2001年のINCB年次報告には、'附表IVに含まれるには、薬物が特に乱用される可能性が高く、悪影響を引き起こすと思慮され、そのような負の性質が実質的な治療上の利益で相殺されないもの'と明記されている。1961年の条約を作成する全権委員会議に出席した代表委員団の見解では、大麻は確かにそのような特性を示した(例えとして、コカインはそうでなかったが)。THC、大麻の主要な精神賦活性の成分は、1971年の向精神薬に関する条約の4つの付表の第一にもまた掲げられており、その使用は学術上と非常に限られた医療上の目的を除いて禁止されている(第7条a)(6)。
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第一次世界大戦の前に、麻薬物質に関する国際的合意はアヘンと関連物質の規制の仕組みを増大させた。アヘン剤に向けて、1909年に上海で、アヘン委員会は1911-1912年のハーグでの第一回国際アヘン会議におけるアヘン規制に関する枠組み協約に貢献した。
ハーグ会議がアヘンに専心する一方で、この会議ではイタリアが、主として保護国トリポリタニアとキレナイカ(1911年の戦争の間にトルコから獲得した)におけるハシッシュ中毒に基づいて、大麻に関する国際的な禁止法を働きかけた。アメリカでは、幾つかの州が大麻の非医療的な使用を禁止した。カリフォルニア(1915)、テキサス(1919)、ルイジアナ(1924)。類似した進展はアルコール使用に対する法的制限であった:フィンランド(1919)とアメリカ(1920)における禁止法、スウェーデンにおける配給制(1914年から)。スイスでは、大麻は1924年に非合法化された。
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状況概要
内容
- 若年層および国民全体におけるドラッグ使用
- 防止
- 問題ドラッグ使用
- 治療需要
- ドラッグ関連感染病
- ドラッグ関連死亡者
- 治療応答
- ハームリダクション応答
- ドラッグ市場およびドラッグ関連犯罪
- 国家ドラッグ法
- 国家ドラッグ戦略
- ドラッグ分野のコーディネートメカニズム
- ドラッグ関連調査
年 | ベルギー | EU(27カ国) | データ元 | ||
---|---|---|---|---|---|
人口 | 2008 | 10,666,866 | 497,455,033 | Eurostat★ | |
人口(各年代別) | 15-24 | 2008 | 12.1 % | 12.6 % 1 | eurostat |
25-49 | 35.1 % | 36.3 % 1 | |||
50-64 | 18.8 % | 18.4 % 1 | |||
一人当たりGDP (購買力平価に換算)2 |
2007 | 118.2 | 100 | Eurostat | |
社会保障の総支出(GDP%比)3 | 2006 | 30.1 % | 26.9 % ※ | Eurostat | |
失業率4 | 2008 | 7.1 % | 7 % | Eurostat | |
25歳未満人口の失業率 | 2008 | 18.2 % | 15.5 % | Eurostat | |
総人口に対する囚人人口率 (国民10万人当たりの囚人数)5 |
2006 | 95.6 | Council of Europe,SPACE 2006/1 | ||
貧困リスク率6 | 2006 | 15 % | 16 % 7 | SILC, 2007 |
★:Eurostat:欧州連合(EU)の統計機関
※:ユーロスタット臨時データ
- 2007年データ
- 国民総生産(GDP)は経済活動の指標です。それは生産されたすべての財とサービスの価値と定義され、生産に使われたすべての財とサービスの価値(※原材料などの中間財)は除かれています。 購買力平価で換算された一人当たりのGDPは、ヨーロッパ連合(EU-27カ国)の平均を100とした指数として表現されます。ある国のこの指数が100より高いなら、この国の1人当たりのGDPレベルはEU平均より高いです。そして、逆もまたしかりです。
- 社会保障費用は以下を含んでいます:給付金、すなわち、所定のリスクや必要物などの負担を家庭または個人から減少するために与えられる現金または現物による移転。
- 失業率は労働力のパーセントによって失業者を表します。失業者は15歳から74歳で、かつ(a)該当の週に失業状態で (b)現在、就業可能で (c) 活発に仕事を求める人々のことです。
- 2006年9月1日の刑務所の状況。
- 本年度および過去3年間のうち2年間、貧困リスク境界以下の可処分所得しかない0歳以上の人々の割合
