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フロッガー医師による、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ大麻データベース検証論文をPDFファイルにしました。職場で、ご家庭で、学校で、警察で、お役所で、裁判所で、国会で、首相官邸で、日本の公的大麻情報がいかに根拠のない間違いだらけのものであるか、学習資料にご活用下さい。
【「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ薬物データベース: 薬物別解説/大麻について」に対する医学的検証】(312KB)

以下は医師(内科・腫瘍内科)のフロッガーさんによる「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報検証です。この論文とともに、厚労省と麻薬防止センターに対し、薬物情報を見直す委員会のあり方について、また、誤りだらけの大麻情報について、要望書を提出します。
フロッガーさんの検証論文についてお気づきの点などありましたらお知らせ下さい。具体的な点について議論と検証を深め、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ大麻情報の見直しに反映するよう、厚労省と麻薬防止センターに継続して要望したいと思います。

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■大麻の精神的影響
引用元:http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-2.htm

[本文]
『しかし慢性的な摂取は、じょじょに精神に障害を及ぼします。最初は情緒不安や集中力、忍耐力の低下、自発性のなさなどの障害ですが、それらは幻覚や妄想の引きがねとなり、常に朦朧とした意識状態に陥ったり、うつや偏執病的症状が現れてきます。こうなると、ちょっとした刺激や、もしくはまったく何の理由もなく、突然恐怖にかられたり、錯乱を引き起こしたりもします。また、長期乱用者には知的障害も起こることが報告されており、小学生程度の読み書き、計算しかできなくなるケースもあります。一旦こういった状態になると、たとえ大麻の摂取をやめても、数年もの間、症状がなくならない場合もあります。
■大麻精神病
大麻精神病とは大麻摂取によって起こる精神障害の総称ともいえる。この状態に陥ると、さまざまな症状が現れてくる。その症状は、精神活動の低下による抑制症状、精神運動興奮、幻覚妄想などの体験、気分や情動の異常、意識の変容など。それらがどういった症状を示すのか、詳しく説明してゆこう。』

[検証]
・大麻精神病
WHOの見解では大麻精神病は仮説の病態であり、その存在は調整因子を考慮していない臨床観察から言われており、大麻使用者に併発した統合失調症や他の精神疾患と明確に区別できないとしている(1)。
また経過も多様であり、大麻との因果関係を確定することは困難で、診断基準や分類も一定せず、大麻精神病というclinical entityは確立していない(2)。

大麻精神病(仮説)は、1.急性中毒、2.急性中毒性精神病、3.慢性中毒性精神病に分類される。急性中毒については、精神症状としてパニックや不安、不快、恐怖感を伴ういわゆるBad Tripと呼ばれる嫌悪反応がある(3)。急性中毒性精神病としては、初心者が大量に摂取した後などに、急性・亜急性に幻覚・妄想などの異常体験、情動不安、記憶障害、失見当識、離人症、離人症を伴った錯乱症状を起こすことがあるとされる(2)。これらは、一般に経過は短く一週間以内に回復するとされる。この2つについては因果関係についてのコンセンサスを得られている。

慢性中毒性精神病については、Thornicroftが、1.大麻が精神病を新たに惹起する、2.潜在していた精神病を顕在化する、3.精神病を再発させる、4.精神病が大麻乱用をもたらす、5.両者の関係は偶然に過ぎない、6.無関係、の6つのカテゴリーを指摘し、1.両者の多面的な関連性、2.社会・文化的要因を超えた一貫性・均一性、3.特異性、4.発症の時間的平行性、5.摂取量との平行性、6.実験的再現性が検証される必要があり、現段階では大麻精神病という用語はもちいるべきではないとしている(4)。

また最近の研究で、統合失調症患者のうち大麻使用と非使用の間で症状の差がないとする報告(5)があり、この研究者グループは大麻精神病の存在に反対する意見を出している。  以上から、大麻と精神病は、急性の病的酩酊に限っては因果関係を認めるものの、慢性の精神症状への因果関係は証明されておらず、大麻精神病という用語は不適切であり、削除を要求する。

[参考文献]
(1) Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization: Programme on substance abuse Cannabis: a health perspective and research agenda. 1997.
(2) 横山尚友洋: 大麻(カンナビス)精神病.精神医学 34:839, 1992.
(3) Rottenburg D, Robins AH, Beb-Arie O, et al.: Cannabis associated psychosis with hypomanic features. Lancet ii: 1364, 1982.
(4) Thornicroft G: Cannabis and psychosis. Br J Psychiatry 157: 25, 1990.
(5) J. Boydell, K. Dean, R. Dutta, at al.: A comparison of symptoms and family history in schizophrenia with and without prior cannabis use: Implications for the concept of cannabis psychosis. Schizophrenia Research, In Press, Corrected Proof, Available online 25 April 2007.

