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論告要旨
Iさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-07-28

論告要旨

大麻取締法違反,関税法違反
被告人 ××××

第1 事実関係

 本件公訴事実は,当公判廷で取調べ済みの関係各証拠により,その証明は十分である。

 しかし,被告人は,公訴事実のうち営利目的であった点につき否認し,弁護人もこれに基づき,被告人には営利目的がなかった旨主張しているので,以下検察官の意見を述べる。


1. 関係各証拠によれば,本件大麻樹脂の総重量が495グラム余りと極めて多量であること,被告人の大麻樹脂の1回使用量が多くて0.5グラムであること(乙4号証,被告人公判供述)からすればこの総重量は約1000回以上もの使用量に相当すること,被告人は,本件大麻樹脂約500グラムを日本円で約5万円という低価格で仕入れていること,被告人は,本件大麻樹脂をえんかという密行性が高くかつ自己の身体に対して極めて大きな危険を有する方法で隠匿携帯していたこと,被告人は,本件以前にも大麻樹脂約200グラムを本邦に密輸入した経験があること(乙7号証,被告人公判供述),被告人の身近には大麻を吸引している友人が7,8人もいること(乙7号証,被告人公判供述),被告人は無職であり,安定した収入もないこと(乙1号証,証言)などが認められる。

 これらの事実からすれば,被告人が本件大麻を全て自己使用目的で密輸入したという供述は到底信用できず,営利目的を有していたことは明らかである。


2. 捜査段階における被告人の供述は,任意性及び信用性を有する。

(1)被告人及び弁護人は,検察官面前調書(以下,「検面調書」という。)で被告人が営利目的を認めた供述部分の任意性及び信用性を争っている。

 被告人は,任意性を否定する理由につき,「検察官から営利性を否認したら,反省していない,友人らも徹底的に調べて,家宅捜索等もしてやると言われ,その友人達から自分のせいで捜査が及んだなどと思われて,逆恨みされるのが嫌だったために,検察官の誘導によって営利性を認めさせられた。」旨述べている(被告人公判供述)。

 しかし,検面調書によれば,被告人は大麻を一緒に吸引していた友人らの名前を一切明かしていないのであるから(乙7号証),捜査機関が被告人の友人のもとへ家宅捜索に行けるはずもなく,被告人が名前を明かしていない以上「自分のせいで捜査が及んだなどと思われて,逆恨みされる。」というのも理解できない。

 この点被告人は,「アドレス帳も押収されていたことから,このアドレス帳をもとに友人らが特定されると思った。」とも述べるが(被告人公判供述),被告人は,検察官の取調べの際,ノートについては示されてその内容の説明を求められているのに,アドレス帳については示されたこともなく,また,特定の友人の名前を聞かれたこともないことを自認しているのであるから,自分が友人の名前を明かさない限り,捜査が友人らに及ばないことは当然予測できるはずである。アドレス帳の記載から友人の名前を特定されると思ったという弁解は,被告人が友人の名前についての供述を拒否していたことを追求されたことから,被告人が思いつきで述べたものにほかならない。


(2)また,被告人の検面調書(乙7号証)によれば,被告人がその内容を読んで聞かされた後,訂正を申立てこれに基づき訂正が加えられている。

 そして,同調書には,「私には,日本に7,8人は大麻を一緒に吸ったりする仲間がいます。その人たちの名前については申し訳ありませんが,言いたくないので言いません。」とあり,被告人が言いたくないことについて供述を強要された形跡もない。

 さらに,同調書では,被告人が2003年3月から4月ころにタイに行った時には大麻の密輸入をしていない旨の被告人の言い分が,そのまま記載されている。

 そして,被告人については,平成16年7月22日に乙7号証,翌23日に乙8号証の検面調書がそれぞれ作成されているところ,仮に乙7号証の内容が自己の意に反するものであったならば,翌23日に訂正を申立て,あるいは乙8号証への署名を拒否することも可能であったはずであるのに,このようなことがなされた痕跡もなく,被告人自身もこのことは自認している(被告人公判供述)。

 それだけでなく,乙8号証において,被告人は××の意味について説明しているところ,これは被告人が説明しなければ検察官が分かるものでもないことからすれば,被告人が任意に供述をしていたことは誰の目から見ても明らかである。

 したがって,本件各検面調書の任意性に疑義を差し挟む余地はない。

 そして,被告人は,上記各検面調書で,ノートの記載内容につき極めて具体的に説明しており,その説明内容も文面と整合し自然かつ合理的であること,当初営利性を否認していたのは営利目的であれば罪が重くなると思っていたためであり,認めたのは真に反省したためである旨述べ,供述の変遷理由にも合理性があることなどからすれば,上記各検面調書の内容の信用性は極めて高いものといえる。


3. 当公判廷における被告人の供述は信用性を有しない。  これに対して,被告人の当公判廷における供述は,全く信用できない。

(4)さらに,被告人は,一方で「前回密輸入した約200グラムの大麻樹脂は全て自分で吸いきっており,その際,3,4か月くらいで吸いきってしまったから,今度はもっとたくさんの大麻樹脂を密輸入しようと思った。1年かかるくらい密輸入しようと思った。」などと述べていながら,他方では「自分は大麻に依存していない。毎日日課で吸っていたわけでもなく,1日に20回くらい吸うときもあれば,ずっと吸わない時もある。」などと述べている(被告人公判供述)。

