当初、KYさんは、大麻取締法の罰則をKYさんに適用するのは違憲であるという「適用違憲」のみを法廷で主張すると言っていました。大麻の作用を熟知し、大麻と「親和」しているKYさんが使っても、本人にも社会にも何の問題もないのだから、そのKYさんに大麻取締法の罰則を適用するのは憲法違反だという主張です。
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テレビ局に大麻を送り付け、大麻を持っているから逮捕しに来いと検察に手紙を書いたKYさんでしたが、それはテレビ局に取り上げられることも、検察に事件化されることもなく、KYさんはインドへと旅立ちました。そして彼の地から、大麻を吸ってはブログ更新を続け、私も「KYさんワールド」を面白く読んでいました。資金が底をついてきたKYさんは帰国し、いくつか仕事を転々としたようですが、やはり敢えて逮捕されて裁判をやる意思は失せておらず、今回の事件に至ったわけです。
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たくさんコメントを頂いていますが、個別にレスせずにすいません。もちろん全てに目を通していますが、この仮設ブログにコメントしてくれる人たちについては、いわば仲間意識を感じているので、つい後回しになっています。
KYさんの事件について書いたJanJanの拙稿コメント欄では、誤解や曲解や難癖や単純な反感も見られ、手短に返信してきましたが、コメント数が1200を超えてもまだ活況?です。でも、前は大麻関連記事を投稿した際、「大麻ダメゼッタイ」論者が多かったのに、今回は擁護派による質の高いコメントもあり、JanJanのようなネットメディアで地道に言論活動を続ける意味を感じています。JanJanは今月で休刊だそうで、KYさんの裁判を継続的にレポートできず残念です。
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ナタへ
前略
元気ですか?
またしてもものすごくご無沙汰をしてしまい、まことに申し訳ない。手紙を書かなければと思いつつ、いろいろあって出所間際になりました。
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松山刑務所に服役しているナタラジャから手紙が届いたので転記します。
ナタが逮捕されてから5年。そうか、あれからもう5年が経つのかと、この間の出来事に思いを巡らせると、感慨深いものがあります。
獄中にあって、自らの魂を磨こうとするナタラジャの生きる姿勢にこそ、むしろ外にいる者が励ましを受けたのではないでしょうか。
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愛媛で服役しているナタから手紙が届きました。「THCの皆様へ」と題する一文も同封されていたので、公開します。
THCの皆様へ
逮捕以来、5年近くの時が経ちました。今、こうして、ふりかえってみますと、あっという間だったような、長かったような、なんだか不思議な感覚です。
でも、こんな生活も、もうあと3か月ほどで終わろうとしております。ここまで、前向きに頑張ってこれたのも、手紙などの目に見える形だけでなくとも、自分のことを想ってくれていた沢山の方々の精神的なサポートがあったおかげだと、とても感謝しております。
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京都刑務所に服役している桂川さんから手紙が届いた。新年早々には仮釈放かと期待していたのだが、満期まで解放されないようだ。全文を公開する。
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KYさん関連の記事リストです。下の一覧から各記事にリンクしています。
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沖縄から松山に移送となったナタから手紙が届いたので、一部割愛して掲載する。
ナタからの手紙を読むたびに、誰にも危害や被害どころか迷惑すらもかけていない、心の優しいこの男が、なぜ長期の服役などしなくてはならないのか、悲しみを覚える。その悲しみは、同時に怒りでもあり、私にとって、この取り組みの原点である。
白坂さん、お手紙・資料の差し入れ、ありがとうございます。沖縄から松山に移送され、検閲をする職員も変わりましたので、どうなるかと少し心配もしておりましたが、3月6日に2通とも手元に届いております。こちらでは沖縄とは違い、資料も手紙として扱ってくれているようで、その分検閲も早かったです。
以前、沖縄から送った手紙に、月に1回程度のペースで手紙を出すと書いたのですが、その後、思いもよらぬ移送があったので、手紙を出せずにいました。本当に申し訳ないです。最近はこの新しい環境にも慣れてきましたので、できれば月1回は手紙を書きたいと思っておりますが、9人部屋というのはなかなか集中するのが難しい環境ですね。あまり期待せずにいてください(笑)。
安曇野はまだ寒いようですが、雪などもまだ残っているのでしょうか。ここ愛媛は3月5日に少し雪が降ったのを最後に、少しずつ暖かくなり、朝はウグイスの鳴き声が聞こえ、部屋から工場に行く途中には所内に植えられている梅や菜の花が咲いているのも見られるようになり、春を感じられるようになってきました。今一番の楽しみは、グラウンドの近くに植えられている桜の開花です。運動でグラウンドに行くたび観察しているのですが、日を追うごとに蕾が膨らみ、昨日(3月27日)、ついに少し咲き始めました。満開になる日をとても楽しみにしています。沖縄にはこのようなはっきりとした季節を感じられるものがなかったので、嬉しいです。
