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大麻取締法違憲論裁判 > 桂川さん裁判
【桂川裁判】被告人質問 弁護人
桂川さん裁判 : 投稿者 : THC編集部 投稿日時: 2015-02-09

以下、2月9日に開かれた被告人質問のうち弁護側質問の記録です。




弁護人

まず,あなたの学歴や職歴について簡単に話していただけますか。

昭和33年,池田町立池田小学校入学,昭和39年,池田町立高瀬中学校入学,昭和42年,松本県ヶ丘高校入学,昭和45年卒業,しばらく浪人した後,家業の印刷業を営んで今日まで来ております。

現在の仕事は何ですか。

現在は印刷の配送業と大麻エキスであるCBDオイルの販売を,会社を設立してやっております。

「会社を設立して」ということなんですけども,それは桂川さんが何か代表をされてるということですか。

ええ,株式会社あさやけの取締役ということで登記しております。

大麻の活動について聞きますけど,そういった活動を始めたのというのはいつ頃からですか。

1993年からです。

活動を始めたきっかけは何ですか。

当時,同時期に逮捕された友人の■■■■君,これが大麻の真実を法廷で話したいということで支援をいたしました。そのところ担当裁判官から,大麻は確かに害悪はないと,しかし社会の要請,それが大麻合法化には必要だと,社会運動したらどうだろうかというこういう示唆を裁判官から受けましたもんで,麻の復権をめざす会を結成して様々な活動をしてまいりました。

今のお話は,弁4号証のマリファナXに書かれている内容と同じでしょうか。

はい,そうです。

その後,どういった活動をしてきましたか。

小冊子フリータイムス,天与の薬草,大麻の真実というものを発行しました。その反響がありまして,TBSの下請会社からオランダの大麻品評会,カンナピス・カップと言います,ここに審査員として出場して,テレビ番組を作れないかということでそういうこともしました。その後,中央大学のOBの方から話がありまして,中央大学八王子キャンパスにおきまして,学園祭の催しとして意識を変える麻が地球を救うというシンポジウムを催しております。その後,マリファナXを有志とともに第三書館から刊行いたしました。それから,新宿のロフトプラスワンとかそういうところでもって,マリファナナイトというイベントを定期的に行いました。それから,スイス連邦で行われているカナ・トレードですね,翻訳すると大麻国際見本市という,そういうものを取材して雑誌に発表しました。主なところはそういうところです。

桂川さんは,以前に大麻栽培者の免許を持ってませんでしたか。

1998年から2000年まで長野県知事,田中さんですね,免許を交付されまして,うちの自宅で栽培しておりましたけれども,2001年の更新に当たって大麻を摂取したいと,病気の治療に使いたい,自分の神経痛の治療,痛みの緩和に使いたいと申請してありましたけど,いろいろ折衝がありましたけど,結局,免許申請は却下されたという経緯があります。

今のお話だと,4年間の間免許を持っていたということですか。

そうです。

少し戻りますけど,フリータイムスというのはどのような冊子ですか。

そのときの大麻情報を集めまして,それと■■■■の裁判の記録と大麻合法化の意見などを載せた冊子です。

オランダのカンナビス・カップというのは,具体的にどのようなことをしているんですか。

カンナビス・カップというのは,ニューヨークにあるハイタイムズ誌が,これは大麻雑誌のですね,そこのハイタイムズ社の主催で毎年11月の末に行われてるもので,世界中から1キログラムを持ち込んで,審査員に吸ってもらって優劣を決めるというそういう催しです。

中央大学での大麻シンポジウムというのは,どのようなものでしたか。

中央大学では,活動家,弁護士,医者,ミュージシャン,そういう人たちをパネラーに招きまして,大麻の有効性,資源としての有効性,薬草としての有効性などを話し合いました。

