って、各地の教育機関、学校だとか公民館を回って薬物教育をされたり、あるいは、公民館などにもよくポスターがはってありますけれども、そういった薬物、大麻を含む薬物の情報提供をしているところです。

ダメセンは厚生労働省の外郭団体ということですか。

 はい。

そうすると、ダメセンが出す情報内容というのは、厚労省の見解ということでしょうか。

 はい。私がそのダメセンの大麻情報がでたらめであることを突き止めて、その改正を求める活動に取り組んでいた約10年ぐらい前には、ダメセンのホームページのトップページに、このホームページは厚生労働省の委託を受けて運営していますというふうに書かれていましたが、私が、なので、厚生労働省や厚生労働省の担当部局、監視指導麻薬対策課になりますけれでも、そこにも情報の訂正を求めるなどの活動をしていたところ、ダメセンのホームページのトップから、このホームページは厚生労働省の委託を受けて運営されていますという文言だけが、いつの間にか消えてしまいました。しかし、内容はそのままですので、相変わらずそのままですので、厚生労働省に責任がある情報です。

ダメセンは大麻について、どのような状況を出しているのですか。

 ダメセンの大麻情報は、大麻は諸悪の根源ですというふうに書いてありまして、白血球が減少するとか、不妊になるとか、脳が破壊されるとか、全く医学的に確認のされていないでたらめな情報を発信されています。

その情報の根拠というのは分かりますか。

 はい。私は厚生労働省に対してもダメセンに対しても、情報公開請求を出しました。これは当初、厚生労働省もその情報の出どころをごまかしていたのですが、私が取材して確認したところ、これは20年以上前にダメセンがアメリカ、テキサス州から輸入販売をしていた薬物標本でレプリカですね、アタッシュケースみたいなものに入った薬物標本の、その説明書、英語の説明書ですけれども、それを翻訳したものにすぎず、その英語の原文には、この情報は必ずしも科学的に正しいものではありませんというふうに書かれているものです。

その説明書の内容というのは、現在の大麻に関する研究内容と同じでしょうか。

 いえ、全く違いますし、そもそもそのパンフレット、その薬物表本見本を売っていたアメリカのテキサス州の団体も、今やそんな古い情報は使っていません。

現在の研究内容と、どういった点が違うのでしょうか。

 現在は、大麻に関しては特にカンナビノイドの医学的な効用が注目されておりまして、カンナビノイド相互の相乗作用などに研究が集中していますけれども、日本では全くそういうことがなされておらず、情報も古いまま放置されています。

ダメセンの情報は大麻に関する古い情報ということですか。

 古いだけでなく、間違った情報だということです。

日本の大麻情報の是正を求めるということでしたけれども、具体的には何をしていますか。

 まず私は、その情報がアメリカの薬物表本見本の説明書だということにたどり着きましたので、先ほどからお話ししている医学博士のかたに、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報が正しいのかを医学的に検証していただいて、ダメセンと厚生労働省に修正するように要望書を提出したり、電話で要望をしたりしています。

ダメセンに直接電話をしたのですか。

 はい。何度も何度もダメセンにも、厚生労働省にもしています。

ダメセンに電話したときは、どなたが電話に出ましたか。

 10年前のこの活動を始めた当初は、厚労省の天下りの糸井専務理事というかたが対応されていましたが、その後、別の天下りが渡りでやっていきて、富澤専務理事というかたが今はお勤めになっています。

糸井専務理事は、ダメセンのホームページの内容について何か話していましたか。

 はい。情報が、これは8年前ぐらいですかね、糸井専務理事は、確かに大麻の情報が古くて見直す必要があるというふうにお認めになりまして、来年度予算が付いたら外部の有識者に委託をして情報の内容を検討し、それをホームページにも反映させるというふうにお話ししていました。実際にその翌年、予算が付きまして、実際に見直しがかかり、外部の有識者にも委託され、その情報が既に富澤専務理事の手元にあります。