[本文]
『1 精神活動の抑制が引き起こす症状-無動機症候群、知的水準の低下 無動機症候群とは、大麻による抑うつ状態を表す。たとえば、ものごとへの興味や関心が極端にせばまり、自発的な活動や思考がほとんどできなくなってしまう。また注意力や集中力も落ち、ひとつのものごとを持続しておこなうことができなくなる場合もある。なにごとにも無気力で疲労を感じやすく、むっつりした様子やムラ気が目立つようになる。生産活動(仕事など)への興味も損なわれ、将来への展望もなく、退廃的で浮き草のような生活を送ることが多い。 重度の症例では、ほとんど無言、無動となり、終日ぼーっと過ごすなど、意識水準の低下が疑われるような状態になることもある。 大麻摂取を中断すると、通常は1~2週間でふつうの会話や行動がとれるまでに回復する。だが重度になると、活動性が回復するまでに数か月から1年余りを要する場合がほとんどだ。

知的水準の低下は、これらの症状にともなって現れてくる。複雑な会話は理解できず、簡単な計算も間違え、文章もひらがなばかりで幼稚な内容となる。このような状態は精神活動の回復とともによくなってゆくが、最終的に本来の知的水準までもどれるかどうかは不明である。こういった状態を「カンナビス痴呆」とも言う。』

[検証]
・無動機症候群
無動機症候群については前項に記載したが、無動機症候群はヘビーユーザーにおける慢性中毒と区別されず明確に定義できない。また、アルコールや他の薬剤乱用者、精神障害者においてもしばしば観察されることであり、大麻に特有なものとはいえない。

我が国における大麻精神病の報告ではその大半に無動機症候群の症状を認めるが、報告数は30例以下と少ない(1)(2)。1997年の一般人口調査で大麻使用経験者が0.5%である(3)事を考えると、その頻度は少なく稀な病態と考えられる。
 大麻との因果関係が不明であり、かつ稀な病態を、使用者に一般的に起こりうるような印象を与えるような記載をすることは望ましくない。大量、長期使用者に対する勧告にとどめることを推奨する。

・知的水準の低下
「身体的影響、脳に対して」で検証を行ったとおり、大麻による知能低下は概ね一過性のものであり、もし残存したとしても顕著なものではないと考えられる。前項においても提示したが、大麻により学業の低下が無かったとする報告もあり、大麻により知的水準が低下するエビデンスはない。
文章がひらがなばかりになった症例は、徳井らの報告(1)によるものだが、以下のような問題点がある。

1.一例の報告であり一般化することには無理がある。
2.大量使用歴がある。
3.LSDやヘロインの使用歴があり他の薬剤の影響がある。
4.海外にてヘロイン中毒で入院し、退院後窃盗で逮捕され、強制送還後に発症しており強い心理的ストレスが予想される。

以上から、大麻が原因であるとは言い切れず、一般化することは出来ない。
この文章の全面的な改訂もしくは削除を要求する。

[参考文献]
(1) 徳井達司,来元利彰,岩下覚ほか:大麻精神病の6例.精神医学 31: 919,1989.
(2) 福田修二,鈴木二郎:大麻精神病の4症例.臨床精神医学 23: 1467, 1994.
(3) 福井進,和田清,菊池秀一ほか:薬物乱用・依存の世帯調査。平成9年厚生科学研究「薬物依存・中毒者の疫学調査及び精神医療サービスに関する研究班」,薬物乱用・依存の多面的疫学調査研究(3),pp7-48, 1998.

[本文]
『2 精神運動興奮 ちょっとした刺激にも簡単に心を乱され、怒りっぽくなったり、興奮しやすくなったり、気分が変わりやすくなる状態を精神運動興奮という。言動にまとまりがなくなり、粗暴な行為が目立つなどの状態は、1~3か月も持続することがある。

3 気分、情動、衝動の異常 大麻による抑うつ状態-無動機症候群や知的水準の低下については先程説明したが、それらの症状に、気分や情動、衝動の異常がともなう場合もある。この場合には抑うつ状態とは逆に、理由のない自殺企画や、衝動的に他人に乱暴をはたらくなど粗暴な行動が現れる。 こういった症状は、思考の混乱や情緒がいちじるしく不安定となり、それらの考えや不安に耐えきれなくなって、衝動的な行動を起こす、と考えられている。 』

[検証]
1.怒りっぽくなる。興奮しやすくなる。粗暴な行為が目立つ。他人に暴力をはたらく。

大麻と暴力の関連は証明されていない。ラットの実験で、大麻投与により他のラットをかみ殺すという報告があるものの、ヒトにおいては実証されていない。
2002年のカナダ上院の「大麻に関する討議資料」で、「大麻の使用が犯罪を誘発することはなく、攻撃性や反社会的行為を助長することもない]と報告されている(1)。また、2002年のイギリスのドラッグ乱用審議委員会の報告書で、「大麻にはアルコールと大きく違う側面があり、リスクを高めるような行動を取らないようにする性質があるように思われる。」「このことは、アルコールの使用が自殺や事故や暴力などの大きな要因になっているのと異なり、大麻が他人や自分自身に対して暴力的になることはめったにないということを示している」と述べられている(2)。外傷を持つ900人の患者の退行心理分析で、大麻単独使用では入院を要するような暴力あるいは非暴力のどちらの傷害とも関連性はないとする報告がある(3)。
大麻により粗暴になり暴力をはたらくことはなく、削除を要求する。

2.気分障害、抑うつ。
急性中毒症状、いわゆるBad tripで抑うつとなることはあるが、慢性のうつとの関連は否定的である(4)(5)。

[参考文献]
(1) Canadian Special Senate Committee on Illegal Drugs. 2002. Discussion Paper on Cannabis.Ottawa. p.4.
(2) United Kingdom's Advisory Council on the Misuse of Drugs. 2002. The Classification of Cannabis Under the Misuse of Drugs Act of 1971. See specifically: Chapter 4, Section 4.3.6.
(3) Blondell R et al. 2005. Toxicology Screening Results: Injury Associations Among Hospitalized Trauma Patients. March 2005. Journal of Trauma Injury, Infection, and Critical Care, 58: 561-70.
(4) Harder VS, Morra AR, Arkes J, et al.: Marijuana use and depression among adults: testing for causal associations. Addiction 101: 1463, 2006.
(5) Monshouwer K, Dorsselaer VS, Verdurmen J, et al.: Cannabis use and mental health in secondary school children: Findings from a Dutch survey. Br J Psychiatry 188: 148-153, 2006.

