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厚生労働省との対話 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-23

これまで厚生労働省に出してきた情報公開請求は、ダメセン大麻情報の根拠を示せ、という点を巡って取り組んできたものです。厚労省の対応に対する異議申立も行っており、まだ制度的には決着していない案件もあります。お役所仕事というやつですね。
20日付けで送った文書開示請求では、これまでのダメセン大麻情報の根拠を示せという観点からではなく、厚労省自身が大麻を有害だと断定する根拠文書と、大麻が原因で心身に悪影響があった症例の提示を求めました。

22日、厚労省に電話して受理を確認しました。回答が出たら、その内容を加味し、厚生労働省を訴えます。法律のプロである弁護士を代理人に立て、法廷技術のアドバイスなど欲しいところですが、引き受けてくれる弁護士がいないようであれば本人訴訟でやります。
門前払いになる可能性もあり、そうすると厚労省とダメセンを増長させることにもなりかねませんが、現状を放置するわけにもいかないので、やれるだけのことをやってみようと思います。もちろん、勝つ気でやります。

気合だ~!気合だ~!気合だ~!

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-22

(6)「オンボード・クーリエ」について
これは木村さんがチャールズから説明されたことを税関職員に話したものである。彼女は、チャールズから、オーストリア航空を利用する目的として、彼女の名前で荷物を運ぶ枠を確保しそれを利用して携帯電話を日本に運び込むことが出来るシステムがあり、それはオーストリア航空など一部の航空会社しかやっていないと説明されたのである(被告人質問・記録85頁)。彼女自身は「オンボード・クーリエ」という言葉すら税関職員に聞かされるまで知らなかった(同86頁)。

オーストリア航空がOBC契約をしていないのが事実だとして、それは木村さんの悪意を証明するものではない。むしろ、彼女がチャールズに騙されていたことを証明するものである。

木村さんは帰国したときには必ず航空券の半券をチャールズに渡した。チャールズは千葉にある「保管所」から荷物を運び出すためには航空券の半券が必要だと説明したのである(同113頁)。
いずれにしても、原判決は、OBC契約がないことを木村さんの悪意の証明に使っているが、これが論理的に誤っていることは多言を要しないだろう。

(7) 5回渡航して缶詰を持ち返っていること
原判決は、この事実を捉えて木村さんが大麻の存在を認識していた証拠としている。しかし、これは明らかにおかしい。
5回の渡航の際に彼女が持ち帰った缶詰の中身が大麻であったという証拠はどこにもないからである。このことが証明されない限り、この「過去の悪事による故意の認定」という性格証拠禁止の例外(最3小決昭41・11・22刑集20-9-1035)はありえない。

ここでも原審裁判官(*THC注 A)の証拠裁判主義を無視した予断偏見が露呈しているのである。

ところで過去5回の渡航の際にも同じような缶詰をチャールズの友人から渡され、それをスーツケースに入れて帰国し、チャールズに渡したという事実を証明する証拠は木村さん自身の供述以外にはない。もしも、彼女が缶詰の中身が大麻であることを知っていたとしたら、彼女は進んでこの話をするだろうか。決してしないだろう。彼女は、缶詰の中身がアフリカンフードだと思っていた。そう信じて疑わなかった。だからこそ、彼女は税関職員や警察官に、以前にも同じような缶詰を渡されたことがあると進んで話したのである。



(*THC注 A)原審裁判官は千葉地方裁判所刑事二部総括裁判官古田浩
裁判官古田浩は、千葉で行われた「裁判員制度全国フォーラム」のパネルディスカッションで次のように述べている。

古田浩日本の刑事裁判は国際的に見ても信頼されていますが、法律専門家がやっており、法廷でも難しい言葉が飛びかったり、判決内容についても国民の感覚とズレているという話を聞くこともあります。そういうところを裁判員制度を導入することによって、身近で分かりやすいものにしたいのです。
(中略)
常識で判断するにあたっても、やはり法廷での証拠関係をもとに評議していただくことになり、証拠をどう見るかということなどに、自分の経験に裏打ちされた発言をしてほしいということです。その意味では、マスコミ報道、そのほかを前提に発言するということは絶対に避けてほしいと思います。

祐美さんの姉・さゆりさんは、千葉地裁での初公判報告に、次のような思いを綴った。

初公判の日程が決まった時、裁判所から弁護士に「2時間の時間を設けるから1回で終わらせてほしい」と言われたようなのですが、弁護士は激怒して、「こっちはいろんな証拠を出して、徹底的にやりますから」と言ってくれたのです。
法廷の部屋の前に貼ってある日程表を見ると、妹の予定は一番最後で、時間も2時間とってありました。
たった1回の裁判で終わらせようとするなんて、本当に怒りがこみあげてきます。
裁判所は毎日、多くの裁判が行なわれているわけですが、彼らにとっては、たくさんあるなかの一つにしか過ぎません。
しかし、私達にとっては、人生が決まってしまう、とても重要なことなのです。国選の弁護人を選任していたならば妹の裁判は2時間で終わってしまったでしょう。

また、さゆりさんは、この一審千葉地裁で午前中に開かれた妹の公判を傍聴し、正午に近付くにつれ、古田浩裁判官が落ち着きなく時計を気にし始めた光景を見ている。早く終わらせたいという様子がありありと感じられたそうだ。お昼ご飯でも気になったのだろうか。
「判決内容についても国民の感覚とズレているという話を聞くこともあります」などと他人事のようにほざかないでもらいたい。たわけ、古田浩、お前のことである。

裁判員制度によって国民が裁かなければならないのは、被告人ではなく、このような裁判それ自体なのである。
(続く)

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お知らせ : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-22

祐美さん自身が書いた控訴趣意書の書き起こしを手伝って下さる方はいないでしょうか? とても長文(便箋90枚分)なので、複数の方に手伝って頂けると助かります。
手伝って頂ける方は、お問い合わせのフォームからご連絡をお願いします。よろしくお願い致します。

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厚生労働省との対話 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-21

下記の内容で厚労省宛に情報開示請求を行いました。
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厚生労働大臣殿

平成19年11月20日

行政機関の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり行政文書の開示を請求します。

1.厚生労働省が大麻の有害性を断定する根拠文書。大麻についての科学的・医学的・薬学的な研究に関し、厚生労働省が所有する全ての文書。

2.大麻使用が原因で、身体的・精神的な疾病を発症した事例について、厚生労働省が把握している全ての事例、及びその具体的な症状を示す全ての文書。
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担当部署が受け付けてから30日後には回答が出ます。お楽しみに。
マトリと天下り、もうちょっと待っててね。

