以下、2月9日に開かれた被告人質問のうち、検察による質問の記録です。
検察官
まずちょっと経緯から確認しますが,被告人が初めて大麻を自分で使ったのは昭和53年の頃だったということでいいですかね。
はい。そうですね。その頃ですね。
当初は余りいいものだと思わず,昭和55年頃に知人からもらったのを吸ってみて,これはいいものかもしれないというふうに思うようになったということでいいですかね。
はい。
その後も平成5年に最初の逮捕があるまで,大麻は使い続けていたということでいいんですか。
はい、そうです。
大麻を栽培し始めたのは、いつ頃だったということになりますか。
大麻覚えた頃と同時ですね。昭和53年頃ですね。栽培というよりも,そのときはまだ野生大麻がありましたからね,野生大麻を採ってきたりして,そのうち河川敷とか山の斜面とか自宅でも栽培始めました。
その河川|敷や自宅などで栽培を始めたのも昭和53年頃で。
53年じゃない,五十四,五年,5年頃だね。
いいなと思い始めた頃ということでいいですかね。
はいはい。
平成5年に前科がありますね。
はい。
栽培のものでしたけれども、この前科があった後も更に栽培を続けていた,使用を続けていたということですか。
はい,そうです。
平成5年に判決を受けてから,どれくらいでまた栽培したり使うようになったりしてますか。
それはまた,ほとぼりが冷めたら。
「ほとぼり」 というのは,どれくらいですか。
2年,一,二年ですね,これ。それで,運動をそのときもう始めましたからね,そのために,運動を盛り上げるためにも大麻は必要だということで私も■■もみんな栽培しました。
そうすると,平成5年の前科の後にまた大麻を栽培し始めたのは,自分で使うためや運動を盛り上げるためだったどいうことですかね。
はい、そうです。
それから,11年空いて平成16年に,また前科がありますね。
はいはい。
営利譲渡や営利栽培,営利所持などでありますが,これによって平成21年5月まで服役をしたということになりますね。
はい,そうです。
平成21年5月に出所してから,しばらく大麻の栽培はしていなかったということですか。
それはすぐにはできませんよ。また,それは刑務所でね,すぐ捕まってまた入ってきたという,これはシャブですけどね,そういう人をいっぱい見てますから,結局出てすぐ捕まるというのは道ができてると,とくとくと行為は同衆にこう言われて,しばらくはやらない方がいいだろうと,そういう判断ですね。幾ら頼まれでもちょっと,しばらくはちょっとやめとこうと。それはそうです。誰だってそうです。
そうすると,平成21年の5月に出所してから,また桂川さん自身が栽培をしようと思って始めるまでにも,いろんな人からまた大麻を作ってほしいという依頼はあったということですか。
そうですね,はい。
それに対して,桂川さんは断っていたということでいいんですか。
そんなに人の分までそんな何で俺が作るんだということもありますしね,そんな刑務所行って懲りてる人にそんなこと言う方がおかしいだろうって話ですね。
平成23年になってから、また大麻の栽培を始めたということですね。
そうですそうです。
平成23年のいつ頃になりますかね。
いや,それは春ですよ。春から種まきますから。
平成23年の春頃にもうそろそろ作り始めようかと思ったのは,何かきっかけがあったんですか。
いや,それは白坂なんかから医療用として、そういう医療用の情報がもうその頃からどっと入ってきましたからね,これは医療用で使えると。ほいで,前回の裁判のときにね,前田さんの裁判なりますかね,中島らもに緑内障として渡したということがこれ,どうしても大麻でない病気とか大麻で効く病気だったらこれ非常手段,緊急避難的にこれは使ってもいいというような裁判官の言質がありましたもんですから,それで,じゃあ,そんなに必要なら作ろうと,そういうことです。
それが平成23年の春頃だったということですけれども,このときにはまた自分で使ったりとか,人に医療大麻としてではなく,し好品として使う人にあげたりとか,また運動を盛り上げていくためにも必要だという考えはありましたか。
ありました,はい。
23年の春頃にまた栽培を初めて,それから本件に至ったということになりますかね。
はい,そうそうそう,そうです。