- EU25カ国
2004年に、「国家健康インタビュー調査」(大麻使用に関する質問を含む)が、15歳以上の国民全体に対し行われた。報告によると、大麻の生涯普及率は、15~64歳の回答者の13%、(2001年報告で10.8%)です。全体的に見れば、昨年の大麻使用普及率は回答者の全体の5%で、15~24歳の回答者では12%、25~34歳で11%です。
学校年齢児童の健康挙動(HBSC)の研究が、2005-2006年に、フラマン(オランダ)系地域社会とフランス系地域社会の12-18歳の生徒の代表的サンプルに対し行われました。大麻は、両地域の15歳と18歳の生徒から最も頻繁に報告されるドラッグであり、フラマン系地域社会の15-16歳では24.6%、17-18歳では43.5%、フランス系地域社会の15-16歳では29.6%、17-18歳では47.0%が、人生で最低1回の経験が有ります。2002に比較して2005年は、両地域社会で生涯大麻使用は17-18歳グループでわずかに増加しているが、15-16歳グループでは増加していない。
2007年に、ESPAD(※)調査がフラマン系地域社会の15-16歳の生徒に再度行われた。大麻使用の生涯普及率は24%で、少年(28%)は少女(19%)より高い。他のドラッグに関して生涯普及率は、吸入系ドラッグで8%、エクスタシーで5%、コカインで4%、アンフェタミンで5%です。昨年の大麻の普及率は19%であり、先月は12%でした。
※the European School Survey Project on Alcohol and Other Drugs:アルコールと他のドラッグに関するヨーロッパ学校調査プロジェクト
ベルギーでのドラッグ防止戦略は、3つの言語的地域社会間でかなりの違いがあり、そして、その違いは計画づくりのレベルでさえ存在しています。学校でドラッグ(抑止)方策を開発する主要な投資がフランス系地域社会で助成されましたが、そのような方策はフラマン系地域社会では既に実施されていました。採用された共通の主要な目標は、すべての関係者、すなわち、親、生徒、教師、そして包括的に統合されたアプローチに帰着する防止問題におけるディレクター、などの関係者をよりよくかかわらせることです。
地域社会間の違いは、一般的な学校を基盤とする防止プログラムにおいて特に大きいです。フランス系地域社会では、専門機関か内部サービス機関が学校でのトレーニングやカウンセリングを行う、というモデルに従っています。フラマン系地域社会では、プログラムベースの介入治療が採用されてきました、そして、同様の状況がドイツ系地域社会で報告されてます。その上、ドイツ系地域社会では、アルコールの使用に関する防止プロジェクトに有線順位が与えられ、近年では、喫煙の防止に注意がはらわれています。
選択的防止策は主に娯楽的使用とリスクのある家庭をターゲットにします。娯楽的使用についての選択的防止策は、情報スタンドや同等の予防策、あるいは重大な(合成)ドラッグ使用がある場所(一般に大きな祭的イベント)に参加する目的の移動的グループや、パーティー出席者をターゲットとするウェブサイトなどを通しての、情報の普及におおかた制限されています。
ブリュッセルでの「上質の夜」のチャーター(貸切)、とフラマン系地域社会の「賢いパーティー」は、娯楽的設定では健康増進のラベル(「安全なクラブの夜遊び」ガイドラインのようなもの)です。それらは、健康的テーマについて責任感をイベントの主催者とスタッフに持たせるために彼らをかかわらせることによって、フェスティバルやパーティーなどへの参加者の健康と安全を向上することを目的としています。
3つの地域社会の違いはまた、リスクのある家庭をターゲットにしている選択的防止プログラムにおいて存在します。フラマン系地域社会は、多くの防止プログラムを開発しましたが、たとえばチーネンの「Broeders Alexianen」は、アルコール依存症の子供に、親の依存症を理解し対処するのを助けるプログラムであり、「Bubbels&Babbels」プログラマウは元ドラッグ依存症の親を持つ子供の問題に焦点をあてる防止プロジェクトです。