[本文]
『4 幻覚妄想 大麻によって引き起こされる幻覚や妄想のほとんどは、本人に被害を与えるような内容のものである。主に幻聴で、何かを命令されたり、本人の行動に逐一干渉するような場合もある。症例によっては「神様が見える」「誰かが体を触る」など、幻視や幻触の体験も報告されている。 妄想の内容としては、誰かに見張られている、追跡されるなどの迫害妄想が多く、時に罪の意識を感じる罪業妄想、微小妄想、誇大妄想なども認められる。 その他、作為体験(ありもしない体験を事実とする)や、誰かの思考が伝わってくるという妄想、誰かの考えを吹き込まれるといった妄想、逆に自分の考えが誰かに奪われたりこっそり聞かれたりするといった妄想を伴うこともある。 これらの精神病的体験は、具体的で色彩感があり、覚せい剤による精神病の体験とよく似ている。いったんこういった症状が現れるとなかなか回復せず、2年間以上持続した例もある。 』
[検証]
上記のような症状は統合失調症でもしばしば見られるものであり、大麻による特異的な症状とは言えない。前項でも記載したが、大麻使用者に起こった統合失調症と区別することが出来ない。

[本文]
『5 意識の変容 夢幻状態や錯乱、せん妄などを意識の変容という。大麻精神病の症状のひとつとして、こういった症状が数日~2週間以上、ときどき現れる場合がある。その間の記憶は脱落するか、断片的にしかのこらず、幻覚妄想もともなって、顕著な不安を引き起こす。 』

[検証]
急性の反応として起こりうる。しかし、病像形成には病前性格や発病状況などの影響も大きい(1)。

[参考文献]
(1) 横山尚友洋: 大麻(カンナビス)精神病.精神医学 34:839, 1992.

[本文]
『6 観念の抽出、思考の錯乱 この症状は、思考がばらけていくような感覚をもたらす。その感覚は以下のように表現されることが多い。「ふっと考えが頭に浮かび、それにどう対応していいか自分でもわからなくなる」「考えがバラけてしまってまとまらず自分でも困る」「質問されると、その言葉の意味が同時にいろいろと浮かんできて、どう答えていいかわからなくなる」など。 こういった思考の錯乱のほとんどが、1~5までの他の症状にともなって認められるが、場合によっては、この症状だけがまず現れてくるときもある。 』

[検証]
上記のような症状は統合失調症でもしばしば見られるものであり、大麻による特異的な症状とは言えない。前項でも記載したが、大麻使用者に起こった統合失調症と区別することが出来ない。

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■大麻の精神的影響
引用元:http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-2.htm

[本文]
『大麻を摂取すると、五感に異常が起こり、いつもより感覚が鋭くなったような錯覚に陥ります。その状態には独特の心地好さやリラックス感があり、からだもほぐれるような気分になります。しかしそれは真のリラックスではなく、ただやる気がなくなったり、物事がどうでもよくなる、などの投げやりな気分になっているに過ぎません。』


[検証]
・大麻によりやる気がなくなったり、物事がどうでもよくなる、などの投げやりな気分になる。

この文章は、俗に言われる無動機症候群のことを指しているものと思われる。無動機症候群という概念は、米国で若者の大麻使用が増加した1960年代終わりごろから言われ始めたもので、大麻によりやる気が無くなり非生産的で無責任となるという説である。
WHOレポートでは、無動機症候群という「仮説」の病態は調整因子を考慮していない臨床観察から言われていることであり、大量に大麻を使用している者ではやる気を失うと言う自己申告によるエビデンスはあるものの、無動機症候群は明確に定義されないとしている(1)。

大麻によりやる気を失い生産性が低下するという説を否定する報告も幾つかある。大学生を対象とした長期調査で大麻使用者のほうが使用していないものよりも成績がよく、ほとんど同じように学業を達成している(2)(3)。ジャマイカ、コスタリカ、ギリシャで実施されたフィールド研究でも、無動機症候群を示す証拠は見つかっていない(4)。大麻を使用し94日間観察した研究で学習や成績あるいは意欲に目立った悪影響は何もなかった(5)。別の31日間の研究では、マリファナを与えた被験者のほうが対照群よりも長時間働いた(6)。

大量使用者においてはやる気がなくなるとされているが、WHOレポートでは大量使用による慢性の酩酊状態と明確に区別されないとしている。アルコールと同様で大麻の効果があり酩酊している間は他の活動が低下するということはあると思われるが、通常の使用においては短期間のもので永続しないと考えられる。また、通常は大麻をレクリエーションの目的で使用する事を考えると、酩酊の間にやる気がなくなることが社会的問題につながるとは考えられない。

大量、長期使用者においてやる気が無くなる可能性がある、と言う内容に訂正する事を推奨する。「真のリラックスではない」との記載があるが、「真のリラックス」の定義が不明である。「真のリラックス」とはどのようなものを指すのか、また、大麻のリラックスが「真のリラックス」では無い根拠を示す必要がある。