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-21

(5) 税関検査時の被告人の言動
それでは、原判決があげる関節事実を個別的に検討してみよう。まず、税関検査時の木村さんの言動である。
彼女がパスポートを提示して旅具検査を受け始めたときの状況について、税関職員は「特に普通の旅客と変りありませんでした」と言う(天野・記録6頁)。彼女は、税関職員に視線を合わせており、特にそわそわした様子はなかった(天野・記録12頁)。
スーツケースをあけるよう職員に求められたときも嫌がる様子はなく、彼女は「いいですよ」と答えた(天野・記録14頁)。
税関職員が缶詰を取り出したときも「特にそれまでと変っていないようでした」(天野・記録9頁)。
エックス線検査をしてもいいかと問われて被告人は拒否せず同意した(天野・記録9頁)。
これまでの彼女の態度に「有罪意識」あるいは「大麻であることの認識」を示す兆候はまるでない。

しかし、天野証人は、エックス線検査に向う税関職員を見て、木村さんは、大きなため息をつき、少し目に涙がにじんでいるようであったと証言した(天野・記録10頁)。
しかし、この証言は客観的な証拠に反する。まさにこのときの木村さんの様子を撮影した写真(甲19・写真撮影報告書添付写真1、5、33)には目に涙がにじんでいる様子など映っていない。落胆した表情すらない。困惑した硬い表情が写っているのである。
また、天野証言はもう1人の税関職員大泉証人(エックス線検査を実施した税関職員)の証言と矛盾する。大泉氏は、木村さんは「いいですよ」と答え、表情に変ったところはなく何も感じなかった、と証言しているのである(大泉・記録25、45頁)。

エックス線検査を終えて旅具検査台にもどったときも、木村さんの表情に不審な点はなかった(大泉・記録27、35頁)。
エックス線検査の結果缶詰の中に液体が入っていないと感じた税関職員は、缶詰を開けても良いかと尋ねた。これに対しても木村さんは「はい、開けてもいいです」と答えている(大泉・記録29、55頁)。そのときの表情にも特に変ったところはなかった(大泉・記録30、31頁)。
そして、缶詰の中身を取り出して鑑定することについても、木村さんは拒否的な態度を一切とっていない(大泉・記録42頁、43頁)。
このように、まさに缶詰が開けられ中身が取り出されるその瞬間に至るまで、木村さんは、うろたえたり悲しんだり狼狽したりする様子は一切なかったのである。これらの態度から、彼女が缶詰の中に大麻が入っていることを認識していたと認定するというのは、およそ常識に反することである。

缶詰から予想外の物が登場して「驚愕しているといったような様子はなかった」という原判決の認定についてみてみよう。缶詰のX線画像を確認させたときの木村さんの様子について、大泉証人は、検察官から「動揺したりはしていなかったですか」と問われて、「私は、特にそれはわかりませんでした」と答えた(大泉・記録35頁)。さらに次のような問答がなされた。

問:缶詰の中からそういった粘着テープで巻かれたものがでてきたときの被告人の表情は、特に変ったことはありますか。
答:いえ、特に何も感じていないです。
問:自分がフルーツなどの缶詰だと思っていて、その中から変なものがでてきたら、普通はそんなはずがないとか、いろいろ説明をしてくれる人がいると思うんですが、被告人はそういう説明をしたりしていましたか。
答:していません。(大泉・記録37頁)
問:[缶詰の中身を見た後]被告人の表情とうのは、特に変化がありましたか。
答:そのことでは特に感じていないです。
問:自分がフルーツの缶詰買ってきて、その中に変なものが入ってたら、そんなはずはないと、そんなものは買っていないという答をするように思うんですが、そういったことありましたか。
答:いえ、特にないです。(大泉・記録42頁)

いずれも検察官の強引な誘導尋問に返答しただけであり、かつ、木村さんの内心を忖度させる尋問に答えさせるものであって、このような証言に証拠価値を認めることはできない。予想外の物が入っていたら「普通はそんなはずがないとか、いろいろ説明をしてくれる人がいると思う」という検察官の意見は、決して人間の通常の反応を言い当ててはいない。意外な出来事に出会ったときの人の反応は千差万別であり、何も言えずに沈黙してしまう人もたくさんいるだろう。血相変えて反論したり、言い訳がましく弁じたてる人が、実は一番怪しいということも良くある話である。

ところで、木村さんが缶詰から予想外の物が登場して動揺していたことは証拠上明らかである。彼女は、そのとき缶詰の一つをさして「私が買った物もあります」と言った(大泉・記録33頁;被告人質問・記録133頁)。
中身が大麻であることを知っていたら彼女がこのような発言をするわけはない。自分が「買った」という缶詰が開けられて大麻が出てくることで、それが嘘であることが簡単にばれてしまうからである。彼女は、以前、アムステルダムで同じアフリカンフードの缶詰を購入したことがあったので、咄嗟にそう説明したのである。彼女は缶詰からアフリカンフードが出てくるに違いないとそのとき信じていたから、そして、いま目の前で展開する出来事の意味を了解できないでいたから、このような発言をしたのである。そんなはずはない。あの缶詰は以前スーパーで買ったことがある。果物が出て来るはずだ。このエピソードは、彼女がまだ事態を飲み込めずに精神的に混乱していることを示している。

つぎに「内容部が大麻であることを示唆するような発言」さえしたという裁判所の認定を見てみる。
缶詰を開けた段階で税関職員は「この匂いわかる?」と尋ねた。木村さんは
「わかりません」
と答えた。
「例えるなら、どんなにおい?身近にあるものだったらどんなにおい?」
「たばこっぽい匂い、葉っぱみたいなにおい」
そう木村さんは答えた(被告人質問・記録31頁;大泉・記録38、55頁)。
職員はさらに続けて、
「これは何だと思いますか」
と尋ねた。
「ソフトドラッグ」
「例えば何?」
「大麻」。
このようなやり取りである(被告人質問・記録97頁:大泉・記録41頁)。
この問答が行われる前に、大泉は、木村さんに、違法薬物のリストが写真と図解で表示されている「申告書慫慂版」を示している(被告人質問・記録97頁;大泉6頁、26頁)。
この一連の流れを端的にみれば、缶詰が開封され、かつ、さまざまな示唆を与えられた上で「例えば何?」と、推測を聞かれて、「大麻」と答えたのであって、最初から中身が大麻であることを知っていたことを示唆するような言動でないことは、明白である。

原判決は、荷物検査の際の「被告人の言動」を認定するにあたって、税関職員の証言のみによっている。彼らは主観的な「印象」や「感想」を述べているに過ぎない。証拠価値は著しく低いことは誰の目にも明らかであろう。ちなみに、成田国際空港の荷物検査台の真上には防犯カメラがある。本件のような事件が起った場合にその映像を保存することは可能であり、保存しているはずである。これを取寄せて確認すれば、「被告人の言動」を客観的に認定することは可能であった。