フランス系地域社会の治療サービスは、子供たちの生活状況と同様に母子関係を改良することによりドラッグ依存症の母親を支援します。フランス系地域社会では、ある特定の区域で、特別な手段が、「優先アクションゾーン」(社会的/経済的に恵まれない)として認められてます。「ペアレント・ハウス(親の家)」が作られたのは、「親の立場」の支援や、子供たちが学校の後で、家に帰る前に宿題をいっしょにやる場所、すなわちホームワーク・スクール(宿題学校)のプロジェクトの支援を目指してのことです。またこのサポートは、ホームワークの援助を越えて、子供たちが試すかもしれない危険な行動や、限度を超えないように配慮する、というような問題をターゲットにしています。指摘されているドラッグ防止について、戦略もサービスもこの領域に特に存在しないと報告するのは困難である。ヨーロッパの環境内部にいるベルギーの防止文化の特別な特徴は以下のとおりである:連邦各州を超えて存在する異なるさまざまな目的と戦略、若年層に対して役立つフィールドワーカーのネットワーク強化という共通の焦点、指向性ある(たとえば子供に対してのように)革新的なプログラム、そして娯楽目的についての環境戦略における強力な取り組み、などである。
問題ドラッグ使用の国家的定義は、ベルギーで議論されてきましたが共通認識に至っていません。データ元(主に治療データ)はPDU(問題ドラッグ使用)評価の基礎として改良されてきました。問題ドラッグ使用の普及の評価と問題使用者の特徴の説明は、地域的研究によって提供されてきました。
EMCDDAは、問題ドラッグ使用とは、静脈ドラッグの使用(IDU)、または阿片系薬物・コカイン・アンフェタミンの長期間または定期的なドラッグ使用、と定義します。エクスタシーと大麻はこのカテゴリに含まれていません。
ベルギーでは、治療需要データが10個以上の異なった登録システムによって登録されます、そして、登録システムに違いがあるため、登録されたデータに関する推論は注意深くされるべきです。しかしながら、近年、ヨーロッパ治療需要指標プロトコル(手順)のベルギーバージョンが開発されつつあります。2005年12月に、治療需要指標に関する手順の同意が、政府間健康委員会のメンバーによって署名されました。2008年には最初の治療需要データが報告されました。
2005年のベルギーの治療需要データは、39の外来センター中33センター、21の入院センターの中19センターに基づいています。2005年には、全部で4966人の治療を要する人たちがそのシステムに登録されました。
2005年には、治療を始めた総患者数の44%が25歳未満でした。治療を始めた全患者の性別に関しては、81%が男性、19%が女性でした。治療需要は、主に阿片系薬物に関していて、大麻は2番目に重要な物質です。
ベルギーでは、HIV陽性と診断された人とAIDS事例が、ブリュッセルの公衆健康科学研究所に登録されます。AIDS発生から2007年12月まで、20,004人のHIV感染者が登録されました。HIV事例の中の静脈ドラッグ使用者の割合は、1986年の約10%から2007年の約1%まで減少しました。
少なくとも一度は注射したことがある者の間でHIV、B型肝炎、およびC型肝炎への感染率に関するデータは、ベルギーでは3つの異なるデータ元から利用可能です。フランス系地域社会では、HIVに関するデータは、自己報告したデータに基づいていて、治療モニターセンターを通して集められます。医者によって治療中の静脈ドラッグ使用者のうちでサンプルとして選択された者に対して行われた生物学的テストに基づくデータは、「De Sleutel」(複数の外来向け及び入院向け治療センターで構成されたフラマン系の団体)を通して利用可能です。他のデータ元は、アントワープにある外来向け病院の「Free Clinic」であり、そのデータは定期的に患者に勧めている自発的血液スクリーニングテストに基づいている。
普及率と傾向に関して言えば、HIV感染率については、減退する傾向が、1994年以来フランス系地域で、1998年以来フラマン系団体(De Sleutel)からのデータで観察されてきました。フランス系地域社会で治療を求める静脈ドラッグ使用者のうち、自己報告によるHIV感染率は2007年に4.2%、同じくワロン系地域の自己報告による感染率は2007年に5.2%でした。2007年にフラマン系団体を通して行われた生物学的テストは、3.7%のHIV感染率を明らかにしました。アントワープのFree Clinicでのテストに同意した静脈ドラッグ使用者では、HIV感染率は2007年に6.0%(2005年に7.1%、2006年に5.7%)でした。
B型肝炎感染率は、静脈ドラッグ使用者で2007年に54.0%、2006年に55.0%(Free Clinic)でした。2007年に静脈ドラッグ使用者でC型肝炎感染率は 51.7%(ワロン系地域)、34.0%(De Sleutelからのデータ)であり、アントワープの外来向け病院の静脈ドラッグ使用者では80%まで及びます。
