5月16日付の毎日新聞記事に誤りがあったので訂正を申し入れた件、修正されました。「大麻取締法違反罪で実刑判決を受けた」と書かれていたものが、「大麻取締法違反罪で執行猶予付き有罪判決を受けた」に修正されています。
当該記事:大麻取締法違反:所持容疑、関西大生ら逮捕 「学内で密売」
修正された記事を改めて読み、別の誤りに気が付きました。やはり本文の最後の箇所です。
大学生の薬物使用を巡っては、関東学院大(横浜市)で昨秋、当時のラグビー部員2人が自宅で大麻を栽培。大麻取締法違反罪で執行猶予付き有罪判決を受けた。
ラグビー部の部員2名が大麻を栽培していたのは「自宅」ではなく、「寮」だったはずです。毎日新聞の過去記事を見てもそのように報道されています。この2名の判決公判を伝える毎日の記事は次の通りです。
関東学院大:大麻栽培の元ラグビー部員に有罪 横浜地裁
関東学院大(横浜市金沢区)ラグビー部の寮で大麻を栽培したとして大麻取締法違反罪に問われた元部員の梅埜桂嗣(21)と中村大樹(21)の両被告=退学処分=に対し、横浜地裁は25日、いずれも懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。
「実刑判決を受けた」という記事を書いた久木田記者は、関東学院大の事件について触れる際、事実確認を全くしなかったのでしょうか。「執行猶予付き有罪」を「実刑」と書くなど、逮捕された2名の人権にも関わる誤報ではないでしょうか。自社の過去記事を参照すれば、自宅ではなく寮で栽培したことや、実刑判決ではなく執行猶予が付いたことなど、簡単に確認できたはずです。さらに言えば、元部員2名が大麻を栽培していたのが、自宅ではなく寮だったことが、ラグビー部の監督や大学の責任を追及するひとつの重要なファクターとなっていたのではなかったでしょうか。マスコミはそれでラグビー部監督や大学を袋叩きにしたのではなかったでしょうか。
この記事にOKを出したデスクもまた事実確認をすることなく通してしまったということでしょう。まるで伝言ゲームのようです。
1件の短い記事に、事実の誤りが2箇所もある。自社の過去記事に目を通すという簡単な確認作業を行っていれば、起こるはずもない誤りです。このようなことでは、今後、毎日の記事を読む際に、ディティールには誤りがあるかもしれないという前提で、眉に唾を付けてから読まなければなりません。
大丈夫か?しっかりしてくれ、毎日新聞。
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