7.一難去ってまた一難
判決も出て、後は執行猶予期間の3年間を何の問題も起こさずに過ごせば、また元の生活に戻れると、思っていた矢先、強制送還の危機が発覚した。
入国管理法に違反しているとの事。外国人が、日本で一定の罪を犯した場合、入国管理局は、強制退去の手続きをとるというのだ。
しかしながら、在留特別許可申請という道があり、日本人の配偶者だと、許可され易いとの事。
一方では、薬物事犯にはかなり厳しいと言う声も聞かれ、一体どうなることやら。
この件がはっきりしない限り、夫はデンマークには帰る事が出来ない。正確に言うと、帰国は出来るが、日本に入国できない事になる。
夫曰く
「留置場は出られたけど、今はもっと大きな刑務所に居るのと変わりない。」
留置場よりは、自由が利くが、自分がしたい事(デンマークへの帰省)が出来なければ、刑務所に居るのと同じ事だという。
この先どうなるかは分からないが、唯一分かっている事は、入国管理局が決定を下すまでにはかなりの時間がかかるという事。それまでは、辛抱強く待つしかない。
以上
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6.93日間を振り返って
夫は、ここ日本で法律を犯した。
同じ事を母国でしたならば、罰金刑若しくはそれ以下で済んでいた事なのに。
私にとっての93日間は、色々な思いが交錯した期間であった。
夫は、私が日本で大麻を吸って欲しくない事を知っていた。にもかかわらず、やっていた。挙句の果てが、この結果だ。まったく頭にくる!
私をはじめ、日本を尊重していなかった事になる。しかし、この事にこだわっていては、前に進めない。私は何を望んでいるのか? この結婚を終わりにするのか?続けるのか? 答えは後者だ。その為には、この事を受け入れなければならない。
結婚当時、夫が大麻を吸う事は正直嫌だった。しかし、それを受け入れなければ、一緒には居られない。夫は、10代の頃から大麻を吸っていたそうだ。
デンマークでは、大麻に対して、法律も厳しくない。ある意味、文化なのだ。そう考えたら、受け入れる事は難しくなかった。
今回の場合、夫が私に隠れて大麻を日本で吸っていたこと、それに伴って逮捕された事が、結婚を終わらせるに足る理由になるか?と考えた所、それには及ばないというのが結論だ。
少し、負け惜しみに聞こえるかもしれないが、日本の司法制度には、「私達夫婦の愛を試す事が出来ました。大麻取締法ごときで壊れませんでした。有難う。」と言いたい。(かなり負け惜しみ)
この93日間で、私達は何を失ったのだろう? 夫は、自由を。私は、夫を。そして、経済的にもかなりのダメージはあった。しかし、他のケースと比べたら、運が良かったのかもしれない。
人によっては、仕事を失ったり、親子の縁を切られたり、報道されたり…
いずれも、私達には起こらなかった。
また、刑事さんや、留置場の警察官達も、親切に接してくれた。留置場の婦警さんはいつも、笑顔で接してくれたし、若い警官は、面会の時、内緒だと言って、3分面会時間を延長してくれた。
このような事を考えると、法を執行する側の人間も、大麻事犯なんてたいしたことではないと考えているのでは?と思えてくる。そこに、法律があるから、夫を逮捕し、93日間もの間自由を奪ったのだと。
いつか、日本の司法も私がしたように、大麻を受け入れる事が出来るのだろうか?
仮に出来たとしても、恐らく時間がかかるのだろうな。
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5.自由の身
10月29日午後 遂に夫は保釈された。
本当は昨日の時点で保釈は許可されていたのだが、私が弁護士と連絡を取らず、29日の朝に結果を知ったので、夫には悪い事をした。
保釈金2百万円(父から借りた)を裁判所で支払い、夫の居る留置場へ「これから迎えに行きます。」と電話をして、東へ車を走らせた。
この日は夫にとっては、「いつもと変わらない日」だったようだ。午後になって、留置場の事務所に居る警察官が、自分の名前を言っているのが聞こえ、見覚えのあるバッグが棚から取り出されるのが見え、徐々に状況が分かってきた。そして、警察官が荷物をまとめるようにと言ってきたので、その時、はっきりと自由になれると悟ったそうだ。
留置場の事務所の前で待っていると、夫が荷物を抱えて出てきた。感動の対面である。
2人とも興奮気味に、これまでの事を語り合った。
翌週には仕事にも復帰し、以前の生活を取り戻そうと努めていたが、夫はまだ実刑になるのでは?と心配で、夜も良く眠れないでいた。実刑になるのなら、保釈はされないはずだから。と慰めた。
11月5日 判決公判。弁護士さんは、いつもの鞄ではなく雑誌のみを持っていた。それを見たとき、絶対に実刑にはならないと確信した。
懲役:1年6ヶ月 執行猶予:3年
この時やっと夫は、恐怖から解放され自由を感じる事が出来た。
この日も税関の人達が傍聴に来ていた。
税関の事務所から、裁判所までは約100kmもあるのに、「他にする事無いのだろうか?」と思った。
裁判が終わり、税関の人達と挨拶を交わした。
「わざわざ、来られたのですね?」
と聞くと、「やっぱり、気になって、最後まで見届けたかった。」との事。
保釈金の2百万円を返してもらい、それを持って2人で街をぶらぶらした。
このお金を使う事も出来るという誘惑に負けそうだったので、急いで父へ送金して、「全て終わった!」と実感した。
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4. 裁判
9月22日 夫の初公判が行われた。
この日は、夫と私の間にアクリル強化ガラスは無かったが、まだまだ距離は遠い。
弁護士が、本人質問をさせて欲しいと裁判官にお願いしたところ、OKとのこと。
密輸の件を認め、反省している事もアピールできた。保釈に期待。
この日は、大使館職員の方も来て下さった。公判が終わり、私と大使館職員の方が、裁判所の外で話していたとき、夫を乗せた車が私達の前を通った。夫が車の中から手を振っているのが見え、警察官が車の窓を開けてくれた。意外と元気そうで安心した。
弁護士さんが保釈請求をして下さったが、却下された。
