「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの記述について、出典を調べて連絡をくれることになっている厚生労働省医薬食品局監視指導麻薬対策課の秋篠氏に電話をし、どうなっているのか訊いた。
具体的な出典については、調べてもらっているが、まだ分らないという。
ホントに調べてる?
まだ分らないので連絡しなかったそうだ。忘れていたわけではないらしい。
出典も分らないような情報の掲載を止め、新しい知見に基づく情報に更新したほうが良いと思うが、厚生労働省としては現在の情報を「信じている」そうだ。
だから、そう信じている根拠となる出典を示してくれよとお願いしているのだが、それはまだ分らないというのだから、わけがわからない。
麻薬・覚せい剤乱用防止センターの「大麻について/大麻の症状」というページに、次のように書かれている。
大麻には独特の甘いような臭いが、相当長時間衣類などに付着して臭います。(甘い香りと言われますが、むしろ蓬を燃やした時のような一種刺激的な強い臭いで、「クサイ」と感じる)従って、乱用者達は、この特徴的な臭いを消すために、ファンを回したり、お香を焚いたりします。
この箇所は、ネタ本の「薬物乱用防止教育指導者読本」(32ページ)では次のようになっている。
大麻には独特の甘いような臭いが、相当長時間衣類などに付着して臭います。(訳注:「甘い香り」とありますが、訳者の経験では、むしろ蓬を燃やした時のような一種刺激的な強い臭いで、「クサイ」と感じました)。従って、乱用者達は、この特徴的な臭いを消すために、ファンを回したり、お香を焚いたりします。
この話、知人の盲の鍼灸師に話したところ、激怒した。
ご存知の方も多いだろうが、蓬は鍼灸治療に使う艾(もぐさ)の原料だ。ツボに刺さった針に艾を乗せて燻すと、体の奥までジ~ンとほぐれるように熱が伝わる。その香りを好もしく感じる人も多いだろう。
それをこともあろうに厚生労働省が、クサイとはなんだ、クサイとは。
これは重大な差別表現ではないだろうか。
私は秋篠さんにこの話を伝え、訳注の( )内の記述を削除するよう求めた。
秋篠氏もこの表現には違和感を感じるという。但しそれは差別表現という意味での違和感ではなく、「読本」では明らかに訳者の感想でしかないものが、ホームページでは公式見解のような記述になってしまっていることへの違和感だそうだ。
この差別的な表現をどうするのか。
15日に回答を頂くことになった。
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大麻を所持しているだけで死刑や無期懲役になる国がある、と、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのウェブサイトに書いてある。
実際にどこの国が死刑で、どこの国が無期懲役なのか、海外に出る日本人にとって重要な情報なので、具体的な国名を教えて欲しいと、6月にお願いしたままになっていた。
夏休みも終わったのに回答がないので電話してみた。
糸井専務理事とお話したが、伝わっていなかったのか何なのか、調べて頂いてなかった。
調べてくれるように再度伝えると、
「そちらの活動趣旨と私どもの趣旨が違うようなのですけれども、こちらの趣旨を充分ご理解頂いているでしょうか?そちらさまはどのような趣旨で活動されてるんでしょうか?」
とのこと。私は大麻取締法被害者センターの趣旨を説明した。
私たちは決して薬物乱用防止教育そのものに反対しているのではないこと。
大麻を青少年に広めようとか、社会に拡散しようと思っているのではないこと。
個人で使う少量の大麻の所持で、罰金刑もなく、いきなり逮捕までする先進国は日本だけであり、規制を緩和してほしいこと。
薬物乱用防止教育は各薬物の事実に基づいて行われるべきこと。
それにも拘らず、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに書かれている大麻の記述は根拠も示せないものであり、内容も誤りだらけであること。
従って、その記述を改めて頂きたいこと。
糸井専務理事は、
「こちらの趣旨を充分ご理解頂いているということでしたら、調べてみることはできるんですけれども」
と言う。もっちろん、充分理解しているつもりです。
でも、そちらの趣旨を理解していないと問い合わせに応じないというのであれば、とてもオカシナことだと思います。
再度、期限を設けて、2点調べて頂くことになった。
1.大麻はクワ科ですか?
2.大麻を所持しているだけで死刑や無期懲役の国はどこですか?