23年の春頃にまた栽培を始めてから,被告人自身も大麻を使っていたということでいいですか。
はい,そうです。
それを前提にですけれども,被告人,先ほどから何度も言っていましたが,医師などの医療系の資格,あるいは薬剤師などの薬剤に関する資格などは持っていますか。
もちろんそんなものはありません。それ,私は大麻というものは昔から民間療法で使われていた薬草ですから,ピワの葉とかゲンノショウコとかドクダミとかそういう類の『ものですから,これは別に副作用があるそういう劇物,薬物ではありませんから,それは経験則でこれは安全なものだJと私は認識しております。
医療や薬剤などに関して専門的に学んだこともないということでいいですか。
それはありませんけど,そういうものでは私は民間療法で使われたものだから,そういう資格がなくても経験則で使えると,そういうふうに認識しておりました。
被告人がこの本件当時,平成24年3月から平成25年の10月2日までのことについて,栽培については起訴されていますけれども,この頃,大麻が効くというふうに思っていた病気なんですけれども,もう一度幾つか挙げてみてもらえますか。
日本でですね,多発性硬化症,私も確認したのは多発性硬化症,それから不眠症,がんの抑制,がんは治りませんでした。これ抑制。それから各種神経疾患,特に交通事故の後遺症ですね。この人には非常に効果がありました。結局,医者に見放されたような人が多かったですね。ということは結局,ケミカル薬物でかなり体調を壊した人たち,それをやめたからよくなったということも言えると思います。大麻だけの効果だけではないと思います。
桂川さんが実際に大麻を譲り渡して使ってもらって,これは効果があるんだろうなと思ったのは多発性硬化症と不眠症とがんと,あと神経症の症状が出る交通事故の後遺症など。
あと目の病気ですね。
さっき言っていた緑内障などの目の病気ということですかね。
はい。
実際に確認をしたのは,大きく分けてこの5つぐらいだということでいいですか。
はい,そうですね。
今挙げた5つですけれども,先ほどからCBDとかTHCなどそれぞれの効能がありますね。
ええ。
どちらが効くものだとかいうのはありますか。
これはね,両方が複合して効くというのが最近のそういう専門家の研究結果で,海外からも出ておりますし,私も経験から両方が相互作用して効くんではなし、かとそのように,特にがんなんかはCBDよりもTHCの方が効くという,そういう報告も聞いております。
ちょっと順番に聞きますけれども,多発性硬化症に関してはCBDやTHCの成分がどのように,何に働き掛けて。
それはね,血液検査をしてね,私が渡してた■■■■さんという患者さんですけどね,大麻を摂取してから血液検査をしましたら,病気の原因となる神経細胞の剥離,これが血液検査をすることで分かるそうなんです。神経細胞の細胞が剥離する病気ですから,それが徐々に止まってきたと,そういう報告を受けております。
CBDやTHCがどのようにしてその神経細胞の剥離を食い止めたのかということについて,被告人は知っているんですか。
それは経験で,経験というか,海外の文献とかそうした患者さんの血液検査とか患者さんの感想とか,なるほど,そういうことで効くんだなと,ただそれだけのことでございます。
同じ質問ですけれども,緑内障についてはどうですか。
緑内障も,私自身も大麻吸うと,目が充血して,こう毛細血管が開くんです。ほいで,血流がよくなるんですよ。だから当然眼圧低下,緑内障のそれに効果があるということは,素人考えでもこれ分かりました。
それは自分の経験からということですか。
自分の経験から分かりますし,文献にもそういう毛細血管を膨張させる,眼圧を下げるという,そういう報告がありました。
不眠症についてはどうですか。
不眠症につきましてはね,実はこれ大麻の量って両方の作用があるんですよ。興奮して眠れなくなる人もいるし,かといって不眠症の人は眠れるようになるんですよ,これ不思議な。これ多分CBD,こっちの方が効くんではないかと思うし,それで眠れるようになるんではないかと,そういうふうに私は考えております。私も当初は,これはどっちかといえば覚醒に効くんじゃないかと思いましたんだけど,耐性ができますと別にすぐ寝れる,体が眠りの方に移行してるときは大麻によってすぐ眠りに入れると。たくさん大麻を入れてもそのまま眠ってしまうと。これはいずれにしても眠ると。これは健康にいい,そういうふうに私は認識しております。