検察官

裁判長、今の証言内容ですけれども要証事項について確認お願いします。内容によっては異議を出す可能性がありますので、是非お願いします。

裁判官

はい。

弁護人

証人が経験したことに基づいて、それを聞いただけですか。要証事実としては。

 すいません、検察官の言っている意味が私には分からなかったんですけども。

裁判官

じゃあ、もう一度、検察官、言っていただけますか、今の内容。

検察官

はい。白坂さんが証言した内容について、弁護人の先生がその証言によって、何を立証しようとしているのか、その内容を明確にしていただきたいという趣旨です。

 はい、分かりました。

弁護人

それは、白坂さんがダメセンの理事から聞いた話の内容です。

検察官

では、形式的には伝聞に当たりますけれども、内容の真実性は問わないということでよろしいですか。

弁護人

伝聞ではなく、本人が聞いている話なので。

検察官

ですから、内容の真実性は問わないということですね。

弁護人

それは、はい、構いません。次ですが、富澤理事ともお話ししましたか。

 はい、二、三度しました。

富澤理事はどのように話していましたか。

 これは、2008年10月のことですけれども、既に富澤専務理事の手元に見直しのかかった大麻情報があるというのを私は前任の糸井さんから聞いて知っておりましたので、新しい改正されたはずの情報を、いつホームページ上に反映するのかというふうに聞きました。そうしたところ、富澤専務理事は、年内にはホームページ上に反映させますというふうにお答えになっていましたが、11月の段階で、当時、大麻がすごく社会問題化されまして、マスコミが大麻汚染というふうに騒いでいた時期ですけれども、であるからこそ正しい情報が必要だと思い、私は富澤専務理事に改めて、年内には出していただけるんですねという確認をしたり、ダメセンの指導員のかたがテレビで、大麻には暴力性を引き起こすなどということをお話しになっていましたので、それはいったい何を根拠に言っているんですかというふうに、大麻が暴力性を引き起こすなら、その根拠を教えてくださいというふうにお話ししたところ富澤専務理事は、嫌ですとおっしょいました。

検察官

裁判長、今の点についても、内容の真実性に踏み込むものなのか、それとも、白坂証人がそういう趣旨のことを聞いたという経験を立証するものなのか、確認をお願いします。

裁判官

いかがですか、弁護人

弁護人

内容は別で立証しますので、そういう話を聞いたということで結構です。今、あなたが話した内容を明らかにできるものはありますか。

 はい。私はこのような電話取材に関しては、必ず録音を撮っておりますし、物によってはホームページ上に私の運営している大麻報道センターのホームページで録音を公開しています。今お話しした糸井専務理事と富澤専務理事に対する取材の録音も、録音してホームページに公開しているとおりです。

今のお話だと、ダメセンの専務理事はホームページの内容が古いということは認めたのですか。

 はい。糸井専務理事も認めていますし、富澤専務理事も、何でこんな古いのかなというふうに、私も思っていたというふうに当初はおっしゃっていました。

ダメセンのホームページは更新されましたか。

 全くされていません。

そうすると、今でも古い情報のままですか。

 はい、古くて間違った情報のままです。

ダメセンのホームページの情報というのは、何か他の場所でも使われているのですか。

 はい。学校の教育現場で使われていますし、昨年度からは高校の教科書にもこれが載ることになりまして、学校教育の中で、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報が正しい大麻情報として教え込まれています。

古い情報によって、高校などで大麻に関する教育がなされているということですか。

 古くて間違った情報で教育がなされているということです。

ダメセンが大麻に関する情報を更新しない理由というのは聞きましたか。

 いえ、聞いていません。これは、厚生労働省の反国民的な行政態度によるものだと私は確認しています。

そうすると、直接、ダメセンの理事に聞かなければ分からないということですか。

 はい。これは是非、ダメセンの専務理事あるいは、いったい大麻情報がどうなっているのかは、厚生労働省の責任者とダメセンの責任者に、ここに来てお話をしていただく以外にないと思います。

次、いきますが、先ほど正しい大麻情報の発信をする活動をしているということでしたね。

 はい。

正しい大麻情報というのは、何ですか。

 学術的に、医学的、科学的に裏付けのある情報のことです。

日本では大麻に関する研究はされていないのですか。

 日本では、大麻取締法第1項2号、3号において、大麻を医療的に使うことが懲役刑で禁止されてしまっていますので、臨床研究すらできないというのが現実です。

法の4条1項2号、3号で、日本では治験や人体実験のようなものができないということですか。

 そうです、はい。

そうすると、大麻のそういった情報は海外から取り入れるしかないということでしょうか。

 そのとおりです。

日本政府は大麻に関する海外の情報というのは取り入れているのでしょうか。

 厚生労働省に、これも私たちが盛んに求めて厚生労働省がようやく大麻に関するページというのを作ってくれましたけれども、そこに出ているのは、WHOが97年に公開した大麻レポートというのが出ています。厚生労働省が所有している医学的な大麻情報と言えるものはこれだけです。私は毎年、厚生労働省に対して、厚生労働省が所有している大麻情報の全てを開示してくださいという開示請求、それと、厚生労働省が所有している医療大麻に関する情報を全て開示してくださいという情報を請求していますけれども、海外の医療大麻に関する情報に関しては、そのような情報は一切持っていないのでという理由で毎回不開示です。

厚労省は、WHOのレポート以外は持っていないということですか。

 はい、私の知る限りでは持っていないと思います。

そのWHOのレポートには、大麻の医療的利用について何かかかれていますか。

 はい。大麻の医学的な利用に関しては、がんの疼痛緩和に効果が認められることや、多発性硬化症などにも古くから使われていることなどがWHOの97年のレポートの中に、厚生労働省が依拠している大麻情報の中に明確に書かれています。

そのWHOのレポートの内容というのは、現在の研究内容と比べてどうでしょうか。

 それも既に古くなっていまして、第52回期国連麻薬委員会において、日本政府自身が97年のWHOのレポートは古いので、国際的に見直す必要があるというふうな提言を出しまして、それが可決されています。つまり、日本政府もWHOの出している97年の大麻レポートが古いということを認識しているということです。