 しかし,被告人の1回の使用量が多くて約0.5グラムであるならば(被告人公判供述),200グラムの大麻樹脂を使い切るには400回以上吸引する必要があるところ,1日2回の頻度で毎日吸い続けても半年以上かかるが,上記3か月間だけ,毎日3回の頻度で吸い続けたというのも不自然で,被告人の上記各供述は整合しない。

(5)また,被告人は定まった収入がなく,その身近には大麻を常用している友人もいたというのに,みすみす金もうけできるチャンスを逃し,友人に分けることもせずに多量の大麻を入手していながら自分だけで全て使い切ろうとしていたというのもまた不自然である。

 被告人は,捜査段階でいったん営利性を認めながら,自分の罪が重くなることに恐怖を感じ,その刑責を少しでも軽減するため,当公判廷において虚偽の弁解をしているにほかならない。


4. 以上から,被告人の当公判廷における供述は全く信用できず,被告人が本件以前に大麻を密輸入し,国内でこれを売却譲渡して金を稼ぐことができたことに味をしめ,再び営利目的で本件犯行を行ったことは明らかである。

 なお,被告人の交際相手である××は,平成13年に被告人のために送金した8万円のうち,自分が負担した約3万円については返済を受けた旨証言をしているが(同証言12頁),仮に同人が真実被告人から現金で返済を受けているとしても,その余の5万円分については不明であるから,直ちに被告人が友人らに大麻を売却していないことの証明にはならない。

 よって,本件公訴事実はいずれも証明十分である。


第2 情状関係

1. 被告人は,平成7年ころから興味本位で大麻に手を出し,以後,1日に1~2回,多い時には1日に20回もの頻度で大麻を常用し続けていたというのであるから,被告人の大麻に対する親和性は顕著であり,その使用に対する依存性,常習性もまた明白である。

2. 被告人は,海外で安価に多量の大麻を仕入れ,これを国内で高額で売り,金を稼ごうとしていたもので,犯行動機に酌量の余地は全くない。

3. 本件大麻樹脂の総重量は,495グラム余りと極めて多量である。

 幸いにして税関職員の尽力により,かかる大麻が通関の際に発見されたことによって,本邦内での密売による流通を未然に防止することができたが,かかる発見がなされていなければ,本邦内で本件大麻が密売されて,その害悪が拡散されていたことは必至であった。

 しかも,被告人は,本件以前に,実際に複数の友人らに密輸入した大麻樹脂を売却譲渡してその害悪を拡散させ,その友人らに再び大麻を売却しようとしていたというのであるから,かかる被告人の刑事責任は重大である。

4. 被告人は,大麻購入用の資金を持って現地に赴き,自ら現地で密売人と交渉するなどして本件大麻を購入し,172包もの大麻樹脂を全て飲み込んで体内に隠匿した上で本邦に持ち込むなど,その犯行は計画的で,実に巧妙であり,態様も極めて悪質である。

5. 本件のような違法薬物の密輸入事案の禁圧は,本邦への違法薬物の供給源を根絶するものであり,違法薬物事犯の撲滅の上で特に重要である。かかる犯罪は密行的に行われるため,その摘発に難があることは,周知の事実であり,この摘発の難を克服し,その禁圧を図るという困難な課題を達成するためには,本件のように,行政当局の努力によってこれを検挙するに至った場合に,一罰百戒の見地から,これを厳重に処罰することが一般予防上要請される。

 また,ことに大麻は近時,若年者の間で気軽に手を出す者が急増しており,大麻を手始めとして麻薬,覚せい剤と,より一層依存性や薬理作用が強力な薬物使用にステップアップしていくことが強く懸念される。よって,我が国の若年者等に大麻を密売して,その害悪を拡散させている密売組織を徹底的に撲滅し,本邦内での大麻事犯の増加を未然に防止するという一般予防の見地からも,被告人には厳罰をもって臨むべきであり,同種密売人に警鐘を鳴らす必要もある。

6. 被告人は,本件以前にも大麻樹脂の密輸入に成功していたというのであるから,被告人がこれに味をしめていたことは明らかで,その薬物規制に対する規範意識が相当低いことも認められる。

 また,被告人は両親とも同居していながら本件犯行に及んでいたのであるから,被告人の両親の監督にも期待できない。

 加えて,被告人は,自己の刑責を少しでも軽減しようと,不自然,不合理な弁解に終始し,到底,真に反省悔悟しているとは認められない。

 定職にも就かず,交友関係にも甚だ問題があるこのような被告人に対して,寛刑をもって臨んだ場合に,被告人が再犯に及ぶは必至である。

7. 被告人の実父が50万円を贖罪寄付しているが,その原資を両親が負担している以上,かかる事情を被告人に有利な事情として過大に斟酌すべきでないことは言うまでもない。

 以上から,被告人に自己の刑事責任の重大さを十分に自覚させ,再犯を防止するためには,被告人を相当長期間の実刑に処し,徹底した矯正教育を施すことが必要である。

 また,それと同時に,この種事犯が主として経済的利得を目的として敢行されるのである以上,その経済的利得を徹底的に収奪して経済的にも十分な制裁を与えて,この種事犯が割りに合わないものであることを痛感させることが不可欠である。

第3 求刑

 以上の諸情状を考慮し,相当法条適用の上,被告人を 懲役6年及び罰金100万円 に処し
 千葉県地方検察庁に保管中の大麻樹脂172塊(平成16年千葉検領2623号符号1ないし18甲5~22)をいずれも没収 するを相当と思料する。

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