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第12回公判 検察官論告
白坂裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2016-02-12

第12回公判 検察官論告




論告要旨

罪名 大麻取締法違反
被告人 白坂和彦

第1 事実関係

本件公訴事実は,当公判で取調べ済みの関係各証拠によりいずれもその証明は十分である。
しかるに,被告人及び弁護人は,公訴事実については争わないものの,「大麻の有害性の低さ及びその有効性の高さからすれば,大麻取締法4条1項2号及び同項3号,24条1項及び同条の2第1項は医療目的を含めて一切の大麻の所持・栽培等を禁止している点で憲法13条,14条1項,25条,31条,36条に違反して無効であり,大麻取締法3条1項は,大麻の有害性の低さからすれば法定刑が懲役刑のみである点で罪刑の均衡を失し,前記憲法各条に違反して無効である旨主張して,大麻取締法の合憲性を争うとともに,「被告人方の捜索差押の実効性を確保することを目的として10時間以上にわたる身体拘束を行い,それを直接利用して行った被告人方の捜索差押手続には,令状主義の精神を没却する重大な違法がある。旨主張して,捜査手続の適法性を争って,無罪を主張しているため,以下,念のため,詳述する。

2 被告人及び弁護人の主張する大麻取締法前記各条項が違憲ではないこと

(1)被告人及び弁護人の主張する大麻取締法前記各条項が違憲ではないこと
大麻が一定の薬理作用を有し,人体に有害であることは公知の事実であり,国家が国民の生命・身体の安全及び精神衛生等の見地から,大麻の栽培・所持等の行為を規制し,その違反に対して刑罰をもって臨むことには,十分合理性があるのであって,大麻取締法の前記条項が憲法に違反しないことは明らかである(最高裁第一小法廷昭和60年9月10日決定等)。

(2)被告人及び弁護人の主張に対する検討
被告人及び弁護人は,大麻取締法前記各条項が違憲である旨主張する根拠について,以下のとおり主張しているため,念のため,各主張に沿って,検討する。

ア 大麻取締法4条1項2号及び同項3号並びにその処罰規定である24条1項及び同条の2第1項が違憲ではないこと

(ア)被告人及び弁護人の主張
被告人及び弁護人は,大麻の有害性の低さ及びその有効性の高さを根拠として,大麻取締法4条1項2号及び同項3号並びにその処罰規定で、ある24条1項及び同条の2第1項の違憲性を主張している。

(イ)検討
被告人は,証拠物として採用された海外における文献等の自身が収集した大麻に関する情報等を基に,大要,「大麻は,人体に対する有害性が低く,むしろ有効性が高い。」旨,「海外では,大麻それ自体が合法化される流れにあり,特に医療目的の大麻については,その流れは顕著である。旨供述している。

しかし被告人は,医療及び薬学等に関する高等教育を受けたことは一切なく,そもそも大麻の有害性及び、有効性について検証するに足りる信頼性のある専門的知見を備えているとは到底言えないのであって,被告人供述の信用性には自ずと限界があると言うほかない。

また,前記証拠物に記載されている大麻の有害性及び有効性に関する内容それ自体も,極めて種々雑多な内容であり,その信用性には疑義があると言わざるを得ない。

伝統材料として大麻の研究をしてきた武田邦彦証言によっても,大麻の成分であるTHCの薬効又は有害性は民族により異なる可能性があり,日本人の人体に対する影響については,まだ解明されておらず,全く分からないのが現状である。

海外において大麻を合法化する潮流が見られるとしても,それ自体が大麻の有害性の低さ及び有効性の高さを直ちに証明するものではないのは言うまでもなく,また,かつて我が国で、大麻が医療目的で使用されていたこと等がそれらを直ちに証明するものでもないことは言うまでもない。

したがって,弁護人請求証拠及び被告人供述等のいずれによっても,被告人が大麻取締法の前記条項が違憲であるとしづ主張の根拠として挙げる大麻の有害性の低さ及び有効性の高さはいずれも明らかでなく,何ら前記結論を左右するものではい。

(ウ)小括
したがって,大麻取締法4条1項2号及び同項3号並びにその処罰規定である24条1項及び同条の2第1項は,前記憲法各条に違反するものではない。

イ 大麻取締法3条1項並びにその処罰規定である24条1項及び同条の2第1項が違憲ではないこと

(ア)被告人及び弁護人の主張
被告人及び弁護人は,大麻の有害性の低さからすれば法定刑が懲役刑のみである点で罪刑の均衡を失しているとして,大麻取締法3条1項並びにその処罰規定である24条1項及び同条の2第1項の違憲性を主張している。

(イ)検討
大麻が一定の薬理作用を有し,人体に有害であることは公知の事実であり,弁護人請求証拠及び被告人供述等のいずれによっても,大麻の有害性の低さ及び有効性の高さはいずれも明らかではなく,その結論は何ら左右するものではないことは,前記のとおりである。