次いきますが、政治への働きかけということをおっしゃっていましたね。

 はい。

具体的には、何をするのですか。

 衆参の国政選挙があるときに、必ず各政党と、あと、それぞれの地域の候補者にアンケートを送りして、そのアンケートには大麻取締法の問題点や海外の状況なども説明して付けまして、その上で大麻取締法の在り方について、非犯罪化の必要はないと思うか。あるいは、医療大麻を使えるようにする必要はないと思うかといったアンケート形式での問いかけを続けています。

そのアンケートに対して、政治家は回答をしてくれますか。

 してくださる政党もありますし、全くしてくれない政党もあります。

それ以外に何か政治への働きかけというのはされていますか。

 はい。これは、大麻草検証委員会という大麻の合法化を求める、特に大麻取締法第4条1項2号、3号の削除を求める市民団体がありまして、私もそこに参加しています。そこが今年初めに、大麻取締法第4条1項2号、3号の削除を求める国会請願を提出しました。それを受けて厚生労働省の幹部の幹部と私の仲間たちが面談をしたりしています。

国会に対する請願とはいうのは、どういった中身なんでしょうか。

 中身は今現状、日本では医療大麻が全く使えませんので、研究すらできませんので、せめて研究ができるように、研究の道を開くためにも、第4条1項2号、3号に関しては、削除の必要があるという内容です。

それは何か、署名か何かは集めたのですか。

 そうです、署名で出しました。

次ですが、何か官房長との会合ですか。

 はい。

それは、何でしょうか。

 大麻草検証委員会として国会に提出した国会請願を受けて、厚生労働省の幹部3名と私の大麻合法化の仲間2名が面談を持ちました。

面談を行った人は知り合いのかたですか。

 はい。一人は作家の長吉秀夫さんで、もう一人は、やはり活動家の根岸さんというかたです。

その会合の話を聞きましたか。

 はい。この会合の記録については、録音を起こしたものが長吉さんの手によって公開されていますので、私たちのホームページ上でも公開したところです。

どのような内容ですか。

 まず、私は一読して驚きましたが、厚生労働省という大麻取締法を所管する省庁の官房長というかたが、大麻とマリファナが同じものであることを知らなかったんですね、そのときまで。そのことにも驚きましたけれども、そして、大麻が医療的に使えるということも全く御存じないようでした。いろいろ長吉や根岸の話を聞いた官房長は、そうすると、医療大麻問題というのは、現代におけるハンセン病問題ですねというふうに、官房長自身がおっしゃっています。

政治家の中に大麻について理解されているかたというのはいますか。

 はい。国会議員では五、六名いらっしゃいます。

地方議員では。

 地方議員を含めると、地方議員だけで30名程度いらっしゃいまして、中には大麻吸いの国会議員もいますし、地方議員のかたで大麻を吸うかたもいるというふうに私は聞いています。

逮捕された人々への相談、対応のようなことをされているということでしたね。

 はい。

具体的には、何をしているのですか。

 相談対応では、大麻を持ってる本人は捕まってしまうことを覚悟の上という部分がありますけれども、何も知らなかった家族の人にとっては、本当に晴天のへきれきで、この先どうなるのか、どうしていいのか分からないっていうことになるんですね。そういうかたたちに精神的なサポートと共に、所持量なんかで大体、判決は相場が見えますので、この先どうなっていくか、実刑になっちゃう可能性があるのかないのかといったことを含めた相談対応、弁護士を紹介したり、資料を提供したりということもしていますし、その相談対応の中には、大麻取締法の違憲性を主張する裁判の支援も含まれます。

その裁判の支援というのは、何をするのですか。

 大麻取締法が憲法違反だという主張をしたいという支援の依頼に対して、弁護士を紹介したり、資料を提供したりしていますし、平成22年のときに、私は本間裁判官の法廷でも証人として出廷しまして、大麻取締法の違憲性について証言をしました。そのときにもたくさんの書証を出したんですけれども、検察がことごとく不同意にしまして、まともな議論ができませんでした。あるにもかかわらず、最後になって検察官は被告人に対し、大麻の酔いとアルコールの酔いは、どう違うんですかということを聞いてきました。私は非常に憤りを覚えました。そういう書証を全部ひっくり返してるのは、そっちじゃねえかと思いました。

では、本件の経緯について聞いていきます。あなたは桂川さんと知り合いですか。

 はい。

あながた桂川さんと知り合ったのは、いつ頃ですか。

 20年ぐらい前だと思います。

知り合ったきっかけは何でしょうか。

 桂川さんが寄稿されていた本を読んで、私の方から手紙を書きました。

それは、どのような本ですか。

 マリファナに関する本です。桂川さんはそこで、大麻の合法化を主張され、大麻のよさについて語られていました。

桂川さんとは、どのような付き合いをしてきましたか。

 当時は、私も埼玉におりましたので、特に付き合いはありませんでしたけれども、私が長野県に越してきた十五、六年前からは、月に一回、二回、桂川さんのお宅にお邪魔して、いろいろ遊びに連れていってもらったりしました。