理由は、「常習として長期3年以上の懲役又は禁固に当たる罪を犯したものである。」と「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。」であった。
1つ目の理由はともかくとして、2つ目は「相当な理由」って何?と聞きたかった。
パソコンはまだ警察に押収されているし、パソコンは返して欲しいけど、夫が帰ってこられるならパソコンなんて要らない。
10月4日 大麻取締法、関税法違反(大麻約6.07gの密輸)で追起訴された。翌日早速面会に行った。
今回こそ保釈されるだろうと思い、お祝い用にヘンプビールを注文した。
弁護士さんも「保釈の可能性は大いにある。」と言っていたので。しかし、今回も却下された。理由は前回と同じ。夫に期待させてしまった事を後悔した。
10月15日 警察がやっとパソコンを返してくれた。ハードディスクは取り外されたままだったが。
10月19日付の夫からの手紙に、9月22日から希望を持つふりをしてきたが、本当に疲れた。同じ房の人もうるさくてプライバシーが欲しいと書かれていた。かなり参っているようだ。
この時、夫は拘置所に移りたいと願っていたようだ。拘置所に行けば、独房に入る事が出来て、プライバシーが持てると思っていたらしい。私は、本やインターネットで拘置所の事を調べて、留置場よりも厳しい事を知っていたので、弁護士さんに、全てが終わるまで留置場に居られる様にして欲しいと、お願いしていたほどだ。勿論、弁護士さんには「そんな事、こちらが選べるわけが無い。」と笑われたが…
10月27日 第2回目の公判が行われた。今回は、夫の雇用主と私も証言する事になっている。傍聴席には、課外授業の中学生が5,6人、夫の密輸入の件を担当した税関の方々4人。その他、2,3人が居た。
公判は、密輸入の件に関しての審理、それから、私、夫の雇用主の順で証人質問があった。
弁護士からの質問で、「夫が再び過ちを犯さない為に、あなたは今後どのように指導していくつもりですか?具体的に?」との問いには、困った。弁護士は何を言わせたかったのか? 私は、「具体的では無いかも知れませんが、私を愛しているのなら、もう2度と同じ過ちを犯さないでと、お願いします。」と答えた。
検察官からの質問で、「今後、夫が大麻を吸っている所を見つけたら、どうしますか?」との問いに、「警察に通報します。」と答えた。実際はそうしないと思うが。
夫の雇用主(T社長)は、夫に有利な証言(勤務態度は、至ってまじめ。 職場の人間関係良好。 再雇用する。)をして下さった。
検察官から夫への質問で、「日本では、大麻はいけない事だと分かっていても、体が欲したのではないのですか?」との問いに、夫は、「体が欲したとは思わないし、大麻中毒でもない。法を犯したのは、自分の弱さからです。」と答えた。
検察官の求刑は、1年6ヶ月。弁護士は、執行猶予を求めた。
判事から、「被告人は、何か言いたいことはありますか?」との問いに、夫は、結構長いスピーチをした。
その中で、特に印象に残った言葉は、
「以前、大麻は自由の象徴でした。しかし、日本では大麻は自由を奪うものだと知りました。」
というもの。
夫は、本当に心から反省していると感じた。
今日、結審されるものと期待していたが、判決公判は、11月5日(金)午前9時40分。
今日、弁護士は保釈申請を行ったそう。
明日か明後日には、結果が分かるのではないかとの事。
その日の午後、面会に行ってきた。
私が面会の部屋に入ると、夫は、立会いの警察官と一緒になって、
腰を落とし、拳銃を構えている格好をしていた。立会いの警察官まで一緒になってやっていたので、少しビックリしたが、元気だったので安心した。
11月5日という、具体的な「終わり」が見えてきた。
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3.対面
8月19日 仕事を早退して面会に行った。感激の対面。夫は泣きながら謝っていた。
私は努めて明るく振舞った。日本語しか使えず、もどかしかった。私の次には、誰もいなかったが、15分間の面会時間だった。
これからは、手紙のやり取りや本の差し入れが出来る。本の差し入れに関しては、厄介な事に、日本語以外の本の場合、日本語訳も同時に提示しなければいけない規則で、面倒くさかった。夫が特に気に入った本は、スティーヴン・キャラハン著「大西洋漂流76日間」という本だった。ヨットで遭難し、76日間漂流した人の話で、この本の最初のページには、「絶望と孤独に苦しんでいる人々、それを経験した人々、またこれからそれを味わうかもしれないあらゆる人々に、国境を越えて、この本を捧げる。」と書かれていた。
今の自分の状況と重ね合わせる事が出来、励まされたようだ。
毎週1回面会に行った。職場から警察署までは車で25分の距離。毎日でも会いに行きたかったが、そういう訳にもいかなかった。
何かの拍子で、手紙の他に電報を送ろうと思い立った。夫はかなり喜んでいた。留置場で電報をもらうのは自分しかいなく、特別に思えたらしい。
夫からも手紙が来た。殆どひらがなで、文法もおかしいが、とても嬉しかった。
8月18日に起訴されて以来、警察の取り調べも無く、何の進展もない事にかなりストレスを感じているようだ。弁護士に保釈申請をお願いしても、密輸の件が起訴されてないので、無理でしょうという事だった。
9月14日 関税法違反で再逮捕となった。これでまた接見禁止になるが、夫も私も終わりに1歩近づいたという事で、ある意味嬉しかった。
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2.接見禁止
翌日は、仕事に行った。普段、親しくさせて貰っている人たちが、「旦那さん、腰大丈夫?」と聞いてきた。そう言えば、昨日嘘付いて休んでいたのだった。更に嘘を付くのが嫌だったので、2人の人には本当の事を話した。そして、上司のAさんにも状況を伝えた。
夫が逮捕されたとなれば、働かせてもらえないのでは?と心配しつつ。
Aさんは、「あなたは、これからどうするつもりでいるの?」と聞いてきたので、これからも夫を支えていきたいと答えた。暫くして、Aさんから、会社として私をどうこうするつもりはないと告げられた。