そして、木村さんは、荷物検査台に並んだとき、自分の何人か前の人が開披検査を受けたのを見て、前に並ぶ人の中には別の検査台に移ろうとした人がいた。しかし、自分はそうしなかった、と供述した(記録82頁)。この様子も防犯カメラの映像で裏付けられたはずである。そうすれば、木村さんの「言動」が大麻を認識していたことを推認させるなどという認定はありえなかったであろう。

原審は、客観的で信憑性が高い証拠を集めることが可能であり、そうすべきであるのに、それを怠り、却って信憑性の低い恣意的な証拠によって恐ろしく偏った事実認定をした。

(続く)

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お知らせ : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-20

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-20

(4)不自然な言動というものについて
原判決は、税関検査の際の被告人の「言動」を根拠にして、彼女の内心を認定している。しかし、この認定手法それ自体に多くの危険性がある。以下の文献は、このことに言及するものである。

石塚章夫「情況証拠による主要事実の認定」石松竹雄ほか編『小野慶二判事退官記念論文集 刑事裁判の現代的展開』(勁草書房、1988年)129頁:

「不自然な言動」とか「ことさらな虚偽」といった評価は、たとえその評価が正当なものであるとしても、そのことから主要事実を積極的に推理するにあたっては、十分慎重な態度をとらなければならない、ということである。真犯人でなくても、事件に何らかのかたちでかかわった者や、他に自己に不利益な事実を秘匿しようとする者は、そのことを隠蔽するため右のような不自然な言動やことさらな虚偽をなすこともありうるからである。

足立勝義「英米刑事訴訟における情況証拠」司法研究報告書5巻4号190頁:

茲に注意すべきは、有罪無罪の意識を示す行動や言語についてである。かかる言動から右の意識を推理するに際しては、極めて慎重なる態度を要する。蓋し、如何なる言動も単独では必ずしも決定的に有罪又は無罪の意識を推理せしめるものではない。有罪の意識はなくとも、結果として外部的言動に表現されたものは、その意識を指示するものと判断され易いものとなることが多い。例えば、逮捕時の言動***等々も、小心にして却って正直無実なる者に於て、疑惑を招き易い行動に出ることが多い。

最判昭和58年2月24日判タ491号58頁は、盗品等有償取得罪における盗品の知情についての認定に関するものである。この事件の原審では、取調べの当初において被告人が本件物品を各地の質屋などで購入したと虚偽の供述をしていたという事実が、盗品の知情を認定する間接事実のひとつとしてあげられている。しかし最高裁は、この事実について、未必的認識の肯定につながる可能性をもつ徴憑ではあるものの、この事実からだけでは未必的認識があったという推断を下すには足らないとした。

次に指摘するように、税関検査時の本件「被告人の言動」は、正当に評価するならば、決して、彼女の有罪意識を表すものではなく、却って逆の評価が可能なものであるが、その点を措いても原判決の認定は「言動」による「有罪意識」の認定のもつ危険性に対して無防備であり、プロフェッショナルの事実認定としては楽観的に過ぎる。

(続く)

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-19

(2)原判決が故意を認定した根拠
ところが、原判決は、次のような根拠に基づいて、木村祐美さんが缶詰の中に大麻が入っているのを知っていたと認定した。

i) 税関検査時の被告人の言動:
原判決は、税関職員に缶詰を開封されたときに木村さんが「予想外の物を運ばされたとして驚愕しているといったような様子は窺えず、かえって、内容部が大麻であることを示唆するような発言さえしていることからすれば、被告人が缶詰の内容物が大麻であることとの認識を有していたものと推認することができる」という(原判決書4頁)。

ii) 渡航目的についての説明:
次に、原判決は、オンボード・クーリエ(*4) を利用して携帯電話を輸入する目的だったという彼女の説明は、オーストリア航空が日本路線においてオンボード・クーリエ契約をしていなかった事実によって退けられるという。

原判決は、さらに、
iii) 被告人は5回渡航し同じような缶詰を持ち帰りチャールズに渡している。

iv) チャールズが大きいバッグを運搬することを感謝する電子メールを被告人に送信している。そして、

v) 被告人がチャールズの意を受けて缶詰を運搬したり、缶詰の譲渡について意見を述べたりしている。

という事情からすれば、本件缶詰が「通常の缶詰ではなく、その内容物自体に取引上の価値があるもので、被告人自身そのことを認識していたものと認めるのが相当である」。

(3)間接証拠による事実認定
原判決の認定手法は、要するに、幾つかの間接事実から大麻密輸の故意という主要事実を認定しようとするものである。
間接事実から主要事実を認定する過程は、帰納的推理によって行われる。そのため、結論としての犯罪事実以外にも他の仮説が成立しうるという帰納法に固有の危険がともなう。
この危険を無視したり軽視することは、結局、「合理的な疑問を超える確信」という有罪認定の証明基準を形骸化することに他ならない。
そこで、間接事実から主要事実を認定するためには、犯罪事実以外に合理的な仮説を容れる余地のないこと、すなわち間接事実の存在を説明する唯一の方法が主要事実の存在であると言えるときにはじめて主要事実の認定をすべきなのである。以下の判例や学説はこの理を説いている。

まず、最判昭和48年12月13日判例時報725号104頁は、次のように述べている。

刑事裁判において「犯罪の証明がある」ということは「高度の蓋然性」が認められる場合をいうものと解される。しかし、「蓋然性」は、反対事実の存在の可能性を否定するものではないのであるから、思考上の単なる蓋然性に安住するならば、思わぬ誤判におちいる危険のあることに戒心しなければならない。
したがって、右にいう「高度の蓋然性」とは、反対事実の存在の可能性を許さないほどの確実性を志向したうえでの「犯罪の証明は十分」であるという確信的な判断に基づくものでなければならない。
この理は、本件の場合のように、もっぱら情況証拠による間接事実から推論して、犯罪事実を認定する場合においては、より一層強調されなければならない。
ところで、本件の証拠関係にそくしてみるに、前記のように本件放火の態様が起訴状にいう犯行の動機にそぐわないものがあるうえに、原判決が挙示するもろもろの間接事実は、既に検討したように、これを総合しても被告人の犯罪事実を認定するには、なお、相当程度の疑問の余地が残されているのである。換言すれば、被告人が争わない前記間接事実をそのままうけいれるとしても、証明力が薄いかまたは十分でない情況証拠を量的に積み重ねるだけであって、それによってその証明力が質的に増大するものではないのであるから、起訴にかかる犯罪事実と被告人との結びつきは、いまだ十分であるとすることはできず、被告人を本件放火の犯人と断定する推断の過程には合理性を欠くものがあるといわなければならない。

足立勝義「英米刑事訴訟における情況証拠」司法研究報告書5巻4号46頁:

それは間接的推理であり、その推理に伴う本質的危険は、結論としての犯罪事実以外に他の合理的仮設を容れる余地が存するという危険があることである。従って完全なる証明とは、これ等一群の積極的間接事実が全体として結論としての犯罪事実以外には他の如何なる合理的仮設をも許さないことである。