あなたから見て、桂川さんはどのような人物ですか。

 大麻に関しても、きっちり筋を通して、早くからこの問題に取り組み、実践的な活動をされている、私は尊敬すべきかただと思っています。

桂川さんが今回、大麻を栽培、所持するに至ったことに、あなたは関係していますか。

 はい。

どのように関係しているのですか。

 私は大麻報道センターというサイトで海外の情報として、いろんな病気に効きますよという情報を発信していますので、国内のそのような病気のかたから、大麻を試してみたいというふうに泣きつくような、ずがるような依頼を何度も受けてきました。最初は断っていたんですけれども、ちょっとやはり、余りにもこれは気の毒だと思って、私は大麻を入手できるつてはありましたので、それで、病人に配るようになりました。

病人の人に頼まれて、桂川さんにお願いするという形になったということですか。

 そうです。私は自分が吸う分は自分の部屋で栽培していましたけれども、病人に配る分というのは全然、全く量が足りませんので、この道に詳しい桂川さんにお願いをして、桂川さんに栽培をしてもらいました。

何名くらいの人があなたに打診してきたのですか。

 打診してきただけだと、100名は超えています。

打診してきた人というのは、皆さん病気なのでしょうか。

 打診してきたレベルでは、全員が病気だかは確信は持てませんけれども、私は既に50名以上の病人に大麻は配ってますけれども、そのかたたちは病人に間違いありません。

そのかたたちは、どのような病気だったのですか。

 様々ですけれども、多いのは、がんのかたですね。がんのかた、多発性硬化症のかた、リウマチのかた、脳幹グリオーマのかた、リウマチのかた、クローン病のかた、たくさんいます。

じゃあ、少しその点、聞きますが、がんに対して大麻はどのように効くのですか。

 これは、海外の学術論文でも立証されていることですけれども、がんの疼痛、痛みが治って食欲が出て、よく眠れるようになるというのが、がんの症状に対する効果として認められています。

海外では、普通にがんに対して大麻が使われているということですか。

 はい。アメリカは大麻弾圧の総本山ですけれども、今各州で医療大麻の制度化、合法化が進んでいまして、今22州かな、プラスワシントンDCですけれども、医療大麻が制度化されている州などでは、必ずがんは適用疾患に入っています。

多発性硬化症とおっしゃってましたが、これは、簡単に言うと、どんな病気ですか。

 これは、だんだん筋肉が固まっていって、最後は心臓の筋肉も止まって死んじゃうという病気らしいですけれども、その過程で、だんだん体の感覚がなくなるんだそうです。そのかたから私は直接聞いた話は、やかんがちんちんゆだっちゃってるようなのに触っちゃって、大やけどをしても、全然、痛みとか熱さを感じないような状態だったのが、大麻を摂取することによって、車いすから立ち上がることもできたし、皮膚や体の感覚が戻ってきたというふうに喜ばれていました。

海外では、多発性硬化症に対しても大麻は使われていますか。

 はい。多発性硬化症は適用疾患としてもかなり古くから認められている疾患の一つです。

リウマチとおっしゃってましたが、リウマチに対しては、大麻はどのように効くのですか。

 リウマチも関節が痛んだりするそうなんですけれども、大麻の喫煙によって、その痛みが激減するというふうに話していました。

これも海外で普通に使われていますか。

 はい、これも適用疾患の中に多くの場合、含まれています。

話を戻しますが、桂川さんはあなたの依頼に対して、どうしましたか。

 ちょっと考えていましたけれども、よし、分かったというふうにおっしゃいました。

あなたが桂川さんに依頼したのはなぜですか。

 こんなことをお願い、大麻を病人のために作ってください、栽培してくださいなんていうお願いをできる人は、私は他に知りませんし、桂川さんは合法的に大麻取扱者免許を持って4年間、大麻を栽培されていた実績もあり、栽培の実力においても大変すばらしいものを作るという定評で関係者の間では知られていましたので、桂川さんをおいて、他にないと思いました。

あなたは桂川さんが栽培した大麻をどうしましたか。

 自分でも吸いましたが、病人に無料で提供しました。

何人くらいの病人に配ったのですか。

 50名以上になります。

病人に配ったのはなぜですか。

 その病人たちに頼まれたからです。

ただ、人に大麻を譲渡したりするのは、法律で禁止されてるっていうことは知ってなかったですか。

 はい、大麻取締法で禁止されていることは重々承知していましたけれども、そもそも私はこの法律自体が間違っている、医療的に大麻を使うことさえ懲役刑で禁止しているということが問題なのであって、法律よりも命が大事だろうというふうに私は思っています。

あたながリスクを冒してまで病人のかたに配った理由っていうのは、何かあるんじゃないですか。

 はい。病人のかたのほんとに切実な、わらをもすがるような思いに私は負けました。

あなたは大麻を病人に売却したのではないですか。

 いいえ、売ったことはありません。

見返りはもらってないですか。

 もらっておりません。

見返りをもらわなかったのはなぜですか。

 まず見返りっていうか、金品をもらっちゃうと、ばれたときに営利になっちゃうしなっていうのもありましたし、それより、まず、病人たちから金取ってっていう発想が、まず最初からありませんでした。これは、あげますよということで最初からやってました。