スイスのカナ・トレードというのは何ですか。

スイスのカナ・トレードは,スイス連邦の首都ベルンで毎年3月の頭に行われております。私の行ったときは第3回目ぐらいでしたね。それで,世界147社が当時は出品しておりました。種苗会社から栽培システム,医薬品,食料品,衣料品,紙パルプとかなり広いカテゴリで一堂に幕張メッセのような見本市会場に集まって,大麻を吸いながら商談をするというまことにびっくりぎようてんのイベントで,スイスは取締法というものがそもそもないということを聞いてましたので,これなるほどなと思いました。今はちょっとどうなってるか,その後の情報を追ってないので分かりませんが,そういうイベン卜は世界中で行われてると聞いています。

桂川さんは1993年から大麻の活動を続けてるということは,20年以上ですかね,その長い期間やっていますけども,日本で違法とされている大麻についての活動を続けてきた理由というのは何なんですか。

違法であったことは十分承知して,それは悪いことをやったということはいけないことだと思っております。でも最初にそれを,大麻はこういうものかと覚えたときに,もしかしたらこれはいいものではないかと,私の直感ですけど,これもしかしたらいいものではないかと思いました。それで調べていくと,マリファナっていうものは大麻である,大麻は麻のことであると。そうすると,私の当町,長野県池田町のかつての産物だったということが分かりまして,天平年聞から上質の麻が採れる産地ということで,租庸調の調として朝廷に献上されてた。それの記録が正倉院御物の目録に残っております。それとこれは郷土のものであると,そういうことで町おこしをしていた私としては,これ大麻は町おこしになるじゃないかというそういう気持ちもありました,それと,大麻は日本神道で神のみしるし,神のより代とされていると。栃木の鹿沼の麻は全て,ほとんど神社庁に納められて,しめ1瞳,鈴縄,幣はく,そういった神道祭具に加工されてると,これはちょっと驚くべき話でありました。それからいろいろ調べていくと,何と天皇陛下の大麻畑が徳島県木屋平村にあるという。それは天皇祭司を古代よりつかさどってきた忌部氏の子孫である三木家が管理してるとこで,こっからできた麻で織られたあらたえという服を着て大嘗祭に臨まなければいけないと,そういうどうも決まりがありまして,平成天皇,今上天皇もそこの麻で作られたあらたえを着て式に臨まれました。平安時代の延喜式という古文書に古来よりそういうことをやっていたということが書かれておりまして,これ秘儀でありまして,一般庶民はうかがい知ることできませんが,当然大麻のことを知ってる者としては,これは大麻をたきしめたりしてるんじゃいかとか推察でしました。これは大麻を悪いものとする現行法というものは,国体を冒とくしてるんではないかと,そういう思いで戦後の呪縛を解きたいと,そういう思いで運動してきました。

大麻が病気に効くということを知ったのは,いつ頃ですか。

運動を始めた当初から,書証にも採用されております裸の王様,これのブックレビューを読むことができまして,中の概要が分かりまして,いろんな,そのときは末期がんとかエイズ,そういうものに効くという。ところがしばらくしてからNHKのニュースで,サンフランシスコで医療大麻の販売所が幾つもあるという。そこで,末期がんの人に与えて食欲を回復させるとか,がんの痛み止めになるとかということをNHKニュースでやりましたもんで、すから,これはまず間違いないだろうと。現に私の大麻情報のまず最初はNHK教育テレビで得たものです。教育テレビで何回か大麻のことを学問的に放送して,いい悪いとか法のことは抜きにして放送したことが覚えております。

そのNHKの番組というのは,いつ頃ですか。

もうかなり前ですね。80年代から単発的にぽつぽつ,ちょっとしたことで大麻のことをやり出しました。

そのNHKの番組で大麻が病気に効くいうことを知って,どのように思いましたか。

いや,これは,大麻合法化ということは私一人の問題ではなくて人助けになると,これで病気が治る人がいるんだったら,これは大麻合法化に向けて大義名分があるとそういうふうに思いました。

何か医療大麻に関する活動というのはされてましたか。

前田氏が1990年代の末頃に医療大麻を考える会というものを立ち上げて,弁護士さんやお医者さんなんか集めて,私も当時,旧友,友達でしたから呼ばれて,会員になってほしいと,ついてはそういう医療用に使えないか,そういう相談に乗ってほしいということを言われて入りました。そこで多発性硬化症の団体なども紹介されて,交流するようになりました。

