厚労省から「行政文書開示決定通知書」が届きました。「厚生労働大臣 柳澤伯夫」名で、1月11日付です。が、文書本文ではなく、その目録?です。本文は、閲覧するのみか、紙のコピーで受け取るか、モノクロか、カラーか、FDか、CDか、DVDか、取りに来るか、送るのか、という選択肢から選んで、また手続きをしなければならいそうです。
こちらからの請求は以下の3点でした。
1.厚生労働省所管の(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの運用・管理に関する全ての文書.
2.同ホームページ中の大麻に関する記述の根拠を示す全ての文書.
3.同ホームページの運用に関し、厚生労働省が同センターに委託している内容・事柄を示す全ての文書.
で、回答の目録は下記です。
・「大麻」(依存性薬物情報研究班 昭和62年3月)のうち、「Ⅱ大麻とは」、「Ⅴ大麻乱用の臨床」の部分
・「大麻乱用による健康障害」(依存性薬物情報研究班 平成10年12月)のうち、「Ⅳ大麻精神病」の部分
・「薬物依存」のうち、「第13章 大麻依存」の部分
・Cannabis : a health perspective and research agenda
・契約書 平成17年4月1日(覚せい剤等撲滅啓発事業)
・平成17年度覚せい剤等撲滅啓発事業の事業計画書の提出について
・平成17年度覚せい剤等撲滅啓発事業の事業実績報告について
・平成17年度補助金等支出明細書
以上です。
本文については、デジタルのデータで貰おうと思っています。その場合、一度担当に問い合わせて費用を確認してから手続きせよと書いてあるので、月曜日に確認し、手続きします。
面白いことになってきました。速報まで。
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2006年5月4日 - イギリス・オックスフォード発
イギリスでドラッグ政策の提言を行っているベックリー・ファンデーションが発行したレビューによると、カナビスの使用は、統合失調症や精神障害になりやすい人でも 「統計的に軽微なリスク・ファクター」 にしかなっていないことがわかった。 ベックリー・ファンデーション は独立系のシンクタンクでドラッグ使用や政策の分析を行っている。
著者たちは、「カナビスとメンタルヘルス: 最近の報告に対する検証」 と題するレビューの中で、カナビスがアルコールと同様に 「すでにその兆候のある人や家族に同種の病気の人がいる場合には統合失調症に陥る可能性がある」 としながらも、「社会全体でみると、過去30年間のカナビス使用の増加に連動して精神症率も増加したという事実はない」 としている。
結論では、「ここで検証した研究では、カナビスの統計的リスク・ファクターは軽微なものであることを示しており、圧倒的多数の若年カナビス・ユーザーについては精神症を発症するようなことはなく、ユーザーのうちでごく少数のグループだけがカナビスの影響を受けやすいという仮説を裏付けている」 と述べている。
ベックリー・ファンデーションの分析は、今年のはじめにイギリスのドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)が出した結論と同様のもので、委員会では「現在利用できるデータによれば、カナビスの使用が統合失調症に発展するリスクはほんの僅かでしかない。・・・現在の証拠からはカナビスの使用が統合失調症に発展する生涯リスクは最悪でも1%以内であることを示している」 と 結論 づけている。
For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.
Full text of the Beckley Foundation report is available online at: http://www.internationaldrugpolicy.net/.
Additional information on cannabis and mental health is available in NORML's report, "Cannabis, Mental Health, and Context: The Case For Regulation," available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6798 (訳)
Source: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6893
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英、ドラッグ乱用諮問委員会
20日に発表された政府のドラッグ乱用諮問委員会の報告書によると、カナビスを常用していると心の健康に対して 「はっきりと目立つ」 ほどの害を及ぼすが、統合失調症までは起こりにくい、と結論を出している。
また、カナビスは、精神及び精神運動能力を害し、急性中毒症状を引き起こしたり、過去の心の病を再発させる可能性があるが、現在明らかになっている証拠によれは、カナビスが統合失調症まで発展する可能性は1%以下である、とも述べている。
政府が過去行ったカナビスのB分類からC分類へのダウングレード決定を見直して以前の状態に戻すべきかどうかという諮問に対しては、戻すべきではないとの勧告を出した。
また、大臣は、ドラッグの活性成分がより強力になったことで、心の病に陥る危険が増えたかどうか医学的な面から再検討するように諮問していたが、委員会は、「現在の証拠からは、最悪に見積もっても、カナビスの使用によって統合失調症まで発展する生涯リスクは1%以下であると思われる。」 と結論を出している。
「一部のグループの人たちはカナビス使用によって統合失調症に発展するリスクが高いが、現在のところ、特定の個人がそのグループに属するのかどうかを確認する方法はない。」
「カナビス使用の頻度と心の病への発展が関連しているかについては、現在の証拠からは関連性は薄い。本委員会としては、カナビスのBクラスへの逆分類は奨めず、Cクラスのまま留めることを勧告する。疑いなくカナビスにも害はあるが、Bクラスのドラッグ程ではない。」
2003年にカナビスをダウングレードすべきという勧告が出た後で、「カナビスの使用とそれに伴う精神症への発展の可能性を示す新たな証拠」 が提出されていたが、「それらの研究では、間違いなくそのような関連があると断言できたわけではなく、集めた証拠が因果関係を示唆しているだけで、統合失調症にまで発展するのにカナビスの使用が必要かつ不可欠なことを示しているわけではない。」 としている。
「昨年1年間に300万人以上の人がカナビスを使用したと考えられるが、統合失調症ような悲惨で障害のある状態にまで陥った人は極めて少ない。これに対して、カナビスを使用していなくても多くの人が統合失調症になっている。」
「利用できるデータをもとに考えれば、カナビスの使用が統合失調症に発展するリスクは最悪でもごく小さいものにとどまっている。」
「しかしながら、委員会はカナビスの使用が気管支炎や癌などの害になることも強調しておきたい。従って、カナビスを使わないようにする教育や情報の提供を引き続き行い、心の病との関連性についてさらなる研究を続けることが望まれる。」
昨日、チャールス・クラーク内務大臣は下院で、カナビスを現状のままCクラスにとどめることを提示し、警察が個人の所持について寛大な路線を維持し、罰則も低いままにすることを承認した。
所持できるカナビスの量ついては、昨年の専門家の報告書で示された個人使用4オンス以下にするガイドラインを警察関係者に示した。この量は細めのジョイントで約512本、太めで約256本ほどになる。