ベルギーで、ドラッグ関連の死亡者は、国立統計研究所にある全死亡者登録システムによって記録されます。国家的焦点は、EMCDDAのドラッグ関連死亡標準、すなわちEU加盟国の登録システムからそれらのデータを引き出す場合の標準手順に基づき、ドラッグ関連死亡者(ドラッグ使用や過剰服用に直接関連する急性死を含む)に関するデータを引き出すことです。全国レベルにおける最新の有効データは1997年からあり、ドラッグ関連死亡者数が1987年から1997年の間に徐々に上昇したように見えます。しかしながら、その傾向は、数年間にわたる報告の途中でも変化が起こりえるため、慎重に解釈しなければなりません。大多数のドラッグ関連死亡事例は阿片系薬物にかかわっています(1997年に99%)。2007年、国家レベルでドラッグ関連死亡者数を推定するのに、いかに的確な登録システムでも役立ちません。フラマン系地域社会及びブリュッセルでドラッグ関連死者に関するデータは、2004年までしか有効ではありません。
国家ドラッグ戦略文書「2001年連邦ドラッグ政策ノート」では、治療の提案が依存症の生物社会的複合問題に適合した多角的アプローチに基づくべきである、と明記しています。ベルギーでは、異なったレベルの意志決定が、治療への財政的支援(地方政府および連邦政府を含む)を提供します。例えば連邦レベルでは、「公衆健康、食物連鎖的安全、そして環境に対する連邦公衆サービス」は、70年代に創設され近年その能力を広げつつある多数の、精神療養団体、危機センター、デイセンターへの資金供給を提供していますその間、例えばメンタル・ヘルスセンターはワロン系地域かフラマン系地域社会によって融資されてます。
ドラッグ使用者のための健康管理または複数の異なる治療サービスは、ベルギーのかなりの部分で利用可能ですが、ドラッグ使用者のための専門治療センターが無いドイツ系地域社会は除かれます。全体的に見て、治療提案は、入院患者向け特別治療センター、通院患者向けセンター、敷居の低いサービス、精神医学病院の一部門や、総合病院の精神医学部門、総合健康サービスの総合福祉センター、そして専門自助努力グループなどを、含んでいる。8つの社会的受け入れセンターは大都市に位置していて、治療・カウンセリング・および福祉活動への敷居の低いアクセスを提供します。ほとんどのアフターケアと再統合プログラムは、通院と入院という構造により成し遂げられます。例えば、精神療養団体の中間施設や、ドラッグセンターでの日中治療、そしてまた雇用リハビリテーションプログラム、などがあります。
メタドン代替治療が1994年に導入され、2003年にブプレノルフィンが導入されたが、2004年にだけ、採用された代替物に関する国王命令(代替物としてメタドンとブプレノルフィンに言及している)がありました。しかしながら、命令が機能するような実施方法を定義するテキストがまだ待たれています。フラマン系地域社会では、ほとんどのメタドン治療法プログラムが、低い敷居のドラッグサービスによって提供されます。しかしながら、比較的小さい町と農村地域では、フランス系地域社会のドラッグサービスの監督下でもメタドンが一般開業医によって処方されるかもしれないし、広範囲の代理的機関すなわち低い敷居の施設や一般開業医、外来向け専門施設やメンタルヘルス施設などは、メタドン及びブプレノルフィンへのアクセスを提供している。しかし、一般開業医は依然として最も重要な役割を果たしている。
最新の有効な評価(2007年)によると、トータルで16,275人の患者が代替治療上にあり、そのうち15,383人がメタドンを使用している。2007年に、先行ヘロイン援助治療プロジェクトは、200人の問題ヘロイン使用者がいるリエージュで考え出されましたが、それは、事実上、2009年に治療の提供を始めることを目指します。
1995年に、ベルギーの連邦政府は、健康に関する見通しおよびハームリダクション哲学に基づき、違法ドラッグのための行動計画を明確化しました。1998年に、針交換プログラムを認める1つの法律が採用されました。今日、そのプログラム(静的、動的、または薬屋)はドイツ系地域社会を除いて全国で有効です。一般に、ハームリダクションプロジェクトは、NGOによって設立され、或るものは都市によって管理され、連邦内務公的サービスにより財政支援されています。
フランス系地域社会では、1994年以来、針交換プログラムが存在しています。2000年に、フラマン系地域社会は、必要な法律の変更をしました、そして、2001年に針の交換プログラムは公式に実施されました。それらと同様のプログラムがフランス系地域社会で実施されました(各州で1ヶ所)。しかしながら、プログラムは2001年に始まったばかりなので、場所については、すべての地理的領域をカバーするために依然として拡張しているところです。2007年に、フラマン系地域社会で約599,000とフランス地域で371,000個の注射器が針交換プログラムを通して分配されました。交換率は両地域で90%以上でした。ベルギーでは、刑務所内で安全な注射施設へのアクセスは利用可能ではありません。また近年、C型肝炎へのテストとカウンセリングが特別に強化されてきました。