会社に本当の事を伝えた事は、後に面会や裁判等で、仕事を早退、欠勤する際に嘘をつかずに済むので結果として良かった。
休み時間に警察署へ電話を掛け、昨夜の夫の友人との会話について担当のIさんに伝えた。Iさんは、仕事が終わってからで良いから署に来て欲しいと言ってきたので、了解した。警察署に行くと、取調室に連れて行かれ、夫の友人とのやり取りを根掘り葉掘り聞かれた。この件でも調書を作るらしい。取調室は、3畳ほどの広さに机1つと、イスが3脚あり、壁はタバコのヤニで黄色く変色していた。悪い事をしていなくても居心地悪い。
夫はこの警察署に居るのかと思っていたが、ここは満杯で、昨日の時点で隣の市の警察署に居るとの事。更に遠くに行ってしまった気がして、寂しくなった。
警察署からの帰り道、インターネットカフェに寄り、色々と調べてみた。先ずは夫が居る警察署。あるHPによると、そこは新しく綺麗なので、犯罪者に人気の留置場だそう。
所轄の警察署は古汚いので、少し遠くなったが隣の市に移った事は良かった。
翌日は週末で仕事が休み。2日前に、警察と税関に家をひっくり返されたので、掃除をした。映画の様にグチャグチャにされた訳では無かったが…
そして丁度、同じ棟のアパートの2家族が外にいたので、夫の事を話した。この2家族には、小さい子供さんがいるので、“大麻で捕まった人が同じアパートに住んでいるとなると、子供の教育上好ましくないから、出て行って欲しいと言われるかな?”と思いながら。
しかし、それは杞憂だった。「大麻ぐらいで… 運が悪かったね。」と言ってもらえた。
午後から、またインターネットカフェに行こうかと思っていたら、弁護士から電話があった。その人が言うには、これから警察署に行くから、私も本や手紙を持って来るようにとの事。昨日の時点で、刑事さんに今は接見禁止で会えないし、本も手紙も駄目だと言われていたので、不思議に思いつつも期待して警察署へ行った。自宅からは車で1時間の道のり。警察署の駐車場で、弁護士さんに初めて会った。弁護士さんは接見禁止の事など知らなかったらしく、私も面会できると思っていたようだ。この人は当番弁護士で、会いに来たとの事。やはり私は面会できず、雑誌も差し入れできなかったが、日本語のテキストと、辞書は出来た。私からの手紙も、弁護士さんがガラス越しに夫に見せる事が出来、取あえずは、私の気持ちを伝える事が出来た。手紙には、「皆心配しているけどあなたの見方だから、前向きに!気を楽に!」と書いた。
夫も弁護士さんに伝言を託していた。「ごめんなさい」と「愛してる」それから、この弁護士さんを雇いたいとの事。弁護士さんには、費用の事もあるので後日連絡する事にした。(弁護士費用は40万円。私の父に費用を借りこの弁護士を雇う事にした。)
警察署の後はまた、インターネットカフェ。裁判の流れや、大麻事犯について調べた。
夫の逮捕以来、毎晩夫の父から電話があった。遠く離れた国で、息子が逮捕されさぞ心配した事でしょう。その義父からの提案で、デンマーク大使館に相談してみてはどうか?という事になった。正直、どうなるものでもないと思ったが、老いた父親が息子を心配しているのだから、私も出来る限りの努力をしなければと思い、連絡を取ってみた。すると、1人の職員が、ここまで来てくれる事になった。
翌週も、何かと忙しかった。8月4日、第2の小包が届いた。今回は成田のゴールデンレトリバーも見落とした?らしく(それともわざと?)無事に届いた。
I刑事さんに連絡を入れた。3人の刑事さんが来た。刑事さんが封筒を開けると、酸っぱい様な青臭いような匂いが微かに漂った。中身は2つのCDケースとソフトだった。
CDケースを開けても何も無かった。刑事さん達は、「外れだね。」と言って帰っていった。
私は、納得できず更にCDケースを分解してみた。するとケースの背の部分にラップに包まれた大麻樹脂が、入っていた。心臓がドキドキした。直ぐに刑事さんに連絡しようと思ったが、「もし、これを捨てたら…?」 実家の父親に電話をしてどうすべきか聞いた。
父も一瞬動転したらしく、いったん電話を切って考えて、折り返し掛けてきた。
やはり、正直に警察に連絡すべきだと。
さっき帰って行った刑事さんたちが、またやって来た。今度は、その大麻樹脂と記念撮影。
「何てドジな人たちだ!」と夫が自由の身になるまで思っていたが、一件落着してよくよく考えてみたら、あれはきっと私を試したに違いないと思えてきた。
何故なら、1回目の成田で押収された時も同じ方法で送ってきてあったので、それを刑事さんたちが知らない訳が無い。
何人かの人に、「2度目の小包の事は、最初から黙っておけば良かったのに。」と言われたが、あの時の私は、警察に正直に協力していれば、早く終わると期待していた。
同じ週にまた警察署に行き、2度目の小包の調書を取られた。その際に、I刑事さんに夫が所持していた大麻を誰から手に入れたかを聞いた。7月25日に家に来た、ニュージーランド人からであった。1年以上も連絡がなかったのに、何故彼は、その日に来たのか?
買った本人が一番悪いが、タイミングが悪かった。
本か何かに、「警察に捕まった時、仲間を売らない様に、入手経路等を考えておくべきだ。」といった感じの事が書いてあった。確かに夫は友人を売ってしまい、その人までも自分と同じ状況にしてしまった訳だが、夫曰く「自分の自由、私達の将来と彼を天秤にかけた場合、選ぶのは難しくなかった。」私もきっと同じことをしただろう。
8月6日 弁護士さんとデンマーク大使館の職員の方が、夫に面会に行った。私は警察署のロビーで待っていた。夫と同じ建物に居るのに、会えないのはつらい。
大使館職員の方とは、母国語で話せたらしく、きっと少しは気が楽になったに違いない。
取調べは英語又はデンマーク語の通訳を通してやる訳だが、それが果たして正確に伝えられているのか、疑心暗鬼になり、供述書にもなかなかサインしなかったらしい。
I刑事には起訴はいつか、しつこく聞いてみたが、「デンマークとのメールのやり取りの解析が、まだまだで…」と何時まで経っても起訴されない。
結局逮捕から20日後の8月18日大麻取締法違反で起訴された。
1歩前進。保釈の可能性も?