クラーク大臣はカナビスの逆分類は提案しなかったが、カナビスには害があり、「身体・精神の広い範囲にわたって危険である」 というメッセージを出し続けなければならない、と述べた。
また、1971年に作られた分類システムが混乱し誤解を招いているとの批判に応えて再評価するように要請し、現在Cクラスに分類されているロヒプノールやGHBなどの、いわゆるデートレイプ薬の分類見直しも諮問した。
影の内閣のデビッド・デビス内相は、カナビスが安全なソフト・ドラッグだと思い込ませかねない混乱したメッセージを出さないように逆分類すべきだったと断罪した。
しかしながら、自由民主党報道官マーク・オーテンは、「チャールス・クラークは、ヒステリーや政治圧力に屈せず、最高の証拠に基づいて正しい決定を行った。カナビスは無害ではないが、他の多くの違法ドラッグよりも害は少ない。」 と語った。
参考: イギリス、ドラッグ乱用諮問委員会報告書全文(PDF)
Source: The Daily Telegraph
Pub date: 21st January 2006
Subj: Cannabis use 'will impair but not damage mental health'
Author: Philip Johnston, Home Affairs Editor
Web: http://www.thehempire.com/index.php/cannabis/news/cannabis_use_will_impair_but_not_damage_mental_health
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精神病問題と科学の歪曲
カナビスの禁止論者たちは禁止の理由となるカナビスの害をあれこれ言いたてるが、実際には論拠のない憶測も多い。しかし、そうした証明も反論もしようもない憶測を一応別にすれば、彼らが科学で証明されているとする主張は最終的には数種類の問題に集約される。
現在、最も多くみられるのが、今のカナビスがかつてのものより効力が増しているのでより危険になっているという高効力問題だが、その他の代表的な例とすれば、1世紀以上も変わらず論争が続いている精神病問題がある。(高効力問題については 別記事 にまとめてある)
最近、カナビスが精神病を引き起こすことが研究で突き止められた、と盛んに叫ばれている。カナダではコミュニティ・アクティビストでライターとして著名なマルグレット・コパラは先日の新聞紙上で、カナビスのリベラルな扱いが若者のユーザーを「精神病層」に引きずり落とす、と書いている。
1893年、インドにおけるイギリス・ヘンプ調査委員会報告
カナビスが精神を破滅させるという恐怖が語られるのは決して最近のことではない。インドがイギリスの植民地だった1世紀以上も前、本国から赴いた宣教師たちは、インドの精神病院の来院者が増えているのは広く使われているカナビスに関連しているのではないかという懸念を寄せてきた。これに応えてイギリス政府は、1893年にヘンプ調査委員会を設置してインドで実態調査に乗り出した。
最大規模の調査が実施されたが、最終的に委員会は、インドにおけるカナビスの使用はイギリスにおけるアルコールの使用は同じようなもので、カナビスが精神異常を引き起こすという証拠はない、という結論を出している。
「ある人にとって適度で害にならないことでも、他の人にはそうでないこともある。適度な習慣であっても、いつのまにか知らずに度を越す習慣になってしまうこともある。しかし、これはどのような陶酔物でも見られることなので、大切なのは適度と過度を区別して考えることだ。こうした観点からすれば、適度なカナビス使用が害になるという証拠は見当たらないといえる。」
拍車をかける嘘の研究と報道
だか、度を越さない適度な、という委員会の観点はこの1世紀の間に見捨てられて、意見は両極端に分かれてしまった。片方でが、どのような場合でもカナビスは有害であると言えば、もう一方では、1960年代にカナビスがポピュラーになってきてから、全く無害であるというような意見も多くみられるようになった。
この長い論争は、カナビスには精神機能に悪作用があると言われていることをめぐる対立が根底になっている。このために、この1世紀はカナビスの悪害を検証しようとしておびただしい数の研究が行われた。
しかしながら、精神衛生や精神病などに関するカナビスの研究の多くはずさんで、悪いはずだと予見が先行したものだった。結果は、新聞の毒々しいヘッドラインとして踊り、さらに法を厳しくすべきだという根拠に使われたが、その後、別の追跡調査で元の研究結果が再現されないと、恐怖を煽る記事はゆっくりといつのまにか消えていく。
過去においては、しばしば、こうしたいいかげんな研究が何度も出ては消えていった。しかし、今日行われているきちんとした研究でも、しばしば、大きく歪められて報道されて嘘の恐怖を生み出す場合もある。
週5本のジョイントでIQが5ポイント下がる?
最近の例としては、2週間前にグローブ&メール誌のコラムに掲載されたジェーン・マルモロー博士のカナビス喫煙が 「脳をフライにする」 という警告がある。記事では、2002年にオタワのカールトン大学のピーター・フライド博士の研究を証拠にあげ、1週間に5本以上カナビスを吸っている人は障害でIQが 「5ポイント」 下がると書いている。
実際の研究では下降は4ポイントとなっているが、5ポイントとしたのは語呂あわせで許容されるとしても、何故かマルモロー博士は、カナビスを吸ったことのない若者の成長にともなう平均IQ増加率が2.6ポイントなのに対して、吸っていたが止めた若者の場合は3.5ポイント上昇していることに触れていない。さらに奇妙なのは、現在週に1~4本カナビスを吸っている者の場合、IQが5.8ポイントも上昇しているのにもかかわらず結果に触れていない点だ。
明らかに、実際の調査結果は正反ごた混ぜになっている。この研究から引き出せる唯一の明確な結論とすれば、IQの低下がカナビスを中断した元ヘビー・ユーザーには見られないという事実しかない。つまり、調査報告にも書かれているように、「知力全体には、カナビスは長期的な悪影響を与えない。」
1世紀におよぶ、科学、エセ科学、歪曲の末にやっとたどり着けた教訓は、カナビスには健康的な適量などないという新しく出てきた主張に対しては、疑いをもって掛からなければならないという事実だったと言える。本当の結論にたどり着くまでには、順に段階を経る忍耐も必要だ。科学が結論を得るには時間がかかる。
最新のニュージーランドの研究
最も最近論議を醸しているのは、ナショナル・ポスト紙に掲載された「カナビス喫煙と精神病の関連が明らかに」と題する記事で、今月の始めに出たニュージランドの研究について取り上げている。その研究では、カナビスを毎日常用しているユーザーの場合、非ユーザーと比較して、統合失調症を特徴づける幻覚などの精神病状を1.6~1.8倍も経験しやすくなる、と指摘している。
このような結論に達した研究はこれが最初というわけでもない。スウェーデンの新兵に関する調査研究やニュージーランドで行われた以前の研究でも、青少年のカナビス喫煙が統合失調症のリスクを上昇させるという結論を出している。
これらが本当ならば際立った発見ということになる。しかしながら、もしそれが正しいとしても、イギリスの元大臣がロンドンの新聞紙上で語っているように、直ちに若者以外の「どの世代」でも同じように幻覚を見るようになるという恐怖に拡大解釈してもよいことになのだろうか? われわれは全員が、コパラ女史の主張する「精神病層」の縁に立たされていることになるのだろうか?