[参考文献]
(1) Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization: Programme on substance abuse Cannabis: a health perspective and research agenda. 1997.
(2) Mellinger, G.D. et al, "Drug Use, Academic Performance, and Career Indecision: Longitudinal Data in Search of a Model," pp 157-77 in D.B. Kandel (ed), Longitudinal Research on Drug Use: Empirical Findings and Methodological Issues, Washington, DC: Hemisphere (1978).
(3) Mellinger, G.D. et al, "The Amotivational Syndrome and the College Student," Annals of the New York Academy of Sciences 282:37-55 (1976).
(4) Carter, W.E. (ed), Cannabis in Costa Rica: A Study of Chronic Marijuana Use, Philadelphia: Institute for Study of Human Issues (1980); Rubin, V. and Comitas, L., Ganja in Jamaica, The Hague: Mouton (1975); Stefanis, C. et al, Hashish: Studies of Long Term Use, New York: Raven Press (1977).
(5) Cohen, S., "The 94-Day Cannabis Study," Annals of the New York Academy of Sciences 282:211-20 (1976).
(6) Mendelson, J.H. et al, "The Effects of Marijuana Use on Human Operant Behavior: Individual Data," pp 643-53 in M.C. Braude and S. Szara (eds), The Pharmacology of Marijuana, Vol 2, New York: Raven Press (1976).


[本文]
『大麻にはそれほどの依存性がないとの誤解から、繰り返し乱用する人も多くみられます。』

[検証]
・大麻にそれ程の依存性が無いというのは誤解か。
米国での報告では、精神障害診断基準(DSM-IV)による統計で、大麻使用者の10%が依存症状を経験したことがあるが、一方でアルコールは15%、コカインは17%、タバコは32%もの人が依存症状を示している(1)。また、2002年にカナダ上院によって発表された報告では、大麻の依存性は、アルコールやタバコなど他の向精神物質に比較して深刻なものではないとしている(2)。

また、1993年に米国で行われた疫学調査によると、12才以上の米国人で過去に1度でも大麻を使用したことがある人が34%なのに対して、過去1年で使用率9%、過去1ヵ月で4.3%、1週間前までだと2.8%であった。これは、体験した多くの人が繰り返し乱用しないという事を示す(3)。

アルコール・タバコ依存は社会的な問題であることを考慮しても、大麻はそれ程依存性が無いという意見は出て当然である。これを誤解と言い切るのは言いすぎである。

[参考文献]
(1) National Academy of Sciences, Institute of Medicine. 1999. Marijuana and Medicine: Assessing the Science Base. pp. 92-96.
(2) Canadian House of Commons Special Committee on the Non-Medical Use of Drugs. 2002. Policy for the New Millennium: Working Together to Redefine Canada's Drug Strategy. p. 17.
(3) Preliminary Estimates from the 1993 National Household Survey on Drug Abuse, Rockville, MD: U.S. Department of Health and Human Services (1994).

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某有名医大フロッガー医師による「ダメ。ゼッタイ。」検証です。一方的な大麻擁護ではなく、医師として公平で科学的な視点から注意が喚起されてもいます。それは大麻を擁護する者にとっても留意すべき大切な姿勢ではないでしょうか。

大麻

引用元:http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-3.htm

生殖器官に対して;
生殖能力に障害が生じ、遺伝子の異常や突然変異をもたらします。男性ではテストステロン(性ホルモン)を44%も低下させます。また、女性では生殖細胞に異常を生じます。大麻の有害成分は胎盤関門(母胎血液と胎児血液の間に胎盤膜によって形成されている半透過関門)をも通過して胎児にも影響を及ぼしますので胎児の大麻中毒や流産、死産の原因にもなります。

1.生殖能力に障害を生じるか。男性でテストステロンを低下させるか。
生殖機能というと、広い範囲の言葉となるため、男性ホルモン、女性ホルモン、精巣、卵巣と言い換えたい。男性ホルモンを減少させるかについてもここで検証を行う。

男性ホルモンについて。
動物実験においては大麻、THCが男性ホルモンを減少させるとする報告がある(1)(2)。しかしヒトにおいては、初期の研究で大麻の曝露はヒトの男性の血漿中LH、テストステロン濃度の一時的な減少を生じるとする報告があるものの(3)、その後の研究で経口のTHCあるいは大麻喫煙のどちらもLHとテストステロンの血漿中濃度への影響はないとする報告が続き(4)(5)(6)、ヒトにおいては大麻の男性ホルモンへの影響は不明瞭である。
もしあったとしても、生殖機能に影響を出すレベルではない。
以上より男性ホルモンを低下させるという文章の削除を要求する。

女性ホルモンについて。
動物実験において、LH、FSHとプロラクチンの下垂体分泌を変えるとする報告がある(7)(8)。ヒトにおいては、月経周期の黄体期の間にLHとプロラクチンが抑制され、それによって性周期が短くなるという報告がある(9)(10)。しかし、慢性的な大麻使用者でLH、FSHとプロラクチンの変化が無かったとする報告もある(6)。

精巣卵巣機能について。
動物実験においては、精巣や卵巣の重量が減少したとする報告がある。しかし、ヒトにおいてそのような報告は無い。
総合して、大麻が生殖能力を障害するという疫学的研究報告は見つけることが出来なかった。
もしそのような報告があるのなら提示を要求する。
もし無いのであれば、生殖能力に障害が生じるという文章の削除を要求する。