これもCBDやTHCがどのように働き掛けて,こういう効果が出るのかということは,被告人自身は分からないということになりますか。
それは精密的な人体のことですから,これは専門家の医者が追跡しないとどういうことか。そんなこといえば,あらゆる薬ってものはそこまでは追及してないと思います。特に民間療法の薬草に関しては,そこまでは分かっていませんし,経験値としてこれはそういうもんだと私は認識しておりました。
がんについてはどうですか。
がんについては,今回,ビデオ出演をされたかたもいらっしゃいますけど,これは余命6か月か,6か月で,それで大量に大麻を入れ出してから今,3年以上生きて,生きてっておかしいけど3年以上食い止められてると。これ明らかにこれは効果があると,そういうふうに私は感じております。
がんについても,その詳しい働き掛けの方法などについては分からないけれども。
本当は書証にも,アメリカの国立がん研究所の詳しい検査の結果,それはがんを抑制する作用があるという報告がされておりますので,それを信頼できる報告ですから,それでもってこれがんに効くと,そう思っておりました。
交通事故の後遺症などの神経に関するものについてはどうですか。
これはもう実地に,その人はね,ステロイドでね,いろいろ薬物をやってて,それでちょっとおかしくなったもんで,でも痛みが止まらないと。じゃあ,一切やめて大麻だけにしたらどうかと。そしたら食欲も出るし,痛みもなくて,何の副作用もないと。ケミカル薬品は必ず致死量がありますし,副作用があります。大麻というものは,私の経験則として,これはないと。そういうことですから安心してそのかたに勧めて,ほいで痛みが止まったという報告を受けております。
ちょっと前提なんですけれども,平成23年の春頃に栽培を再開して以降は,医療大麻に使うというふうに聞いていた分は,全て白坂さんに渡していって。
いえ,白坂に渡したのは,供述書にあるようにおおむね,いつも3分の1くらいはやってました,それは。医療用にやるということ,それは白坂のとこに来てる人,私,医療用で来てる人も知ってましたからね,私のとこにいっぱい来られでも,また個人的に来る人もいるもんですから,そんなこといちいち対応できないから,白坂に分担できるなら分担してもらいたいと,そういう気持ちでやっておりました。
白坂さんに一本化してやってもらっていたということでいいんですか。
いや,私のとこで個人的に患者さんが来る人も,私のとこへ個人的に来る人もおります。
何人ぐらいいますか。
せいぜい,そんなにたくさんは面倒見れないですからね,何人かぐらい、,数人。
その数人のかたや白坂さんが,その先に渡している病気だと言われるかたのその症状との関係でどれくらいの大麻を使ってもらうのがいいのか,どういう使い方がいいのかということは,被告人は知っていたということなんです
ほぼ,大体目安として1日1グラム以上ですよね。1グラムじゃ足りないよね,それでも。全然足りないんですよ,これ医療用に使うとなると。だから,他のとこからも調達してたと思います。私のとこからじゃなくて,いろんなとこに行ってもらってたと思いますよ。
どういう症状になったら,どれくらいの量が適切かというのは,被告人はどうやって判断していたんですか。
いや,そんなことはあれですよ。うちのとこに来る限りは日常生活はできますよね。そういう患者ですから,私たちが日常使ってるような感じ,このくらいの量で何日分というような感じで私の判断でやっておりました。
どういう要素から判断していたんですか。
私の経験則です。それは1日1グラムあれば,普通の人だったらこれ十分です,し好品としてなら。それが目安ですね。アムステルダムやバンクーパでもみんな2グラム単位で売ってますから,大体そんなもんじゃないでしょうかね。
ちょっと話を進めますけれども,それで,最近になってCBDオイルを輸入して販売するようになったということですね。
はい,そうです。
輸入をしている会社なんですけど,ブルバード社と。
ディクシーボダニカルズ。