南カリフォルニア大学のミッチ・アーリーワイン心理学教授(「マリファナを理解する」の著者)の答えはNOだ。アーリーワイン教授は、カナビスが統合失調症を引き起こすとすれば、社会全体のカナビス使用率の上昇に伴ってそれに見合った率で統合失調症も増えるはずだが、アメリカではそのような相関は見られない、と語っている。
また、オーストラリアのクイーンズランド大学のウエイン・ホールらも、相関関係を求めて過去30年間のカナビス使用を調査しているが、何の相関も見出すことはできていない。
疑問の多いアンケート質問
また、アーリーワイン教授は、カナビス使用が統合失調症を引き起こすというニュージランドの研究に疑問を投げかけている。
この研究はクライストチャーチ医学健康大学の著名な研究者であるデビッド・ファーガソン教授に率いられたチームが行ったものだが、アーリーワイン教授によると、研究者たちは実際にはカナビス・ユーザーに対する精神病の診断は行っていないと言う。
診断のかわりに行われているのが短い質問で構成されたアンケート調査で、10の精神病的な症状を列挙して被験者にそれぞれの経験の有無を尋ねて統計的に分析している。
いくつかの質問は、「他の人には聞こえていない声を聞いたことがありますか?」 とか 「誰かが自分の思考をコントロールしていると思ったことはありますか」 といったもので、明らかに誘導的で問題を含んでいる。
そのほかの質問もこれほど露骨ではないが、他人から信用されていないように感じたことがあるか、他人に監視されたり噂されたりしていると感じたことがあるか、他人に親近感を抱いたことは全くないか、自分の考えや信念が他人と共有できないと感じたことがあるか、といった具合になっている。
集計結果では、25才の被験者における平均経験項目数は、カナビス経験のない場合で0.64、月間1回以下の経験者で0.89なのに対して、毎日常用している場合は1.95になっており、控えめに言っても統計的有意性が示されたとしている。
カナビス・ユーザーにとっては全く普通の感覚
しかし、アーリーワイン教授は、見た目よりもポイント差は小さいと主張している。ニュージランドの研究が掲載された論文誌のレターの中で、教授は、カナビスの酔いではパラノイア感覚が引き起こされることが極めてありふれたことなのに、「研究者たちは、被験者にカナビス使用中に感じたものと、そうでない時に感じたものを区別するように何の指示も与えていない。」
「つまり、実際に精神病を示す長期的な影響によるものなのか、あるいは、単に酔っている最中だけに感じる普通の影響なのかを切り分ける手がかりが用意されていない」 と指摘している。
さらに続けて、「精神病を特徴づけとされる感覚は、カナビスを使っている人にとっては全く普通の感覚である可能性がある。違法なドラッグであれ、アルコールやタバコのように社会で認知されたものであれ、使っている人は冷やかな目で見られがちで、『自分の考えや信念が他人と共有できない』 気持ちをもともと持っている。」
「これは精神病を表す兆候とは言えない。と言うよりもむしろ、理性的な考えの持ち主が自分の置かれた状況を現実的に見ていることを示している。また、私服の麻薬調査官があちこちにいる状況を考慮すれば、『他人から信用されていない』 と感じたとしても不思議ではない」 と書いている。
これに応えてファーガソン教授はEメールで自分の研究方法を擁護している。「被験者にはカナビスの酔いによるものかどうが尋ねているのかというご指摘ですが、単に論文の表面にあらわれていないだけで、われわれは、デイリーまたはウイクリー・ユーザーに対して調査の意味を伝えております。」
被験者が質問に答える時に、社会的な冷やかな目に影響されているという点に関しては、「カナビス使用と精神病の症状の関連については、オランダのようなリベラルな国でも厳しい国でも同じような傾向が見出されており、そうした影響があるはずだという指摘は必ずしも当たっていません」 と反論している。
リスクは僅かだが確かに?
科学者たちの間では、統合失調症に苦しんでいる人にとっては、カナビスを含めてどのような種類のドラッグであれ、突然、精神的崩壊に発展する可能性があるので健康上好ましくないという点では意見が一致している。
しかし、その上でアーリーワイン教授は、研究が進めば、すでにその兆候のある人がカナビスによって統合失調症の発現が促進されることは明らかになるだろうが、それ以上のことはないだろうと推察している。
「統合失調症の家族を持っている人が、カナビスを使用して早い時期に精神病の症状を発現したとしても驚かないが、カナビスが実際に統合失調症を引き起こすという意見については、私はデータが支持していないと感じている。特別な環境や家族に精神病歴のない人が、カナビスを吸ったらいきなり精神病になるようなことはまずないと予想している。」
この見方に対してもファーガソン教授は異なる。結論に至るのはまだ先のことだとしながらも、予兆のない人が統合失調症になるリスクは、現在まで得られたデータでもある程度示されていると述べている。
「はっきりしないことも多いのですが、カナビスをヘビーに使っている人の場合、精神病や類似症状に陥るリスクが 『僅かですが確かに』 増えるのです。精神病になりやすい気質の人にカナビスの有害性がより表面化しやすい傾向が見られます。」
結局、ヘンプ調査委員会の結論に回帰する
ファーガソン教授の見方を要約すれば、リスクは「僅かだが確かに」あり、ヘビーな使用の結果でてくる、精神病になりやすい気質の人ほどリスクは高くなる、ということになるが、慎重な言い回しで、微妙な違いを表現している。
だが、ジャーナリストや政治家たちは彼の研究結果を使いながら、似ても似つかない警告の声をあげている。それに対して、「メディアは、われわれの研究結果で、カナビスの使用が精神病を引き起こすことが示されたと主張していますが、明らかに誇張です」 とファーガソン教授は語っている。
科学が政治の道具になっているように感じるとして、「われわれの研究に対するそのようなコメントは、カナビス問題を担当する比較的地位の固定した人たちから聞こえます。一般に、リベラルな改革指向の人たちは結果を軽く見ようとしますが、保守的な傾向の人たちは、カナビスが精神病の主要な脅威になっているという証拠として使おうとします。」
「いずれにしても、ごく微妙なグレーの影をあたかも白か黒かという議論にすり替えようとしています。私はどちらも正しくはないと考えています。双方とも、この問題に対して論理的な議論をしようとしていません。」
ファーガソン教授は自分の研究に強い自信を抱きながらも、先走って政治の攻撃材料として使われるべきではないとも主張している。研究の結果は、「医療目的のカナビスの利用を禁じたり、カナビス所持に非犯罪化要求を阻止するための根拠にはなりません。結果が示していることは、カナビスが精神に作用する物質であり、ヘビーな使用には副作用があるので、適切な注意を払いながら使うべきだということです」 と書いている。
表現の仕方は新しいが、結局、「度を越さす適度な使用」 という1893年のヘンプ調査委員会の意見と何一つ変わっていない。
Source: The Ottawa Citizen
Pub date: 21st March 2005
Subj: How Science Is Skewed to Fuel Fears of Marijuana
Author: Dan Gardner
http://www.thehempire.com/index.php/cannabis/news/how_science_is_skewed_to_fuel_fears_of_marijuana/
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マドリード発ロイター。スペイン東北部のバルセルナを中心とするカタルニア地方では、深刻な病気の人たちにカナビスを処方できるようにする、との健康局の担当者が火曜日の会見で発表した。
この先駆的なプロジェクトは国の健康省の認可を求めている最中だが、認められれば4つの病院と60の薬局を通じてカナビスを化学療法や長期の痛みに苦しむ患者さんたちに処方することを計画している。カタルニア健康顧問のマリア・ゲリ氏は「慢性疾患の患者さんでパイロット・プログラムを開始します」と記者団に語った。