川崎英明「状況証拠による事実認定」光藤景皎編『事実誤認と救済』(成文堂、1997年)67頁:

主要事実に対して強力な推認力をもつ間接事実が、多数の間接事実の積み重ねによる量的な推認力を、質的推認力へと飛躍・転化させる支柱としての役割を果たす***。反対事実の存在の余地を残す、弱い推認力しかない間接事実の積み重ねでは、質への飛躍はない***。

司法研修所編『情況証拠の観点から見た事実認定』(法曹会、平成6年)13頁:

帰納的推理に伴う本質的危険は,結論としての犯罪事実以外に他の合理的仮設(仮説)を容れる余地があるかどうかの確認が必要となる。すなわち,被告人の反駁を聞く必要がある。***仮に、有罪の心証を既に抱いてしまった場合,被告人の反駁を容易に排斥してしまう危険性がある。

植村立郎『実践的刑事事実認定と情況証拠』(立花書房、平成18年)54頁:

正確な事実認定を行うに当たっては,情況証拠による場合でも,関係する証拠が多ければ多いほど良いことはいうまでもない。しかし,単に量が多ければよいといった単純なものではない。証明力が薄いか十分でない情況証拠が多数集まっても,それだけで全体としての証明力が質的に高まるものとは当然にはいえない(前掲最判昭48.12.13等参照)。

これらの指導的な判例や学説が説くところから原判決の認定を見てみると、その認定手法が非常に危険なものであることは疑いようがない。原判決がその掲げる幾つかの間接事実は、それ自体多義的であり、いずれも「被告人が缶詰の中身が大麻であることを認識していた」事実を唯一の結論とするものではありえず、むしろ、被告人が大麻であることを知らなかったとしても、充分に成り立つ事実ばかりである。このような事実をいくら積み上げても、主要事実を認定することは論理的にありえないし、また、倫理的にもあってはならないことである。

(*4)旅客の機内預託荷物の枠(通常20kg)内の貨物を輸送し、保税蔵置場に運送・搬入したうえで、一般の航空貨物と同様の通関手続きを行い、国内の運送会社が輸入者に荷物を届ける。

(続く)

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-18

2 原判決の認定手法の問題点
原審千葉地裁は、木村さんが「氏名不詳者らと共謀の上」大麻を密輸しようとしたと認定し、彼女に懲役5年と罰金100万円の刑を言い渡した。

(1) 証拠の構造
しかし、彼女が缶詰の中身が大麻であることを知っていたという認定を支える証拠は、はなはだしく希薄である。

祐美が缶詰の中身を知っていたことを示す客観的な証拠は何もない。
捜査官は彼女の自宅を捜索したが、彼女が缶詰の中身を知っていたことを示す資料はかけらさえなかった。彼女が大麻というものに関与している証拠すら捜査官は発見できなかった。
(THC注:祐美さんの自宅の家宅捜索に姉のさゆりさんは立ち会っているが、このとき大麻に関係するものを何も発見できなかった捜査官は、さゆりさんに「妹さんは友達に騙されちゃったのかなあ」と印象を語ったという。)

彼女自身の自白もないし、彼女がそれを知っていたと供述する第三者も存在しない。
彼女が「運び屋」として行動していたことを示す状況的事実もまったくない。
本件の缶詰は6個ずつビニール袋に入れられ、封もされず、彼女のスーツケースの最上段に無造作に置かれていた(甲19添付写真3)。外部から見えないようにするための何らの隠蔽工作も施されていない。スーツケースのファスナーをあければ真っ先にこの缶詰が目に飛び込む配置になっている。実際にも、成田で税関職員が最初に目にしたのが缶詰の入ったビニール袋である(天野11~12頁)。

缶詰この缶詰は、欧米のグロサリー・ストアの棚に並んでいる缶詰そのものである。原判決は、紙製のラベルの貼り付け方が雑であるとか「底部に製造番号等を示す刻印がない」と言うが、製造番号などが缶の底部に刻印されるという日本の常識を海外製品にあてはめる理由はない。
本件缶詰にはラベル上に製品の容量や賞味期限などが印刷されており(上記写真参照)、正常に販売されている缶詰と異なるところは全くない(*2)。

通常人がこの缶詰を見て、その内容物に不審を抱くことを期待することは不可能である。缶詰を手に持って振ってみるなどすれば、中に液体が含まれていないことに気がつくかもしれないが、祐美さんが缶詰を手に持ったことがないことは明らかであり(*3) 、そのような機会もなかった。

(*2)原審で証言した税関職員は、缶詰に賞味期限の表記がなかったのでおかしいと思ったなどと証言しているが(天野6頁、14頁)、これは事実に反するのみならず、彼らが予断をもって木村さんを見ていたことを物語っている。

(*3)缶詰が入れられていたビニール袋から金井さんの左手嘗紋が検出されたが、それ以外――缶本体12個、粘着テープ等12組――からは彼女の指紋も嘗紋も発見されていない。弁3・指嘗紋検出状況並びに対象結果報告書。

(続く)

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祐美さん(大麻密輸の冤罪) : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-17

10月30日に開かれた控訴審の1回目の期日で審理もせずに即日棄却判決を出されてしまった祐美さんの件、控訴趣意書を掲載します。
高野弁護士による趣意書は事件の全体を示し、1審の事実認定がいかにデタラメであるかを理路整然と論証し、祐美さんの無実を主張しています。
それにも拘わらず、全く実質的な審理をせずに棄却を言い渡され、あまりのことに祐美さんはその場で嗚咽を漏らし、泣き崩れたそうです。
*祐美さんのみ仮名です。祐美さんを騙した犯罪者の男たちは全て実名です。
-------


2007年9月6日

東京高等裁判所第6刑事部 御中
平成19年(う)第1594号
大麻取締法・関税法違反被告事件
被告人 木村 祐美


弁護人 高野 隆

控訴趣意書


頭書事件についての弁護人の控訴の趣意は次のとおりである。


第Ⅰ 事実誤認


本件は、「ラブ・コネクション」と呼ばれる手口の大麻密輸事件である(*1)。麻薬密売人の外国人が、海外経験の浅い未熟な日本人女性に接近し、親密な関係になったうえ、その関係を利用して言葉巧みに女性を利用して海外から日本に薬物を密輸するのである。被告人は最愛の「恋人」チャールズから携帯電話の輸入ビジネスの手伝いをして欲しいと頼まれ、オランダに行き、現地にいる「チャールズの友人」レイからアフリカンフードの缶詰を「チャールズに渡して欲しい」と言って託されて、缶詰の入ったスーツケースを持って帰国しようとしたのである。