ディクシーボダニカルという会社ということでいいですか。
ええ,これはコロラド州です,アメリカ。
この2社なんですけれども,CBDオイルをいつ頃から販売し始めていたかということは知っていますか。
いや,合法化前から,コロラドは今,合法でいろんなもの売ってますけど,CBDオイルはその前から売ってたと思います。
今を基準とすると,どれくらい前という認識なんですか。
いつ頃かな。俺,あの会社設立がいつだか俺知らねえけどね,デンバーではね,もう市の条例で10年以上前からみんな合法でしたから,多分その頃からいろいろやってたんじゃないですか。
そうすると,被告人が今起訴されている栽培や所持をしていた最も前で平成24年3月頃には既に,ブルーバード社やディクシーボダニカル社はCBDオイルの販売をしていたという。
と思います。ちょっと確認しないと分からないけど,それは多分してたと思います。
それで,被告人自身がこのCBDオイルについて輸入の準備を始めたのは,いつ頃になりますか。
実際手続したのは相棒の白坂がいろいろ折衝して手続をして,会社設立に至っては私が書類を用意したり印鑑証明も作ったりして,そして去年の6月に設立して,それはもう社会に宣伝してやっております。
平成26年の6月に設立ということですね。
はい,そうです。
実際に被告人自身がCBDオイルの存在を知って,これを輸入しようと考え始めたのは,いつ頃だったという記憶ですか。
それは,そういう話があったのは去年,おととしですね。そういうCBDオイルが出回ってて,それで、それはハイにならないと,鎮静に向かうものであって,これは大麻を吸わない人でも安心して処方できるという話を聞いております。去年,おととしからですね,去年,おととし,そうですね。
平成25年ということになりますか。
5年,25年,6年,25年だね。5年にはもう話はありました,そういう話は。
平成25年のいつ頃ですかね,遅くとも。
いや,もう春頃にはそういう話は聞いてました。でも,あんまり私はぴんと来なかったんですよ。私はTHCの方が医療用として有効ではないかと,そういうふうに考えたものですからね,茎由来のCBDは果たしてどうなのかと。ところが小児てんかん,子供はちょっとハイになっては困りますからTHCのないものは,なるほど,これは小児てんかんとか子供用にはこれいいだろうと,そういうふうに思いました。
そうすると,その平成25年の春頃,3月頃ですかね,CBDオイルがいいかもしれないということを聞くまで,被告人自身がCBDオイルの輸入について考えたことはなかったということになりますか。
私自身は,大麻いうの医療用に合法化ということを考えて持っていましたので,改めて大麻の液を絞って瓶詰にして売るというのも,何か付加価値を付けるための商品化のための何か口実みたいなもので,実際高いもんですからね,あれ。税関や何か通ってくると,1本1万円以上になっちゃうんですよ。なら大麻いっぱい作って,青汁作って飲んだ方が早いんじゃないかと。現にそれが一番効くっていう話もありますしね。じゃあ,合法化するしかないと。でも白坂の見解なんかでは,茎由来とはいっても大麻そのものですからね,これが大麻取締法で合法だということは,これは画期的なことではないかと。これは大麻取締法の崩壊ではないかと。有効成分を含む大麻製品がこれ合法なんですからね,その原料となる大麻草の栽培が懲役刑なんてものはおかしいじゃないですか。そういうことですよね。
ちょっと話戻しますけれども,そうすると,被告人自身はCBDオイルの存在は平成25年の3月よりも前から知っていたけれども,それを輸入しようということは考えたことがなかったの。
そらもう輸入したらこれ,税関で止められて没収なるでしょうと普通誰でも思いますよ。
質問最後まで聞いてください。平成25年3月より前からCBDオイルというものが存在しているということは知っていたということになりますか。