スペインではカナビスは違法になっているが、医師が他の医薬品ではあまり効果が望めないと判断した患者さんに対してカプセル入りのカナビスを処方することにしている。
健康省では、まだ技術的な問題を調整中でプロジェクトの正式な開始日を決めていないが、国と地方との間では「良い相互理解」が進んでいると述べている。ゲリ氏も、プログラムの追跡調査に参加する患者さんたちには今年の前半にもカナビスを提供できるだろう、と語っている。
Source: Reuters
Pub date: Tuesday February 1, 2005
Subj: Spain: Catalonia plans cannabis prescriptions
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オランダの研究報告
オランダ政府は、最近、カナビスを販売しているコーヒーショップの閉鎖する意向を強めているが、その根拠にあげている最近の研究に対して、オランダの3人の研究者たちは、カナビスの使用が統合失調症を引き起こすという科学的な証拠はない、として疑問を投げかけている。
精神医学者たちの意見交換専門雑誌の今週号に掲載された記事の中で、3人の著者たちは、現在利用可能なデータからは 「コーヒーショップを閉鎖しようとする提案を正当化するものは何もない」 と述べている。
統合失調症は、通常、ドラッグを使い出す青年期に発症することが多いが、カナビスの使用がネガティブな影響を与えるのは、もともと遺伝的に精神病になりやすい人に限られると指摘し、「従って、家族に統合失調症歴があったり、統合失調症の両親を持つ若者はカナビスをやめたほうがよい」 と書いている。
このところ、オランダ政府は、規制・管理しているコーヒーショップのカナビス販売に対して厳しいルールが適応しており、ショップの数は目立ってに減少してきている。今年になってからは店内でのアルコールの販売が禁止され、さらに、2005年からはコーヒショップも含めてすべての店舗内でタバコの喫煙も禁止されようとしている。
2002年の統計によると、オランダには780軒あまりのコーヒーショップが営業しており、そのうち270軒がアムステルダムに集中している。
Source: Reuters
Pub date: 20th August 2004
Subj: No Marijuana Link To Schizophrenia
Web: http://www.thehempire.com/index.php/cannabis/news/study_no_marijuana_link_to_schizophrenia/
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大麻は、世界的な視野で見れば、間違いなく規制緩和の流れにある。嗜好目的だけでなく、産業的な利用においても同様だ。
個人の大麻少量所持が非犯罪化されている国も多いが、反大麻論者のなかには、非犯罪化は合法化ではないと主張する者もいる。
大麻は、先にレポートした薬物政策研究者氏の論稿にもあった通り、麻薬単一条約という国際条約によって規制されている。だから、この国際条約を批准している国では大麻の合法化はできない。合法化はできないが、どのような規制内容にするかは各国政府に裁量の余地があり、麻薬単一条約批准国でも非犯罪化政策は成立している。
メドさんは言う。
英国の薬物濫用諮問委員会の言葉を使えば、『大麻は疑いなく有害だ』ということです。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130
しかし、その英国では、メドさんがこの文章を書いた2年前、2004年に、個人の大麻少量所持は逮捕しない施策が講じられているのである。
メドさんは別のページにも英国の例を引いている。
日本でも、今まで通りの警察による大麻取締りだけでなく、その有害性を教育・広報する必要が迫られているようです。
英国のように。
「日本の精神病院の現状(2)」http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106
これは2006年2月1日(水)にお書きになったようだが、この時点で既に英国では個人の大麻少量所持の取り締りなど行われていないのである。メドさんはそれには触れず、日本でも「有害性を教育・広報する必要」がある点のみを説いている。「英国のように」、とか言って。ずるい。日本も、大麻の非犯罪化政策とセットで注意を喚起するなら私も賛成である。英国のように。
「大麻は疑いなく有害」であるなら、酒も煙草も疑いなく有害である。有害でありうるものをどのように規制するか。それがこの問題の本質である。大麻の非犯罪化を主張する者は、少なくとも私たちTHCは、大麻に全く害がないなどという主張をしているのではない。アルコールや煙草よりも害がない大麻を、逮捕や懲役といった刑罰を以って規制するのはあまりにも過剰であり、人権侵害ですらあると主張しているのだ。
メドさんは、続けて大麻と日本脳炎の比較に果敢な挑戦を試みている
引用。
大麻が起こす統合失調症も、入院がしばしば必要になる、本人も家族も長期に苦しむ重い病気です。
大麻が統合失調症を起こすという断定への反論は稿を改めるとして、メドさんの結論はこうである。
保健行政の観点から、(もちろん両方大事なのですが)「危険を1%減らす大麻使用追放」と、「危険を0.3~0.03%減らす日本脳炎予防」は、どちらのほうが大事でしょうか?
答えは明らかです。
私には意味が分らない。統合失調症になる可能性が1%増える危険を理解した上で、個人の意思で使うことも使わないこともできる大麻と、個人の意思とは無関係に罹患する病の予防接種の効果とを比較して、果たして何の意味があるのだろう。このような数字はいくらでも出せるだろう。例えば、アルコールを禁止にすれば、肝臓疾患の発症率を相当に抑制できるだろうし、煙草の所持も懲役刑で取り締れば、癌になる人の数も相当に減るだろう。だが、メドさんは、アルコールや煙草といった嗜好品の危険性とではなく、何が言いたいのか、大麻規制と日本脳炎の予防接種の効果を比べるのである。本質的に別物だと客観的な比較はできないと言いながら、大胆である。
そもそも、メドさんが断定するように、大麻の使用は統合失調症を起こすのだろうか。
(つづく)
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カナビスの唯一の問題点
アルコールやその他のドラッグについてわれわれの考え方を再評価すべき時に来ている。
純粋に客観的な観点にたてば、アルコールはリクレーショナルなハードドラッグだと言うことができる。気持ちは鈍くなるし、簡単に深酒に陥るし、攻撃性や不注意、失意にも密接に結びついている。ドラッグをやっている最中の人間は暴力犯罪や事故を起こしやすいが、そも最もたるものがアルコールだ。
アメリカでは、殺人の65%、年間に7万件にも及ぶ学校でのレイプの55%、交通事故死の39%、全外傷性傷害の33%、水死などの事故死の33%、ティーンの自殺の25%にはアルコールが関係している。毎年、アルコール関連の慢性病では15万人が亡くなり、3000人がオーバードーズ(急性アルコール中毒)で死亡している。
しかし、アルコールにもメリットはある。1日に1、2杯程度の節度ある使用ならソフトドラッグのように作用し、社交的になったりリラックスしたりしてしばらくは楽しく過ごすことができる。長期的にも、血圧やコレステロール値を下げたり、心臓発作のリスクを低くしたり、長生きを促すといった好ましい効果もある。
同じようなことが薬局の医薬品にも言える。プラス面もあれば、多くのリスクもある。痛みに対処するには、薬局のアスピリンやアセトアミノファンなどの鎮痛剤は欠かすことはできないが、それで年間1万5000人が死んでいる。抗うつ剤のパキシルは自殺のリスクを高め、抗不安薬のザナックスは中毒性が高い。
また、不眠症のアンビエンは夢中歩行や居眠り運転を引き起こし、関節炎のアダリムマブはガンのリスクを3倍に高める。ぜんそく薬のサルメテロール・フルチカゾンは肺炎を起こすこともある。感染病のテリスロマイシンは肝臓傷害に関係している。最近、皮膚ガン薬として復活したサリドマイドは、恐ろしい出生異常を引き起こすことが知られている。