あなたが桂川さんの大麻を患者に配ったということを明らかにできる何か、そういったものはありますか。

 はい。私たちが去年ぱくられた天平の森でのイベントがありましたけれども、そこにインターネットメディアのバイスジャパンというのが取材に来てまして、これは、ジャパンだけじゃなくて、世界的なネットワークのインターネットメディアですけれども、そこのクルーが私たちのパーティ、これは医療大麻パーティということで開いたものですが、そこでCBDオイルのお披露目をしましたので、それを取材に来ていました。その流れで、桂川さんが提供した大麻を吸っている末期がんの患者さんが大麻をぼこぼこと水パイプ、ボングと言いますけれども、それで吸っているところが動画に収められていまして、既にYouTubeで配信され、世界で10万回以上のアクセスを受けています。

そうすると、桂川さんの大麻を使っている病人の映像があるということですか。

 そうです。

そもそもなんですが、あなたが大麻の医療的使用を知ったきっかけは何ですか。

 それは、前回逮捕された少し前ですけれども、桂川さんのお宅で紹介された、がんのかたがいらっしゃいまして、私はその当時は医療的に効くなんていうことを全く知らなかったんですけれども、実際にお話を聞いたら、ほんとに痛みが治るんだと、食欲も出ると、よく眠れるというふうに、がんの患者から直接聞きましたので、ほんとかよと思って、いろいろ海外の文献などを調べてたら、続々とそういうものが出てくるんですね。それで知りました。

医療用の大麻というのは、どこの部分を使うのですか。

 主に、バッズといって、雌の花の部分が喫煙で使われています。

医療的に大麻は、どのように使うのですか。

 現在はいろいろな接種の方法がありまして、クッキーになってたり、キャンディになってたりっていうのもありますけれども、前回、WEEDというのをここで見ていただきましたが、その中にも出てくるように、イスラエルなどでは、がん患者病院で大麻をベポライザーといって、直接煙にして吸うんじゃなくて、気化させた気体として、その成分を取り込むという使い方が医療的には一般的です。

医療用の大麻の品種というのはあるんですか。

 はい、幾つもあります。

具体的に、どのような品種があるのですか。

 例えばストロベリーコフなんかが当時は有名でしたし、パイナップルチャンクなんかも症状によっては使われていたようです。

品種によって、聞き方というのは違うのですか。

 はい、違います。

どのように違うのですか。

 サティバ系のTHCが強いものは気持ちを持ち上げてくれますので、うつのかたなんかによく好まれるようですし、逆にCBD系のインディカ系のものが強い品種に関しては、落ち着く効果や痛みを治める効果がありますので、疼痛の激しいかたなどに好まれて使われているようです。

今の話だと、インディカ系がCBDが多いんですか。

 とも限りませんけど、今いろいろな交配が出てますが、一般的にインディカ系が穏やかな方の作用がある、痛みを治める効果があるというふうに言われていました。

海外では、大麻はどのような病気に使われていますか。

 さきおととし亡くなったカリフォルニアのミクリヤ医師というかたがいらっしゃいまして、このかたは医療大麻を30年以上にわたって研究されていたかたですけれども、このかたの報告によると、230種類以上の症例に何らかの効果があったというふうにレポートされていまして、先ほど来、お話ししているがん、それから多発性硬化症もそうですし、リウマチもそうです。脳幹グリオーネ、それからクローン病、ALS、てんかんもそうですし、医療大麻では神経痛などでも認められていますので、そういうことを入れると230種というのがドクターミクリヤがレポートしているものです。

世界中で大麻が医療的に使われているのはなぜですか。

 それは、大麻が医療的に効果があるからだと思います。

大麻に副作用はないのですか。

 副作用というのは、寝るために吸う人もいるので、眠くなるのが副作用と言えるかどうか分かりませんけれども、眠くなったり、あるいはお酒を飲んだときと同じように、酔いが覚めるまで一時的に記憶がちょっと混乱したり、ろれつが回んなくなったりっていうことはあるかと思います。そのようなことが97年の厚生労働省が依拠しているWHOの97年レポートにも短期的症状として書かれています。それを、マスコミは誇大にけんでんして、あたかも大麻は悪魔の薬であるかのようにでたらめの情報をまき散らしています。

よく私なんか裁判やってると、裁判官が幻覚、幻聴、破壊行為を助長するなどというのを判決に書かれることもあるんですが、そのようなことはないのですか。

 そのようなものは、とっくに海外の学術的な論文で否定されきっているものでして、そんなことが通用しているのは日本だけです。

あなたの知り合いに医療大麻を処方されているかたはいますか。

 たくさんいます。

それは、海外で。

 もちろん海外です。

そのかたは日本人ですか。

 ええ、日本人もたくさんいます。日本人のかたで医療大麻を海外で使いたいがために、日本から出ていく人まで出てきている始末ですし、例えばカリフォルニアで日本人でも行けば簡単に医療大麻のライセンス取れますので、それをビジネスにしているかたもいるほどです。日本人にも医療大麻は有効です。