その多発性硬化症の団体と交流してどのようなことをしたんですか。

多発性硬化症の人はね,もう動けないんですわ,痛みでもって。そして,私のとこに来た人は会長さんの■■■さんて人が奥さんと一緒に来らFれまして,ここで,そういう効くというそういう話を聞いてきたが大麻を分けてもらえないかということで,私は緊急避難的なことだからいいだろうと思って差し上げて,その場でも吸ってもらいました。そしたら,体が弛緩して痛みが止まって楽になったと。ほいで,歩いて松葉づえか何か突いてきた,つえを突いてたんです。最後は痛みが止まったと喜んで帰っていった覚えがあります。それから何回か医療用として差し上げたことがございます。それから,前回逮捕になったときも,作家の中島らもにも緑内障に効くんじゃないかとそういうことで差し上げたこともありますし,近所の人とかそういう,何かそういう情報を聞いてくる人には,メニエル氏病とか不眠症,各種神経疾患のかたには試していただいております。

大麻を渡すと逮捕されてしまう可能性もあると思うんですけども,それなのに渡したのはなぜですか。

やっぱりそれはそういう病気に効くということを国内的に証明したいと,私自身もどこに効くのか確認したいと、それと義きょう心のようなもんですね。別に昔から生えてた薬草ですから,私は医者ではないですけどね,民間療法で使ってたもんですし,私もそれなりに知識もありましたから,こういう感じで使えばいいんじゃないですかつてくらいです。

今までに大麻を渡したかたというのは,どのような病気がありましたか。

それ,さっき言った多発性硬化症,緑内障,がんですね。がんの食欲不振,痛み止めにこれは効果。それから,交通事故の後遺症の人ですね。少し筋,神経,筋を痛めたという人ですけど,これ非常によく効いたと。それは効いたというよりも,病院でくれるケミカル薬物の代わりに大麻を吸ったと。それケミカル薬物の弊害がなくなったの,そこにプラス大麻の効果もあったと,私はこういうふうに考えております。かなりこれ効果ありました。あった,そんな記憶があります。

長野県内で大麻がたくさん栽培されてたっていうことと,それ以外に何かそれによって問題が起きたというようなこと知ってますか。

それはもう,戦前はもう麻は軍需産業でしたから栽培が奨励されてたぐらいですから、別にどこのうちでも作ったわけですから普通にありました。ほいで,麻酔いって言葉があったんですよ。大麻畑行って作業してるといい気分になるというそういうものとか、現に大麻を吸ってる人もいました。ほいで,町内の山間地にある広津地区という部落では麻を吸っていたおじいさんがいたという,別に私たちがアメリカ映画で触発されて吸ったとかそういうんじゃなくて,昔から麻を吸う人はいたという話は聞いております。

今回,逮捕のきっかけとなったイベントについて聞きますが,これはどのようなイベントだったんですか。

これは,アメリカから輸入した大麻の茎由来の大麻エキスの入ったCBDオイルというものですね,これをお披露目するという,皆さんに試供してもらうという,そういう建前ですけど,ないしょで自分の作ったものを持ってきて吸ってた人もいたようですし,私も天ぷらにして,CBDオイルの足りない分は天ぷらで食べて補ったような,実際そういうものやりました。

基本的にはCBDオイルをお披露目するイベントだったということですか。

それはそうですね。

CBDオイルというのは何ですか。

CBDオイルは,アメリカのコロラド州の会社が,合法になりますというか,そういう会社が何社もあって,そこから輸入した、個人輸入した茎由来のCBDとカンナビジオールですね,それと若干のTHCが入った健康補助食品ですね,どっちかというと,そういうものです。