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逮捕されたMBさんの奥さん、BTさん(31歳日本人)に、大麻が見つかるとデンマークではどのような扱いになるか尋ね、下記のような返信をもらった。
デンマークで持っていた場合...を簡単にお答えします。
1.大麻入りの荷物が税関で見つかった場合
税関が荷物を開けて、大麻を押収します。そして、「内容物を押収しました。」と印刷されたステッカーを貼って、残りの合法な荷物は自宅へ配達されます。
これは、夫の従兄弟がマウイからマウイワウイを、デンマークの友達へ送った際に、起こった事です。
重量は分からないそうですが、多分2~3gでしょうとの事。量が多ければ、話は違ってくると思います。
2.大麻約3.5gを所持していた場合
警告(口頭又は文書)若しくは、罰金300デンマーククローネ(約5,400円)。
夫は、過去に3,4回警察の職務質問の際に、大麻を取り上げられた事があるそうです。 罰金は1度も課せられた事は無く、文書による警告が1回、その他は口頭による警告。 警察署に行く必要も無かったとの事。
デンマークの法律では、少量で自己使用目的であれば、罰金300dkとあるそうです。 「少量とは、何gまでとする」とは明記されておらず、ケースバイケースのようです。
因みに、自転車を乗りながら携帯電話を使っていると、罰金500dk(約9,000円)。 こちらの方が、他人を危険にさらす恐れがあるからでしょう。
2003年からは厳しくなったとのことだが、それでも100グラム以下の所持は5,400円の罰金で、警察に連行もされず、裁判もなく、前科としても残らない。自転車に乗りながら携帯電話を使うほうが3,600円分罪が重い。
日本の担当官僚はこの現実をどう考えているのだろう。
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□ 今のところ
今の所、"心的外傷後ストレス障害"に悩まされてはいない。
金曜日に最後の公判がある。そして判決を言い渡される。
もし、執行猶予であれば、週末お灸に行って来よう。
私は大麻をすって20年。
殆どの時間、その事を素晴らしいと感じてきた。私は、日本では、(この先何処へ行こうとも)100%辞めると決心した。
ストーンになるよりも、もっと大切な物がある。自由が私をハイにする。
私を愛し大切に思ってくれている人達を失望させる事は出来ない。私は、一度許してもらった。
同じ事が再び起こることは無い。
私は彼等に止める事を約束した。...そして、正しくない状況で"ストーン"になっている時、
パラノイヤになる感じが分かる人達...私が約束を破る事になり、そして執行猶予の身で吸ったとしても、
私はそれを楽しむ事は決して出来ないでしょう。ストーナーの皆さん、日本ではリスクは大き過ぎます。
もし捕まれば、あなたは、とてもまずい状況に陥るでしょう。
オール・ザ・ベスト
サンダーパンツ
■ I'm not suffering from POSTtraumatic stress just yet; I have my last court date on Friday. I will receive my sentence then.
I am going to get some acupuncture this weekend, if I get the expected suspended sentence. Thanks for the advice! (I just read out your last post to my wife. What I nice person you are, she said)
Yuki's Passion, I have smoked for 20 years, I have felt great about it most of the time.
I have decided to quit 100% in Japan, or where ever I go in the future. There are things more important than getting stoned. A life in freedom gets me high.
I cannot let down the people who love and care for me one more time. I have been forgiven once; it is not going to happen again. I promised them to quit!
..And those of you out there who smoke weed knows the feeling of paranoia while stoned if the Circumstances are not right. Smoking can never be fun for me again if I am going to break that promise AND having a suspended sentence hanging over my head!
Stoners out there, the risk is just too big here in Japan, if you loose you are in big trouble!
Oh one more thing, I will probably improve my snowboarding a lot this year due to the lack of stimulants
ATB
Thunderpants
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□ 日本の大麻取締法は不公平ではあるが、法制度は、私にもう1度だけチャンスを与え、執行猶予を与えてくれそうで ...そのことは"クール"であると言っておくべきでしょう。
私の68歳になる雇用主は、地域の防犯協会の理事をされており"警察"側の人間です。
接見禁止中、私の弁護士が雇用主からのメモを持ってきました。それには、
"会社の皆がとても心配している。一日も早く仕事に復帰できる事を望んでいます。誰でも間違いは犯す。大切なのは、同じ間違いを犯さない事。"
と書かれていました。彼は、前回の公判で私を弁護してくれました。
今後、私が更なる罪を犯さぬ為にどうするか? との質問に、彼は、
"私も若い頃は、問題を起こした事もありました。今後は、彼ともっと話し合う機会を設けていきます。"
と裁判官に言いました。今日は、仕事復帰第1日目でした。
職場の皆さんは、とても優しく協力的でした。
彼らが、大麻や犯罪をクールだとは思ってないでしょうが...私の"悪質"(検事の言葉)で"ばかげた"犯罪によって、もたらされた状況から開放されて、3日。
不眠症とコントロールできない感情、そして不調な胃腸に悩まされている。
私の身体は10歳年を取ったようです。力が無い。
昨日、肩サイズの波をパドルで超える事が出来なかった。腕と脚は細くなったが、体重は増えた。
だけど、愛がある。
私の頭がはっきりして、裁判が終わった際は、全てをお話しすることを約束します。
再度、皆の前向きな反応有難う。皆の書き込みを読んで随分助けられました。
オール・ザ・ベスト
サンダーパンツ
■ I must say that while the Japanese "hemp control law" is unfair, it is a very "cool" thing that the justice system is likely to give me 1 (one) chance and hand me a suspended sentence.
...And Taguchi
"Those without sin throw the first stone"
(Jesus)My Boss 68 years old. He is also a police officer.
While being held in isolation, my lawyer came with a letter from him. It said something like "Everyone at the company is very worried about you. We all hope for your fast return to your job (!) Everyone makes mistakes; the important thing is not to repeat them.
That was all he wrote.
He came to the last trial to testify on my behalf.
He told the judge that he himself had made some "trouble in his own youth" He promised to spend more time talking to me, when asked what he would do to prevent me from commit more crimes.
Today I had my first day at work. EVERYONE were very kind and supportive, though I bet that they don't think weed or crime is cool.
3 days after my release for my "malicious" (prosecutor's words) and "foolish" crime. I suffer from insomnia, uncontrollable emotions and stomach problems. My body feels 10 years older.
I have no power.
I could not make the paddle past the break in shoulder high surf yesterday.
My arms and legs are thin, but I have gained weight
but I still have love!
I promise I will tell the full story when my head clears, and the trial is over, hang on!
Once again thank you everyone for the Positive response. It has helped me lot to read your posts!
ATB
Thunderpants
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□ だけど、あんた、この国にドラッグを密輸入しようとしたんでしょ!? 何考えてたの???