彼女は缶詰の中身が大麻であることを知らなかった。彼女は、うら若き乙女の純情を土足で踏みにじられたうえ、知らないうちに「運び屋」に仕立て上げられたのである。原判決は、被告人のスーツケースを検査した税関職員の抱いた印象をもとに再構成した「税関検査時の被告人の言動」を主たる根拠として、被告人は缶詰の中身が大麻であることを認識していたと認定した。この原判決の事実認定は、犯罪事実の認定は合理的な疑問を超える程度の確信に達していなければならないという刑事裁判の鉄則に違反し、事実を誤認するものであって、破棄されなければならない。以下詳論する。

(*1)「若い女性『運び屋』のワナ」日本経済新聞2003年8月2日(夕刊)。

1 真相
木村祐美さんは典型的な田舎の優等生であった。彼女は、幼少のころから貧しい家族に迷惑をかけずに自立することをめざして懸命に勉学に励んだ。進学校と言われる県立高校に進んでそこでもトップの成績を収め、授業料全額免除の特典を受け、さらには全校生徒を代表して学校紹介のパンフレットに紹介された。横浜市立大学商学部経営学科に進学後、厳しい選抜試験に合格して2つの財団から奨学金を獲得し、定員30人の寮に入ることも出来た。

彼女は将来国際的なビジネスを起業することをめざして、やはり狭き門をくぐってマーケティングのゼミに入った。そこでも懸命に学び、産学協同プログラムの懸賞論文に取り組み、みごと優秀賞を獲得した。寮長に選ばれ、寮生を指導する立場にもなった。そして、念願かなって横浜市内にある物流会社に唯一の女子総合職としての就職が内定した。刻苦勉励の末に、子供のころからの夢に彼女は一歩近づいた。そう彼女は思った。

しかし、彼女の夢は、1人のナイジェリア人男性、チャールズ・ンナディ・チュクメワカとの出会いによって潰え去ったのである。
木村祐美さんは、ゼミの友人に誘われて、横浜市内の外国人が良く出入するクラブに出かけた。気分転換と黒人音楽やその文化への興味、そして、英会話の勉強が出来るということから彼女は勉強の合間にクラブに通うようになった。そこで、彼女はラファエル・オテロというアメリカ人男性と出会い、恋に落ちる。ラファエルは横須賀基地に出入する軍属であるが、しばしば帰国した。一度帰国するといつ来日するかは定かではない。メールのやり取りでは埋められない心の隙間に彼女は身を焦がしていた。そこに登場したのがチャールズである。

チャールズは、アメリカに移民したナイジェリア人の子供で、自身はニューヨーク生まれのアメリカ国籍であり、「横須賀基地に勤めるオフィサーだ」と自己紹介した。木村さんは、ラファエルという恋人がおり、チャールズとは友達づきあいしかしないつもりであった。しかし、あるときチャールズは思いがけないことを言った。
「僕は米軍の人事の仕事をしていて、個人のファイルを見ることができる。ラファエルには奥さんがいる。彼は離婚しておらず、アメリカでは奥さんと暮らしている」。

チャールズは言葉巧みに木村さんに近づき、彼女を口説いた。彼女は、いつまた会えるかわからないラファエルのもとを離れ、チャールズと親密な交際をするようになった。
チャールズは「イラクに出兵する兵士の選抜にかかわるのは嫌だから、軍を辞め、都内にある会社に勤めた」と言った。

2005年2月、チャールズは木村さんを中国旅行に誘った。彼女にとってはじめての海外旅行だった。この旅行の際に、チャールズは上海で携帯電話を20個も購入した。海外で販売される携帯電話はSIMカードを入れ替えることができ、外国のキャリアーと契約している人ならば、中国で買った携帯電話を世界中で使うことができる。チャールズは帰国後この20台の携帯電話を全て売りさばいた。木村さんは携帯電話の輸入ビジネスという仕事があることをこのとき初めて知った。

その後しばらくして、チャールズは、中国製品は粗悪なので、ヨーロッパから携帯電話を輸入する仕事をはじめると言い始めた。そして、2005年11月、チャールズは、木村さんに、「いますごく困っている」と言いながら相談を持ちかけた。ベルギーに携帯電話を売る会社を見つけ、自分が買い付けに行く予定であったが、会社の休暇を使えなくなった、このまま放置すると保管料がかかってしまう、祐美、代わりに行ってくれないか、と。

なぜ彼女が行かなければならないかについて、チャールズはこう説明した――郵送では携帯電話が破損する危険がある。アムステルダムの友人に航空券を渡せば、ベルギーの会社が携帯電話を君の預託荷物の枠を使って、オーストリア航空に預けてくれる。帰国すると携帯電話は千葉の保管所に預けられ、君の航空券と照合して一連の手続が済めば受け取れる。

木村さんは、彼の役に立つならと当然この役を引き受け、単身でベルギーへと向い、彼の指示通りアムステルダムにいる彼の「友人」と連絡をとった。その友人は、帰り際に「帰ったらチャールズに渡して欲しい」と言ってアフリカン・フードの缶詰を持参した。何も疑わずに彼女はそれを持って帰国し、「お土産」をチャールズに渡した。

このようなことがその後も何回も行われた。木村さんは、チャールズの指示で携帯電話の購入資金を指定された口座に送金する手伝いもするようになった。缶詰は、池袋のアフリカンレストランやその周辺に集まる外国人に好まれるらしく、チャールズはそれを彼らに売ったり譲ったりした。木村さんがその運搬を頼まれたこともあった。彼女は、就職が決まり卒業が決まったが、最愛の恋人のビジネスを本格的に手伝うことを決心し、女子唯一の総合職を辞退した。彼女自身、将来国際的なビジネスを自ら起業する夢を持っている。そのためにもこれは良い経験であるに違いない。そして、何よりも、私たちは心の底から愛し合っている。

しかし、全ては虚妄であった。チャールズの全てが嘘であった。彼は、アメリカ人ではなかった。彼はナイジェリア人であった。彼は横須賀基地のオフィサーでもなかった。彼が通う「プレクストン」なる会社は存在しない。彼には日本人の妻がいた。

そして、アムステルダムのチャールズの友人が木村さんに渡した缶詰の中身はアフリカンフードではなく、大麻だった。木村祐美さんは恋人チャールズに騙されて、大麻の「運び屋」にされたのだ。これが本件の真相である。

(続く)

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お知らせ : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-16

大麻取締法被害者センターの規約(目的)を一部改定しました。
これまでの「目的」は「被害者」という言葉に引きずられ、大麻取締法による被害の内容について触れていましたが、私たちの目的は、あくまでも大麻取締法の改正です。「個人的に利用する大麻で逮捕するな」という主張です。
そこで、下記のように「目的」を改めます。
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第1条(目的)
本会は、個人的に利用する大麻の栽培と所持について、条件を定めて制度化することを求め、その実現を目的として活動する。
また、現行の異常に厳しい大麻取締法の罰則規定とその運用を直ちに改めるよう求める。

本会は、大麻取締法で逮捕された者や家族近親者に対し、科学的・医学的事実に基づいた大麻情報と、逮捕という緊急事態に対処するための実践的な情報を提供し、相談に対応する。

また、相談者が裁判で大麻取締法の違憲性を主張する場合、弁護士への情報提供など、必要な支援活動を行う。

本会は、上記の目的を実現するため、広報、教育、研究活動を行うと同時に、関係省庁や機関に対して働きかけを行う。

本会の活動は営利を目的としない。

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*11月16日現在、サポーター登録は21名、ボランティア2名、事務局スタッフ9名の、計32名がユーザー登録しています。黙っていては何も変わらない。あなたも参加しませんか?