2.遺伝子の異常や突然変異をもたらすか。
大麻が遺伝子への変異原性を持つかについては、今まで幾つかの実験室レベルでの報告があり、大麻の煙成分を濃縮したものを細胞に加え(エイムス試験法)変異原性を認めたとするものがある(11)(12)。
しかし純粋なTHCには変異原性が無いという報告がある(13)(14)。
このことは大麻の煙による発癌の危険性を示唆するが、前項「気管支・肺に対して」で検証したとおり、大麻による発癌は確認されておらず、実際のリスクとはなっていない。
以上から煙成分を濃縮したものでエイムス試験法を行ったときに変異原性が確認されている、という記載に変更する事を推奨する。

3.女性で生殖細胞に異常を生じるか。
WHOレポートでは大麻使用で親が子供に伝えるような染色体や遺伝子の異常をもたらすという証拠ほとんどないとしている(15)。この項目の削除を要求する。

4.胎児の大麻中毒、流産、死産の原因となるか。
WHOレポートでは、妊婦の薬物使用の疫学的研究はサンプリングが不確実なため評価するのが難しいとしている。
その中で出生時体重の減少は関連がありそうである(16)。
これは、煙草と同じメカニズム、低酸素血症によるものではないかと考察されている。流産・死産についてはエビデンスのある報告を見つけることが出来なかった。論文の提示、もしくはこの項目の削除を要求する。

追記:医師としての意見。
ただし、妊娠中の大麻使用が問題ないとは言えない。これについては不明な点が多く、妊娠中の大麻使用は控えるべきである。医師として、そして子供を持つ親として、この点は強調しておきたい。

(1) Symons AM, Teale JD, Marks V. Effects of Δ-9-tetrahydrocannabinol on the hypothalamic-pituitary-gonadal system in the maturing male rat. Journal of Endocrinology, 1976, 68: 43.
(2) Puder M et al. The effect of Δ-9-tetrahydrocannabinol on luteinizing hormone release in castrated and hypothalamic differentiated male rats. Experimental Brain Research, 1985, 59: 213-216.
(3) Schaefer DF, Gunn CG, Dubowski KM. Normal plasma testosterone concentrations after marihuana smoking. New England Journal of Medicine, 1975, 292: 867-868.
(4) Markianos M, Stefanis C. Effects of acute cannabis use and short-term deprivation on plasma prolactin and dopamine-B-hydroxylase in long-term users. Drug & Alcohol Dependence, 1982, 9:251-255.
(5) Dax EM et al. The effects of Δ-9-tetrahydrocannabinol on hormone release and immune function. Journal of Steroid Biochemistry, 1989, 34: 263-270.
(6) Block RI, Farinpour R & Schlechte JA. Effects of chronic marijuana use on testosterone, luteinizing hormone, follicle stimulating hormone, prolactin and cortisol in men and women. Drug and Alcohol Dependence, 1991, 28: 121-128.
(7) Steger RW et al. The effect of Δ-9-tetrahydrocannabinol on the positive and negative feedback control of luteinizing hormone release. Life Sciences, 1980, 27: 1911-1916.
(8) Steger RW et al. Interactions of cocaine and -9-tetra cannabinol with the hypothalamo-hypophyseal axis of the female rat. Fertility & Sterility, 1981, 35: 567-572.
(9) Mendelson JH, Mello NK, Ellingboe J. Acute effects of marihuana smoking on prolactin levels in human females. Journal of Pharmacology & Experimental Therapeutics, 1985, 232: 220-222.
(10) Mendelson JH et al. Marihuana smoking suppresses luteinizing hormone in women. Journal of Pharmacology & Experimental Therapeutics, 1986, 237: 862-866.
(11) Busch FW, Seid DA, Wei ET. Mutagenic effects of marihuana smoke condensates. Cancer Letters, 1979, 6: 319-324.
(12) Sparacino CM, Hyldburg PA, Hughes TJ. Chemical and biological analysis of marijuana smoke condensate. NIDAResearch Monographs, 1990, 9, 121-140.
(13) Zimmerman AM, Stich H, San R. Nonmutagenic action of cannabinoids in vitro. Pharmacology, 1978, . 16: 333-343.
(14) Berryman SH et al. Evaluation of the co-mutagenicity of ethanol and Δ-9-tetrahydrocannabinol with Trenimon. Mutation Research, 1992, 278: 47-60.
(15) Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization: Programme on substance abuse Cannabis: a health perspective and research agenda. 1997.
(16) Day NL, Cottreau CM, Richardson GA. The epidemiology of alcohol, marijuana, and cocaine use among women of childbearing age and pregnant women. Clinical Obstetrics and Gynaecology, 1992, 36(2): 232-245-

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「ダメ。ゼッタイ。」ホームページからの引用。

気管支・肺に対して;
乱用者は再三にわたり、濾過していない大麻の煙をすいこみ、出来るかぎり我慢して息を止めておきますので(こうすることで大麻成分をなるべく多く肺から吸収しようとする)肺などの呼吸器官に障害をもたらします。大麻のタールはタバコのそれよりも50%も多く含まれていますので副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎、肺気腫、などの原因となります。また、大麻の煙には非常に多くの発癌性物質が含まれていますので肺癌なども引き起こします。


1.呼吸器に対する影響
大麻の呼吸器に対する影響では、大麻に特有な呼吸器傷害というものは無く、喫煙つまり煙を吸い込むことによる害である。
このことは、WHOの報告にも書かれており、大麻と煙草ではニコチンとカンナビノイド以外の呼吸器刺激物質と発癌物質はほぼ同じ成分である(1)。
したがって、この毒性を持って「ダメゼッタイ」を主張するのであれば、煙草を取り締まる必要が出てくる。