私は、何も考えていませんでした。
(みんなが間違いを犯す時と同じ様に。)
そこが問題なのです。この主題での私の使命は、主に人々に私の様に愚かにならないように警告する事です。
私は、誰かが同じ過ちを犯すことを望んでいるのではありません。もし、私たちが今後、この議論を更に広げられたらいいでしょう。
小包に忍び込ませて密輸入するのは、私が初めてではないでしょう。
悲しい事に、最後になる事も無いでしょう。私は、せめてスノージャパンの皆の間では最後になる事を望みます。
もしそうなれば、私は何かを成し遂げた事になります。オール・ザ・ベスト
サンダーパンツ
■ Originally posted by linalmeemow:
But that said, you tried to smuggle drugs into the country. WHAT WERE YOU THINKING???
I was NOT thinking. (Just like all the other people who makes mistakes)
that is the whole point, and my mission with this tread is mainly to warn other people against being as silly as I was.I do not wish for anyone else to make the same mistake.
If we over time can broaden the discussion it is fine with me.
My "letter case" is not the first one, and sadly it is not going to be the last.
I hope that it will be the last among SnowJapan users, and if so, I have achieved something!
ATB
Thunderpants
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私は、違法な事をしました。
弁解の余地はありません。100%私が悪いです。
そして、日本の文化を尊重すべきでした。
私は、ハシシ6gを密輸入しました。
そしてこの他に、3.4gの大麻草所持で逮捕されました。
このフォーラム(書込み)での私のストーリーは、他の人に警告する為です。
同情を買う為ではありません。
自分がしている事を良く考えるべきでした。
私の逮捕は、多くの人を傷つけてしまいました。
私が犯した犯罪そのものは、私自身をはじめ誰も傷つけてはいません。
これからは、大麻取締法を改正できるよう取組みたいと思っています。(合法的に)
今後決して法律を犯しません。
比較的に害の少ないドラッグの末端使用者が、このように厳しく罰せられるのは残酷だと思います。
小さな暴力事件が、10日間の拘留の末、15万円の罰金で終わってしまうというのに。
飲酒運転でさえ、同様に30万円の罰金で済みます。
オール・ザ・ベスト
サンダーパンツ
■ Thanks for all the replies!
I did something that was illegal, there is no excuse for it. I'm 100% guilty, and should have respected Japanese culture!
I smuggled 6 grams of hash, and got caught with another 3.4 grams of weed. I am writing my story on this forum to warn other people, not to get your sympathy!
I should have thought about what I did, my arrest hurt many people.
My crime itself hurt no one, not even myself.
I will from now on try to be active in fighting the Hemp Control Law (by legal means) I will not EVER again break the law here.
I think it is cruel that an end user of a relatively harmless drug is being punished so hard, while violence cases are being closed after only 10 days often ending with a 150.000 fine in smaller cases.
Drunk driver cases are more or less same story with a fine of 300.000 yen.
But I got out just in time for the season
ATB
Thunderpants
[ 01. November 2004, 11:28 AM: Message edited by: Thunderpants ]
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皆さん、お返事有難う。
私は、未だに今回の事全てを悲しく思います。
興味のある方に、私の経験した事を伝えるつもりです。私の妻は、同様の経験をした方々から多くのサポートを得ました。
私も同様に協力していきたいと思っています。
妻は、ファンタスティックでした。強く、協力的で、愛してくれました。
私は妻に一生の借りを作りました。妻は日本人です。
また、私は永住許可を持っていますので、今のところは、日本に居るでしょう。
私の雇用主は、公判で私のことを弁護してくれました。
彼は古風な人ですが、私にもう1度チャンスを与えると証言しました。
私の義理の父は、保釈金を支払ってくれました。拘置所が一杯であった為、私は警察署(留置場)にずっと居ました。
拘置所がどういう所か分からない方は、こちらをお読み下さい。
http://www.taima.org/stories/story005.htm
私のストーリーではありませんが...今回の件に関わった全ての人達は、私を良く扱ってくれました。
私の人生を台無しにしかけた、不公平な法律を除けば、不平は言えないでしょう。私の魂には、未だに傷跡があります。
精神的にも肉体的にも弱っています。そして、留置場の医者が喜んで与えてくれた睡眠薬に中毒になりかけています。(異様/皮肉です!)
私は不眠ですが、愛とサポートがあります。私は、法を破るのでなく、その法と戦います。
私と同じ過ちを犯さないで下さい。
私が言う様にして下さい。
オール・ザ・ベスト
サンダー
■ Thanks everyone for your answers!
I still feel quite sad about the whole thing.
I am going to tell my story to everyone who is interested. My wife has got a lot of support from other people who have been thru the same. I will try to help as well as I can!
My wife has been FANTASTIC, strong, supportive and
loving! I owe her my life!My wife is Japanese, and I have permanent visa, so we'll stay, for now at least.
My boss came to court to witness on my behalf. He is an old fashioned guy, but told the court that he was willing to give me another chance.
My father in law came up with the bail money.
The local "Ikan" was full, so I stayed at the police station the whole time, for you who don't know what ikan is, read here This is NOT my story though!
Everyone involved in this case has treated me nice, I can't complain about other than an unfair law that was close to ruining my life.
I still have scars on my soul, I am mentally and physically weak, and I have became addicted to sleeping medicine that the police doctor gladly gave away (BIZARRE!!) and I cannot sleep
but I have love and support.I will fight the law, not break it!
Don't do like me, do as I tell you
ATB
Thunder
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http://www.skijapanguide.com/cgi-bin/ubbcgi/ultimatebb.cgi?ubb=get_topic;f=8;t=003652
上記アドレスは、夫が書き込んだフォーラムのものです。夫の書き込みに対しての他の人の書き込みも読むことができます。下記には、夫の書いた物のみを書き出しています。
ハイ! 皆さん
私は、3ヶ月ちょっとの間留守にしていました。これがその理由です:
7月下旬、私はデンマークの友人に、ハシシを小包に入れて送るように頼みました。
その友人は、私のところに遊びに来る予定でいました。そして、私達は楽しむつもりでいました。7月29日 午前6時、15名の警察官と税関職員が私を逮捕しに来ました。
私の悪夢が始まりました。93日間の監獄生活(そのうち40日間は隔離「接見禁止」)、そして先週の金曜日(10月29日)、保釈されました。(保釈金200万円)
次の金曜日に最後の公判があります。私は、執行猶予が付く事を願い、祈っています。(付きそうですが…)
ヨーロッパ人として、私は、大麻を吸う事はそれほど「悪い」事ではないという印象の中で育ちました。
しかしながら、日本は同じ視点を共有していないようです!今回の出来事で、私の家族と私は大きな代償を払う事になりました。
幸い、私は今も妻がいます。
愛無しでは、私はこれを乗り切る事が出来なかったでしょう。これを読んだ皆さんへ、日本の法を破る前に良く考えて下さい。
彼らは本気ですから~。
オール・ザ・ベスト
サンダーパンツ
■ Hi everyone!