今、日本人にも有効ですということですが、例えば日本人と欧米人とで大麻の効き方が異なるなどの研究結果というのはあるのでしょうか。

 見たことがありません。そのような学術論文があるんだったら出していただきたいです。

そうすると、海外では日本人だろうが、欧米人だろうが、関係なく医療大麻は処方されるということですか。

 そうです。

では日本にいて、大麻が医療的に使われていたことはありますか。

 はい。大麻取締法は昭和23年にGHQの指令で、昭和23年に制定されたものですけれども、それ以前は医療大麻というか、大麻は印度大麻チンキ、印度大麻草、印度大麻エキスとして、薬局方にも載っていまして、新聞の広告でもぜんそくの特効薬という形で宣伝されていて、普通のその辺の薬局でも売られていて、一般的に使われていました。

今、ぜんそくとおっしゃいましたが、それ以外、何かこういった病気に対して使われてるってのいうのはありましたか。

 あと筋肉痛とかっていうのも書いてありましたね。あと、戦前の日本の適用疾患についてはしりませんけれども、それはそもそも医療大麻として売られてたものではなくて、薬局行けば誰でも買えるものですから、それで社会的な問題もなかったという報告でもありますので、特に適用疾患を限定していなかったと思います。

確認ですが、一応世界では今、230種類ぐらいの病気に大麻が有効だといわれているんですか。

 ドクタークリミヤのレポートによると、そういうことだということです。

日本で医療大麻が認められると、どれぐらいの患者がいるか調べたことありますか。

 はい。その230種類の疾患に医療大麻を適用するとなると、恐らく3000万人以上の日本人が何らかの医療大麻の恩恵を受けることができるだろうと思います。

桂川さんが栽培した本件大麻の品種は分かりますか。

 はい。ストロベリーコフとパイナップルチャンクだったのは覚えています。

それぞれ、どのような特徴がありますか。

 先ほどお話ししたとおり、ストロベリーコフは落ち着く効果がありましたので、痛みの激しいかたなどに好まれていました。パイナップルチャンクはどっちかっていうと、気分を持ち上げてくれるようなところがありますので、ちょっとうつっぽいかたとか、そういうかたたちに好まれていたようです。

今言った2種類の差というのは、大麻の主な成分であるTHCとCBDので決まるものなのでしょうか。

 主にはそうです。

CBDというのは、どのような作用があるのですか。

 CBDはこれ、カンナビジオールって言いますけれども、最近では、てんかんに特効薬的に効くということで注目されまして、それは前回のWEEDでも見ていただいたとおりです。

THCは、どのような作用がありますか。

 THCは、がんの細胞を縮小させる、あるいは死滅させる効果があるということで大変脚光を浴びています。

今おっしゃった内容は、海外の研究結果で出ているということですか。

 たくさんあります。

ストロベリーコフとパイナップルチャンクは、海外でも栽培されているものですか。

 はい、どんどん栽培されてますし、品種改良がどんどん進んでいますので、次々と新しい品種が出てきています。

次いきますが、海外では、どのような国で医療的に大麻を使われているんですか。

 大麻の弾圧をしているのは、アメリカ合衆国が総本山ですので、アメリカと文化的に一歩距離を置くようなところでは、例えばEUですね、ヨーロッパなんかでは、個人的な大麻所持っていうのは犯罪の対象として現実的にはされていません。麻薬単一条約に批准している国は何らかの形で大麻を規制するということになっていますけれども、実際には、ヨーロッパでは、個人的に使う大麻をちょっと持っていたということが刑事罰に問われるような、ばかげたことはありません。こんなことをやっているのは、先進国の中で、ロシアを含めて、ロシアでも大麻は非犯罪化されていますから、G8という意味で言えば、先進国で全く医療大麻を認めていないというのは日本だけです。

ちょっと整理しますが、アメリカやヨーロッパでは普通に医療的に大麻は使われているということですか。

 はい。あと、南米、ジャマイカなんかでは文化的に昔から使われてますし、アメリカの影響下にあるところが厳しい弾圧をしているということです。

そのアメリカについてお聞きしますが、アメリカでは、大麻をどのように扱われていますか。

 オバマ政権以前は弾圧的な政策が続いてきまして、医療大麻を合法化した州に対して連邦政府FBIが介入して乗り込んでって全部もっていっちゃうとかっていうことがありましたけれども、オバマ政権になってからは、各州で合法化、制度化されている医療大麻に関しては、連邦政府は介入しないということをエリック・ホルダー司法長官が声明を出しています。最近はオバマ大統領自身が大麻の取扱いについて、議会と協議する用意があるというふうなコメントを発しています。

今のお話だと、アメリカでは連邦政府は厳しく取り締まっているということですか。

 オバマ政権までは厳しく取り締まっていましたけれども、最近はその流れが変わりつつあるということです。

オバマ政権になってから厳しくなくなったということですか。

 はい。そもそもアメリカでは大統領が歴代4代の大統領にわたって大麻を吸ったことを認めてるというものですし、若い頃に大麻をちょっと吸ってみたりするということが特にとがめられるような話にはなっていません。