子供たちには、ADHD薬としてリタリンやストラテラなどが処方されているが、毎年、何千人もが副作用で病院に運ばれ、何百人もの子供たちが自殺しようとして服用したと語り、混乱のなかで死んでいく子供も少なくない。さらに、オレゴン州では、医師が、末期患者に意図して致死性の「医薬品」を処方することさえ認めている。
また、合法的な興奮剤であるカフェインは、コーヒやソーダ、エネルギー・ドリンクとして広く行き渡り、毎日のように子供の含めどの世代にも使われているが、たとえ適度な摂取でも心臓まひのリスクが高まり、5グラム(コーヒー33杯分)以上なら死んでしまう。
このように、われわれの社会は、明らかに危険な薬物の摂取も認めている。つまり、十分な情報を用意した上で、安全に責任を持って使うか、さもなければ使わないかを選択できるようになっている。
ここで振出に戻って、われわれは、何千万人ものアメリカ人が、極めて安全ながら何故か密かに使い続けてきたもう一つのドラッグことを見直さなければならない。そのドラッグとは、カナビスのことだ。
第1に、国中の警察は、カナビスがアルコールとは違って、暴力や無謀な行為を引き起こさないことを認めている。
第2に、連邦の麻薬取締担当のバリー・マカフェリー長官が諮問して設置された委員会が1999年に発表した包括的な報告書では、カナビスが、「明らかな効果を持った医薬品であり・・・化学療法にともなう吐き気やエイズの衰弱、深刻な痛みなどの病状を適切に調整する働きがある」と結論付けている。
また、2004年に発表された研究では、カナビスがガンマヘルペスを阻害し、2005年には、動脈硬化の進行を遅くし、2006年のUCLAの研究では、カナビスの使用が肺ガンを引き起こさず、腫瘍の成長を抑制することも明らかにされた。2006年のオハイオ大学の研究では、アルツハイマーの進行を止めることも示された。
確かに、特定の分野では、カナビスよりも効果の高い医薬品もたくさんあるが、カナビスには毒性がないという他に見られない利点が備わっている。連邦麻薬局自身も、1988年に、カナビスで死亡した事例は歴史上の記録にはないと認めている。
第3に、リクレーショナル使用に関しては、2002年に、独立法人ランド研究所が、カナビスにはゲートウエイ・ドラッグとしての働きはなく、ティーンエイジャーをハードドラッグに導くようなことはないと結論付けている。また、製薬会社のメルクによれば、カナビスの活性成分であるTHCは、アルコールやタバコと違って身体的な依存性を起こさない。メルクの研究者たちは、カナビスに対する反対意見は、「道徳や政治に根ざしたもので、毒物学にもとづいたものではない」 としている。
現在、カナビスを少なくとも医療利用に関しては10以上の州で認めらてきたように、ゆっくりとではあるが、良識ある考え方も支持を獲得しつつある。しかしながら、連邦の立法府は、科学や道徳的な根拠もないのに、依然として、カナビスのユーザーを逮捕して処罰し続けることを望んでいる。
だが、カナビスの個人使用においては、正当な連邦のエージェントがドアを蹴破り、誰の害にもなっていない人をヤクザのように扱い、逮捕して財産を没収しなければならない理由などない。70年以上におよぶカナビス禁止法で、アメリカ市民は、法の不公平ゆえに残酷で常道を逸した処罰に苦しんできた。
投獄されるのは、われわれを脅かす殺人者やレイプ犯、虐待犯、泥棒、さらに、アルコールやカナビスや睡眠薬の影響下で運転をする人間たちに絞るべきだ。
さらに言えば、この秋、国連は、過去30年の栽培技術の進歩でカナビスの効力が5倍になって危険が増えているとして、地球的規模でさらなる抑圧政策を取ることを主張している。しかし、この主張なナンセンスだ。これは、ウイスキーとビールのことを考えてみれば明らかだ。ウイスキーはビールよりも8倍も効力があるが、人々は単に摂取量を調整して望む酔いを得ている。効力の違いで逮捕されたりしない。
もし、政府が本当にカナビス問題を解決したいのなら、タバコ農家にカナビスの栽培を認め、政府は税金を得て、FDAがそれを監視すればいい。アルコールの会社にカナビスの販売を認め、警察はそれをコントロールし、大人にはカナビスを使えるようにすればいいのだ。カナビスをめぐる唯一の問題は、違法であることだけだ。
Source: Orange County Register
Pub date: 31 Dec 2006
Subj: Marijuana's Only Problem
Author: Chip Parkhurst
http://www.mapinc.org/norml/v06/n1751/a06.htm
カナビス・スタディハウスからの転載です
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カンナビス・メドさんの記述引用。
では、「利点」についてはどうでしょうか。
適量の飲酒は、心血管疾患を減らすことなどを通じ、健康に貢献するのは「酒の利点」です。
ところが個人的な大麻の使用については、何らかの形で健康に寄与できるという研究報告は1つもありません。
つまり、アルコールと異なり、大麻に「利点」は見つかっていません。
これは、英国の薬物濫用諮問委員会の言葉を使えば、『大麻は疑いなく有害だ』ということです。
総体的に見て、害しかないものは抑制政策をとる。
利益になる使い方ができるものは、そのような使い方を奨励する。
これが健全な保健政策といえるでしょう。
健康上のメリットがないという点においては、個人による大麻吸引は、日本脳炎ウイルス感染に似ています。
これがどういうことなのか、健康に害しか及ぼさないという点で共通な、この二者を比べてみましょう。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130
適量の飲酒には心血管疾患を減らすなどの利点があるが、「個人的な大麻の使用については、何らかの形で健康に寄与できるという研究報告は1つもありません」という。筆者は大麻がさまざまな疾病に効果があるという研究報告、臨床報告をご存知ないらしい。
既によく知られたところでは、多発性硬化症に効果がある。カナダでは2005年にGWファーマスティーカルズ社の大麻由来の製剤、Sativexが認可され、売られている。
・同社の広報
http://production.investis.com/gwp/pressreleases/currentpress/2005-04-19/
私自身が裁判で引用した「マリファナの科学」(レスリー・L・アイヴァーセン著、伊藤肇訳.築地書館)にも次のような記述がある。
「大麻の吸引によって進行癌患者が痛みに耐えることができるようになった、癌治療に使う化学療法薬によって起こる悪心が和らげられた、緑内障患者の眼圧を下げることができた、といった事例を報告する研究がますます多くなっている。」
「娯楽目的での大麻の吸引には有害なケースもあるが、コカインやアルコール、タバコほど危険なものではない。」
「大麻には悪い側面と良い側面があり、適量が用いられる限り、娯楽利用の価値もあるとともに、治療上から見ても有望である。」
「近年では、後天性免疫不全症候群(AIDS)や多発性硬化症など、さまざまな肢体障害をもたらす病気を患う数千人の患者が、症状を和らげてくれると確信して、非合法でのマリファナの吸引を始めている。」
「マリファナはその使用者をリラックスさせ、気持を落ち着かせるが、アルコールはときとして攻撃的で暴力的な行動を引き起こす。」
「何世紀にもわたって大麻が安全な医薬品として使われてきて、欧米諸国で何千人という患者がその薬効を信じて疑わないのに、どうしていまさら問題がありえよう。なぜ欧米諸国は、医師が患者に処方できるように大麻を合法化しようとしないのだろうか?」
「患者に安全で効果のある薬剤を認めない根拠が、果たしてあるのだろうか。」
そして、その英国では、既に個人使用の少量の大麻で逮捕しない施策が実施されている。大麻の危険度をダウングレードしてのことだ。多分、客観的に比較したのだと思うけど、メドさんはどう思う?