I've been away for a little more than 3 months, here is the reason:
In late July, I asked my friend to send me some Hashish in a parcel from Denmark. He was going to visit me, and we were going to have some fun.
We have done it a few times before, with no problem.On the 29 of July, at 6 o'clock in the morning 15 police officers and customs agents came to arrest me.
My nightmare started.
After 93 days in prison, 40 of which was in isolation, I got out on bail (2 mill yen) last Friday. I have my last trial on Friday,and I hope and pray for a suspended sentence (likely).As an European I've grown up with the impression that smoking weed is not that "bad"
However, Japan don't seem to share that view!
This incident has had big costs for my family and me.
Luckily I still have my wife, without love, I would not have made it.
To whoever reads this, PLEASE think twice before you break the law in Japan, they are not joking!ATB
Thunderpants
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前書
デンマーク人の夫と結婚して5年、2人で毎日楽しく過ごしていました...
1. 夫の逮捕
平成16年7月29日 午前6時頃、私がトイレに入っている時、ドアベルが鳴った。
トイレから出て行くと同時に、夫が玄関を開けた。ぞろぞろと人(警察、税関、入管)が入ってくる。
あっけに取られている間に、2人並んでソファーに座らされ、逮捕状だか捜査令状だかを見せられた。
夫宛の小包の中に大麻樹脂が入っており(成田空港で発見)、調べに来たとの事。
夫はそのまま居間に残り、何人かの捜査官が私を寝室に連れて行った。一人の刑事さんが、私に色々質問してきた。そして、婦警さんが隣で聞いていた。その間に、他の人達がタンスの中や旅行鞄の中、ベッドの下等をあさっていた。旅行鞄の中からジップロックに入った粉石鹸を見つけて、一瞬驚いていた捜査官が可笑しかった。
私は未だ十分に状況が把握できてなく(この時点では、私も容疑者)、他人事の様に冷静に受け答えしていた。(真面目に生きてきてよかった。)
夫宛に大麻入りの小包が送られてきた事について心当たりがあるか?また、知っていたか?との問いに、夫には常々、日本では大麻の取り締まりはとても厳しい事を伝えてあったし、仮に警察に捕まるような事があれば離婚してやると思っていたと答えた。すると、その刑事さん曰く、「そんな無責任な事を言ってはいけない。貴方が旦那さんを立ち直らせてあげなければいけない。」と諭されてしまった。
そんな事を言うのなら、逮捕しに来ないで下さいよ!と内心思った。
この他に、夫との出会い、夫が大麻を吸う事を知っていたか?
そして、私も大麻を吸うのか?と聞かれた。私はタバコを吸わないので、大麻入りのクッキーを食べた事、その際お腹を下してしまった事(デンマークにて)があると答えた。
仕事に行く時間が迫ってきたので、職場に連絡したいが、午前中で済むのか聞いたとろろ、今日は仕事には行けないと言われ、「夫が腰を痛めたので、病院に連れて行く。」と嘘を付いた。電話は居間にあり、夫は居間のソファーに座っていたが、話さないように言われた。
アパートからは何も見つからず、今度は車の中を捜索する為、外に出た。
私の車から始め、もちろん何も無い。
夫の車は修理中で、代車の中を捜索。灰皿を調べている刑事さんが、何かに反応を示した。その後、助手席の下から植物片が入った市販の風邪薬のビンとパイプが出てきた。
この時、初めて事の重大さに気が付いた。刑事さんは私にそれを指差すように言い、写真を撮った。驚きと悔しさ(裏切られた)で涙が出てきた。 私と入替わりに夫が外へ出て、私がアパートの中へ入った。きっと、私と同様に指差して写真撮影をしたのであろう。後で夫から聞いたところ、試薬で検査をして素晴らしい紫色が出たそう。
そして、夫は、「みだりに平成16年7月29日午前7時17分頃、駐車場に駐車中の自動車内において、大麻を含有する植物片約3.428gを所持した」として、現行犯逮捕された。
婦警さんに、夫の着替え等を用意するように言われ、下着やTシャツ、腰痛用のサポーター等をバッグに詰める。どうやら、私は容疑者では無くなった様だ。
捜査官たちが、パソコンや夫の私物を「押収」して行く。17インチのモニターまで持ち出していった。キャビネットだけで良いでしょうに。
夫がアパートから連出される時、私は洗面所に居る様に言われた。手錠をはめられ、腰紐を巻き付けられた夫の姿と、不安な顔を見るのは痛々しく悲しかった。
夫が洗面所の私を見たので、私は声に出さずに"I LOVE YOU."と言った。
夫は"I'm Sorry."と言った。この時が、これからの3週間で私達の最後の会話になるとは、思いもよらなかった。
夫が警察車両で連行され、私も警察の車に乗れるのかな?と少し期待したが、(不謹慎かもしれないが、そんな機会滅多に無いので...)自分の車で警察署に来るようにと言われた。
警察署までの約30分の間、あの大麻は何処から来たのか?考えていた。警察にも話したとおり、私は全く知らなかった。捜査官たちがアパートを捜索している間、"夫宛に大麻入りの小包が送られてきた事は事実としても、何も出てこなければ、何とかなるでしょう。家に大麻がある筈が無い。"と思っていたので、本当に「寝耳に水」だった。
"あれは、前に送られてきた物なのだろうか? しかし、夫宛に外国から荷物が届いたのは、随分前の様な気がする。"
唯一思い当るのは、日曜日に訪ねて来たニュージーランド人の知合いだが...
警察署に着くと、別棟のプレハブの建物に通された。アパートで話を聞いてきた刑事さんが、更に細かい質問をしてきた。今回は、私が話した事をパソコンに打ち込み、調書を作っている。この刑事さんは、静岡県警の銃器薬物対策課の刑事であった。これを知った時、朝の15名という大人数を思い出し、もしかして、私の夫は大物?と思った。(違ったが...)夫を取り調べているのは、地元警察の生活安全課。
事情聴取では、夫との出会い、結婚に至る経緯、静岡に住むようになった経緯、私の職歴、私が大麻クッキーを食べた時の詳細、夫が大麻をどう呼んでいるか?、夫の友人関係、外国から郵便物が届く頻度等を聴かれた。私の答えを文章にしてパソコンに打ち込んでいくので、かなりの時間がかかった。
調書が出来上がって、間違いが無ければ署名捺印。ちょうどお昼になった。これで終わりかと思ったら、13時にまた来てくれとの事だった。
警察署から自宅まで片道30分、行って帰って来たら時間になる事は分かっていたが、アパートに戻った。ほんの6時間前までは、いつもと変わらない朝だったのに...