9月11日の午後に回答を頂くことになった。それまでに調べられなかった場合は、その時点までに分ったことを教えて頂くことになった。
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職質で所持品検査をされ、大麻所持で友人が逮捕されたという相談が以前あった。
逮捕された若者の両親はパニックに陥ったそうだ。
弁護士を紹介してほしいとのことだったので、その地域で思い当たる二人の弁護士の名前を伝えた。
すぐにそのうちの一人を選任したそうだ。
しばらくして、不起訴で済んだというメールが届いた。
大麻所持の現行犯で逮捕されて、勾留され、不起訴で済んだなんて、弁護士の腕がいいのか、どういうことか、再度事情を聞くと、所持していたのは0.7gのリーフだったそうだ。
0.7gのリーフ。リーフで0.7gというと、見た目はどのくらいの量になるのだろう。
大麻樹脂0.7gだったら不起訴で済んだだろうか。その程度で逮捕された者もいる。
裁判レポートのNさんは0.4gのチャラスで有罪判決を受けている。
リーフ0.7gでは大麻の反応が正式には取れず、起訴を断念したのだろうか。
さすがにこんなことを犯罪として法廷に掛けては忙しい裁判官に申し訳ないと自制したか。
0.7gのリーフ。何のために持ち歩いていたのだろう。
バッズを吸った残りだったのだろうか。
銘柄は何だったのだろうか。
それにしても、0.7gのリーフを持っていただけで逮捕するニッポンの現実。
警察力の無駄遣いもいいところだ。
そんなもの押収したところで吸えないだろうに。
不起訴で済んだとはいえ、逮捕された若者や両親の精神には深いトラウマが残ると思う。
いったい、こんな厳罰規制に何の意味があるだろう。
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麻枝さんのブログで紹介して頂いた通り、当方に相談してくる人は「藁をも縋る思い」のことが多い。
昨夜メールをくれたユウコさん(仮名)もそうだった。
------------------------------------------------------
From: "ユウコ" <*******@hotmail.co.jp>
To: thcjapan@yahoo.co.jp
Subject: 突然のご相談で申し訳ありません
Date: Mon, 28 Aug 2006 20:42:37 +0900
交際中の彼が、先週、麻薬密輸の容疑で逮捕され、現在拘留中です。
私の自宅も家宅捜索され、パイプ等押収されました。
私も明日、事情聴取のため出頭しなければなりません。
とても不安で、少しでもお話を聞いていただければとメ-ルをさせていただきました。
本当にずうずうしいお願いですが、できましたらご返答よろしくお願いします。
ちなみに明日は、10時から1日かけて事情聴取とのことです。
私もそのまま逮捕という事になるのでしょうか・・・。
どうかよろしくお願いします。
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メールサーバーに20時42分の受信だったが、私がこのメールに気が付いたのは日付を越えた午前3時過ぎだった。10時からの事情聴取で、自分も逮捕されるかもしれないという心配のようだ。
返信した。
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Tue, 29 Aug 2006 03:46:48 +0900 (JST)
From: "THC" <thcjapan@yahoo.co.jp>
Subject: Re: 突然のご相談で申し訳ありません
To: "ユウコ" <******55@hotmail.co.jp>
ユウコさん
メール拝見しました。
10時から事情聴取とのこと、時間がありませんね。
今日はこのまま起きていますから、いつでも携帯に電話を下さい。
090-1047-****
詳しいことは電話で。
------------------------------------------------------
ユウコさんから電話があったのは午前6時過ぎだった。眠れぬ夜、私のメールに気がつきながら、せめて朝6時までは電話を控えたらしい。声は最初からテンションが高かった。無理もない。あと数時間後に逮捕されるかもしれないと心配しているのだ。
担当の刑事は、午前10時から、昼休みを挟んで、一日かけて事情聴取をすると言ったそうだ。現時点では、帰宅させるつもりだということだろう。
家宅捜索でパイプを押収されたらしいが、パイプに残っていた微量の大麻で逮捕された例も以前にあった。だから、パイプに残っていたものから大麻反応が出れば、逮捕されるかもしれない。でも、押収されたのは先月のことで、既に1ケ月以上が過ぎているという。鑑識の結果もそう長くはかからないだろうから、大麻反応が出て、当局が逮捕するつもりなら、彼と同時に逮捕されてもおかしくない。
いろいろと事情を聞いて、思うまま答えた。
30分くらい話したろうか。ずいぶん落ち着いたようだった。逮捕されることはないだろう、下手に嘘をつかず、ありのまま話したほうがいい、大丈夫、必ず帰ってこれる。そう励ました。
「元気が出てきました。気持が楽になりました。朝早くから申し訳ありませんでした。ありがとうございました。」
礼儀正しく彼女は言って、事情聴取が終わったら電話をもらうことにして、モーニングコールを切った。
午前10時を過ぎ、事情聴取が始まった頃かな、と思いつつ、大事な話をし忘れたことに気が付いた。
午後5時過ぎ。ユウコさんから、解放感に満ちた声で電話があった。ほっとした。事情聴取はほぼ予想したような内容で、嘘の供述をすることもなく、対応できたようだ。きつくお灸を据えられたようで、緊張のあまり「吐きそうだった」そうだが、彼女が逮捕される心配は消えた。ただ、当局によると、まだ他に聞きたい点もあり、来週中にもう一度事情聴取があるとのこと。