アメリカの州では、医療大麻がどれぐらいの州で認められているのですか。

 現在、大麻そのものを認めている、医療大麻を合法化している州が22州とプラスワシントンDCで、それからニューハンプシャーなどは、CBDだけ認めるといった、ちょっと異例な形ですけれども、そういった認め方を含めれば、24州が今、制度化されています。連邦政府もこれで半数以上の州が医療大麻合法になってしまうと、連邦政府も方針を見直さざるを得ませんので、オバマ大統領も見直す必要があるというふうな発言をしています。

ヨーロッパでは、大麻はどのように扱われていますか。

 私は日本で逮捕されたデンマーク人からも相談を、逮捕されちゃったということで、奥さんから相談を受けたことがありまして、捕まったデンマーク人、本人の話によりますと、デンマークでは携帯電話を使いながら自転車に乗るほうが大麻の罰金よりも罪が重いんだそうです。ヨーロッパでは基本的に、そのかたは大麻は自分の母国、デンマークでは大麻は自由の象徴だったが、日本では、大麻は自由を弾圧するものだと知ったというふうにおっしゃっていました。象徴的だと思います。

先進国で医療的に大麻を認めてないのは日本だけどいうことでしょうか。

 はい、G8という意味で言えば、全く一切の例外もなく認めていないというのは日本だけです。

話戻しますが、あなたは今回、桂川さんが栽培した大麻を病人に配ったということですね。

 そうです。

その病人たちは、本件の桂川さんが逮捕起訴それたことを知っていますか。

 もちろん知っています。

あなたは、その病人の人たちと話をしましたか。

 はい、何度もしました。

その病人の人たちは、何か言っていましたか。

 はい。自分たちも証言台に立って、桂川さんを実刑にしないでほしい、桂川さんの大麻は医療的に使われていて、自分たちにとって、どれだけ救いであったかということを私に切々と話し、証言もしたい、ここに来たいっていうふうに話していましたけれども、それは、弁護士倫理にもとるというか、それは弁護士としてできないということで、取りあえず、保留になっている状態です。

その病人たちは現在、どうしていますか。

 泣いています。病状が悪くなったと言って悲しんでいます。大麻が欲しいというふうに私にまた連絡をしてきてる人もいますけれども、私ももう持っていませんし、あげることができなくて、本当にこの法律、何とかしてくれよっていうふうに、法曹家のかたには、特に思っています。

今後ですが、あなたは大麻を栽培して、また病人の人に配るつもりですか。

 私は先ほど、最初の方でお話ししましたけれども、現在は合法的に輸入販売ができる医療大麻、CBDオイルの輸入販売を事業家し、株式会社アサヤケという法人を設立して、桂川さんと私、取締役になっていますけれども、今後は合法的にこういう展開をしていこうということで考えていまして、このCBDオイルの国内生産も目指していますので、今後は合法的に免許を取って、きちんとやっていこうというふうに思っています。

栽培はもうしないということですか。

 大麻取扱者免許を取得するまではしません。

免許が取れなかった場合は、どうでしょうか。

 取れるまで頑張ります。

今出たCBDオイルというのは何ですか。

 これは、THCという成分にとって、CBDという成分、主に三大成分というのがあるんですけれども、THCは向精神作用、酔っぱらっちゃう作用がありまして、THCに関しては麻向法、麻薬及び向精神薬取締法の成分指定で合成されたTHCにも規制が掛かってきますけれども、一方、CBDには、そういう向精神作用もありませんので、もちろん大麻取締法は成分規制をしてるわけでありませんが、麻向法の方でも合成されたCBDに関しても何の規制も掛かっていないという成分です。このCBDが近年非常にてんかんの症状を劇的に抑えるということで、大変に注目されています。そういう成分です。

もう一度、お聞きしますが、CBDオイルというのは、合成的に作ったものなんですか。

 いえ、これは、私たちが今、輸入販売しているものは、アメリカのメーカーが、もちろんアメリカ国内で合法的に生産して、連邦政府の許可も得て輸出しているもので、私たちも、これは厚生労働省に食品届けをお届けして、分析検査を検疫で受けて、その上で食品として販売してよろしいという合格をもらって輸入販売しているものです。

CBDオイルは大麻から作られているんですか。

 そうです、大麻から抽出した成分です。大麻の成熟した茎から取ったもので、違法性は全くありません。

合法的に輸入しているものですか。

 もちろんです。

CBDオイルというのは、前回の公判で見たCNNの映像にあったものでしょうか。

 そうです、シャーロットちゃんという、てんかんで、ほんとに気の毒なかわいそうな女の子が出てましたけれども、あの子が劇的によくなっていましたが、私たちも今、モニターとして、てんかんの子に、4名の子供たちに、ただでCBDオイルを提供していますけれども、劇的に皆さんよくなっていて、お母さんがたから、とても感謝されていて、いちごが大好きな、提供しているお子さんのお母さんが、ほんとにその女の子、4歳の女の子ですけれども、いちご狩りに連れていってあげるのが夢だったっていうのが、今年かなったというふうに泣いて喜ばれました。感謝の色紙を頂きました。

