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事件・報道検証 > ロシア人力士の大麻疑惑
ロシア人2力士解雇問題:尿検査はドーピングではなく薬物使用犯の容疑者探し
ロシア人力士の大麻疑惑 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2008-09-25

下記の原稿は23日にJANJANに投稿したものですが、採用されていないので、ニュース性があるうちに、当サイトで公開します。

不公正な尿検査で相撲協会を解雇されたロシア人力士2名の代理人・塩谷弁護士が出した再質問状に対する相撲協会からの回答は、24日に同弁護士事務所からファックスで頂きましたが、A4で40枚あり、書き起こすにもスキャンするにも手間がかかるので、ちょっと、、、どうしましょ、、
この尿検査と解雇が不公正である点については、JANJANに採用された下記の記事を参照下さい。

●ロシア人2力士大麻疑惑「吸引じゃない可能性もある」と大西教授
●ロシア人力士の大麻検査と解雇処分には問題が多すぎる
●日本相撲協会の尿検査で新たな問題点が発覚

週刊新潮9月25日号にも、『特集 ロシア人力士は相撲協会の「スケープゴート」か』として、この尿検査についての不公正さを指摘する記事が掲載されています。具体的には、ある日本人力士1名が予めこの「抜き打ち尿検査」を親方から知らされてサボった疑いや、その後もその力士は検査を受けていないこと、当初は陽性反応が疑われた日本人力士がいたこと、その疑わしい日本人力士の検体は精密検査に回されず、廃棄されてしまった事実。また、公衆衛生学者の坂部貢北里大学教授の言葉も紹介されています。

「今回の抜き打ち検査については、検査体制と陽性判定の両面で妥当性を検証する必要があります」
「15ng/mlという基準は、競技の公平性を保つため一定の値を超えた者を選別するドーピング検査には有効な基準ですが、大麻を自分で吸ったか否かの判断基準にはなり得ません。」

記事にはスポーツドーピングに詳しい武藤芳照東京大学大学院教授へのインタビューもあり、武藤教授は次のように言っています。

「相撲協会が、何のルール作りもしていなかったことが問題。ルールがあればこそ陽性反応が出た時に罰することができるのであって、根拠薄弱な現状では本来、ルール違反はないのです。」

この尿検査でロシア人力士2名が大麻を自分で吸ったに間違いないと言う大西教授にもコメントを聞いてみたいものだ。
以下、JANJANに投稿した記事です。



日本相撲協会は、21日に記者会見を開き、ロシア人3力士の解雇に至る経過を説明した。

毎日jp:大相撲大麻疑惑:露出身3力士の解雇「適正な処置」…協会(9月21日20時51分)

この記事は次のように締め括っている。

『露鵬、白露山については、協会としてアンチ・ドーピング規定が作成されていない中で、解雇処分の判断を下していた。』

この記者会見の前日、20日土曜日、私は日本相撲協会に電話して、受付の女性に再発防止検討委員会のご担当の方をお願いし、林氏に大麻騒動のことで話を伺った。

Q.露鵬さんと白露山さんの代理人の塩谷弁護士がそちらに再質問状を提出されていますよね?

A.そのことに関してはまだお答えしてないんです、何も。

Q.18日が回答期限だったそうですけど?

A.何らかの形で発表することになると思いますけれども。今はまだコメントしていません。

Q.今回の尿検査は、スポーツのドーピングとして行ったものでしょうか、それとも職場における薬物検査、ドラッグ・テストとして行ったのでしょうか?

A.ドーピングの検査というのも今後行うんですけれども、あくまでも大麻の検査ですね。

Q.今回の検査のなかには、筋肉増強剤、ステロイドとか・・

A.そういったものは、ドーピングの検査というものに関しても、そういうこともまとめて発表するかと思いますので。

Q.今回の検査には?

A.ステロイドとかはないです。

Q.今回はあくまでも覚せい剤と大麻ということで行ったということですか?

A.そうです。はい。

ロシア人力士2名が解雇された尿検査は、スポーツ・ドーピングとして行われたものではない。あくまでも、違法薬物の使用に関する捜査、取り調べを、相撲協会が独自に行ったものだ。この取り調べは、ドーピングの専門家として大西祥平慶大教授が行っているが、本来立ち会うべきは麻薬取締官か刑事だろう。これは令状なしに行われた相撲協会による自主的な薬物使用犯の容疑者探しなのである。

ドーピングという言葉に踊らされ、主流煙か副流煙かという二択一択問題のような話に終始し、知らずに食ったか飲んだかもしれないのに、故意に大麻を吸引したという証拠もないのに、日本相撲協会はロシア人の若者二人を解雇した。尿検査をやっておきながら、相撲協会は、大麻の陽性反応が出た場合にどう処遇するのか、決めていなかったという。
相撲協会は何を考えていたのだろう。というか、考えていなかったのだという。
プーチンが怒っているかもしれない。

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