知っていましたね,25年。どうなのかな,あの頃は。そんなものあるとは言ったけど,俺はね,そもそも医療大麻なんていうこと自体がちょっと俺は怪しいと思ってたわけ,実際のところ。その何か医療大麻って言葉なかったんですよ,昔は。何か知らんけどアメリカが合法になる段階において,アラスカとどっかの,アラスカとオレゴンか,それはし好性大麻ということで合法なったんです。ところが何か途中から医療大麻というふうになってきちゃってね,これアメリカが言い出したことなんですよ。何か一遍に合法化というのもちょっと何だからワンクッション置いて,これは取りあえず医療大麻でいこうというような,そういう考えがあったんではないかと。ヨーロッパではそんな区別はないですよ,多分。それから,改めてアメリカでそういう概念が出てきたもんですから,オランダでも医療大麻を合法にして,もちろん合法化ということは医者も使えるし,保険も利くという,そういう制度を作ったというふうに聞いております。ドイツもそういうことです。アメリカもその後,まず医療大麻を,これはもう医療大麻ということは事実上合法なんですよ。これは医療大麻販売所がありますから,医者のライセンスさえもらえばそこで自由に買えますから,ほぼ合法だと。それで,医療大麻ということになれば議会の説得もしやすいと,そういうことで多分医療大麻という概念が出てきたんだと思います。
ちょっとまた話戻しますけれども,桂川さんがCBDオイルの存在を知ったのは,いつぐらいということになりますか。
いや,平成25年,4年から5年にかけてですね。
24年から5年にかけて存在を知ったと。
はい,そうです。
ただ,これが効くかどうか,病気に効くかどうかというのはまだ分からなくて。
いや,病気に何か効くだろうとは思いましたよ。思いましたけど,そんなもの輸入したら没収されるか逮捕される。また面倒くさい話になりますからね,私はやる気はなかった,輸入なんか,そんな。
被告人自身は先ほど言っていた5つの病気について,THCの方が効くのではないかなというふうに思っていたとさっき言っていましたね。
はい。
CBDの成分も,これらの病気には有効だという考えはありましたか。
はい,ありました。
そうすると,そのCBDオイルだとTHCの成分が基本的にないので。
いや,若干あります。
なので,CBDが主なので,万能というわけではないけれども,先ほど言っていた5つの病気にも効果はあるのではなし、かと,そういうふうに考えていたということでいいですか。
はい,そうです。
ただ,輸入をすることは違法なんだろうから,もうそんなことはやめておこうと思っていたということでいいですか。
はい,そうです。
ちなみに白坂さんからも医療用大麻として頼まれていたということでしたけれども,白坂さんが渡していた相手が何人ぐらいいて,どのような病気でどれくらい渡しているのかということは,被告人は知っていましたか。
それは詳しくは知りませんが,がんの患者にやってることは聞いておりました。
具体的には何人ぐらいで,どういう病気。
私の知ってる範囲では三人ぐらいですね。
それぞれどういう症状かというのは。
がんですね。
がんとしても,どういう症状が出ていて。がんのもう末期がんですね。
どれそらいの量を渡しているかということは知っていましたか。そこまでは知りません。
その三人ぐらいを除くと,その他に白坂さんが誰に渡しているのかということは知っていましたか。
知りません。
被告人が白坂さんに渡していたもののうち,その三人以外の人にあげているかどうか,またどうやって使っているかどうかということは,被告人は何も知らないということになりますか。
いや,逐次報告は受けておりますけど,そこは一つ一つ細かく確認はしておりません。
今回逮捕のきっかけになったイベントで,CBDオイルのお披露目をしようと思っていたということでしたけれども,このお披露目の対象というのは病気の人のみに限られていたんですか。
いや,対象とはいっても,これ実際のところ,そんな来た人に皆さんにいっぱい振る舞えるほど輸入したわけじゃないんです。サンプル輸入で何本か輸入しただけでもってね,そんなにたくさん皆さんにね,振る舞えるという量はありませんでした。
先ほど,健康補助食品という言い方をしましたが,これは病気の人に対して処方する,渡すということだけではなくて,病気ではない人に対しても使ってもらうということですか。
病気じゃない人は,高い金払ってそんなものは買わないと思います。
では,本件のことについて聞いていきますが,被告人の住んでいた家の中から大麻,植物の状態のものや刈り取ったものなど押収されていますね。