オイルということなので,種を絞ったりしたものですか。

種を絞ったオイルにエキスを溶かしてあるという,そういう製品状態のものです。

このCBDオイルには,CBDという成分とTHCという成分が含まれてますか。

入っております,はい。

現在,それを販売してるということでしょうか。

はい、そうです。

THCが含まれているのに,なぜ,そのCBDオイルは販売可能なんでしょうか。

これは各省庁と折衝しました。経済産業省,厚生労働省,税関。結局簡単にいうと,最終的には関東の麻取ですね,関東厚生局麻薬取締部,そこの判断では,大麻取締法では花穂と葉は規制されているが茎は除外されてると,茎由来のCBDオイルは合法であると,そういうことで輸入が可能になりました。

一般的にTHCに陶酔作用があると言われていますが,このTHCが含まれたCBDオイル販売していて,何か問題というのは起きてませんか。

問題というのは料金が回収できなかったぐらいのことで,他に別に問題はありませんけど。

CBDオイルを使って体調崩したとか,そういう人は。

そういう人はおりません。

CBDオイルというのは,具体的にどのような効用があるんですか。

これは大麻の二大効用のうちのダウナーとハイと2つある,そのダウナーの方をつかさどるカンナピノイドの一種です。これを摂取すると,心が穏やかになって鎮静作用があると。ほいで,小児てんかんなどTHCが効くとまずいような病気にはこれ有効であると,そういうようなことを聞いております。私は実際にてんかんの子にも無償で配って,実地に効果を確かめております。私は医者でもありませんけども,そういう民間療法で使われた副作用ないもんですから,これは経験則からこれは効果があると私は感じております。

販売せずに無償で配っているということもあるんですか。

ええ,何人か重度の小児てんかんの,このパイスに出てきたYちゃんって名前,あのかたにずっと月に何本か無償で配っております。

今のは,弁37号証のパイスの映像の中に出てきた女の子の話ですか。

そうです。

現在,その女の子というのはどのような状態なんですか。

現在,今まで頻繁に発作が出てたんですけど,だんだん発作の回数が減ってきて,今では1日1固とか2固とかになって大変喜ばれておりますけど,何せお金の回収ができませんので,何とかこのオイルを安くしたい,保険が利くようにしてもらいたいと,そういうふうに考えております。

CBDオイルはアメリカのものだと言ってますけども,アメリカの何か特定の企業から買ってるのですか。

そうです。ブルバード社とディクシーボダニカルズ社とその2つから入れております。

CBDオイルのことが供述調書には余り書かれていないんですけども,それはなぜですか。

それはですね,CBDオイルを輸入した,これは有効成分あるものが今まで悪いと,茎由来とはいえ悪いと言われとった有効成分が大麻取締法で合法だと,これは大麻取締法に穴が開いたんではないかと,いや,これは大麻取締法はもう崩壊だと,こうみんな有頂天になって,私も有頂天になりました,これは。まあ好事魔多し、少しそれは何かこれ懸念があった。みんながはしゃいでる。現に仲間内から通報されて,警察の介入を招くというこういう失態を犯してしまったことは,我々の,私の不徳のいたすところであり,もっとこっそりやればよかったなと思っております。誠にこれは申し訳なかったと,迷惑掛けて,そう感じております。

それで,供述はしなかったということですか。

そういう気持ちもありまして,あんまりCBDオイルのことは口にしたくなかったと,そういうことですね。

じゃあ,本件の栽培・所持の大麻について聞きますけども,所持していた大麻というのは自らが全て栽培したものですか。

そうです。

その大麻を栽培したのは何のためですか。

いや,それは出所してきてから,白坂にしても前田にしろ,こういう医療大麻の運動をしていますから,当然その医療大麻用に欲しいという、私のところが栽培できる環境があると,個別にも医療用の欲しいという人が来ましたので,ささやかながら作り始めたというそういう経緯があります。

白坂さんからの依頼ということですか。

白坂の依頼,また他の活動家からの依頼もありました。

そういった依頼があったのは,いつ頃からですか。

2011年頃からですね。

前回,刑務所に行ったにもかかわらず,また栽培しようと思ったのはなぜですか。

それはさっき言ったように,私が栽培する能力があるということと場所があるとそういうことですし,大麻の桂川が大麻ぐらい作つてないと話にならないわみたいな,そういう自分のきょう持というか,そういうようなもんですね。