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白坂の雑記帳 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-15

キャンプなどが好きな人ならビクトリノックスを知っている人も多いと思う。アーミーナイフなどと呼ばれることもある小道具で、ナイフやワインオープナーやドライバーなど複数の道具が折りたたんで収納されている。何かと便利なので、私も外出するときはカバンに入れて持ち歩くことが多い。
2005年のことだが、このビクトリノックスを持っていて、職質で万世橋警察の警官に逮捕された人がいる。テロ対策などとは全く無縁の滅茶苦茶な言い掛かりだ。その顛末が下記にレポートされている。
秋葉原で警察に捕まりました-真概夢戯言

警察の取り調べがどれだけデタラメかは、「ハイ。こちら人権110番!」にも、窃盗犯にされてしまった人の話などが紹介されている。

『裁判員制度 世論の力で「冤罪」をなくそう』というサイトでも、全く身に覚えのないことで逮捕された本人が経緯をレポートしている。このサイトの「秘密の壁」さんは、「私も冤罪で罪を問われ、結局泣き寝入りしました。」「弁護士も法律も守ってはくれませんでした。」と自己紹介している。弁護士は国選だったらしい。

THCに寄せられる相談にも、「国選の仕事の報酬は1回呑みに行けば終わりなんだ」と言い放ち、マトモに相談にも対応せず、保釈請求もしてくれない弁護士について情報が寄せられている。

ヤクザ者に騙されて、何も知らずに大麻の入った茶箱を中国から持ち帰ってしまい、最高裁まで無実を主張したものの、実刑3年6月が確定してしまった高藤さんも、上告する際、冤罪事件で有名な弁護士に相談したところ、「私は高いよ。250万円。」とまず言われ、その弁護士に依頼するのは断念せざるをえなかった。

地獄の沙汰も金次第。無実であろうとなかろうと、私選の弁護士に依頼する金がなければ被告人にとって法廷は地獄だ。

だが、この現状を打開するための手がかりになるような報道があった。

録画から「任意性に疑い」と調書却下、大阪の殺人未遂公判(読売新聞)

大阪地検が取り調べの様子をDVDに録画し、殺人未遂罪で起訴した大阪市西成区、無職蓮井一馬被告(88)の第4回公判が14日、大阪地裁であった。

蓮井被告は捜査段階で自白調書を作成されたが、公判では殺意を否認しており、西田真基裁判長は前回の法廷で上映されたDVDの録画内容から「取調官による誘導や誤導があった。任意性に疑いがある」として、検察側による自白調書の証拠請求を却下した。

裁判員制度を控え、検察当局は裁判員の負担を軽減し、自白の任意性を判断しやすいよう取り調べの録音・録画を試行。公判でのDVDの証拠採用は全国で4例あるが、調書の却下につながったのは初めて。

起訴状によると、蓮井被告は5月、自宅アパートで、共同トイレの修理を巡って住人男性とトラブルになり、果物ナイフで胸などを刺して約3週間のけがを負わせた。公判では、自白調書の任意性を判断するため、検察、弁護側双方がDVDを証拠請求した。

DVDには、自白調書の内容を確認する様子を約35分間にわたって録画した。検察官から「殺そうと思ったのは間違いないね」と聞かれ、蓮井被告が「間違いないです」と認める一方で、「殺そうとは思わんけど」と殺意を否認したり、調書の内容について「わかったようなわからんような……」と言葉を濁したりする場面も収められている。

公判で取り調べの録画が証拠採用されたのはこれまで全国で4例だというが、たった4件だけなのに既にこうしてデタラメな取り調べが法廷で明らかになっている。

この事件の場合は冤罪でも無実でもないようだが、いったいどれほどの人がこれまで身の覚えのない罪で懲役刑を科されたことだろう。
この記事によると、今回の録画と録音は、「裁判員制度を控え、検察当局は裁判員の負担を軽減し、自白の任意性を判断しやすい」ように試行されたとのことだが、取り調べの可視化は、あってはならない冤罪を防止するために、国民が取り調べを監視するためにこそ採用されるべきだ。一日も早く、全ての取り調べの録画と録音を義務化してもらいたい。

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お知らせ : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-14

明日15日、大麻堂の前田さんがビッダーズを訴えた裁判の期日です。「ビッダーズの悪辣さを法廷で暴露します」と前田さんは宣言しています。

この裁判は、ビッダーズ運営の通販サイトに、前田さんの大麻堂が出店した際の契約を巡るものです。ビッダーズが一方的に大麻堂の商品を通販サイトから削除したことに端を発しています。

ビッダーズの支離滅裂な対応は前田さんのサイトに詳しく書かれています。
麻枝光一的大麻生活:ビッダーズ裁判

前田さんとビッダーズの契約の話は横(法廷)に置くとして、いずれにしても、ビッダーズは大麻関連グッズを排除したわけです。
パイプもDVDも書籍も、楽天やYahooの通販サイトでは何ら問題なく売られている合法的な商品です。

契約の当初から、ビッダーズはパイプやハーブは売らないでくれと言っていたとのこと。もちろんそれ自体はビッダーズのポリシーとして何ら咎められることではないでしょう。

大麻関連グッズを排除するような、権力に迎合的なビッダーズを利用するのはやめましょう。
(これはTHCスタッフと合議のうえで呼びかけているのではありません。白坂個人の責任で大麻支持者に呼びかけます。)

ビッダーズ裁判:11月15日(木) 午後1時15分
東京地裁(地図)6階619号法廷

私はちょっと遠くて行けませんが、都合のつく方はぜひ応援の傍聴に行って下さい。
「あっというまに終わるので、傍聴者は遅刻しないように。」とのことです。

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白坂の雑記帳 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-13

昨日引用した1977年の毎日新聞記事で触れられていた「マリファナおよび薬物乱用に関する全米委員会」(委員長・シャーファー元ペンシルベニア州知事)の報告は、下記で原文を読むことができる。

The Report of the National Commission on Marihuana and Drug Abuse
Marihuana: A Signal of Misunderstanding
Commissioned by President Richard M. Nixon, March, 1972