これから夫はどうなってしまうのか? たまらなく不安で怖かった。
午後、警察署のプレハブに戻ると、刑事さんが、"奥さん、はっきりさせる為に尿検査しましょう!"と言ってきたので、"ちょうど出るところです。"と快諾。
トイレには、婦警さんが付いて来た。婦警さんはまず、トイレットペーパーを少し切って、便器に敷いた。便器に溜まっている水を混ぜられないようにする為だそう。
ドアを閉めても良いのか聞くと、"貴方なら良い。"との事。
採尿後、自分の尿と記念撮影。
プレハブに戻ると、今度は税関の職員から事情聴取された。質問事項は、刑事さんと殆ど同じであった。午前中、隣で聞いてたのだから知ってるでしょ!と言いたかった。
刑事さんからコピー貰えばいいのに。(効率的でなく、生産性が無いお役所仕事)
しかし、税関の人は刑事さんより気を楽に出来た。ジュースも奢ってくれて、良い人だ。
税関が作った調書に、私が言っていない事まで書かれていたので削除をお願いした。
「私はサーファーでもあることから、大麻を知っていた...」
私が大麻を知っていたのは、サーフィンをするからではなく、夫と結婚したからである。
税関の事情聴取が終わり、生活安全課の部屋へ呼ばれた。夫は調書へのサインを拒んでいるそうだ。夫らしい。私は、「長いのもには巻かれろ」だが、夫はそうではない。
通訳(デンマーク人)が、夫からの言伝を持ってきた。
実は、数日後にデンマークから友人が遊びに来る予定であったのだが、それをキャンセルして欲しいとの事であった。
ほんの少し離れた部屋に夫は居るのだが、会えない。話さないから会わせてとお願いしたかったが、出来なかった。通訳に伝言を頼んだ。
「オオバカヤロウ! 怒ってるけど、愛している。」泣き咽た。
午後5時過ぎ、私は開放された。刑事さんと税関の人が、車の所まで送ってくれた。
車に乗り込む際、「浮気されるのと、これとどっちが最悪ですかね?」と尋ねると、税関の人が、「浮気かな~?」と答えてくれた。
家に帰る前に、夫の職場へ行く事にした。朝、夫の職場へは連絡してなかったので。
嘘を付こうと思えば、出来たのかもしれないが、社長さんにはお世話になっているので、事実を伝える事にした。
社長さんは、驚きはしたが、警察に知り合いがいるから、自分からも詳しい状況を聞いてみるとおっしゃった。(これで第1関門クリア)
家に帰り、頭痛がするまで泣いた。デンマークにいる夫の父(76才)へ今日のことを伝え、遊びに来る予定の友人への連絡をお願いした。義父はかなり落ち込み心配していた。次に、私の父へ電話をした。「○○○○の事を嫌いにならないでね。」と前置きしてから、全てを話した。父は、「1人で大丈夫か?そっちに行こうか?」と協力的であった。(第2関門クリア)
暫くして、デンマークの友人から電話がかかって来た。彼は、こういう状況でも日本へ来て、夫に会いたいと言ってきた。今は接見禁止で、私も会えない事を伝えると、もう1度考えてから電話するとの事。
2度目の電話で、日本には来ない事を伝えてきた。私が、小包を誰が送ったか知らないか?と尋ねたところ、
「知っている。自分だ。更に悪い事に、1回目が届かなかった様なので再度送った。
1回目の小包はデンマークの郵便職員がくすねたんじゃないかと思った。」との事。
"この不良外人め!"(夫も含め)と思ったが、何も言わなかった。
夫宛に大麻入りの荷物がまた来る!
何かあれば連絡をするようにと、刑事さんの電話番号を貰っていたので電話をし、この事を伝えた。この刑事さんは、今日だけ応援だったので、明日警察署に連絡するように言われた。
長い1日が終わった。
不安と、夫がこの先どうなるのかという心配と、夫に対しての怒りが入乱れてとても疲れた。
続く
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NCさん(デンマーク人35歳男性)は母国であるデンマークの友人から送られたハシシが税関で見つかり、2004年7月29日に家宅捜索を受け、車から約3gが発見され、所持で現行犯逮捕された。
その後、密輸入約6gで再逮捕。93日間の長期勾留の末に保釈され、裁判では懲役1年6月執行猶予3年の判決を受けた。
ご本人からデンマークでの経験について手記を頂いたので掲載する。(原文は下部/日本語訳は夫人による)
デンマークでは
少し一般的な情報から始めたいと思います。
私は概して、自分自身を平和的で法に従う人間だと思っています。
大麻を吸う事が好きであるという事実を除いては。
私は、決して意図して他人を傷つけたり、危険な状況に陥れたりはしません。
デンマークの警察は、この世界で最も礼儀正しいものではありませんが、他の国同様に政治家が作った法律を施行させる為に彼らは、存在するのです。
日本の政治家達は、非人間的で極めて厳しい大麻取締法を作りました。
しかしながら、私は日本の警察は私を丁寧に扱ってくれたと言うべきでしょう。
一方、デンマークの警察は普通、フレンドリーではなく、失礼な物の言い方をします。
良い点はというと、彼らは寛大な大麻取締法を施行させるにとても少なく、そして、限られた道具しか持っていない事です。
私は、デンマークで3、4回ハッシュ(大麻樹脂)で捕まったことがあります。
何回かという正確な回数は覚えていません。
というのは、少ない量で捕まったとしても何も恐れる事は無いからです。
100g以下の量で捕まった場合、物を没収され、時に小額の罰金で済みます。
逮捕されず、裁判も無く、犯罪歴も有りません。
2,3回、コペンハーゲンの沢山ある“ハッシュ クラブ”の中の1クラブの外で止められたことがあります。
警察はよくそれらの店の辺りに居て、あなたが出てきたところを覆面パトから飛び出て不意をつきます。
彼らはあなたを探り(ボディーチェック)、あなたが上手く物を隠していない限り、それを見つけ出します。
あなたの名前を聞き、指名手配になっていないかを確かめます。
そして、“私は大麻取締法を犯した事を認めます。”と印刷された用紙にサインするように言われます。
更に、○○gのハッシュをあなたから押収します。
それでお終い。
唯一の問題は、あなたは家に帰って20~30分待たなければならない事です。
警察の車に注意深く気を配りつつ、店に戻りもう1千円を使う。
警察は普通、同じ場所に1時間以上いません。噂が広がるのが早いからです。
1度、クリスチャニア(コペンハーゲンにあるハッシュのメッカ)へ行った時の事を覚えています。
そこへはオートバイで行きました。
警察は、その場所(かなり広いエリアで、白馬村と同じ位。)へは、入って行かず、外で、客を捕まえる為に待っています。
その時は、5g買ったと覚えています。
どういう訳だか、その時は冴えていたらしく、ハッシュのブロックから1g以下をちぎり取り、警察に探られた時の為にそれをポケットに入れました。
そして、残りをヘルメットのフォームとシェルの間に隠しました。
クリスチャニアから出た時、警察に止められました。
私を怖がらせようと、4人の警察官が車から飛び出してきました。
私は少し不安になりました。
なぜなら、その時“ストーン”でしたし、ハッシュを失いたくなかったからです。(全てのものを。)
彼らは私に、ハッシュを持っているか?聞きました。
私は躊躇しながらも“はい。”と答えました。
それを喜んで諦めているように聞こえて欲しくなかったので。
私は小さい方の塊を差し出しました。
彼は残りは何処にあるか?聞いてきました。
他には無いと答えました。(嘘)
彼はもう1度質問してきました。
そしてボディーチェックをしました。
更に、何処で買ったのか?いくら払ったのか?等の質問をしてきました。
彼の質問に答えました。
クリスチャニアには、沢山のディーラーがいるので、答えようが答えまいが違いは無いので。
ボディーチェックは、残りの4.4gを見つけられないまま終わりました。
彼らは私の名前を控え、私に用紙にサインさせ、解放してくれました。
私が、“ストーン”かどうかも確認せず。(なりかけていましたが...)
そして、私はオートバイに乗り、道すがら笑いながら家に帰りました。
驚いた事に、警察から手紙を受け取りました。
それには、0.61gの大麻樹脂の所持と書かれていました。
それが、私への“2度と大麻取締法を犯すな!”という注意だったのです。
更に付け加えると、2003年以降、デンマークの大麻取締法は少し厳しくなりました。
現在は量に関係なく最低、300デンマーク・クローネ(約5,400円)の罰金です。
しかし、逮捕されず、裁判も無く、犯罪歴も残らないのはそのままです。
丁度先週の事ですが、クリスチャニアで87Kgの大麻樹脂を販売していた男が、2年半の実刑判決を受けました。 彼は、6ヶ月間撮影されていました。
という事で、これが、私がデンマークで(大麻を)吸い続けた15年の中で、警察との出来事です。
Hi Shirasaka-San
First of all, I would like to thank you for your invaluable support to my wife during my arrest. I think your help made her feel that she was not alone.
I would also like to show my respect for the work you are doing for easing the hemp law in Japan. We need people like you in this country.