はい。
その他にフェンスで囲ってあった家庭菜園の方,ここからも押収されていますね。
はい。
その他にトタンで因われている畑からも押収されていますね。
はい。
この3つ,3か所に分けて聞きますけれども,まずフェンスで囲っていた家庭菜園,ここのものについては被告人は世話をするなどはしていましたか。
これは以前,免許を取ったときに作った培地でありまして,それ以降は毎年毎年自然に出てくる状態になっておりまして,私もそのままにほっておきました。それが今回,押収されたということです。
このフェンスで因われてる部分については,被告人は特に世話もしていないし,ここの部分については起訴もされていないということでいいですね。
そうすると,部屋の中にあったもの,ベランダ含みますが,それとトタンで囲ってあった畑,この2つになりますね。
はい。
まず部屋の中にあっJたものですけれども,これはどうする目的で作っていたんですか。
それはいろいろと私個人用です。
自分個人用というのは。
個人の私の神経痛とかもろもろの神経疾患ですね。体が楽になる,そういうものを摂取すると仕事ができる,そういうことですね。
自分で吸ったり,あるいは食べたりするためですかね。
そう,そうです。
バターも押収されていますね。
ええ,はいはい。
これは料理に使っていたということでしたね。
はい,そうです。
そうすると,これは神経痛を治めるためだけではなくて,健康増進という意味もあったんですか。
もちろんそうです,はい。
大麻を吸うことに関しては,その痛みを押さえるということの他に大麻の効用を感じ,リラックスするとかそういう目的もあったんですか。
もちろんそうです。
それから,捜査段階では,室内にあったものは自分で吸ったり食べたりするということの他に仲間に分けてあげるということも言っていましたが,仲間に分けてあげるというのは具体的にはどういう。
私はこういう運動してますから,全国から人が来ますけど,そのとき,ちょっと吸うものもないと運動家として顔が立たないと,そういう意味で私の分として作っておりました。
そうすると,これは医療用として使いたいからというふうに来た人というわけではなく。
ええ,それは別に,特に医療用というわけでありません。私の大麻合法化運動の名刺代わりというふうに捉えていただければいいと思います。
し好品としての大麻という理解でいいですかね。
し好品といえばし好品ってなりますし,先ほど申したように大麻使用というものは人間の体内にレセプターがあるものですから,これはいいものであるという,私はそういうふうに認識しております。
それから,室内にあったもの,特に居間,台所の隣にある部屋のベランダやベランダ脇から見つかったものは,観賞用の意味もあったという話をしてましたね。
それはね,茎をね,これ折ったり針金でこう細工すると面白い形に造形ができるんですよ。特にベランダより上に行かないように針金で引っ張ったりするところ,菊ですね,この断崖造りみたいな,こう菊の花みたいになりますから,そういうとこは楽しむためにやっておりました。
台所の隣の居間のベランダにあった鉢が9つありましたけれども,これはそういう鑑賞目的ですかね。
ええ,そうですね。
それから,窓際に全部で7つ鉢があって,そのうち3つ分について起訴されていますけれども,この窓際にあったものについても同じように観賞用ということになりますか。
はい,そうですね。もちろん最後は吸いますよ。鑑賞した後はみんな吸っちゃいます,私。
次に,一番東側の部屋,ベランダがある部屋ですけれども,そこのベランダにも2つ鉢がありましたね。
はい。
これも観賞用ということになりますか。
あの鉢は成長悪くて別に,観賞用っていやあ観賞用ですけど,できればもうけもんだという感じで作っておりました。
部屋の中のもの,ついでに話を聞いてしまいますが,台所の冷蔵庫にあったバター,これは自分で食べたり食事に使うというものでしたね。
食事に入れて使います,ええ。
それから,その台所の隣の居間にあった種ですけれども,これは何に使うためのものなんですか。