医療用で利用する大麻というのは,素人では簡単に作れないものですか。

素人にも作れますけど,それは通常のものをやってもTHC濃度があんまり高いし,THCを活性化する状況で何も知らない人にやるのはちょっとこれは問題がある。THC濃度の低いもの,あるいはTHCが不活性化しないものを与えるというのがいいんではないかと。ほいで,ストロペリーコフとかそういう医療用,ダウナ一系のカンナビノイドの多いものが開発されております。そういうものを栽培しておりました。

じゃあ,今回栽培してたのは医療用で使われてる品種ということですか。

そうですね。ストロペリーコフといってセンシシード社が開発したTHCの含有量が少なくて,他のCBNですか,CBDじゃなくてCBNです。カンナビノールという,テトラヒドロを付けなくて,このただのカンナビノールの多いものですね,これは。

ストロペリーコフというのは,THCが少ないということは陶酔作用も少ないということですか。

一般にいう陶酔作用というものがどういうものかというのは,ちょっと定義するのは難しいんですけど,いわゆるハイになるという部分では少ないものです。

ストロペリーコフは,どのような病気に効きますか。

ストロベリーコフは、一般にいわれる大麻に食欲増進,不眠症,いわゆる大麻が使われるというものには全般に効きますし,CBNが多いのですから,どちらかというと鎮静作用ですね。鎮静するのに適した病気に効くと思います。

ストロぺリーコフの種は,どこから手に入れましたか。

これは,オランダのセンシシード社です。

一般的になんですが,病気のかたに大麻というのは,どのぐらいの量が必要なんでしょうか。

それはね,病気によっても違いますけーどね,し好品として吸う大麻はほんの、吸ったり吸わなんだりする場合もありますけど,医療用の場合はやっぱ毎日定期的に吸わなきゃいけないですから,1グラム吸っても1年間で400グラムになりますしね、二,三グラムは吸う,もっと吸う人もいますから,最低500ぐらいから一人面倒見ようとしたら1キロぐらいないとこれ,その人をカバーできませんので,私はそんなに作れないと断っておる場合もあります。

大麻の株1本から何グラムぐらい採れますか。

株の大小によりますよ。それは小さいの1本だったらほんの10グラム、20グラムしか採れないし、大きいなると200、300と,それが2メートル,3メートルになると。でかくたって先っぽがちょぼちょぼしかなければ,ちょっとしか採れないしね,それはそのときの天候とか品種によって。総じてサティパ系ですね。大きくなる大麻は当然たくさん採れますし,インディカ系の小さい大麻は,効きはいいですけどちょっとしか採れないと,そういうものです。

今回栽培したのは,1本当たりどれぐらい大麻採れますか。

1本当たり,どうだろうな、100以上は採れる。100も採れねえ,100じゃ,二,三百は採れる,物によってはね,最大200から300は採れるから,小さいのでも何十グラムでね。1メートルぐらいのやつだったら何十グラムも採れねえかな。品種によってだね,これはね。

以前の裁判で,白坂さんが桂川さんに病人に配るための大麻を依頼したと,そういったことで栽培してもらって,その病人に配ったって話をしてたんですけども,今後も白坂さんと共に活動を続けるつもりですか。

それについてはですね,今回の事件において,私の供述調書が余りにもつまびらかに具体的に述べてると,真実を述べ過ぎてると。そういうことで仲間を売るようなことをやったと,言わなくてもいいことを言い過ぎてると。白坂黙ってたのに俺がしゃべり過ぎたということで,ちょっと勘気を買いまして,白坂サイドからちょっとボイコットみたいな感じにちょっとなってしまいまして,ちょっとそれも私としては,よいものだということで社会に告知してやったもんですから,全てをお話ししてこういうもんだと、そして大麻は病気に効くいいもんだとそういうふうに話したいもんですから,本当に微に細にわたり,人の名前こそ挙げてないものの当事者が読めば,もう誰のことを言った,これは誰のことだとか分かるようなものなんですから、ちょっと言い過ぎたかなと思っております。それで,白坂から勘気を買いまして,ちょっとこれから活動家として失格だと,もう活動家としては戻れないと,今そういう状況になっております。

