スパニッシュ・ガンジャ・ゲリラ、エリオット

マラガ・マウンテン

エリオットは自分のアパートのテラスで育てている21種類ものカナビスをすべて見せてくれた。彼のことはウイードやその栽培者のことをよく知っているジョセ・モリナから紹介してもらった。エリオットは2つあるテラスのすべてについて写真を撮ってもよいと言ってくれた。早速、スペインのカナビス事情を取材に来ていたカナビス・カルチャー・マガジンの記者で写真家のピート・ブラディがもう一つのテラスの写真を撮り始めていた。

彼の育てている種類の名前について、は全部知っているわけではないが、彼の乾燥済みのバッズを撮影させてもらうときに教えてもらうつもりだ。ともあれ、これはクロニックで棒砂糖のような形をしている。

ネブラ。

この名前は分からないが、何という色の美しさ!

これはパープル・ヘイズ。水平に伸びるように剪定してある。見ての通り、葉もバッズもみんな太陽の方を向いている。賢い!

パープル・ヘイズ・バッズ。

パープルの頭。とても不思議なことに、葉のほとんどは黄色に変色しているのにとても元気そうでバッズもべったりしている。

スウパー・シルバー・ヘイズ。

下のテラスを上から見た。

先の水平剪定のパープル・ヘイズを上から見たところ。花のベッドのみたいだ。

上のテラス。昼ちかくなると太陽が陰るので日の当たる場所へ移動してやらなければならない。

センシ・スター。

エリオットのアパートのテラスでたくさん写真を撮った後、スペインの険しい山間にある彼の最初のゲリラ栽培地を訪れた。エリオットはまず私にスニカーを貸してくれた。私はサンダルだったのだ! エリオット、ジョセ、エリオットの友人のパトの最後尾にピート・ブラディと私が続いた。もちろん私の足が遅いわけではない。スペインの栽培者たちがどんなに苦労して秘密のガーデンに通っているのかがわかるような写真を撮影したかったのだ。

ガーデンの場所にたどり着くのは容易ではない。大切な作物を泥棒に発見されて先に刈り取られでもしたら台無しになってしまうからだ。

ひたすら登り続けもうすぐ酸素ボンベが必要な高さになるのではと思っていたら、先の人達が右に曲がったところでエリオットの悔しがる叫び声がした。

彼の巨大なパープル・ヘイズの頭のバッズがもぎ取られていた。残っているのは茎と小さな枝だけだった。それを見たエリオットはショックで愕然としていた。

さらに悪いことにスロープのちょっと先にある2本もやられていた。汚い最低のラドローネスの仕業だといっていた。ラドローネスはスペイン語で泥棒や強盗のことだ。

エイオットは嘆き叫ぶのをやめ気持ちを鎮めようとしていたが、この出来事にただ呆然とするばかりだった。

これは盗まれた植物に残っていた刈り入れを待っていた小さなバッズ。そのために来たのに。何ヶ月もかけてバケツで水をやり世話してきたエリオットとパトのことを思えば、誰だって彼らが落胆し発狂しそうになったのはわかる。人の姿をした虫けらに横取りされた重労働の成果は上質のバッズ3キロにはなる、とため息をついていた。

みんなは残った植物を刈り入れた。持ち帰るために、パトは大きな葉を摘み取ってから枝を新聞紙にくるみはじめた。

ジョセもわたしのハサミを取り上げて刈り取りを始めた。私は再び写真係にもどった。この植物の太い主茎がバッズ泥棒に折られたところが見える。

この袋が3本の巨大植物から刈り取ったすべてだった。山に出発する直前にエリオットの携帯の写真を見せてもらったが、盗まれたパープルヘイズの大きなバッズは巨大な円錐形をしていた。盗んだ奴らはバッズを吸って猛烈に咳き込めばいい。どうせ連中はちゃんと乾燥するまで待てる手合いじゃない。

刈り入れの後、日陰でランチを食べた。エリオットはおいしいサンドイッチと冷たい水を持ってきてくれていた。ジョセも良質のハシシを持っていた。カナビス泥棒にショックが残っていたがどうすることも出来なかった。人生では時に厭なことも吸い込まねばならないことだってある。

・・・・・・

翌日、エリオットはピートと私を別の秘密ガーデンに連れていってくれた。たどり着くのに迷うことはなかった。灌木と藪の中を流れている細いクリークに沿って行けばよかった。ガーデンのすぐ脇のクリークには水が流れているので水分は十分だとエリオットは言っていた。

再びエリオットの叫び声がした。レジェンド・ウルティメイト・インディーカは小枝が一部だけが残されていただけで根こそぎ盗まれていた。エリオットは数日前にすでに他の2本を刈り入済みだった。引きちぎられた小枝があったところはよじ登った場所で植物に付けてあったラベルも見つかった。泥棒はここまで引きずり出して小枝だけを残していったに違いない。それにしても何でこれだけ残していったのか、まったく不可解だ。そうだろ、ワトソン君!

残された植物を立ち上げてみると、大きいがまだ十分に成熟しておらず、消えてしまったレジェンドとは似ていないようだが・・・

エリオットはついてくるように言って細いクリークをさらに下っていった。3本の植物が手つかずのまま残されていたが、刈り入れにはまだ早いようだった。幸い、泥棒は一人だったらしく最初のガーデンを見つけただけで他は探さなかったらしい。

上質。完熟までにはあと2週間はかかりそうだ。

1本はハイファと呼ばれている植物で長くつやのあるバッズを付ける。

この地点にはエリオットが最初に着いたので、当然、彼が最初にこの写真の植物を確認した。私が気がついたのは、彼がこの広いガーデンが泥棒にやられていないことが分かって今度は歓喜の叫び声を上げたからだった。ごつごつした斜面を登って見晴らしの良い丘に上がると、刈り入れどきなのを見定めたエイオットは歯を出してにっこり微笑んだ。

よく選んだ大地でどの植物も巨大に育っていたが、水が不足していたようだ。野外で大規模に育てるときにはいつもこの問題に悩まされる。このガーデンの脇の小さなクリークも干し上がっていた。この地域の夏は40度を超えることもあるのだ。

ゲリラが育てたうちで最も大きく幅のあるこの植物。巨大ユンボルだった。明らかにエリオットの本命。

これはユンボルのバッズ。この植物からは1級のシンセミラが多量にできそうだ。

このガーデンにあったサティバ。長く白いバッズを付けているが、もう少し時間がかかりそう。

同じガーデンのヘイズ。

名前は分からないが、この巨大な植物は本当にずっしりしたバッズを付けている。

私は、エリオットと彼の育てた植物はわれわれすべての人の際だった「賞賛」に価すると思う。ただウイードを育てているだけではなく、私が出会った人のなかでも最もカナビスに献身的な栽培者の一人だ。今回案内してもらった場所以外にもエリオットは友達と3カ所のガーデンでカナビスを育てている。友達が写真は困るというので遠慮したが、その気持ちはよくわかる。私はエリオットと仲間の幸せな収穫を願っている。ただ、他人のカナビスを盗むような輩にだけは怒りを禁じ得ない。自分で栽培しろ!

いい写真を求めて山登りに挑戦したノル・ファン・シャイク。


http://www.hempcity.net/travelreports/mountainsofmalagaseptember2003/index.html