最終的に、早期警戒システムが、新しい、または、危険なドラッグとそれに関連するリスクに関して情報交換するのを目的として、開発されました。早期警戒システムネットワークは以下を含んでいます。 国家的焦点、サブ焦点、法医学研究所、警察、司法機関、救急病棟、および電話相談サービス。
ベルギーで差押えられる違法ドラッグは、しばしば他の欧州諸国、特にイギリス、オランダ、およびフランスに行くものです。ベルギーでの差し押さえの大部分が大麻にかかわります。大麻の耕作は増加していますが、全国的には、モロッコ産ハシシの大規模な輸入がまだ優位にいます。連邦警察からのデータは、すべてのドラッグ関連犯罪において、最も共通に関連するドラッグが大麻であることを示しています。
2007年、ドラッグの大部分、すなわち大麻、ヘロイン、コカイン、アンフェタミン、エクスタシーなどに対するドラッグ関連捕獲の数は、2006年と比べると増加していると報告されています。その上、2007年に差し押さえられたヘロインの量はかなり増加し、2005年の合計270kg、2006年の176kgに対し2007年には合計548kgが差し押さえられました。アンフェタミンに関しては、同様の傾向が観察でき、2005年に捕獲されたのは合計175kg、2006年の119kg、および2007年の合計484kgです。
アントワープの港は、世界で3番目に大きいコンテナ港であり、国際的なドラッグ取り引きの中心です。合成ドラッグ(特にエクスタシー)はベルギーで非合法に製造され、米国、カナダ、イギリス、および最近はオーストラリアを含んで輸出されます。2000年以前に、合成ドラッグを作る非合法な実験室は、主に国の東地域に集中していましたが、しかし現在は地理的にもっと広がっているようです。ベルギーから他のヨーロッパ諸国への輸出と同様にベルギー内部で合成ドラッグの流通が増加しています。
差押えされたエクスタシー錠の量は、1990年以来増加し続けており、2007年には合計541,245錠が差押さえられています。
ベルギーでは、新しい訴追指示と法律における変革が2003年の前半に成立しました。大麻は他の非合法物質と区別され、「問題ドラッグ使用」と「世間の迷惑」という2つの概念が導入されました。大麻の新しい地位では、問題ドラッグ使用か世間の迷惑の証拠がないなら、検事は起訴ができません。
これらの概念が不十分に定義されているのが憲法裁判所で判明したのち、2005年2月に発行された新しい指示は、公的秩序の騒乱または他の環境の悪化にかかわる場合だけ、完全な起訴を求めている。これは、学童が集まるような場所あるいはその近くでの大麻の所有を含んでいるし、また公共の場所か建物での「あからさまな」所有もまた含んでいる。
大麻以外のドラッグに関してベルギーの法律は、所持・生産・輸入・輸出または販売を、3カ月から5年の懲役、または罰金に処します。「密売」という独立した犯罪はありませんが、特に環境を悪化させる事件については、刑期が15年か20年にさえ増加するかもしれません。
ベルギー連邦の「ドラッグ政策ノート」は、2001年に採択され、時間による制限はありません。 これはこれまでで最初の国家的ドラッグ戦略であり、合法・非合法の両方のドラッグ(すなわち、アルコール、タバコ、およびいくつかの薬を含めて)を含んでいます。戦略の主目的は、ドラッグ使用者や彼らの環境、および社会全体に対する危険を防止し制限することです。ドラッグ政策ノートは包括的なアプローチを取っていて、3本の柱に基づいています。すなわち、 (1)ドラッグ消費の防止、(2)ハームリダクション、支援と再統合、(3)実施、の以上です。またそれは、地域社会・地方・および連邦州によって代表される連邦レベルで、ドラッグに関する複数のコーディネーションユニット(協同単位)からなる1つのシステムをもくろんでいます。
ベルギーでは、三つのレベルのコーディネーションユニット(協同単位)が開発中です。(i)1つの連邦省の下に置かれ、ドラッグコーディネータによって指導される全般的ドラッグ政策単位(または、全般的コーディネーションユニット(協同単位))です。このユニットは、異なるセクター・省(健康、安全、国際情勢や他)や、地方、および地域社会からの関係者を含んでいなければならない。その仕事は、(連邦政府のための)国家ドラッグ政策を開発して遂行することです。(ii)健康、管理、および国際情勢セクターのサブコーディネーションユニットです。それぞれのユニットは、連邦・地方と地域社会レベルでの関係省庁から、代表を含んでいるでしょう。その仕事は、各ユニットの分野で(健康、セキュリティなどの関連政府間委員会のために)国家ドラッグ政策を開発して遂行することです。(iii)麻薬問題とその応答(?)の発展をモニターする、ドラッグに関する国家の(連邦と地域社会の)政府間会議は、麻薬問題を減少させるために発展しました。