そうすると,今後は一緒に活動はしないということですか。

相当不興を買って怒ってますからね。しかも私がその活動家のかがみであるなんて向こうが勝手に思ってたんだと思うんですけどね,そんな私は玉じゃないしね,おしゃべりな人間ですよ,何でもしゃべっちゃうし。そんなこといってもけんかになりますから,ちょっとこれからは難しいですね。一緒にはできないと思いますけどね。

じゃあ,白坂さんではなく他のかたから,今後,病気の人に配るから大麻栽培してくれって言われたらどうしますか。

多分、そういうこともまた来ると思います。でも今回,やっぱしそういうことで引きずられて,またこういう警察のお世話なったと。ほいで,周りからも,私ももうとうに還暦を過ぎて老境に入っておる64歳ですねん。いつまでもチンピラの若いようなやつと一緒になって大麻なんかやってんじゃねえって,もう本当にそこら中行って言われるもんですから,運動はもうここは潔く手を引いて,栽培も個人でやってくださいと。私は大麻屋じゃありませんから,もう一切その辺は関わりたくないと思ってます。

栽培以外に他の大麻に関する活動というのはやりますか。

言論の自由はありますからね,戦後,日本は言論の自由だけは取り戻しましたから,それは頼まれればそういうことはやりますけど,あんまりもうやりたくないですね。

CBDオイルの販売はどうしますか。

CBDオイルは今,別に白坂だけの専売特許じゃないし,日本各地でいろんなかたが販売を始めてます。それから,アメリカから直接日本向けに販売もしておりますし,ネットでも買えますから,別に白坂から入れなくても因りません。

株式会社あさやけというところでは,桂川さんと白坂さんは二人とも役員になっているのではないですか。

ええ,そうです。

今後,それはどうしますか。

それは今後,解消っていうことになると思いますけどね。取りあえず今はまだ,それで登記してありますので,会社の登記はこのままにしとくという,取りあえずですけどね。

そうすると,今後,現行の大麻取締法がある限りでは法律を遵守していくということですか。

合法化間近とはいえ法がありますから,ほいで害がないとはいっても,こういう警察のお世話になれば,それ以上のいろんな問題が起きますので,私もおやじの介護とかうちの資産の運用とか他にいろいろやることがありますので,もう30数年間もやってきて,ここで一応言うことも言ったので,支援者や日本の大麻愛好者,そういう人たちにはある程度顔が立ったと,そういうふうに感じておりますので,ここでやめても別に誰も文句は言わないんじゃないですか。

法律を遵守するという言葉を担保できるものというのは,何かありますか。

それはさっき言ったみたいに白坂とはこういう関係になりましたし,それから今,おやじの介護をしておりますので,そっちの方が忙しくて運動はもうできないと。ほいで当然,こういうことを何度も重なれば,当然当局も厳しくなると思いますので,もう私はやりたくありません。

前回,刑務所に行くことになった裁判のことについてお聞きしますが,そのときは法律を今後は守っていくとかいう話はしましたか。

いや,そのときはね,若かったから、まだね,大麻規制は憲法違反だと,刑罰を科して大麻を規制する理由は何ですかって聞いたら,「ダメ。ゼッタイ。ホームページと元徳島県警本部長の大麻害悪論とネズミに大麻のTHC溶液を注射したら異常行動起こしたという,そういう資料を出してきました。それで大麻は有害であるという,もう検察がちょっとこれを出してこられたんでは,そのときは若かったですから,もうちょっとこれは不当であると,ねつ造された資料だし,根拠のない資料だということで上訴して,ずっと戦ったんですけどね,結局何だかんだいって刑務所と拘置所で6年間入ることになってしまいました。