上に引用したような大麻の医療的効果は、個人にとって、特に大麻の効果が期待できる疾患を持つ個人にとって、命に関わる大きなメリットではないだろうか。
医療使用と嗜好目的では話が違うという意見があるかもしれない。
だが、日本の大麻取締法は医療目的ですら大麻を使うことも、医者が施用することも禁じているのだ。そして、そのような状況は生存権を侵害する憲法違反ではないかという主張を、司法は審理もせずに一切無視し、20年以上前の判例に拘泥しているのである。
「大麻には悪い側面と良い側面があり、適量が用いられる限り、娯楽利用の価値もあるとともに、治療上から見ても有望である。」
大麻問題で英国上院の委員会顧問を務めた科学者の論を否定する根拠を、カンナビス・メドさんはお持ちなのか。大麻に利点がないなどいう主張は机上の空論、もしくは「妄想」でしかないだろう。
カンナビス・メドさんは、アルコールより大麻のほうが害がないのはよく知られたことだけど、本質的に別物なので、客観的に比べる方法はないという。そう言っておきながら、利点については、酒は心血管疾患を減らすが、大麻には利点がないと言う。利点については本質的に別物でも比較できるのはどうしたことか。
医療的な大麻の効果についても、カナビス・スタディハウスさんにたくさん記事があるので、メドさんは偏見を捨てて読んでほしい。
酒の心血管疾患への効果を認めながら、カナダでは医薬品として認可までされている大麻の利点は無視し、「総体的に見て、害しかないものは抑制政策をとる」という主張は、大麻への偏見と無知を晒した「ダメ。ゼッタイ。」的な戯言でしかない。論の体をなしていないさ。
健康上のメリットがないという点においては、個人による大麻吸引は、日本脳炎ウイルス感染に似ています
本質的に別物であると客観的な比較はできないという持論のカンナビス・メドさんであるが、なんと、今度は大麻と日本脳炎ウイルスを比較するのである。
(つづける)
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カンナビス・メドさんの2006年1月30日付トピック情報に「大麻取締法は憲法違反? (1)利点のない大麻」というページがあります。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130
2005年3月、大麻取締法違反被告事件で被告側が出した控訴趣意書に、次の意味の記述がありました:
『大麻はアルコールほどの害がないので、飲酒が合法である以上、大麻所持を禁ずる大麻取締法24条は、憲法14条に違反する』
さて、「害」について考えてみます。
大麻はアルコールほどの害がない、というのはかなり知られた事です。
そして濫用すれば、アルコールはかなり高い確率でおかしなことになります。
しかしうるさいことを言えば、本質的に両者は別物なので、客観的に比べる方法はありません。
両方害がある、というのが正確なのですが、その大小比較は簡単なことではありません。
「大麻はアルコールほどの害がない、というのはかなり知られたことです」とあるように、カンナビス・メドさんは、大麻にはアルコールほどの害がないことをご存知のようです。それも「かなり知られたこと」だとまで書いているのだから、言葉を変えて言えば、大麻にはアルコールほどの害がないことは「公知の事実」だということを筆者はご存知なのでしょう。
大麻とアルコールの比較については、カナビス・スタディハウスさんにも複数の記事が翻訳され、紹介されています。
・アルコールとのリスク比較 英政府系サイトのデータで比較する
Source: UK Cannabis Internet Activists (UKCIA)
Subj: So, what about the health risks the government is always going on about?
Web: http://www.ukcia.org/culture/effects/risks.php#mh
・カナビスはアルコールよりも安全な選択
Source: SAFER Colorado
Subj: Marijuana is safer than alcohol!
Web:http://safercolorado.org/safer-doc" target="_blank"> http://safercolorado.org/safer-doc
・英科学技術委員会ドラッグ新分類を提言 カナビスはアルコールやタバコよりも害が少ない
Source: BBC News
Pub date: 31 July 2006
Subj: UK: Drug classification rethink urged
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=11548
しかし、カンナビス・メドさんは、この大麻とアルコールの害の比較について、なんか、負け惜しみのようにも聞こえるんですけど、「うるさいことを言えば、本質的に両者は別物なので、客観的に比べる方法はありません」とのこと。
うるさくはないけど、不可解です。そんなことを言ったら、異なる物質の客観的な「害の比較」自体がそもそも成立しないではありませんか。
ヘロインと大麻だって、両者は、そりゃもう本質的に別物なので、客観的に比べる方法はないのでしょうか? それではハードドラッグとソフトドラッグといった分類すら成立しません。その両者を区別するオランダの薬物政策は客観的な比較ではなく、大臣か誰かの直感とか主観とか実感で決めたのでしょうか?
ソレとコレは違う物質だが、それぞれ、どのような害が、どの程度あるのか。それを科学的に数値化するのは客観的な比較でしょう。
「うるさいことを言えば、本質的に両者は別物なので、客観的に比べる方法はありません」というのは、「アルコールはアルコール、大麻は大麻、別物です」と言っているだけのことではないでしょうか。
(つづく)
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情報を探してネットを徘徊していると、「本サイトはリンクフリーではありません」という注意書に出くわすことがある。その度に私は違和感を感じる。
インターネットは環境さえ整えば誰でもがアクセスできる、いわば公道のようなものである。
ホームページはその公道脇に掲げられた看板のようなもので、インターネットにアクセスできる者であれば、誰でも目にすることができる。
「リンクフリーではありません」というのは、誰でも目にすることができる場所に看板を掲げておいて、「勝手に見てはいけません」と言うようなものではないだろうか。
社団法人著作権情報センターの説明にも次のように書かれている。
http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/multi15_qa.html
Q.無断でリンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか。
A.(前略)結論を先にいえば、リンクを張ることは、単に別のホームページに行けること、そしてそのホームページの中にある情報にたどり着けることを指示するに止まり、その情報をみずから複製したり送信したりするわけではないので、著作権侵害とはならないというべきでしょう。
「リンクを張る際には当方に申し出てください」とか、「リンクを張るには当方の許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は道義的にはともかく法律的には意味のないものと考えて差し支えありません。ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。リンクを張られて困るような情報ははじめからホームページには載せるべきではなく、また載せる場合であっても、ある特定の人に対してのみ知らせようと考えているときは、ロック装置を施してパスワードを入力しなければ見られないようにしておけばよいだけのことではないでしょうか。(後略)
談話室で報告したが、「本サイトはリンクフリーではありません」と書かれているカンナビス・メドというサイトがある。ある種、職業的な熱心さを感じるほど、大麻の危険性についてPRしている。このサイトには大麻への偏見も私は感じる。
こちらからのリンクのお知らせと、公開の場での討議の申し入れを兼ね、12月27日にメールを出した。返事はまだない。
リンクのお知らせ
カンナビス・メド管理者様
貴サイトの情報、大変興味深く拝見しました。
http://www18.ocn.ne.jp/~east_106/
私は貴サイトとは正反対の主張を行う活動を主宰しています。
貴サイトの内容を検証させて頂くため、リンクしますのでお知らせします。
また、引用も行う予定です。
リンクフリーではないそうですが、リンクはwebの本質であり、ネットそのものです。
リンクされるのがお嫌であれば、アクセス制限をかけることをお勧めします。
リンク禁止というサイトもありますが、何ら法的な根拠も強制力もない点、書き添えておきます。
よろしかったらぜひ当方へもリンクして下さい。
できれば双方の内容について、公開の場で率直な議論ができればと願っています。
いかがでしょうか?