ユウコさんの声は疲れ果てていたが、心から安堵した溶けるような声だった。
「本当にありがとうございました。夕べは不安で全然眠れなかったんですけど、今日は安心して眠れます。」
俺が逮捕を見逃してやったわけではないのだけど。
胸一杯の不安が解消して、気持が晴れたばかりの、新鮮な空気を呼吸している人に立ち会うのは、こちらまで嬉しい。人はそのような機会を生涯にどれほど持てるだろうか。心から安堵して戻った笑顔。マクドナルドの注文カウンターでは絶対に出会えない。
あとは、彼女と一緒の旅行中、法に触れるモノであることを知らず、ボリビアからコカ茶の葉を日本に送ってしまい、土産の人形のオマケとしても同じモノを持ち帰り、税関で逮捕されてしまったドジな彼氏の救助をどう進めるか。それが課題だ。ただ、彼も本当に何も知らずにやってしまったことなので、事情を知った当局も、そう手荒なことはしない意向のようだ。 もっとも、彼は既に彼女と一緒に帰国した際に逮捕されたのだから、充分に手荒な扱いを受けているとも言えるが。
彼女は無事に調べを終えて電話をくれた。
しかし、もし、事情聴取を受け、そのまま逮捕された場合にどうするか。
朝の電話で、私はそれを彼女に伝え忘れた。逮捕されることはないだろうと思い、話を落としてしまった。
夕方、彼女から電話をもらうまでは、肝心なことを伝え忘れたドジが頭に居座り、ひょっとして万が一、実は私もドキドキしていた。
今日はうまいビールが飲めるね、と言うと、
「彼が帰ってくるまではガマンします。」
とのこと。
THCとしては、とてもそこまでは付き合えない。
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大麻草:環境にやさしい植物資源(その2止)
殻取ったナッツで、豆腐やコロッケ
前田耕一さん
麻の実を使った豆腐、コロッケ、マリネなど6種類のコース料理。化粧品付きで1800円=「麻」で
▲▼油は化粧品
ゴマよりやや大きめの麻の実は七味唐辛子の一味として知られている程度だが、実は意外にいろいろな料理に使える。
麻の実を使ったカレーやパンなどを扱う店が少しずつ出てきたが、早い時期から注目してきたのが麻の実料理の専門レストラン「麻」=東京都世田谷区北沢2、本社電話03・5738・1423=だ。8年前に開店し、創業者の前田耕一社長は麻の実の粉末や油、化粧品なども開発した。前田さんは、当初は雑穀の一つとしての興味に過ぎなかったが、料理を作って、出すうちに栄養価が高いことも分かり、レパートリーを広げていった。
前田さんは「殻つきのままでいっても食べられるが、料理で一番使いやすいのは、殻を取ったナッツだ」と体験から話す。麻のナッツは白いゴマのような形で、味はクルミに似ている。ナッツを使った豆腐やコロッケは店のメニューでも好評だ。ごはんやサラダにふりかけたり、パンやケーキに混ぜて焼いてもよい。油はマヨネーズやドレッシングにも使える。
実を搾った油は化粧品にもなる。無色透明で使用感はサラッとしている。皮膚への浸透力と保湿力にすぐれているのが特色だという。
「麻」で扱う麻の実は中国の生産者と契約栽培したオーガニックの麻。前田さんは「栽培規制があって難しいが、三宅島や伊豆大島などで栽培すれば、町おこしになるはずだ」と普及に期待する。
▲▼ビールや車の燃料にも
麻の実を使った地ビールもある。新潟麦酒(新潟市、電話0256・70・2200)が作ったのが「麻物語」(税込みで1本294円)。2次発酵の段階で麻の実を加え、ビール瓶の中で発酵させる独特の製法で作る。フルーティーな味やまろやかさが特徴だ。
ナタネやヒマワリの種子の油がディーゼル車の燃料になるように、麻の実の油も燃料になる。軽油に比べて、硫黄酸化物の発生量が少ないなど利点は大きい。しかも、麻の場合、茎をアルコール発酵させれば、エタノールというバイオ燃料もできる。米国やブラジルではトウモロコシやサトウキビを発酵させてできたエタノールをガソリンに混ぜて走る車が増えている。
麻のビールを開発した宇佐美健・新潟麦酒社長は4年前、麻のヘンプオイルを燃料にしてキャンピングカー(ディーゼル車)で日本を一周する先駆的な試みに取り組んだ。宇佐美さんは「世界的には植物由来のバイオ燃料が見直されている。いずれ麻も仲間入りするのでは」と予測する。
◇不足しがちなミネラル豊富
麻の実はたんぱく質に富むだけでなく、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどミネラルも豊富だ。どれも現代人に不足しがちなミネラルだ。
心臓患など生活習慣病の予防になるα(アルファ)-リノレン酸も多く含まれる。α-リノレン酸は人の体内で健康効果の高い油として知られるDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わる。現代人はナタネ油や紅花油などに多いリノール酸の取り過ぎが指摘されているが、麻の実の油はリノール酸とα-リノレン酸の比率が3対1とバランスがよい。
毎日新聞 2006年8月30日 東京朝刊
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大麻草:環境にやさしい植物資源(その1)
◇見直される 環境にやさしい 大麻草
環境にやさしい植物資源として、大麻草(英語名・ヘンプ)が見直されている。戦前までは縄やひも、衣服などに利用されていたが、戦後、化学繊維の普及で廃れた。しかし、ここ数年、麻の実の料理、衣類、化粧品、車の燃料、住宅建材など多くの用途に使われるようになってきた。環境教育の教材としても活躍している。【小島正美】
▲▼用途いろいろ
大麻草の国内最大の産地は栃木県。現在、鹿沼地方の24農家が全国の収穫量の9割以上を作っている。栽培には都道府県知事の許可が必要で、赤羽根正美さん(73)=栃木県鹿沼市=は親の代から栽培している一人だ。大麻草は春に種をまくと、8月の収穫期には3メートルにも伸びる。刈り取った麻はいったん熱湯に浸した後、3日間ほど干す。さらに発酵させて、皮をはぎ取り、この皮を薄い繊維にして出荷する。赤羽根さんによると、かつて、助産師はへその緒を切るときに麻糸を使い、麻の肌着を赤ちゃんに着せたという。