してみると,国家が国民の生命・身体の安全及び精神衛生等の見地から,大麻の栽培・所持等の行為を規制し,その違反に対して刑罰をもって臨むことには,十分合理性があると言うべきであるところ,大麻取締法の立法趣旨及び前記各規定の罪質等に照らせば,その刑罰が懲役刑のみであることにも十分に合理性があると言うべきであり,罪刑の均衡を失した不当に重い刑罰であるとは到底言えない。

(ウ)小括
したがって,大麻取締法3条1項並びにその処罰規定で、ある24条1項及び同条の2第1項は,前記憲法各条に違反するものではない。

ウ 結論

以上のことからすれば,被告人及び弁護人の大麻取締法前記各条項が前記憲法各条に違反する旨の主張には理由がないことは明らかである。

 

2 捜査手続が適法であったこと

(1) 被告人及び弁護人の主張
本件では,被告人が職務質問開始から任意向行先の安曇野警察署を退去するまで(以下「被告人の任意取調べ等Jという。)に午前10時29分頃から午後8時55分頃までの約10時間半を要したということ自体には,争いはないところ,被告人及び弁護人は,本件に関する大麻の押収手続について,「被告人方の捜索差押の実効性を確保することを目的として10時間以上にわたる身体拘束を行い,それを直接利用して行った被告人方の捜索差押手続には,令状主義の精神を没却する重大な違法がある。」旨主張し,前記一連の手続によって得られた証拠は違法収集証拠であり証拠能力を有しないとして,検察官請求証拠のうち鑑定書等の書証について証拠能力を争っている。

(2) 検討
ア 審理の対象
本件で審理の対象となっているのは,平成25年9月30日に被告人方において,捜索差押令状に基づいて差し押さえた大麻草約13.4グラム(茎の重量を含む)及び刑事訴訟法220条1項に基づいて差し押さえた大麻である植物片約4.979グラムである。

イ 違法収集証拠ではないこと
前者については,本件発覚の端緒となった大麻イベントの会場である天平の森における押収手続関係書類及び同イベント参加者である●●●●の取調べによって得られた供述証拠等の証拠を疎明資料として適法に発付された捜索差押許可状に基づいて行った被告人方の捜索差押手続によって押収された大麻草であるところ,前記疎明資料には,被告人の任意取調べ等によって得られた被告人の供述調書等の証拠は一切含まれておらず,すべてそれと並行して行われた被告人の身柄を利用しない捜査によって得られた証拠のみが疎明資料として使用されたものであり,そもそも,前記大麻草及びそれに関連する書証について,違法収集証拠であるか否かを検討すべき事案ではなく,もとより違法収集証拠として証拠能力を否定されるべき事案でもないことは明らかである。
後者については,同捜索差押の際に,被告人方において箱入りの大麻草が発見され,同大麻草の所持の事実により被告人を現行犯人逮捕したことに伴い,その逮捕の現場において刑事訴訟法220条1項に基づいて差し押さえた大麻であり,前記同様に,そもそも,前記大麻草及びそれに関連する書証について,違法収集証拠であるか否かを検討すべき事案ではなく,もとより違法収集証拠として証拠能力を否定されるべき事案でもないことは明らかである。

ウ 捜査手続に違法な点は存在しないこと
(ア)なお,被告人及び弁護人は,被告人の任意取調べ等の捜査手続について,令状主義の精神を没却する重大な違法がある旨主張しているため,念のため,付言するに,各警察官の証言からは以下の事実が認められ,同捜査手続には何ら違法な点は存在しない(各警察官の証言は,捜査段階から被告人が捜査手続について争う旨主張していたため,証人出廷を念頭において,事実関係の整理及び記憶の保持に努めてきたものであるところ,各証言は大要において極めてよく整合しており,相互に信用性を高め合うものであると言え,極めて高い信用性が認められる。)。

(イ)職務質問については,職務質問開始時において,被告人自身が大麻イベントの主催者であったこと及び同イベント参加者から逮捕者が出ていたこと等の事実が判明していたこと,更に,職務質問継続中に同イベント会場において大麻様の植物片が発見されるなど嫌疑が高まっていったことからすれば,職務質問を開始し,それを継続する必要性及び緊急性は十分に認められる。また,職務質問は,路上での職務質問及び天平の森における職務質問を合わせると約4時間半に及んでおり,その聞に被告人が帰宅意思を示したことはあったものの,被告人が警察官の質問に対して任意に応答し続けていたこと,被告人が自動車の窓を閉めて警察官に聞こえない状態で弁護士に何度も電話をかけるなど外部との連絡を取っていたこと,被告人が乗っていた車両のエンジンを自ら切って応答しsていたことなどからすれば,被告人が,消極的にであれ職務質問に任意に応じていたことは明らかである上,警察官が被告人車両の直前直後に立ちふさがり続けるなど有形力を行使した事実もなく,相当性についても何ら問題ない。