ご検討、よろしくお願いします。
白坂和彦
--------------------------------------------!
大麻取締法被害者センター/THC
http://www.asayake.jp/thc/
カンナビス・メドさんには「大麻取締法は憲法違反?」というページがあり、下記のように書かれている。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130
2005年3月、大麻取締法違反被告事件で被告側が出した控訴趣意書に、次の意味の記述がありました:
『大麻はアルコールほどの害がないので、飲酒が合法である以上、大麻所持を禁ずる大麻取締法24条は、憲法14条に違反する』
さて、「害」について考えてみます。
これって、当方がレポートしたNさん裁判のことではあるまいか。Nさん控訴審で弁護士は「憲法14条(法の下の平等)との関係」について論じている。
http://asayake.jp/thc/archives/2005/03/post_97.php
もちろん当方はどのページにでもリンクはご自由にどんどんどうぞであり、引用も自由なので、当方のレポートがカンナビス・メドさんの論稿に何かお役に立ったなら光栄です。
で、筆者の結論は次のようなものだ。
『大麻はアルコールほどの害がないので、飲酒が合法である以上、大麻所持を禁ずる大麻取締法24条は、憲法14条に違反する』
既述のように、これは論の体をなしていません。
この類の主張を認めた裁判官も、いまだかつて一人もおりません。
(完)
論の体をなしていないのはカンナビス・メドであると私は思う。
不定期連載になるが、このカンナビス・メドを検証する。
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個人的に使う大麻の、少量の栽培や所持で、逮捕などされることのない日本社会を実現する。それがTHCの取り組みの目標です。具体的には、裁判で司法から有意な言質を引き出すことができれば、行政は変わらざるを得ないだろうと思うので、そのような展開を作りたいと考えています。それが現在の日本で大麻を非犯罪化するための、最も実現可能性の高い方法ではないかと私は考えています。もちろん違う意見も異論もあるでしょう。談話室ででも、メールででも、ご意見を聞かせて下さい。
日本の公的大麻情報は、ダメゼッタイホームページに記述されている通りで、行政としては厚労省が管掌し、直接的には(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターが管理しています。
同サイトに掲載されている薬物情報は、14年以上前にアメリカから輸入した薬物標本の説明書を訳したものであり、その説明書自体に「本書に収録された主な分野及び掲載された薬物のいずれにつきましても、完璧な分析を行ったものではありません。記述はあくまで人々の注意を喚起し、問題の特定に寄与することを目的としています。従って、特定物質などに関する詳細情報をご希望の向きは直接お問い合わせ下さい」と書かれていて、科学的であるよりも政治的であることが明白です。
そしてこの説明書、昨年の問い合わせでは原本も残っていないとのこと。ダメゼッタイ大麻情報について、厚労省麻薬対策課情報係の藤原係長など、実にあっけらかんと、外国の話でもするかのように、「根拠は、まあ、ないんでしょうね」、と答えています。返す言葉がありません。「喝!」であります。
昨年末に行った情報開示請求の回答は文書ではまだ届いていませんが、情報開示のご担当によると、この記述の根拠に関する文書があったとのこと。
何が出てくるのか闇鍋のような気分で待っているのですが、いずれにせよ、情報が古くて見直しの必要があることを、厚労省麻薬対策課も、センター糸井専務理事も認めており、糸井専務理事は、新年度に予算化して見直しを図ると、こちらのしつこい確認に対しても明言しています。
この予算化と内容の見直しを、糸井専務理事の言葉通りに実施して頂くよう求めていくことが、当面の、3月までの課題だろうと思います。自分の言った言葉に責任を持たない彼らのお役人対応は、数年来繰り返し何度も見てきた通りなので、全く予断を許しません。
まずは、ちゃんと予算化し、見直し作業に着手して頂くこと。これが大事だと考えています。
情報の無根拠を認め、古さを認め、見直しの必要を認めておきながら、またしても予算化も見直しも行わないのであれば、監督責任のある厚労省と、センターの責任者に対し、対抗措置を講じたいと考えています。
あと半月も待てば情報開示請求の回答文書が届くでしょう。
それを見て対応したいと思います。
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あっと言う間に年末ですね。みなさん、マトリさん、デカさん、検事さん、判事さん、いかがお過ごしでしょう。枕を高くして寝てますか?