マリフアナなどの原料になるため、大麻取締法で栽培が規制されたうえ、化学繊維の普及もあって、戦後は栽培農家が激減。約20年前、栃木県農業試験場が幻覚成分をほとんど含まない新品種「とちぎしろ」を開発、生き残った。国産の麻は主に神社の鈴縄、弓の弦、力士の化粧回しなど日本の文化や伝統行事に使われているが、赤羽根さんは「後継者がいない。途切れてしまうのが心配」と話す。
麻はやせた土地でも3~4カ月で成長し、害虫にも強いことから、植物資源として見直す動きが世界的に出てきた。麻の魅力を満載した「ヘンプ読本」(築地書館)を著した赤星栄志さん(東京都)によると、麻の実は食料や化粧品、オイルは車の燃料、茎や葉は壁や床の材料、車の内装材、家畜の飼料、紙や医薬品の原料など数多くの分野で使われているという。
赤星さんは「石油はいずれ枯渇する。麻なら日本のどこでも栽培できる。市民がもっと簡単に栽培できるよう行政が知恵を絞るべきだ」と話す。
ヘンプでできたジャケットやシャツなど。夏に着るとさわやかだ=川崎市宮前区土橋のうさとジャパン直営店で、小島正美写す
▲▼肌に合う素材
一般に麻の服やシーツとして流通しているのは、亜麻(あま)(リネンともいう)や苧麻(ちょま)(ラミー)のことで、大麻ではない。
欧米で活躍した服飾デザイナーのさとううさぶろうさん(タイ在住)はヘンプにこだわった衣類を作り続けている。人の肌に合った本物の素材を世界中に求めた結果、タイのヘンプにたどりついた。さとうさんの指導で、現在、村の人たちは草木染の麻で手織り衣類を作っている。
さとうさんの手がけた衣類などを輸入・販売する「うさとジャパン」(京都市、電話075・213・4517)はワンピースやジャケット、Tシャツなどを扱う。値段は、亜麻を使った製品に比べても約8000~2万円とけっして高くない。中村宜睦・代表取締役は「ヘンプは肌に抵抗感がなく、自然なやさしさが感じられる」と川崎市の直営店や全国約250カ所で展示販売を行っている。
▲▼教材でも活用
城下町として知られる愛知県犬山市では、環境緑化研究会を主宰する岡村智恵さん(46)が中心になって、小学4~6年生を対象に麻のワークショップを始めた。麻の糸を使ったアクセサリーの制作、麻の実を使った料理、麻の紙すきなどさまざまな活用法を学ぶ。
岡村さんは「麻は外来種のケナフと違い、在来の植物。持続可能な資源として、日本のエネルギー問題を考える上でもよい教材になる」と話す。麻のワークショップに助成金を出す石田芳弘市長は「伝統的な木曽川の鵜(う)飼いの鵜匠も麻の装束で身を包む。犬山から麻の情報を発信していきたい」と麻の見直しに意欲的だ。
■ ■ ■
ヘンプに関する問い合わせは「ヘンプ製品普及協会」(電話03・3681・6861)。
毎日新聞 2006年8月30日 東京朝刊
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世界を旅して、ボリビアの市場でコカ茶を買って、飲みきれなかったコカ茶を他の荷物と一緒にまとめ、日本に送った若者がいました。
荷物は税関で引っ掛かり、送り主不在の自宅に家宅捜索が入りました。
旅の途上でそれを知った若者は、旅を中断し、帰国しました。
入国手続きでそのまま別室へ連れていかれ、麻薬の密輸容疑で逮捕されました。既に逮捕状が出ていたのかもしれません。
帰国した彼は、ボリビアで買った土産の人形を持っていました。そして、その人形のオマケに、コカ茶の入った小袋が付いていました。これも禁制品でした。
コカ茶。ボリビアやペルーなどでは一般的に、日常的に飲まれている飲料だそうです。
何も知らずに日本に送ったりすると大変なことになります。麻薬密輸で逮捕です。
若者がこのあとどのような処遇を受けることになるのか分りませんが、そちら方面へお出かけの方、ご注意下さい。
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麻枝さんのブログで思いもよらず高く評価して頂き、連続して取り上げて頂き、カンパまで呼びかけて頂き、驚きつつ、恐縮しています。ありがとうございます。何かあったのでしょうか。分りません。こちらはナニもありません。
せっかくの機会なので、ご協力のお願いを書き留めておくことにしました。
カンパのお願いのページを設けましたので、遠慮なく、思う存分、何度でもご利用下さい。
大麻取締法被害者センターとしては、引き続き相談対応を続けながら、具体的な変化につながる取り組みをしたいと考えています。
相談対応は、深刻なものも少なくありません。大麻取締法が厳し過ぎるばかりに。
当面の目標としては、大麻取締法を管掌する厚生労働省に、大麻についての認識を改めてもらうことが大切だと考えています。
司法は、最高裁判所までが、20年も前の判例を持ち出して、被告弁護側の度重なる論証にも拘らず、実質的な審理を一切せず、大麻の有害性を是認している状況です。
我が国で、大麻について公式の情報を出しているのは、大麻取締法を管掌する厚生労働省であり、その委託を受けて運営されている財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターです。
ここが、まったく現在の科学的知見を無視した大麻情報を出している。
10年以上前の、米国から取り寄せた薬物標本の説明書、しかも原本はなくなっちゃた一冊のみを根拠に情報発信しているのです。出典不明のデータを使い、ありもしない大麻の害を国民に流布し、偏見を植え付け続けています。
大麻の事実を知らせるパンフを街頭で配ったり、ネットで大麻の良さをアピールすることなども、もちろん大きな意味があるでしょう。で、根本的には、クサイ臭いは元から断たなきゃダメだということではないでしょうか。