種を欲しいという人がいますもんで,これは小鳥を飼ってるかたですけど,その小鳥の餌として供給,供給というか,差し上げております。その人は別に栽培するわけじゃなくて,実は小鳥は生のオノミを好んで食べると。発芽抑制したオノミは食べないので,どうしても生が欲しいということで頼まれて,種を採って差し上げております。ちなみ小鳥が生の種を食べると,本当に目をつぶって口の中でもぐもぐさして本当においしそうに食べるという,そういう報告受けております。
その隣の洋室,階段のすぐ横にあるベランダのない部屋ですけれども,にも鉢が幾っか置かれていましたけど。
これは室内栽培です。
これも自分で吸ったり仲間に分けたりするためのものだったということですか。
はい,そうです。
この洋室には他にも種や摘み取ったようなものがありましたけれども,これも同じように自分で吸ったり食べたりですか。
いや,あそこへ上がったのはみんなね,私が捨てたりほかしたり,ほかしといたやつでもって,もう使い物にならない大麻です,あれは。
続いて,トタンで囲ってあった畑の方ですけれども,これはどういう目的だったんですか。
これは免許を取ったときにね,花粉が飛んでこないように隔離して,雨よけも付けたりしてね,そういうことをやってたところでもって,私が在監されたときは野放しになってるんですけど,出てきたときにまた修復して,そこで作ったというそういう次第です。
この畑の大麻は,何のために作っていたんですか。
もちろん医療用の吸うためですよ。
先ほど,3分の1ぐらいを白坂さんにっていう話をしていましたが,この白坂さんにあげる分というのは,この畑で作った分ということになりますか。
はい,そうです。
残りの3分の2は,何に使うつもりだったんですか。
それは私の自家用と,それから個別に来る患者さんとかそういうかたたちにやるものです。
自分で吸ったり食べたり。
はい,そうです。
その他,個別に来る患者さん,先ほど言っていた数人程度のかたですかね。
はい。
それ以外には。
それは,し好用として欲しいという人も来ます。それはお断りしてますけど,遠くから来た人にはお土産程度にはやる場合もあります。
あの畑では大体どれくらいの大麻。
あれは,順調にいけば3キロぐらいは採れるんじゃないかと。量ったことは,だから目見当でそのくらいなもんで,全部合わせてこれ3キロぐらい採れるんじゃないかと。
そうすると,そのうち1キロは白坂さんに渡して,残りの2キロのうち,被告人が自分用にと考えていたのはどれぐらいですか。
1キロぐらいですね。
残りの1キロを。
個別に来る人にやるということですね。
今回逮捕のきっかけになったイベントで大麻の天ぷらを出したという話,冒頭にしていましたね。
この大麻の天ぷらは,この室内や畑から出したものなんですか。
そうです。畑から持っていったもので,大麻は天ぷらにすると非常においしいということを皆さんに知らせたくて,前のイベントからも天ぷらを出したりしました。今回も天ぷらを食べて,経口摂取でもって体の中から温まって血行がよくなって,まったりとして,こういう効医療用効果を確かめてもらいたいと,そういう意図で供しておりました。
実際にはどうやって持っていったんですか,その会場には。
いや,その前にもう天ぷら用として白坂には渡してありましたから,そのまま冷蔵庫に入れたまんま当日持ってきたと思います。
あらかじめ被告人が葉っぱを摘み取って,それを白坂さんに渡していたということですか。
はい。
そうです。
量としてはどれくらいでしたか。
いや,それは水がありますからね,水があるから水の分も200グラムくらいあったかな。干せば,あんなものは50もないと。葉っぱですから,とにかく吸うとこじゃないですから,どっちかつて言うと。葉っぱと種付きの花ですね,それを天ぷらにするとおいしいと。吸う用までしちゃうとね,ちょっとえぐくなっちゃってね,これうまくないんですよ。なるたけ若いうちで若いちょっと種が付いたくらいのが非常においしい。ほいで,これは食べてもね,山菜の天ぷらみたいな感じで,しかも種があると非常においしいんです。これおいしいものにそんな刑罰を科して取り締まるようなものではないということを,これ皆さんに知ってもらいたい。そういう意図もありまして,大麻は食べられるんだということを,私は機会があればそういうことを皆さんにお知らせしてます。特に天ぷらの場合は,原形のまま油で揚げて頂きますから加工してるわけではない。そういう意味で非常にこれ大麻の使用としてはいいんではないかと,そういうふうに思っております。