今年の初め、違憲論裁判でレポートしたナタラジャの刑が確定し、4年半を背負って下獄しました。
それまで、私自身のものを含めて、裁判やその支援が途切れずに続いていました。ナタの件で一段落した感があり、振り返れば、積み重ねた裁判で得たものは決して小さくありませんでした。
今後は、それらを礎に、守りとしての裁判支援から、攻めとしての展開を図りたいと考えてきました。
厚労省や薬物乱用防止センターに対する働きかけはその具体化でした。
当初、のらりくらりと言を濁していた麻薬対策課とダメセンターですが、ようやく、情報が古いことを麻薬対策課もダメセンターも認め、見直しの必要があることを認め、来年度の全面見直し予算化を、糸井専務理事は明言しました。
もちろん、全く楽観できる状況などではなくて、私たちが要望するのとは全く反対の大麻情報を、根拠付きで出してくる可能性が高いのではないかと危惧しています。
過日の情報開示請求の回答もまだ届きませんが、今後も当方としては積極的に厚労省やダメセンターに働きかけを強めたいと考えています。
ダメゼッタイホームページの管理責任は、薬物乱用防止センターにあることが明確にもなったので、万一、糸井専務理事が約束をお守り下さらないようであれば、抗議行動を呼びかけ、ダメセンターに乗り込もうかと企画中です。もちろん非暴力。言葉が武器です。その際はぜひご参集下さい。
来年も、これまで以上のご支持とご支援を、どうぞよろしくお願い致します。・・・なんか選挙の挨拶みたい。
大麻愛好者のみなさまも、獄中のみなさまも、当局のみなさまも、良い年をお迎え下さい。
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大麻を巡る問題を考えるとき、オランダのハームリダクション政策がとても示唆的であることを、「ある薬物研究者の論稿」としてお伝えしましたが、ノル・ファン・シャイク氏の「ダッチ・エクスペリエンス -オランダ・コーヒーショップの30年-」は、論文ではなく、物語のように経緯が書かれていて、先の研究者氏の論稿の理解を深めるうえでも、歴史物語としても、とても読み応えがあり、この問題に関心を持つ人にはお勧めの一冊です。
ありがたいことに、カナビス・スタディハウスさんのサイトで読むことができます。
▲オランダ・コーヒーショップの30年 ダッチ・エクスペリエンス ノル・ファン・シャイク著
「オランダ」というとパブロフの犬のごとく反射的に「アムステルダム」と答えてしまう私ですが、ハーレムという街の先進的な、現実的な、合理的な、寛容な取り組みに唸ってしまいました。
アムステルダムから西へ16キロ、北海のブルメンダール海岸近くにホランド州の州都ハーレムがある。2002年現在、ハーレムには16軒のコーヒーショップと3軒のグローショップが営業している。
その点ではオランダの他の市や町と何ら変わらない。しかし、ハーレムでは、市当局とコーヒーショップの双方が協議しながら、すべての関係者にとって満足できるようなカナビス政策を作上げてきたというところが異なっている。
どうです?まだ読んだことのない方、読みたくなるでしょう?私は移住したくなりました。
杉田玄白がオランダ医学から学んだように、大麻のことに関しても蘭学が大いに参考になるのではないかと、ある先達が言っていました。なるほど、納得です。
ダッチ・エクスペリエンスは「大麻解体新書」、カナビス・スタディハウスは「大麻蘭学事始」。そんな感想を持ちました。
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「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの「大麻の身体的影響(詳細)」というページに記載されている、大麻の脳に対する影響について、医師のフロッガーさんに検証して頂きました。
この文章は、(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターに、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻に関する記述を改めるよう申し入れるため素案です。ぜひご意見などTHC談話室にお寄せ下さい。メールでのご連絡も歓迎です。
乱用防止センターの糸井専務理事は、来年度、ホームページの内容を、予算を付けて全面的に見直し、10月にはリニューアルの予定だと明言しましたが、来年の10月まで現状の誤った情報を放置して良いことにはなりません。そこで、THCは、フロッガーさんのご協力を得ながら、また、貴重な情報を提供して下さっている関係サイトの力なども借りながら、具体的な内容についての要望を、暫時、厚労省とダメセンターに提出し、回答を求める予定です。
下記はその第1弾です。
* * *
■大麻の身体的影響(詳細)
脳に対して;心拍数が50%も増加し、これが原因となって脳細胞の細胞膜を傷つけるため、さまざまな脳障害、意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下などを引き起こします。また、顕著な知的障害がみられます。
(1)大麻で心拍数が50%増加するかについて。
大麻を使用することで、心拍数は20-100%増加すると報告されている(参考文献1-5)。
これは、吸引後急性の反応として起こってくるもので2-3時間持続する。
この文章は正しいが、「心血管系について」の項目と重複する為削除を要求する。
(2)心拍数の増加が脳神経の細胞膜を傷つけるかについて。
大麻使用時の心拍数の増加が原因となって脳細胞の障害が起こったとする論文は見つけることが出来なかった。
これについては、根拠となる論文の提示、もしくはこの文章の削除を要求する。
(そもそも大麻以外であっても、心拍数の増加が原因となって脳細胞の障害が起こるということは、医学的に一般的では無い。もしそのような報告があるのなら提示して欲しい。)
(3)脳神経の細胞膜を傷つけるかについて。
1980年代の研究で、2匹のリス猿にTHCを投与した後に解剖し、脳皮層の海馬部位に傷害が見られた、というものがありこのようなことが主張され始めた(6)。
ただ同じ結果を得るためには人間の精神作用必要量の200倍以上もの多量なTHCの投与が必要だった。実際、100倍ではいかなる損傷も見つかっていない(7)。
また、CTスキャンを用いた研究でも、器質的な変化は立証されていない(8,9)。
これらの結果からは、大麻が脳の器質的損傷を起こすことは結論付けることは出来ない。
以上より、この文章の削除を要求する。
(4)さまざまな脳障害、意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下などを引き起こします、について。
「脳障害」というのが、次に続く「意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下など」と意味が重複しているので訂正、削除を要求する。
また、幻覚・妄想というのは大麻の精神的影響の項目と重複する為削除を要求する。
(5)意識障害・記憶力低下・顕著な知的障害を起こすかについて。
急性の影響(すなわち大麻の効果が出現している間)においては、認知障害・記憶障害があることは知られている。(これについては根拠となる論文の記載が必要である。センターの方が自分で探してください。)
しかし、それが後遺症として長期間残ってしまうことに関しては、コンセンサスが得られていない。
連邦政府が資金を拠出して行ったジャマイカ、ギリシャ、コスタリカの人口調査では、長期喫煙者と非喫煙者の認知機能に目立った違いは見られなかった(10)。
しかし、厳密な検査方法と電気生理学的な方法を用いて微妙で選択的な認知障害を認めたとする報告もある(11)。
1999年に全米疫学学会誌に掲載された1300人を対象とした研究では「15年以上にわたってカナビスをヘビーに使った人とライトに使った人、全く使わなかった人の間で有意な認知機能の低下はなかった」と報告されている(12)。
以上から、大麻による知能低下は概ね一過性のものであり、もし残存したとしても顕著なものではないと考えられる。
顕著な知的障害については、削除を要求する。意識障害・記憶障害については主に急性の影響であることを追記することを推奨する。
1. Hollister LE: Health aspects of cannabis. Pharmacol Rev 1986;38:1-20.
2. Hollister LE: Cannabis―1988. Acta Psychiatr Scand Suppl 1988;345:108-118.
3. Beaconsfield P: Some cardiovascular effects of cannabis.AmHeart J 1974;87:143-146.
4. Beaconsfield P, Ginsburg J, Rainsbury R: Marihuana smoking: cardiovascular
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5. Reese T. Jones: Cardiovascular System Effects of Marijuana. J Clin Pharmacol, 2002;42:58S-63S
6. Heath, B.C. et al; Cannabis Sativa: Effects on Brain Function and Ultrastructure in Rhesus Monkeys. Biological Psychiatry 15:657 (1980).
7. Scallet, A.C; Neurotoxicology of Cannabis and THC: A Review of Chronic Exposure Studies in Animals. Pharmacology Biochemistry and Behavior 40:671-82 (1991).
8. Rimbaugh CL et al: Cerabral CT findings in drug abuse: Clinical and experimental observations. Journal Computer Assisted Tomography, 4:330-34 (1980).
9. Hannerz J., Hindmarsh T.: Neurological and neuroradiological examination of chronic cannabis smokers Annals of Neurology, 13: 207-210 (1983).
10. E. Russo et al. 2002. Chronic cannabis use in the Compassionate Investigational New Drug Program: an examination of benefits and adverse effects of legal clinical cannabis. Journal of Cannabis Therapeutics 2: 3-57. See Specifically: Previous Chronic Cannabis Use Studies.
11. Fletcher JM, Page BJ, Francis DJ.Cognitive correlates of long-term cannabis use in Costa Rican men. Archives of General Psychiatry, 1996, 53: 1051-1057.
12. C. Lyketsos et al. 1999. Cannabis use and cognitive decline in persons under 65 years of age. American Journal of Epidemiology 149: 794-800.
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