クサイ臭いの元を断つこと、厚労省やダメセンターに大麻の認識を改めてもらうことは、最高裁に判断を改めてもらうための根拠にもなります。
1.クサイ臭いを元からどう断つか。
2.クサイ臭いを元から断ったあと司法にどう伝えるか。
いろいろな方法論があるだろうと思います。
そんなことできっこない、という声も聞きます。
やってみたことがあるのでしょうか。
他の先進国にできて、日本にできないはずがありません。
大麻を自由に栽培したり、研究したりできるようになってこそ、麻の花は鰤鰤と、日本の文化に咲くでしょう。
麻の復権は岩戸開きだと思います。
現状を変えたいと思う者が何もしなければ、何も変わらないでしょう。
現状を変えることができるのは、現状を変えたいと思う者たちだけではないでしょうか。
ダメセンターの記述を検証するサイトを作りました。
各記述についての反証データなど、引用元を明記のうえ、ぜひコメントをお願いします。
■検証「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
http://www.asayake.jp/dame/
また、海外の大麻情報を国別に見れたら便利だと思い、海外情報室を作りました。海外での体験談、見聞、法律情報など、お寄せ下さい。
■海外情報室
http://www14.atwiki.jp/thc/pages/1.html
上記2サイトへの情報提供、よろしくお願いします。
コメントや記事が充実してきたら次のステップに踏み出せるだろうと思っています。
情報の整理を手伝ってくれる人や、意見、アイディアも募集中です。
一緒に取り組んでくれる人、ご連絡をお待ちしています。
「頑張って下さい、陰ながら応援しています」という声援をよく頂きます。
具体的に現実に向き合うには、お金も時間も労力も、汗も涙も必要です。
現状を変えたいと思うあなた。
THCにシンパシーを感じてくれているあなた。
あなたにできるご協力を、よろしくお願いします。
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麻枝さんがブログで大麻取締法被害者センターを紹介して下さいました。
嬉しいので談話室にも書きましたが、表紙にも。
■「マリファナ青春旅行」麻枝光一的大麻生活
→2006年08月21日/大麻取締法被害者センター
→2006年08月22日/救援活動
一部引用させて頂くと。
桂川さんが逮捕されたときも、わざわざ東京の僕のところにやってきて、2人でいろいろ対策を練った。桂川さん関連で、事件当事者の僕に事情を聞きにきたのは結局彼だけだった。支援を口にしているグループもいることはいたが、事実関係などどうでもよくて、自分たちに捜査の手が伸びないか必死だったように僕には思える。僕が桂川さんの証人に立とうとしたとき邪魔をした者もいたし、「医療大麻裁判」と位置づけた僕の裁判に、的外れな非難中傷を浴びせたものもいる。
そんななかで、大麻を愛し、被害者のことを真剣に考えている彼の活動は、小さいながらも非常に価値の高いものだと思う。
ありがとうございます。
大麻堂の立ち上げから、医療、食糧、産業と、ダイナミックな展開を実行される圧倒的なバイタリティには、ただただ脱帽です。
中国の有機大麻農場、その他ブログに書かれているような進行中の企画、今後のご活躍を益々楽しみにしています。
麻枝さんのブログ、知識として役立つ情報だけでなく、読み物としてもとても面白いです。まだの方にはオススメします。で、ブログランキングをポチっとな。
当方へのカンパまで呼びかけて頂いたので、クリックくらい100回でも200回でもします。(^^y-~
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Mon, 24 Jul 2006 02:06:33 +0900 (JST)
お久し振りです。メール拝見しました。
丁寧な報告、ありがとうございました。
大変にお疲れのことと思います。執行猶予も終えていたのに微量の大麻で実刑とのこと、いったいこの国の司法はどこまで腐っているのでしょうか。裁判官は気が狂っているとしか思えません。
殺人事件を事故として処理してしまうほど日本の警察力は劣化しているのに、誰にも迷惑のかからない大麻の微量所持などを構っている場合ではないのに。
保釈が通ったのは不幸中の幸いですね。控訴審となればまた弁護費用も必要でしょうし、ご主人も仕事に就けないでしょうし、あなたの心労も終わりませんね。
どうぞご家族で力を合わせてこの災難を乗り越えて下さい。
検事が電話で保釈を認めたというのも、検事としても実刑判決が出るとは思っていなかったのかもしれませんね。裁判官が糞野郎だったのでしょう。
控訴審、10月だと少し先ですね。落ち着かない毎日になるかもしれないけど、ご家族で過ごす時間を大切になさって下さい。
また状況を教えて下さいね。
こころの底から大山さんご家族にエールを送ります。
前向きに頑張りましょう。
それではまた。
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談話室(THC掲示板)やメールで、「尿検査があるけど大麻の反応が出るだろうか」、という不安げな問いが時々ある。
出るかもよ~
メルクマニュアルの大麻の項には次のように書かれている、と答えることにしている。
マリファナを吸うと、ごくたまに軽く吸うだけの人でも、尿検査の結果は数日から数週間にわたって陽性になります。常用者では、マリファナが体の脂肪から徐々に放出されるため、数週間以上にわたって検査結果は陽性になります。
私が他人の小便に関して責任を持って回答できるのはここまでである。
あんたの小便に大麻が出るか糖が出るか、俺に聞かれたって分るわけがないだろ?ご健康とご幸運を祈る。
会社の定期健康診断で尿検査があっても、一部の職種を除いては薬物検査はしないだろう。
検査項目が増えれば、その分の費用が発生し、企業はそれを負担しなければならない。