その要約はカナビス・スタディハウスで次のように紹介されている。

マリファナの大多数の使用者への害の可能性および社会に対する影響は、それを使う者を追求し厳しく罰するほど大きくはなく・・・現行の法と社会政策は、マリファナによって生じる個人及び社会へ与える害とのバランスを逸脱している。
カナビス主要報告書一覧

この委員会は、大麻の有害性を証明することを意図して組織されたものであり、「1970年初頭、マリファナを支持する勢力の拡大を恐れたニクソン大統領がその悪害を確認するために、絶対の自信を持って大規模なマリファナの調査を行った。委員13人のうち9人までを大統領自らが選ぶという念のいれようだった」(引用同上)という性質のものだ。

1970年代から既にこのようなアメリカ政府肝煎りで行われた報告が出ているのだ。その後の大麻に関する公的組織の研究調査報告などは、上述したカナビス・スタディハウスの一覧ページに紹介されている。

その後、アメリカでは13州が医療大麻の利用を議会で承認し、来年の大統領選挙の民主党候補者は全員が医療大麻を支持している。
原文:Ask Presidential Candidates About Medical Marijuana / Marijuana Policy Project
カナビス・スタディハウスの翻訳と解説:アメリカ民主党大統領候補 全員が医療カナビス支持を鮮明に

イギリスでも科学技術特別委員会が大麻にはアルコールやタバコほどの害はないと報告し、薬物分類における大麻の位置付けをダウングレードしているが、日本のマスコミは大麻に関する公平な報道を行わず、取締当局が垂れ流す大本営発表のような情報を安易に、しかも大々的に続け、大麻に関してはまるで戦前の言論統制下のような状況だ。
大麻報道に関する日本の第四権力は、著しく公正さを欠くという点で、丸ごとナベツネ化しているように思われる。

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新聞 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-11-12

昨日、幼稚で薄気味の悪い没論理の御用新聞産経の社説とコラムに書かれた小学校低学年レベルの作文を引用したが、現在の言論状況は下記に引用する毎日の記事が書かれた1977年当時よりも閉塞的ではないだろうか。当時に比べると大麻そのものの医学的有用性が明らかになり、嗜好用途での利用にもアルコールやタバコほど害がないことが証明され、大麻取締法を日本に強いた米国を含め、多くの国では大麻の規制緩和が進んでいるにも拘わらず、日本の言論状況は世界的な流れに反し、権力に迎合的であるようだ。現在、大麻に関連した新聞記事で、取り締まりの在り方に疑問を呈するものは見当たらないように思われる。
以下、1977(昭和52)年9月14日付の毎日新聞に掲載された記事である。


 新聞記事のコピーはこちら >>

たかが大麻で目クジラ立てて…

毎日新聞 1977年(昭和52年)9月14日 5面「記者の目」

関 元(編集委員)

重罪扱い 厳しい日本
全米委員会の報告(「マリファナ―誤解のしるし」)―習慣性・禁断症状なし、犯罪誘発の危険少ない―大統領も刑罰緩和を呼掛け

 マリファナ(大麻)で挙げられた井上陽水は警察にとって金星か、マスコミにとって堕ちた天使か、ファンにとって殉教者か。彼がそれらのいずれにもならぬことを願いたい。いまどき有名スターがマリファナで捕まって全国的なスキャンダルになるのは世界広しといえども日本ぐらいのものだ。たかがマリファナぐらいで目くじら立てて、その犯人を刑務所にやるような法律は早く改めたほうがいい。


 陽水は「自分は酒が飲めないので、くつろぐためにマリファナを吸った」と自供したそうだ。それが、わが毎日新聞を含め日本のマスコミでは極悪犯人扱いである。マリファナはそんなに悪いものか。陶酔感を求めて酒の代わりにヘロインや覚せい剤を乱用すればたちまち身体的依存(習慣性)にとりつかれ、すさまじい禁断症状を呈し、犯罪を誘発し、やがては廃人になったり死んだりして本人にも社会にも不幸をもたらすから、乱用はいけませんというのは常識である。だがマリファナは身体的依存をともなわず、それがもたらす陶酔感も悪影響もともにマイルド(おだやか)だというのが世界的な常識になりつつある。全体主義国はいざ知らず、この常識が政府とマスコミによって真っ向から否定されているのが日本だ。


 マリファナに関し、今までに行われたおそらく最も包括的な調査研究はマリファナおよび薬物乱用に関する全米委員会(委員長・シェーファー元ペンシルベニア州知事)が1972年に出した報告である。米大統領と議会によって設置されたこの委員会はスタッフ70人、委託研究者に医師、心理学者、法律家ら80人を使い、米国民を対象にマリファナに多角的なメスを入れた。その要点は次のようなものである。

 一、マリファナの酔い心地(マリファナは、その花や葉を刻んで普通は紙でシガレットのように巻き、火をつけて煙を吸い込む)=少ない摂取量なら、まず愉快になり、うっとりして屈託を忘れてくつろぎ、さわる、見る、においをかぐ、味わう、音を聴くなどの感覚が鋭くなり、空腹感を覚える。吸い過ぎるとひとや物がゆがんで見え、感覚的、精神的幻覚が起こる。しかしマリファナが原因の精神異常のケースはほとんどない。

 一、短期的影響=相当多量のマリファナを一日一回ないし数回与えて21日間、人体実験をしたところでは、身体機能、運動機能、個人的、社会的態度、作業状態に有害な効果はみられなかった。被験者は一様に体重が増えた。身体的依存や禁断症状の証拠は認められなかった。耐性は脈搏など身体機能、時間推定、射撃など知覚運動機能に関しては現れたが、酩酊に関しては現れなかった。

 一、長期的影響=適度の吸い方なら器官損傷はなかろうが、情緒不安定な人間は生活態度に影響を受けるかもしれない。大量に吸い続ければ心理的依存が強まり、生活態度に変化を生じ、また肺機能減退など器官損傷の可能性がある。

 報告はこの他、マリファナが生命とりになる、各種犯罪を誘発する、性的退廃をもたらす、生殖機能を阻害する、ヘロインなど一層危険な麻薬乱用に至る、などの俗説を根拠なしと否定し、結局政府に対し「マリファナを法律上、麻薬扱いしない。個人的にマリファナを所持し、吸っても罪にしない。ただし売るためにマリファナを栽培、所持した場合は従来通り犯罪とする」ことを勧告した。

 この結果、米国ではオレゴンやカリフォルニア州は、すでにマリファナ使用に対する実刑を廃止し、カーター大統領もことし8月2日の麻薬教書で、5年前のこの報告の「基本的な勧告を実施すべき時である」として、(1)一オンス以下のマリファナ所持には実刑を廃止して罰金刑のみとする (2)しかしこれらは合法化ではなく密売は引続き犯罪扱いする―よう連邦法を改正することを議会に求めた。