移送されてからこれまでの近況を簡単に書きますと、2月19日に松山での考査訓練が終わり、工場に配役されました。この工場の作業内容はミシンと雑工です。今は配役されたばかりですので、雑工をやっておりますが、近いうちにミシンに移れそうです。雑工では主に100円ショップ(ダイソー)で売る商品の組み立て・袋詰めをしています。ミシンの方の作業内容は、こいのぼりと車のシートの内張りを作っているようです。本当だったらこれまで2年間沖縄で印刷をやってきた経験を活かし、松山でも印刷をやれればよかったのですが、ここには印刷工場はありませんでした。少し残念ではありますが、与えられた仕事をやるしかありませんので、これからはこの工場で頑張ります。
早いもので、沖縄からこちらに移送されてもう2ヶ月が経ちます。工場での仕事や、人間関係などにも、少しずつ慣れ、この新しい環境でも今のところ何とかうまくやっております。まあ沖縄の印刷工場が15名程だったのに対し、今度の工場は60名近くおりますので、まだ話したことのない人も多いですけどね。
沖縄と松山では同じ刑務所とはいえ色々と違う部分も多くあります。近いうちに、早ければ2~3ヵ月後には、ここの生活、塀の中での暮らしがどういうものなのか、ということを皆さんにも詳しく知って頂けるようにと、今、色々と考えております。ですので、今は簡単に書いておきますが、沖縄では、TVはチャンネルは自分で変えることはできず、1日2時間しか見れなかったのが、ここでは自由チャンネルで、時間は夕食後から就寝まで見ることができます。また食事も沖縄より味が良いですし、祝日に出る特食も沖縄ではポッキー、コアラのマーチなどしか出なかったのに対し、シュークリームやおはぎなどが出てとても感動しました。沖縄より悪い部分もありますが、全体的にみると、松山の方が良い部分が多く、今回の移送で少しシャバに近づいたなあと感じております。今度の4月4日を過ぎれば、出所の日までもう2年を切りますし、本当に満期出所の日まであとわずかです。1日1日を無駄にしないよう修業に励みたいと思います。
今回送っていただいた「提言」、読ませて頂きましたが、皆さん目標を実現させるため、色々と具体的に動いておられるのですね。白坂さんが資料を送って下さるおかげで、塀の中にいながら皆さんの頑張っておられる姿を知ることができ、それが受刑生活を送る上での大きな励みとなっております。
また談話室を通して野中さん、被害者さん、フロッガーさんなど、皆さんが送って下さるメッセージはとても嬉しく、とてもありがたいです。自分は一人ではない、多くの味方がいるということを気づかせて頂けます。みなさん、いつも本当にありがとうございます。
どうも9人部屋の雑居というのは集中力のない僕には向きませんねえ。何とか早く独居に移りたいものです。僕が送る手紙、以前、沖縄にいたときに手紙で書いたように、皆さんにも読めるようにしていただければと思っております。そのつもりで、できるだけ毎月手紙を出そうと思いますので、よろしくお願いします。
それでは今回はこの辺で。また来月手紙を出します。皆さんにもよろしくお伝えください。また資料などもよろしくお願いします。それではまた。
3月28日
梵 nataraja
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沖縄で服役しているナタから手紙が届きました。抜粋して紹介します。昨年初夏にこちらから送った手紙が届いていないような印象を受けましたが、年末に送った分は手元に届いたようです。返信を書き、談話室の書き込みなども印刷して同封するので、激励の書き込みなどお願いします。
明けましておめでとうございます。白坂さんはいつも何かとお忙しい日々を送っておられるとは思いますが、年末年始くらいはゆっくりできましたでしょうか。穂高の山中、温泉付きの家で新年を迎えることができるというのは、本当にうらやましいことですね。こちらも年末から急に冷え込み、寒くなってきました。こう寒くなると信州の温泉がとても恋しくなります。ここでの入浴は週に2・3回、時間は15分、その時間内で体を洗い、ヒゲを剃り、とやっていると、湯船につかる時間など2・3分ほどしかありません。出所したらゆっくり温泉につかりたいものですねえ。
(中略)
送っていただいた資料258枚は、ぎりぎり年末年始の連休に入る前に手にすることができました。いつもお忙しい中本当にありがとうございます。
(中略)
密輸の濡れ衣を着せられ、実刑判決を言い渡されてしまった3件の冤罪事件、被害を受けられた方々のことを思うと本当に腹が立ちます。この国の警察・司法は、このままでよいのでしょうか。呆れてものも言えません。裁判官たちは自分の出した「実刑の重さ」が本当に分かっているのでしょうか。人の人生を大きく左右する立場にいるのだから、責任を持ち、もっと慎重にやっていただきたいものです。祐美さんの事件、裁判レポートや趣意書、ご本人からの手紙など、一通り読ませていただきましたが、祐美さんが有罪とされ、実刑判決を受けなければならなかったのか、僕にはまったく理解できません。もっと真剣に、捜査、審理が行われていれば「無実」という真実に辿り着いたのではないでしょうか。それにしても、なによりも腹が立つのは、祐美さんをだまし、利用し、その上お姉さんまでだまし送金させたクソヤロー。こいつは絶対許せない。なんとかこいつを捕まえて、祐美さんの無実を証明したいものです。これから上告審ということですが、何とか少しでも良い方向に進むことを心から祈っています。