尿検査で何の数値を調べるのかは予め分るだろうし、勝手に薬物検査などしていたら、それこそ問題だ。
但し、一部の職種では、尿検査で薬物反応も調べるらしい。
数年前に聞いた話だが、警備会社の入社時健康診断で尿検査があり、配られた検査項目一覧に、覚せい剤や大麻も入っていたとのこと。その話をしてくれた若者は前日の晩にもブリブリしたそうで、ヤバイと思った彼は知り合ったばかりの同期入社の男に紙コップ半分の小便を分けてもらったそうだ。せっかく親切な同僚に恵まれたのに、その若者はすぐにその警備会社を辞めてしまった。彼は、健康診断は毎年あることに気付いたのだ。
任意の事情聴取で尿を取られたという話もよく聞く。そもそも、職質は任意であり、所持品検査などに応じる法的義務はないのだが。
警察が尿検査で調べるのは主として覚せい剤の反応を見るためらしい。
私も逮捕された当日に小便を取られた。担当は、「覚せい剤だよ、念の為な」と言った。大麻とアルコール以外の薬物が出る心配はなかった。驚いたのは、その小便を捨てるのにさえ、容疑者の同意がいるのだった。
小便を取られたあと、引き続き逮捕直後の取り調べが続いたが、担当のマトリが男からユ●コちゃんに代わり、ユ●コちゃんは私に紙を見せ、記入と署名を求めた。その紙の書式名は忘れたが、小便の所有権を放棄するためのものだった。小便を捨てるのにさえ容疑者の同意が必要だとは、なんか、とても、法律に守られてるような気がした近畿麻薬取調室の夜。ユ●コちゃんと二人きりの密室で、監視カメラに覗き見されながら、私は尋ねた。
「これ、俺が署名しなかったら、裁判終わるまで小便を保管しておいて、返してくれるの?」
意表を突く私の問いかけにユ●コちゃんは言葉を詰まらせた。私のなかの良からぬものが、
「署名、どうしようかな。でも、小便、冷蔵庫にでも入れておかないと腐っちゃうね。事務所の冷蔵庫にでもしまっとく?」
ユ●コちゃんは何も答えてはくれなかった。
どうしたんだい?ボクのことがキライになったのかい?
残念だけど、今夜は一緒にいてあげられないんだ。
檻で寝なきゃだし。
一緒に来るかい?
ま、こんなことで粘っても。
夜も遅いし。
私は、言われた通り、「いりません」と書いて署名し、指印を押したのだった。
同じ事件の流れで私より少し遅く捕まった友人は、尿検査に応じなかったそうだ。酒を呑まない彼は大麻しか出るものもなかったが、大麻で逮捕することへの抗議の意思を示すため、断固拒否したという。
私には、尿検査を拒否するという発想すらなかった。考えたのは、返してもらうかどうかだけだった。
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Sun, 23 Jul 2006 18:20:44 +0900
大変ご無沙汰をしております。大山恵子です。以前主人の逮捕の件でご相談に乗っていただき、本当にありがとうございました。
その後の経過をご報告させていただければと思い、メールをさせていただきました。
3月末に逮捕、4月末に主人が保釈となり、その後2回の公判を経て先日判決が出ました。
検察の求刑1年に対して判決は実刑8ヶ月でした…。
裁判では私も証言し、1歳半になる娘がいること、家庭ではよき夫・よき父であること、生活費は完全に主人の収入に頼っているので主人が懲役になると私たち家族が路頭に迷う、なんとか家族の下で罪を償って欲しい…という旨の話をし、●●先生も情状酌量でなんとか執行猶予がつくようにとご尽力いただいたのですが、結果は実刑でした。前科があるとはいえ所持していた量が少ないこともあったので(起訴状では1.385グラムでした)●●先生を初め主人も私も「執行猶予がつくだろう」と思っていたので、予想外の判決でした。
判決理由としては前科の執行猶予が切れてから間もないこと(といっても1年3ヶ月前に切れているのですが。主人の勘違いで昨年末まで執行猶予だと聞いていたのですが、実際は1年3ヶ月前でした)がやはり大きかったようです。
私は娘を連れて行っていたので法廷の外で待っていたのですが、判決言い渡しが終わり中に入ったときには主人はすでに警察(?)に連れて行かれるところでした。
娘もいたのでその場で手錠をかけることはありませんでした。まさか…とは思っていたものの、実際主人が懲役になり娘と二人どうやって生活していけばいいのか…と途方にくれましたが、その後●●先生が同日中に保釈申請をしてくださり奇跡的に夕方保釈になりました。
担当の書記官の方が保釈担当の裁判官に無理を言ってくれてすぐ後に弁護士面接をしてくださり、保釈に関する検事の意見書も電話での返答でOKとしてくださったおかげで、主人が連行されてから4時間後に保釈となりました。保釈金は前回の200万を流用+20万円(公判に来てくださった主人の同僚の方々から借りました)判決がでた同日中に保釈が出来たケースは、●●先生の長い弁護生活の中でも2回目だとおっしゃっていました。主人もこのまま小菅に連れて行かれ、そのまま懲役だろう…と覚悟していたようで保釈が通り出てきた時には大変驚いていました。とにもかくにもまた主人が家族と共にいれるようになり良かったと思います。
保釈に関しては●●先生に大変ご尽力をいただいたのはもちろん、担当の書記官の方のおかげだと思っています。書記官の方は女性でしたが、連行される前に主人が娘を抱きしめ、離れがたい…としていたのを見ていたようでしたのでそのせいもあるのかな…?などと思っています。判決後も私と娘から主人をすぐに引き離すことはなく、しばらくは話をさせてくれました。その点はありがたかったと思っています。
ただ、●●先生にも「執行猶予がつくでしょう」と言われていたので万が一とは思っていたものの実刑判決には驚きでした。確かに前科があり2度目の犯罪とはいえ、1.385gの所持で実刑判決です。本人は刑務所で罪を償えばいいのかもしれませんが、残された私と娘はどうやって生きていけばいいのでしょうか?結局主人を選んだ私の責任だから、生活に困窮しようが自己責任だということなのでしょう…?