2006年には、単一の「ドラッグ健康政策単位」は実施され以下を監視しています。すなわち、他の部分(特に全般的ドラッグ政策ユニット、そのドラッグコーディネータ、および政府間会議)が非常に近い未来に実施されるということを。
連邦ドラッグ戦略は、連邦政策をサポートするための研究プログラムを通して、連邦科学政策局によって管理されるドラッグ分野での科学的研究のための予算を提供します。このプログラムで資金を供給されたほとんどの研究が、研究者のネットワークによって実行され、そして、重点はドラッグ治療とドラッグ関連犯罪とその害に主に置かれてます。国家の焦点は、協力者ネットワークを通して、進行中のまたは結果の出た研究に関する情報を集めることにあり、またドラッグ関連研究上の発見に関する情報を異なるチャネルで異なる聴取者に情報を広めることにあります。2008年のベルギー国家レポートで参照された最近の研究は、異なる環境でのドラッグ使用の普及に関連する局面に主に焦点を合てた。
Source:EMCDDA > Drug situation > Country overviews > Belgium
Last update: July 2009
[翻訳:浅田仁/html:hunhohe]
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序論
精神賦活性物質としての大麻の使用は常に論争の対象である。国際的な薬物協定は、加盟国に対し、国家の法律の下に、大麻に対して最も厳しい規制を指定することを推奨するが、いくつかの国々は、そのような推奨事項から離れるために付与された自由裁量権を用いた。事実、最適な規制制度の発見は、当初から、専門家、政治家、政府にとっての関心事であった。政府の探求の概観は、大麻が潜在的な危険性を有する物質であると考えられており、その危険性は他の規制物質と比較すると誇張されている可能性がある一方で、刑事罰の代わりに、民事制裁、違反金、強制的な健康評価などのような制裁の代替手段が推奨されていることを示している。ヨーロッパ諸国の法制及び起訴方針は、概してこれらの政府の探求と一致するようであるが、これらの態度は、’大麻に対する寛容な扱い方’が薬物に対する全般的な国際的努力を危険に晒すという理由で、特に国連レベルで表されるいくつかの懸念を招いた。したがって、幾つかの国々における最新の情勢は、制限的な措置を通した大麻に対する新しい配慮の方へバランスを取るようである。
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Chapter 7: Cannabis control in Europe
Danilo Ballotta, Henri Bergeron and Brendan Hughes (2008), A cannabis reader: global issues and local experiences, Monograph series 8, Volume 1, European Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction, Lisbon.
‘First published in English as Cannabis control in Europe by the European Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction, Lisbon, June 2008’
http://www.emcdda.europa.eu/attachements.cfm/att_53377_EN_emcdda-cannabis-mon-vol1-ch7-web.pdf
第7章
ヨーロッパにおける大麻規制
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新コーナーのお知らせです。ヨーロッパ・ドラッグ監視センター(EMCDDA)の、A cannabis reader: global issues and local experiences(大麻便覧.グローバルな課題と地域の経験)抄訳です。
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