白坂さんにその天ぷら用として渡したのは,乾燥しないと200グラムぐらいということですか。乾燥したら50グラムぐらいになるような量ということになりますかね。
多分そのぐらいじゃないですかね,ええ。
そうすると,その白坂さんに渡していた大麻は,一部が医療用として患者さんに渡っているだろうと,一部はこういうふうに天ぷらになっているだろうと,その余はどういうふうに使っているのかよく分からないと,こういうことでいいんですか。
よく分からないというよりも,白坂の言うことをちゃんと信頼して聞いてる限り,医療用だというふうに私は納得しております。ほいで,天ぶらで食べても,それが経口摂取としてこういう効き方があって,体が神経がほぐれて楽になるという,そういう食にもよい,食べて気持ちもよくなる,これはとてもいいもんではないかと,そういうことを世間に知らせたくて私はやっておりました。
その被告人の言っている「医療用」の意味なんですけれども,どういう意味で言っていますか。
医療用というと,例えば,副作用のある薬を専門の医者が副作用で致死量の半分以,下で処方するみたいなことを医療用というふうに一般には考えられております思いますね。大麻の場合は致死量がありませんし,当該の病気の患者のかたが摂取すれば,痛みが和らいだり進行が止まるという,これは経験則で幾つか分かつておりますし,それから科学的にそれがどういうメカニズムで働くかも分かつてきております。そういう意味で,それを医療用としてますし,健常者が摂取しても気分がよくなって楽しくなって,特にああいうイベントなんかでみんなで一緒にそういうものを取って歌ったり踊ったりすると,本当に気持ちがリラックスして明日への活力が湧くと,これは健康にいいと,こういうことはちょくちょく私もやっておりました。
そうすると,その被告人の言っている医療用大麻というのは,正にその薬の代わりになるような進行遅らせたり痛みを取ったりという意味もあるし,健康な人が血行がよくなったりリラックスしたりして,あしたへの活力が湧いてくると,そういう健康増進の意味も両方あるということでいいですか。
はい,そうです。正にそのとおりであります。
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- 桂川さん控訴審判決文 (2005-03-19)
- 桂川さん控訴審 最終弁論 (2005-03-04)
- 控訴審を闘って (2005-01-25)
- 最終弁論1 (2005-01-20)
- 控訴審第4回公判傍聴記 (2005-01-18)
- 減刑嘆願署名 (2005-01-11)
- 署名活動報告 (2005-01-04)
- 松本駅前で署名活動を行います (2004-12-16)
- 第2回署名集約締め切り/有志の会 (2004-12-08)
- 控訴審第3回公判速報 (2004-11-25)
- 桂川さん控訴審第3回公判のお知らせ (2004-11-23)
- 署名経過報告/有志の会 (2004-11-16)
- 署名にご協力を!/有志の会 (2004-11-16)
- 求釈明(弁護側提出) (2004-10-20)
- 桂川さん裁判第2回公判速報 (2004-10-14)
- 控訴審第2回公判報告 (2004-10-13)
- 控訴審第2回公判のお知らせ (2004-10-10)
- 検察提出の規制根拠 (2004-09-20)
- 控訴審第1回公判報告 (2004-09-08)
- 控訴趣意書1の要約と補充2 (2004-08-26)
- 控訴審第1回公判のお知らせ (2004-08-17)
- 控訴趣意書2 (2004-07-20)
- 控訴趣意書1の補充3 (2004-07-14)
- ポンさんの詩 (2004-07-03)
- 桂川さんからの手紙抜粋 (2004-05-21)
- 第一審判決文 (2004-04-20)
- 起訴内容 (2004-04-04)
- 桂川さん裁判とは (2004-04-03)
- 桂川さん裁判 (2004-04-02)
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