今後は控訴をし高裁にて争うこととなると思います。手続きなどの関係で裁判は10月くらいになるようです。
ご迷惑でなければまた経過などご報告させていただきます。取り留めのない文章で申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。
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(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターの「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに「大麻について」というページがある。
そこには次のように書かれている。
大麻には独特の甘いような臭いが、相当長時間衣類などに付着して臭います。(甘い香りと言われますが、むしろ蓬を燃やした時のような一種刺激的な強い臭いで、「クサイ」と感じる)従って、乱用者達は、この特徴的な臭いを消すために、ファンを回したり、お香を焚いたりします。
この箇所を「薬物乱用防止教育指導者読本」で見ると次のようになっている。
大麻には独特の甘いような臭いが、相当長時間衣類などに付着して臭います。(訳注:「甘い香り」とありますが、訳者の経験では、むしろ蓬を燃やした時のような一種刺激的な強い臭いで、「クサイ」と感じました)。従って、乱用者達は、この特徴的な臭いを消すために、ファンを回したり、お香を焚いたりします。
原文では「甘い香り」だが、訳者は個人的な経験として「クサイ」と感じたそうだ。スカンクだったのかな。
「ダメ。ゼッタイ。」ホームページでは、これが訳者個人の感想であることが伏せられ、「甘い香り」とある原文が、あたかも「クサイ」かのように改竄されている。
以前一読した際、「甘いような」と書いといて、直後に「クサイ」とか書いてあり、どうもヘンな表現だと感じたのだが、理由が分った。
それにしても、杜撰な情報発信である。
10年以上も前の米国製薬物標本の説明書を翻訳したのが「薬物乱用防止教育指導者読本」で、今や原本も残っておらず、訳者自身がその冊子の出所を知らずに訳している。
その「読本」から抜粋して「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに掲載しているとのことだったが、出典も明示せず、内容の改竄まで行っている。
翻訳者の個人的な経験と感想でしかないものを一般化し、あたかも正しい知識であるかのように国民に広報している。
「社会問題の元凶ともなる大麻について、正確な知識を身に付けてゆきましょう」とまで書きながら、内容は根拠不明で改竄箇所まである。こんなものが「正確な知識」と言えるだろうか。厚労省はこのような恣意的で杜撰な情報発信を改めるべきだろう。
「クサイ」とはなんだ「クサイ」とは。
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「ダメ。ゼッタイ。」の(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターを管掌する厚労省医薬食品局監視指導麻薬対策課の秋篠氏から、過日問い合わせた件で連絡があった。
秋篠氏も同センターに連絡し、もう一度よく原本を探して欲しいと要請したところ、出てきたそうだ。しかし、コピーしかないという。で、この原本のコピーが根拠ですと秋篠氏は言い張る。
秋篠氏は、どのような論文を根拠に使うかはセンター及び当局の判断だという。それはそうだろう。しかし、この冊子は論文ではない。現在、大麻に関するさまざまな研究結果はネット上にも公開されているし、邦訳されたものもある。それらには誰によるどんな研究かが示されている。なぜそのような根拠の明白なデータを使わないのか。
「ダメ。ゼッタイ。」サイトには大麻の具体的な害として「心拍数が50%も増加し、これが原因となって脳細胞の細胞膜を傷つけるため、さまざまな脳障害、意識障害、幻覚・妄想、記憶力の低下などをを引き起こします。また、顕著な知的障害がみられます。 」と書いてある。このような数値、及び記述の元となる研究の出典、根拠を示して欲しいというと、根拠はその英文だと言う。私が聞いているのは、その英文の記述にあるデータの根拠、いつどこで誰が行った研究の結果なのか、である。が、それは分らないという。それが分らないのでは根拠が明らかになったことにはならないではないか。納得しかねるので研究自体の出典を再度調べてもらうことになった。
「薬物乱用防止教育指導者読本」には翻訳文だけでなく、「薬物乱用による健康障害」という章があり、筆者は「医療法人せのがわ Konuma記念広島薬物依存研究所所長 小沼杏坪」とある。そこに「大麻が心身に及ぼす影響」について書かれている。
その冒頭。
大麻はその幻覚剤としての作用を肯定的にとらえる人達により多くの書物が出され、その<無害論>や<法による規制の違法性>が主張されているが、専門家の目からみれば決して無害ではなく、特に大麻精神病を呈した患者では、その影響は甚大なのである。
大麻の「有害性」は、逮捕勾留や実刑までがあり得るほどの厳罰で規制すべきなのかどうか。問われているのはそのことである。小沼氏は次のようにも書いている。
精神に及ぼす作用は大麻を使用する時点での、<セット(set)>と<セッティング(setting)>によって異なる。セットとは吸引の際の使用者の内的環境条件、すなわち身体的条件や心構えをいい、セッティングとは吸引の際、どういう場所で、どんな仲間と一緒かなどの外的環境条件をいう。同一個人でも、使用時の環境によっては陶酔的な快感を伴う体験(good trip)を得ることもあれば、不安感、恐怖感、抑うつなど不快な体験(bad trip)を持つこともある。従って、自己使用のための所持を大目に見る米国で使用するのと、厳しく規制している日本で使用するのでは、他の条件がすべて同じでも、大麻の作用は当然異なると思われる。