2.副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎、肺気腫、などの原因となるか。
副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎の原因とはなりうるようである。しかし肺気腫については意見の分かれる部分であり結論は出ていない。
大麻使用により換気機能や末梢気道の障害が引き起こされるという報告がある一方(2)、大麻使用は慢性閉塞性肺疾患や肺気腫の発症と相関しないとする報告もある(3)(4)。

大麻が肺気腫の原因となるとは断定できないことから、この部分に関して変更を要求する。


3.大麻が肺癌の原因となりうるか。
大麻が肺癌の原因となりうるかということについては、大麻が煙草よりもタールを多く含むことから、そのように考えられてきた。また、症例報告レベルではあるが、若年者呼吸器癌患者が大麻喫煙者であったという報告がある(5)。
しかし、アルコールや煙草などの交絡因子が除外できずエビデンスレベルは低い。
最近では2006年にUCLAの研究グループから発表された疫学調査で、大麻の大量長期間使用でも肺癌のリスクが増加は認められないと報告された。


さらに肺だけでなく頭頚部癌や食道癌のリスクも増加させないという結果であった(6)。

以上より、大麻が肺癌の原因となりうるかについては、現在のところ否定的と言える。この項目の削除を要求する。(追記:大麻が煙草よりも多くタールを含むにもかかわらず、発癌のリスクを上昇させないことの考察として、大麻の成分に抗癌物質が含まれていることが示唆される。試験管内の実験のレベルではあるが、カンナビノイドが抗癌作用を持つとする報告もあり、今後の研究が期待される。)


(1) Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization: Programme on substance abuse Cannabis: a health perspective and research agenda. 1997.
(2) Bloom JW et al.: Respiratory effects of non-tobacco cigarettes. British Medical Journal, 1987, 295: 516-518.
(3) Gil E et al.: Acute and chronic effects of marijuana smoking on pulmonary alveolar permeability. Life Science, 1995, 56(23-24): 2193-2199.
(4) Tashkin DP et al.: Longitudinal changes in respiratory symptoms and lung function in non-smokers, tobacco smokers and heavy, habitual smokers of marijuana with and without tobacco. In: Marijuana: An International Research Report. Proceedings of Melbourne Symposium on Cannabis 2-4 September, 1987. National Campaign Against Drug Abuse. Monograph Series Number 7, eds. Chesher G, Consroe P, Musty R. Australian Government Publishing Service, Canberra, 1988, pp 25-30.
(5) Taylor RM.: Marijuana as a potential respiratory tract carcinogen: a retrospective analysis of a community hospital population. Southern Medical Journal, 1988, 81, 1213-1216.
(6) Mia Hashibe et al.: Marijuana Use and Lung Cancer: Results of a Case-Control Study Marijuana Use and the Risk of Lung and Upper Aerodigestive Tract Cancers: Results of a Population-Based Case-Control Study. Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention Vol. 15, 1829-1834, 2006.

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日本の公的大麻情報である「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの記述がいかにデタラメか、厚労省自身が示した根拠文書、「Cannabis : a health perspective and research agenda(世界保健機関1997年発行)」との比較も交え、フロッガー医師の検証です。

尚、このシリーズは、他の質問や要望と併せ、厚労省とダメセンターに提出予定の原稿でもあります。
読者の皆さん、お気付きの点、ご意見などありましたらお知らせ下さい。
厚労省の担当公務員及びダメセンターに天下った糸井専務理事、予習しておいて下さい。

「ダメ。ゼッタイ。」ホームページからの引用。

心臓・血管に対して;
心不全、不整脈、胸痛、狭心症、白血球の減少に伴う免疫性の低下、などがあります。

1.心不全、不整脈、胸痛、狭心症が起こるか。

狭心症患者において胸痛が起こりやすくなる(1)、心筋梗塞のトリガーとなりうる(2)、という報告があり虚血性心疾患などの既往があるものに関しては注意が必要であると思われる。
しかしWHOレポートで若年、健康成人で深刻な心血管系への影響の報告は少なく、ありそうも無いとしている(3)。
心血管系の疾患があるものに関しては注意が必要である、という記述に変更すること。

2.血球減少に伴う免疫性の低下が起こるか。

(本筋とは異なりますが、白血球減少を心血管系に入れるのはどうかと思います。レベルが知れますね。)
大麻喫煙による白血球減少について述べた論文は見つけることが出来なかった。
根拠となる論文の提示を要求する。

大麻が免疫を低下させる、と言われ始めたきっかけは、大麻喫煙者の白血球に免疫賦活剤を加えたときに通常より活性化が抑えられたとする報告である(4)。
しかしこれは幾つかの追試がなされ再現性は無かった(5)(6)。

白血球の活性化能の低下と白血球減少を勘違いしているのではないか。さらにこれは否定されているので二重に間違えていることとなる。

WHOのレポートでは、実験室レベルでは大麻が免疫を変化させることはわかっているもののその影響は比較的小さく、健康への影響があるかどうかははっきりしないとしている(3)。

また、ジャマイカ、コスタリカ、ギリシャで行われた3つの大規模な疫学研究でも、大麻使用者と対照群の間に感染性疾患の罹患率に差は認められていない(7)。

HIV患者は免疫不全となり重症感染症を引き起こしやすくなるが、HIV患者においても大麻が発症を早めたり症状を悪化させたりしないとする報告があり(8)、大麻による免疫性の低下は否定的と考える。
この記述の削除を要求する。