なお,所持品検査については,被告人供述によっても,被告人が任意に応じていたことは明らかであり,何ら問題はない。

(ウ)任意向行については,被告人自身が自らの車両を運転して安曇野警察署に行ったこと,被告人車両の前後を警察車両が走行していたが,そもそも安曇野警察署の場所が分からない被告人が先導を依頼したものであったこと,途中で被告人が知人男性を見付けて車両を止めた際に先導していた警察車両が先に行くなど,被告人車両の前後を警察車両で塞いで逃亡できないようにしたというものではなかったこと,被告人の要望により,途中まで知人男性を同乗させて明科駅に送らせたり,コンビニエンスストアに立ち寄ったことなどからすれば,被告人が任意に安曇野警察署まで同行したことは明らかである。

(エ)任意の取調べについては,約4時間半に及んでおり,その間に被告人が帰宅意思を示したことはあったものの,被告人が警察官の説得に応じて指定した最終的な終了時刻である午後8時を大幅に超過することなく午後8時12分頃に取調べを終了したこと,参考人として作成した被告人の2通の供述調書(乙2,乙3)に記載されている大麻報道センタ及び大麻イベントの内容などは被告人自らが警察官に供述したものであったこと,前記2通の供述調書に被告人が署名指印をしていることなどからすれば,被告人が任意に取調べに応じていたことは明らかである。

なお,被告人は,立ち上がって取調室を出ようとした際,警察官が前に立ちはだかった旨供述しているが,被告人の供述を前提としても,2分程度の短時間のものであったこと,被告人がそのまま取調室を出て行ったことからすれば,被告人の行動を制限した程度は極めて軽微であったというほかない上,2通の供述調書を作成した後の取調べ終了間際の出来事であり,それ以前の手続の適法性に何ら影響を与えるものではない。

(オ)捜索差押手続については,適法に発付された捜索差押許可状に基づいて消防署員を立会人として実施したものであり,何ら違法な点は見受けられない。
なお,被告人及び弁護人は,被告人方における捜索差押の実効性を確保する目的で、警察が前記一連の手続を行って被告人の身柄を不当に拘束した旨主張しているものの,警察官が再三にわたり被告人に対して被告人方の捜索差押に立ち会うように説得したものの被告人がこれに応じなかったこと,捜索差押の途中で帰宅した被告人に対して捜索差押許可状を示して立会人とさせたことなどからすれば,警察官には,被告人を殊更に排除して被告人方の捜索差押を行う意図は皆無で、あったことは明らかである。

エ 小括
以上のとおりであり,被告人の任意取調べ等は約10時間半に及んだものではあったものの,嫌疑の程度及びその高まり,証拠隠滅の危険性が高い薬物事犯の特性,前記イベント主催者であった被告人の立場等からすれば,いずれの手続についても,その必要性・緊急性は高く,また,その方法も穏当で,被告人が任意に応じていたと評価できるものであり,違法な点が存在しないことは明らかである。

3 結論
以上のとおりであり,被告人及び弁護人の主張する前記大麻取締法各条項が前記憲法各条に違反しないものであることは明らかであり,また,捜査手続に違法な点は存在せず,違法収集証拠として証拠能力が否定されることもないことは明らかである。
したがって,関係各証拠からすれば,被告人には,公訴事実記載の大麻取締法違反の罪が成立する。

第2 情状
被告人は,平成15年に大麻取締法違反により懲役3年,5年間執行猶予の有罪判決を受けたが,被告人供述によっても,その後も他人に大麻を譲渡し,自らも大麻の施用を繰り返していたものであり,依存性・親和性がうかがわれる。
被告人は,いわゆる大麻解放論者であり,主義主張及び運動することそれ自体を非難するものではないものの,当公判廷で,大麻を医療目的で施用することについて「どっちかっていったら私は人の命を優先して行動します。それで、罪だっていうんなら結構です。」旨,大麻を噌好目的で施用することについて「問題があることだとは思っていません。」「ちょっと所持していたからといって刑罰を受けるような類の話では全くないし,お上が口を出すような話ではないと思います。」旨供述するなど,大麻取締法違反を敢行するのに全く抵抗がなく,見るべき監督者も存在しないことからすれば,再犯のおそれは大きいと言うほかない。

以上のことからすれば,被告人の刑事責任は重く被告人が事実関係については自白していることなど被告人に有利な事情を考慮しでもなお,被告人を相応に処罰する必要がある。

第3 求刑
以上の諸事情を考慮し,相当法条適用の上,被告人を懲役1年6月に処するとともに長野地方検察庁松本支部で保管中の平成25年領第234号符号1の1にかかる大麻である植物片(種子を除く)同年領第236号符号6にかかる大麻を没収するのを相当と思料する。

以上

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