先入観に立脚 日本の取締り

 これに対し、井上陽水を捕えた警視庁の河越保安二課長は「マリファナを常用すると慢性中毒になって早発性痴呆症になる」と信じている。また厚生省麻薬課が去年出したパンフレット『大麻』には「マリファナを吸えば狂乱し、挑発的、暴力的となる…急性中毒による死亡報告がある…慢性中毒の症状としては多彩なる精神異常発現作用、長期常用による人格水準の低下がある」と書いてある。このパンフレットは全米委員会の報告の趣旨はほとんど無視し、日本内外のマリファナに関する極端に否定的な報告例を断片的に集めたに過ぎない。全米委員会報告が短期的な人体実験および2年から17年に及ぶマリファナ常用者観察例に基づいているのに反し、厚生省は人体実験をしたことが全然ない。

 従って日本のマリファナ取締りは科学的というよりタブーめいた先入観に立脚しているが、河越課長は「マリファナはひと握りの隠れた愛好家が吸っている程度で、覚せい剤犯と違って彼らは他の犯罪に走らず、社会に迷惑をかけてもおらず、暴力団の資金源になってもいない」とみて、日本の大麻取締法が所持に5年以下、密売に7年以下の懲役刑を定めながら罰金規定を欠いているのは「意外と重いねえ」と感じている。

 しかし取締りの「主管」を自認する厚生省麻薬課の山田課長は「わが国のマリファナ事犯は増えており(昨年で900人を送検)アメリカがマリファナに甘いのはヘロイン取締りに追われてマリファナにはもうお手上げの状態だから」と主張する。確かにカーター教書によれば全米人口2億人中、マリファナ経験者は4千5百万人で彼らを刑務所に送るのは不可能である。そのうち常用者は千百万人にのぼる。ではその千百万人は日本の当局のいうように、やがて「早発性痴呆症」や「人格水準の低下」を来すのだろうか?

大麻取締法は米の押付けだ

 井上陽水は「アメリカでマリファナの味を覚えた」と自供したそうだが、マリファナを吸うことも、それに対するタブー意識も、第二次世界大戦後アメリカから日本へ直輸入されたものである。大麻取締法がまさにその象徴だ。これは米占領軍が日本に強制したポツダム政令をそのまま法律化して今日まで続けてきたものだ

 敗戦まで日本でマリファナには何の規制もなかったが、全国に野生し、また栽培されてきた大麻、つまりマリファナを日本人は麻酔剤や下剤に古くから利用し、日本薬局方にも「印度大麻草エキス」は鎮静、催眠剤として収められていた。日本産のマリファナは陶酔物質THC(テトラハイドロカナビノール)含有量が少ないといわれているが、その国産マリファナを日本人が古くから快楽のために使っていた可能性は否定できない。それにだれも目くじらを立てなかっただけの話だ。それは現代において、バナナの皮を乾かして火をつけて吸うとあやしい気分になるからといってバナナを禁制品にしろとだれもいわないのと、多分似たようなことだったろう。


 さて、なぜアメリカ人はマリファナを目のカタキにし出したか。「マリファナ」とは中南米に発生したスペイン語だ。これはアラビア語では「ハシシ」といい、それが英、伊、仏、西各国語で「暗殺者」を意味する「アサシン」などの語源となったように、キリスト教世界には昔、十字軍がマリファナを使うアラブのゲリラ戦術にひどい目にあわされた歴史的背景がある。そしてアメリカの中西部にはマリファナが大量に野生し、農民から「ロコ・ウィード(気違い草)」と呼ばれていたが、これを吸う習慣が持ち込まれたのは、全米委員会報告によれば、今世紀はじめごろ、メキシコ移民とジャマイカ移民によってであった。禁酒法を実施(1920~33年)させたアメリカ人の清教徒的ヒステリーがビール好きのドイツ人やウイスキー好きのアイルランド人ら新移民への嫌悪感と結びついていたように、米国民は後の新移民への嫌悪の象徴としてマリファナをやり玉にあげ、1937年、連邦法によって禁止した。

 ではなぜアメリカ人はいまや多分、世界一のマリファナ愛好者となったか? それが反体制のシンボルとなったからだ。1950年代にめい想とジャズにふけったいわゆるビート派がマリファナ公然化の先頭に立った。十年後、ベトナム戦争が激化し、アメリカの若者は戦争を憎み、管理社会をきらい、親どもの偽善と物質主義とカクテル・パーティーのわい雑さをさげすみ、繁栄と死の影の下で対抗文化をはびこらせ、その象徴にマリファナをすえた。

 60年代のアメリカの若者の旗手ボブ・ディランは歌った。「車に乗っては石ぶつけられ、ギターひいては石ぶつけられ、イエス、だがオレはそんなに寂しくないぜ、みんな石ぶつけられなきゃならないぜ」―「石ぶつけられる」にはアメリカの俗語で「麻薬(主にマリファナ)をやる」の意味がある。だからこの歌は、俗物どもに迫害されても、仲間同士でマリファナに酔って対抗しようという反俗宣言だった。アメリカの大人がマリファナを毛ぎらいするほど、その息子と娘たちはわざといやがらせに吸いまくった。そのころのニューヨーク・タイムスにある学生はこう語った。「中毒しないし、酒より安いし、酔い心地もいい。酒に酔えば自分をコントロールできなくなるが、マリファナに酔ってもコントロールを保てる。二日酔いにもならない」

いま米国では 大人も堂々と

 アメリカの若者は大人にマリファナ戦争を仕掛けて勝った。マリファナはアメリカでもはや若者の独占物ではもちろんない。いまのアメリカで、きちんとした、だがちょっとさばけた大人のパーティーで女主人は客にこうたずねる。「お飲みになる?それとも、お吸いになる?」―もちろん、酒かマリファナかを、だ。

 マリファナをめぐってアメリカはずい分大騒ぎしたあげく、やっと個人使用への実刑撤廃という大統領提案にこぎつけた。その理由をカーター氏は「個人が薬を所持していることに対する罰則は、その個人がその薬を使ってこうむる損害を上回ってはならない」といっている。要するにたかがマリファナを吸ったぐらいで刑務所に送ってはならない、ということだ。

 日本の当局がこのカーターさんの言葉をよくかみしめて、大麻法を同様に改正しても、対米追随にはならない。なぜならそもそもマリファナに対する過剰反応こそ、敗戦によるアメリカの押しつけだったのだから。

約30年も前の時点でこのような論説が毎日新聞に出ていたことを思うと、大麻についてのマスコミの報道は、寧ろ後退してしまっているのではないだろうか。大麻について論じることはタブー視されている感がある。
過日、「大麻密輸の冤罪」の裕美さんの事件について取材を求め、毎日新聞東京社会部の記者と電話で話したが、この記事を書いた関記者をご存知なかった。関元記者は今もお元気なのだろうか。現在の閉塞した大麻を巡る言論についてどう思われているか、聞いてみたい思いがする。

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