(1) Aronow WS, Cassidy J: Effect of marihuana and placebo-marihuana smoking on angina pectoris. N Engl J Med 1974;291:65-67.
(2) Mittleman MA, et al.: Triggering myocardial infarction by marijuana. Circulation 2001;103: 2805-2809.
(3) Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization: Programme on substance abuse Cannabis: a health perspective and research agenda. 1997.
(4) Nahas G.G. et al.: Inhibition of Cellular Mediated Immunity in Marijuana Smokers. Science 183: 419-20, 1974.
(5) Lau R.J. et al.: Phytohemagglutinin-Induced Lymphocyte Transformation in Humans Receiving Delta-9-Tetrahydrocannabinol, Science 192: 805-07, 1976.
(6) White, S.C. et al.: Mitogen-Induced Blastogenetic Responses to Lymphocytes from Marijuana Smokers. Science 188: 71-72, 1975.
(7) Wallace, J.M. et al.: Peripheral Blood Lymphocyte Subpopulations and Mitogen Responsiveness in Tobacco and Marijuana Smokers. Journal of Psychoactive Drugs 20:9-14, 1988.
(8) Carter, W.E. (ed), Cannabis in Costa Rica: A Study of Chronic Marijuana Use, Philadelphia: Institute for Study of Human Issues (1980); Rubin, V. and Comitas, L., Ganja in Jamaica, The Hague: Mouton (1975); Stefanis, C. et al, Hashish: Studies of Long Term Use, New York: Raven Press (1977).
(9) Coates, R.A. et al.: Cofactors of Progression to Acquired Immunodeficiency Syndrome in a Cohort of Male Sexual Contacts of Men with Immunodeficiency Virus Disease. American Journal of Epidemiology 132: 717-22, 1990.

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「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの「大麻の身体的影響(詳細)」というページに記載されている、大麻の脳に対する影響について、医師のフロッガーさんに検証して頂きました。
この文章は、(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターに、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻に関する記述を改めるよう申し入れるため素案です。ぜひご意見などTHC談話室にお寄せ下さい。メールでのご連絡も歓迎です。

乱用防止センターの糸井専務理事は、来年度、ホームページの内容を、予算を付けて全面的に見直し、10月にはリニューアルの予定だと明言しましたが、来年の10月まで現状の誤った情報を放置して良いことにはなりません。そこで、THCは、フロッガーさんのご協力を得ながら、また、貴重な情報を提供して下さっている関係サイトの力なども借りながら、具体的な内容についての要望を、暫時、厚労省とダメセンターに提出し、回答を求める予定です。

下記はその第1弾です。

* * *

■大麻の身体的影響(詳細)

脳に対して;心拍数が50%も増加し、これが原因となって脳細胞の細胞膜を傷つけるため、さまざまな脳障害、意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下などを引き起こします。また、顕著な知的障害がみられます。

(1)大麻で心拍数が50%増加するかについて。
大麻を使用することで、心拍数は20-100%増加すると報告されている(参考文献1-5)。
これは、吸引後急性の反応として起こってくるもので2-3時間持続する。
この文章は正しいが、「心血管系について」の項目と重複する為削除を要求する。

(2)心拍数の増加が脳神経の細胞膜を傷つけるかについて。
大麻使用時の心拍数の増加が原因となって脳細胞の障害が起こったとする論文は見つけることが出来なかった。
これについては、根拠となる論文の提示、もしくはこの文章の削除を要求する。
(そもそも大麻以外であっても、心拍数の増加が原因となって脳細胞の障害が起こるということは、医学的に一般的では無い。もしそのような報告があるのなら提示して欲しい。)

(3)脳神経の細胞膜を傷つけるかについて。
1980年代の研究で、2匹のリス猿にTHCを投与した後に解剖し、脳皮層の海馬部位に傷害が見られた、というものがありこのようなことが主張され始めた(6)。
ただ同じ結果を得るためには人間の精神作用必要量の200倍以上もの多量なTHCの投与が必要だった。実際、100倍ではいかなる損傷も見つかっていない(7)。
また、CTスキャンを用いた研究でも、器質的な変化は立証されていない(8,9)。
これらの結果からは、大麻が脳の器質的損傷を起こすことは結論付けることは出来ない。
以上より、この文章の削除を要求する。

(4)さまざまな脳障害、意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下などを引き起こします、について。
「脳障害」というのが、次に続く「意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下など」と意味が重複しているので訂正、削除を要求する。
また、幻覚・妄想というのは大麻の精神的影響の項目と重複する為削除を要求する。

(5)意識障害・記憶力低下・顕著な知的障害を起こすかについて。
急性の影響(すなわち大麻の効果が出現している間)においては、認知障害・記憶障害があることは知られている。(これについては根拠となる論文の記載が必要である。センターの方が自分で探してください。)
しかし、それが後遺症として長期間残ってしまうことに関しては、コンセンサスが得られていない。
連邦政府が資金を拠出して行ったジャマイカ、ギリシャ、コスタリカの人口調査では、長期喫煙者と非喫煙者の認知機能に目立った違いは見られなかった(10)。
しかし、厳密な検査方法と電気生理学的な方法を用いて微妙で選択的な認知障害を認めたとする報告もある(11)。
1999年に全米疫学学会誌に掲載された1300人を対象とした研究では「15年以上にわたってカナビスをヘビーに使った人とライトに使った人、全く使わなかった人の間で有意な認知機能の低下はなかった」と報告されている(12)。
以上から、大麻による知能低下は概ね一過性のものであり、もし残存したとしても顕著なものではないと考えられる。
顕著な知的障害については、削除を要求する。意識障害・記憶障害については主に急性の影響であることを追記することを推奨する。