前回の裁判ではそのような主張してたのに,今回はもう法律を守っていくというふうに気持ちが変わったのはなぜですか。

もう年齢のせいもありますよね。結局若いときと今とではもう気力が,情熱が違います。ほいで,後進が育ってきてます。もう全然我々の、もう世代の人が我々のもう子供,息子や娘みたいなのがもうそういう運動をやってますからね。もうそういう人たちからも老害だと,長老たちは去れと,そういう声も聞こえてきます。老兵は去るもの,誰か言いましたけどね,これマッカサー。それで,静かに引退さしてほしいと,そういうことで皆さんにお願いしております。

すると,桂川さんの意思としては,もう今後は大麻を栽培したり,何かそういう違法になるような活動には関わらないということですか。

いや,刑務所はもう十分務めてきましたし,ほいで,前刑のときに麻薬取締官の幹部が,アメリカが合法になれば当然日本も合法になると,そういう言質を頂いております。当然今,アメリカが各種大麻合法化,事実上合法化なっておりますので,これはいずれ大麻ビジネスの波も日本に訪れると。現に大麻製品がっ入ってきておりますから,それに関 しては私はもう役割は終わったと,後進に道を譲って,どうなっていくかは見守っていきますけど,もう私の出る幕はないではないかと,そのように考えております。

現在,保釈の身ですけども,ふだんはどのように過ごしていますか。

ふだんは,実は昨年4月におやじが車椅子から降りてね,歩き回ったんですよ。それで,また骨折をしてしまい,大腿骨骨折をして寝たきりになったもんですから,病院に通ったり,食事の世話や下の世話,デイサービスも介護保険制度を利用して週に3回お世話になってます。そんなかんなでちょっと毎日忙しくて,大麻の客にもいろいろ支援者も来るんですけど,なかなかうまく対応できなくて,そんな状況で毎日過ごしております。

毎日,父親の介護をしているということですか。

父親がね,やっぱし95歳ですよね,もう。いつ死ぬか分かんないもんですから,これは父親を,この状況で保釈されてて本当によかった。保釈されてなかったら,またちょっとえらい目に遭ってたもんで,保釈さしてもらっていろいろ面倒見て,手続もできて本当に有り難かったと,本当にそれは感謝しております。

あなた以外に介護できる人というのはいるんですか。

うちはね,恥ずかしながら男三人ですけどね,みんな独身なんですよ。それはいろいろ個人的な事情がありまして,独身。ほいで,弟は家業を主になってやってまして,ほいで,兄はどっちかいうと愚鈍でのろまなんですから得てないと。結局,私が祖父の面倒も30年前見ておりましたから,そういうことで私が今は面倒見ております。

ちょっと聞き忘れたんですが,本件の大麻栽培して白坂さんに渡すときにお金をもらったりしてますか。

いや,お金は頂いておりません。

今まで病気のかたに配るときにお金をもらったことありますか。

お金はもらっておりませんが,お菓子とかお酒とかは頂いております。

今後,社会復帰した場合というのは,どのように暮らしていきますか。

社会復帰と言われても,もう私64歳ですからね,年金とちょっとしたね,自動販売機の上がりだとか駐車場の上がりだとかね,そんなところで細々と暮らしていくだけですよね。それで,また何かやろうっていうもう気力はないですよね。

最後に,裁判官に伝えたいことはありますか。

そらいっぱいありますけど,今回,供述調書が私が問題になっております。余りにもつまびらかに真相を書いていると。供述調書を精読してもらえば,私にはあんまり悪意というのはなかったということが理解していただけると確信しております。そして、1歩でも2歩でも大麻合法化,医療大麻合法化,取りあえず医療大麻合法化に向けて公正な審理をしていただきたいと。私は違法を承知でこういうことをやっておりましたものですけど,そこは十分違法行為ということはいけないこと,十分そこは反省しております。決してこれからはもう遵守して,だから合法化にして,逆説的ですけど大麻を合法化してほしいと,それに向けて1歩でも進んでいきたいと,そんなふうに要望しております。

<弁護側質問ここまで>

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