(中略)
シャバでも大麻取締法のように理不尽な法律などがありますが、やはり塀の中で生活しておりますと、ここの規則の多さ、そしてその矛盾点や基準の曖昧さ等々、理不尽で納得のできないことが多く感じられます。
(中略)
僕としては、自分が受刑者で、相手が刑務官だから、なんてことは関係なく、一人の人間として、できれば周囲に迷惑をかけたくないという気持ちでいるのですが、納得できないことをそのままにしたくはありませんし、今後、関係職員の方々にも、できるだけご迷惑をおかけしないためにも、いったい何が基準なのかということをはっきりさせるために「面接願い」を出し、職員と話をさせていただいたのですが、結局は僕が「面接願い」という手続きをしたから一応話を聞きにきたという雰囲気で、本気で真剣に対応していただけたわけでもなく、一度不許可と決定されたことはくつがえらないし、もちろん再検討もしない、基準もはっきりせず、曖昧なままです。
(中略)
ここで生活をしている受刑者の多くは、まあそれが本心かどうかは別として、表面上は自分の犯した罪を反省し、1日も早い社会復帰、仮釈放を目指して毎日を送っているのだと思いますが、そういった面で僕は他の受刑者と違いますので、これまでにも再審資料の件等々、様々なことで職員の方々にもご迷惑をかけてきたでしょう。ですので、職員の中には僕のことを「面倒なヤツ」だと思っておられる方もいると思います。でも僕は自分の信念に基づき、純粋に正義の気持ちから行動をしていますし、間違ったことをしていないという自信があります。今はこのようにその行動が認められないことも多いですが、近い将来、法が変わったときに、そんな自分の気持ちやこれまでの行動を理解していただけたら良いなと思っています。
昨年は、ただでさえ自由の少ない受刑生活に加え、本や発信の不許可や工場での作業のこと等々、思い通りにいかないことも多く、ストレスが溜まり精神的にもまいってしまい、ついついかやさんへの手紙にも弱音を書いてしまいましたが、そのことがきっかけとなり、白坂さん、かやさんをはじめ、多くの方が僕のことを気にかけ、応援して下さっているということを改めて知ることができました。本当にありがたいことです。白坂さんもお忙しいので少し時間差はありましたが、皆さんからの温かい励ましのお言葉、お気持ちは塀の中に届きました。年末年始の連休中に、皆さんからのメッセージを読ませていただき、自分は一人ではない、たくさんの方が僕のことを気にかけて下さっている、ということを目の当たりにでき、2008年は心機一転、気持ちよくスタートすることができました。皆さん、本当にありがとうございました。
野中さんとは以前お会いしたことがあったんですねえ。あの時のことは僕もよく覚えています。あの時はあんまりお話をすることができませんでしたが、出所後、再開できる日を楽しみにしております。また昨年はP・Kディックの本を送っていただきありがとうございました。拘置所にいたときに「パーマー・エルドリッチ」を読んでおり、別の作品も読みたいと思っておりましたので、とてもうれしかったです。
被害者さん、素晴らしい短歌を送ってくださりありがとうございました。今は辛いことや思い通りにならないことがあっても、それは自分自身を高めるために必要な修行期間なんだと思い、耐え忍び、満期出所後に、香り良い美しい花を咲かせる事ができるよう頑張ります。
和成さん、呼吸法実践してみました。「空気」を、そして「生きること」を感じましたよ。なんだかとても大切なことを思い出せた気分です。
フロッガーさん、メッセージ本当にとても勇気付けられました。今、自分は、受刑者ということで色々と制約の多い身であり、同じ志を持った皆さんと、同じように動くことはできないかもしれませんが、今、ここからでも何か自分にできることがあるのなら、何でもやる覚悟でおります。同じ目標を目指しがんばりましょう。僕も塀の中から皆さんを応援しています。
バングさん、ご無沙汰しております。桂川さんも僕のことを応援してくださっているということは本当になによりもうれしいことです。きっと多くの方もそう感じているでしょうが、僕にとって桂川さんという存在はとても大きく、本当に尊敬している「心の師」です。バングさんには近いうちに手紙を送ろうと思ってます。
そしてASSAさん、あなたの書き込みが一番嬉しく心に響きました。昨年は手紙もいただき、本当にありがとうございました。こちらからもすぐに返事を出しましたが届いておりますでしょうか。何もないのであればそれで良いのですが、その後、連絡がないので、少し心配しております。
逮捕から約3年が経ち、満期の日まで残すところあと2年3カ月となりました。出所し、皆さんにお会いしたとき、「5年の修行の成果があった」と思ってもらえるよう、これからも日々精進していきたいと思っています。本当に皆さんありがとうございました。
また、満期出所しても、その時もまだこの国に今のような形で大麻取締法が存在していれば、それは僕にとって「自由になる」ということではありません。「大麻取締法」という「塀」に囲まれているのですから・・・。
2008年が大麻を愛する全ての人にとって良い年となりますことを、そしてこの国が、真に平和で自由な社会に、少しでも近づける年となりますことを、心より祈っております。
1月7日
梵 nataraja
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