1. Hollister LE: Health aspects of cannabis. Pharmacol Rev 1986;38:1-20.
2. Hollister LE: Cannabis―1988. Acta Psychiatr Scand Suppl 1988;345:108-118.
3. Beaconsfield P: Some cardiovascular effects of cannabis.AmHeart J 1974;87:143-146.
4. Beaconsfield P, Ginsburg J, Rainsbury R: Marihuana smoking: cardiovascular
effects in man and possible mechanisms. N Engl J Med 1972;287:209-212.
5. Reese T. Jones: Cardiovascular System Effects of Marijuana. J Clin Pharmacol, 2002;42:58S-63S
6. Heath, B.C. et al; Cannabis Sativa: Effects on Brain Function and Ultrastructure in Rhesus Monkeys. Biological Psychiatry 15:657 (1980).
7. Scallet, A.C; Neurotoxicology of Cannabis and THC: A Review of Chronic Exposure Studies in Animals. Pharmacology Biochemistry and Behavior 40:671-82 (1991).
8. Rimbaugh CL et al: Cerabral CT findings in drug abuse: Clinical and experimental observations. Journal Computer Assisted Tomography, 4:330-34 (1980).
9. Hannerz J., Hindmarsh T.: Neurological and neuroradiological examination of chronic cannabis smokers Annals of Neurology, 13: 207-210 (1983).
10. E. Russo et al. 2002. Chronic cannabis use in the Compassionate Investigational New Drug Program: an examination of benefits and adverse effects of legal clinical cannabis. Journal of Cannabis Therapeutics 2: 3-57. See Specifically: Previous Chronic Cannabis Use Studies.
11. Fletcher JM, Page BJ, Francis DJ.Cognitive correlates of long-term cannabis use in Costa Rican men. Archives of General Psychiatry, 1996, 53: 1051-1057.
12. C. Lyketsos et al. 1999. Cannabis use and cognitive decline in persons under 65 years of age. American Journal of Epidemiology 149: 794-800.

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某医大研究医フロッガー氏による「ダメ。ゼッタイ。」大麻情報検証の第1回です。
フロッガーさんには、「ダメ。ゼッタイ。」大麻情報を、医学的・科学的な視点から検証して頂きます。
ご意見や感想、メッセージなど、談話室にお寄せ下さい。
薬物政策研究者氏の社会学的な考察と併せ、大麻問題を考えるうえでの車の両輪のような連載記事になるかと思います。

*(07/12/23追記)
本項はPDFファイル(312KB)にしてあります。「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ大麻情報の全体を医学的に検証しています。厚労省と(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(ダメセン)にもこの検証を添えた要望書を配達証明で郵送しましたが、厚労省は「回答する法的義務はない」、ダメセンは「何も答えない」という回答でした。




「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報を医学的に検証する

医学的、科学的見地から「ダメ。ゼッタイ。」に記載されている身体・精神への悪影響についての検証。

[はじめに]
我が国では大麻の使用は犯罪行為であり、大麻取締法によって厳しく罰せられる。嗜好品の摂取は基本的には個人の自由であるはずで、その自由を侵害し罰則を与えるにはそれなりの根拠が必要である。

それに対する日本政府の考えは、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ内に記載されている。
乱用薬物、いわゆるドラッグが、「乱用者自身の精神や身体上の問題にとどまらず、家庭内暴力などによる家庭の崩壊、さらには、殺人、放火等悲惨な事件の原因にもなり、社会全体への問題と発展する。」ためである。

そして、大麻は乱用薬物である、としている。その各論部分として大麻の項目が設けられている。
今回我々は、大麻の項目について検証するが、検証すべきレベルが実は二重構造になっていることを確認しておきたい。

まず単純に、その記載が科学的に正しいのかどうか。大麻の有害性について主に記載されているので、いいかえれば、大麻の有害性はどの程度であるのかということである。これは、純粋に医学的見地に基づいた検証となる。

そして、これは非常に大事なことだと思うが、我々は大麻の無害性を訴えたいわけではなく、大麻に有害性があったとしてもそれが取り締まる正当な理由となるようなものなのかということを検証しなくてはならない。つまり、害が身体的影響にとどまらず社会全体への問題と発展するのか、ということである。これは医学的検証に加え、社会的な要素を考える必要がある。

[全体的に眺めて]
このホームページには根本的な問題がある。
それは、記述された内容の根拠となる論文が記載されていないことである。
これでは、閲覧者がその内容について真偽を確かめることが出来ない。これについては、改めさせる必要がある。

「ダメ。ゼッタイ。」に記述されている(一般によく言われる)大麻の害については、大きく2つに分けた方が理解しやすい。

ひとつは、「身体への害」である。呼吸器系、心血管系、免疫系、内分泌系への害などが挙げられている。もうひとつは「精神への害」である。大麻精神病、無動機症候群、統合失調症・うつ病といった精神疾患との関連、行動の変化などである。

「身体への害」については、純粋に医学的な検証となる。身体への害は、多く見積もっても社会問題となりうるようなものではないからだ。そして「精神への害」については、医学的な検証に加え、社会的見地から考察を加えなければならないだろう。何故なら、「大麻による精神への害が犯罪などに結びつくために社会問題となること」これこそが、大麻規制の大義名分であるからである。

このようなことを踏まえ、各項目について検証していきたいと思う。

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