You asked me to write a little about my encounters with the police in Denmark. Let me start with a little general information.
I consider myself a peaceful and law obeying person in general, except for the fact that I like to smoke weed. I would never harm anyone else or put anyone in danger on purpose.
The Danish police are not the most polite force in the world. But as in any other country they are there to enforce the law the politicians pass. The Japanese politicians has passed an inhuman and draconian hemp law, but I must say that Japanese police treated me in a polite way. The Danish police however usually talks in a very unfriendly and impolite way. The good part is that they have very few and limited tools to enforce a liberal hemp law.
I have been caught with hashish 3 or 4 times in Denmark, I really don’t remember exactly how many times, and the reason is that you have nothing to fear if you get caught with small amounts, anything less than 100 grams will only cause you to loose your stuff, and maybe a small fine. No arrest, no court and no criminal record.
On 2 or 3 occasions I have been stopped on the street outside one of the many small “hash clubs” in Copenhagen. Police often hang around these shops and surprises you by jumping out of an unmarked car. They search you, and unless you have hidden your stuff really well, they find it, take your name to see if you are wanted for some other crime.
You are asked to sign a pre-printed piece of paper that says that you admit to breaking the hemp law, and the police have confiscated X grams of hash from you.
And that is the end.
Only problem is that you have to go home, wait for 20-30 minutes, look really carefully for that police car, go back to the shop and spend another 1000 yen.
The police usually don’t spend more than an hour at the same place, because the rumor spreads fast.
I remember one trip to Christiania, the local hash Mecca in Copenhagen. I went there on motorcycle. The police usually never enter the area which is fairly big (Hakuba village size) but wait outside to bust customers.
On that day I remember buying 5 grams. For some reason I had a bright moment, and I broke less than 1 gram off my block of hash, put it in my pocket in case the police would search me, and hid the rest in my motorcycle helmet between the foam and the shell.
As I stepped outside Christiania i did get stopped by police, 4 officers jumping out of the car trying to scare me, and I did get a little nervous, because I was stoned and did not want to loose my hashish (well not all of it anyway) They asked me if I had any hash on me, and I hesitantly answered yes, I did not want to sound too eager to give it up.
I gave the small chunk of hash, and he asked me where the rest was, I answered that I did not have any more (lie) he asked me again, and searched me. He asked me more questions about where I had bought it, how much I had paid and so on. I answered his questions, but since there are 100’s of dealers in Christiania, it did not make any difference. The Body search ended without the police finding the last 4.4 grams.
They took my name, made me sign that piece of paper, and let me go. They did not even check if I was stoned although I was about to, and did get up on my motorcycle and drove away, laughing all the way home.
To my surprise I received a letter from the police a while later saying that I was caught with 0.61 grams of hash, and this letter was a reminder to me not to break the law again.
I can add to this story that since 2003 the law has tightened up a bit in Denmark. Regardless of amount you will get a minimum fine of 300DKR now, but still no arrest, no Court and no criminal record.
Just last week a man recived 2 ? years prisonsentence for selling 87 kg of hash in Christiania, he had been videotaped for 6 months.
Well that is my encounters with the police during 15 years of smoking in Denmark.
Feel free to use the above info as you like.
Best Regards
NC
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