(中略)
グッド・トリップでは、ゆったりした気分となり、多幸感・陶酔感を感じ、時にはごくありふれた物事が無性にこっけいで、笑い出すと止まらないこともある。このように大麻では陽気になることが多いが、状況によっては、バッド・トリップとなり、錯覚・幻覚、不安感・恐怖感を伴う妄想が発現し、異常な興奮・錯乱状態を呈する強い反応が見られることもある。
セットとセッティングが大切であることに言及しているのは現実的であり適切だと思うし、小沼氏指摘の通り、厳しい規制こそがバッド・トリップを招いている側面がある。また、大麻では陽気になることが多い。しかし、この件は「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに記載が見当たらない。私が見落としているのだろうか。それとも、都合の悪い情報はセンターが意図的に割愛しているのだろうか。
小沼氏のいう「錯覚・幻覚」は何を根拠に言っているのだろう。違うクスリと間違えていないだろうか。「錯乱状態」という表現は大袈裟だと思うが、特に大麻初心者の場合、バッドになって不安感や恐怖感に襲われるケースはあると思う。それはある種の通過儀礼のようなものだと私は思うが、セットとセッティングが大切であることや、バッドのことについて、注意を喚起することには賛成である。しかし、これも「ダメ。ゼッタイ。」ホームページには見当たらない。
「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの「大麻について」に、「現在では世界のほとんどで麻薬として規制され、所持しているだけでも死刑や無期懲役となる場合もあるほどです」と書かれているが、「自己使用のための所持を大目に見る米国」については触れられていない。
大麻の個人使用を大目に見るアメリカの薬物標本の説明書を訳して載せるだけでなく、日本国民に向けた情報としては、小沼氏が指摘するような日本独自の弊害についても公平に掲載すべきではないだろうか。
小沼氏指摘のように、大麻が全くの「無害」ではないことに私は同意する。しかしそのうえで、せめて米国程度(デンバー?)の規制で良いではないか、何も個人的に大麻を持っていたくらいで逮捕投獄し、解雇や家庭崩壊や実刑や時には自殺者まで出してしまうような厳罰で臨む必要はないじゃないか、という点について、小沼氏にぜひご意見を聞いてみたいものである。アルコールと比べてどうなのだろう。
「ダメ。ゼッタイ。」ホームページにある「所持しているだけでも死刑や無期懲役」の国とは、具体的にどこなのか。海外旅行に出る邦人のためにも確かな情報は有用だろう。具体的にどこの国が死刑で、どこの国が無期懲役なのか、去る15日に同センターに問い合わせ、糸井専務理事から回答を頂くことになっている。
ネットでさらっと見たところ、シンガポールは500g以上の所持は死刑だそうだ。オーストラリア人が実際に死刑を執行された事件もあった。しかし、シンガポールはオーラルセックスさえ犯罪としている国である。秋篠氏や糸井専務理事はそれでもいいのだろうか。私は断固反対である。
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「(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター」の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに掲載されている大麻に関する記述のネタ本である「薬物乱用防止教育指導者読本」は在庫僅少のため現在は販売していないが、どうしても、という場合は売ってくれるとのことで、買って見た。
「解説:元東海北陸地区麻薬取締官事務所長/池田豊彌」とあり、やはり米国から輸入していた教材キットの説明書のようだ。厚労省や同センターはアメリカの出先機関なのだろうか。下記画像はこの冊子の「使用説明」だが、最下部に翻訳者の注意書きとして次のようにある。
訳注:このマニュアルは前掲「薬物乱用防止教育用キット」と一対になって米国内で販売されているもののようです。
「もののようです」って何よ。翻訳者ですらこのマニュアルの出所を知らずに訳している。
また、この「使用説明」には次のようにも書かれている。
本書に収録された主な分野及び掲載された薬物のいずれにつきましても、完璧な分析を行ったものではありません。記述はあくまで人々の注意を喚起し、問題の特定に寄与することを目的としています。従って、特定物質などに関する詳細情報をご希望の向きは直接お問い合わせ下さい。
これは原文の注意書きだが、そもそも完璧な分析を行ったものではなく、人々の注意を喚起するという目的で編集されているという。で、特定物質の詳細は直接問い合わせろとのことなので、問い合わせると、出てくるのはこのマニュアルなのである。ので、問い合わせると出てくるのはこのマニュアルなのである。
既に原本もない。記述の根拠も明らかでない。完璧な分析を行った結果でもない。
これはもう、記述を個別的に見直すというより、科学的根拠のある大麻のリスクを国内に周知するという原点に戻り、全面的に改訂するべきではないだろうか。
(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターは、厚労省から委託を受けて運用されており、日本において公的に薬物情報を発信している窓口である。
最低でも、裁判で使えるような、検察に恥をかかせない程度の、出典くらいは明示できる情報に改める必要があるのではないだろうか。
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