そうすると、今後は合法的に輸入したCBDオイルを病人のかたに配るということですか。

 はい。合法的に輸入したCBDオイルの輸入販売もしますし、私たちは、これを国内生産したいと思っています。良質で安価なCBDオイルを病人の人たちに提供したいというふうに考えています。

最後に何か話しておきたいことはありますか。

 はい。世界中で、これだけ医療大麻がオーケイになってきて、大麻そのものの非犯罪化も進んでいる中で、いったい日本はいつまでこんな鎖国的なばかげた状況を続けるつもりなんでしょうか。この原因はひとえに、厚生労働省がでたらめな大麻情報を発信し続けていて、多くの国民が、そのでたらめな情報を信じ込んでしまっていることに問題の根源があると思います。従いまして、この情報がどうなっているのか、日本では医療大麻がどうなっているのか、医療大麻は現代のハンセン病問題だねっていうまでおっちゃった官房長と、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに相変わらずでたらめ情報を出し続けているダメセンの専務理事にここに来てお話をしていただきたいと切に思っていますので、よろしくお願いします。

検察官

白坂証人の現在の状況について確認をしますが、白坂証人自身も今、大麻取締法違反で裁判に掛けられているということでよろしいですか。

 はい。

内容については、どういうものですか。

 所持、十四.何グラムということです。

自宅での所持ということですか。

 そうです。

裁判の経過ですけれども、今どのような状況になっていますか。

 今は公判前整理手続ということで、やっています。

裁判が始まるのを待って、その打ち合わせの手続をしている途中ということですね。

 そうです。

次に内容に入りますけれども、ちょっと分かりにくかった点があるので、もう一度、教えていただきたいんですが、厚生労働省に対して、厚生労働省が保管している文書などについての開示請求をしたということでしたね。

 はい、何度もしてます。

不開示になったものがあって、その理由についても証言されていましたけれども、ここはちょっと、どういうものを請求して、どれが不開示で、その理由が何だったのかの関係がちょっとよく分からなかったので、もう一回いいですか。

 はい。私はここ何年か毎年、厚生労働省に対して、厚生労働省が所有している大麻情報の全て、大麻に関する資料等の全てを出してくださいっていう開示と、あと今、海外で医療大麻が盛んに使われるようになっていますので、海外の医療大麻の情報について、外国語の文献も含めて所有しているものを全て出してくださいという請求をしてるんですね。大麻情報全般については、いろいろ出てきますけれども、医学的なものはありませんが、医療的な情報、海外で医療大麻が使われているという情報については、外国語文献も含めて厚生労働省は所有していないので不開示というふな回答になっています。

では次に、これもちょっと分かりにくかったんで確認なんですけれども、白坂さんの方に100名以上のかたから大麻を分けてほしいという打診があって、実際に50名以上のかたに配ったということですね。

 はい。

この50名以上のかたに配る大麻については、白坂さん自身では一切栽培していなくて、桂川さんに全てお願いしたということでよろしいですか。

 いえ、私も自分の部屋で栽培していましたので、ただ自分の部屋で栽培するなんていうのは、取れる量が知れてますから、全然足りないんですね。全然足りないので、桂川さんにお願いしたということです。

白坂さんの自宅で栽培した分と桂川さんに栽培してもらった分と、それを50名以上のかたに送ったのは白坂さん自身ということでよろしいですか。

 私です、はい。

先ほど白坂さん自身は自分で使う分も自分の家で作っていたというようなことを証言されてたと思うんですけれども、これは、どういう趣旨なんですか。

 それは、どういう趣旨って、何で作ってたかってことですか。

まず話が一緒に出てきてたので確認なんですけど、医療用大麻で使いたいと求められて、その人たちのために自宅で作っている分もあったし、自分で作るために自宅で作っていた分もあると、この二つがあったという理解でよろしいですか。

 そうです、はい、はい。

自分で使う分については、配ろうと思ってた医療用大麻として病人のかたに配ろうと思っていたものと別に作っていたっていうことなんですか。

 私も前回、10年前にも逮捕されてますので、もう違法行為はしないようにというふうに思っていましたし、桂川さん、5年間入っていましたから、吸えない人がいるのにと思って、私も当初はやっていませんでした。その大麻報道センターを始めて情報発信するようになって、病人からいろいろくれっていうふうに言われるようになって、よっし、じゃあ、作るしかねえなと思って作り始めました。当初の目的は、病人に渡すっていうことで作ったということです。

そこまでは分かったんですけれども、それと合わせて自分で使う分も自分の自宅で作っていたと、そう証言されたので。

 使う分というか、一緒ですけどね、作った中から病人にもあげてたし、自分でも吸いましたっていうことです。

別々に分けて作ってたっていうわけではないっていうことですね。

 いえ、違います、一緒です。

それは、病人のかたに差し上げるために大麻を作り始めて、その中から自分の分ももらっていたということですか。

 もらってたというか、自分の部屋ですからね、はい。

最後にCBDオイルのことなんですけれども・・・

続きは次のページへ

第4回公判調書(手続)後編

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