〔桂川さん裁判〕
検察の大麻有害論書証に対し、弁護側は下記の求釈明を裁判所に提出しました。
* * *
平成16年(う)第835号大麻取締法違反等被告事件
被告人 桂川 直文
求釈明
平成16年10月20日
弁護人 丸井 英弘
大阪高等裁判所第6刑事部 御中
記
1。検察官は、原審の論告要旨で、「被告人は、――害悪を拡散されていたというのであるから、その刑責は一層重大である。」として、懲役7年および罰金150万円を求刑しているが、その「害悪」の具体的内容を明らかにされたい。
2。検察官は、大麻の「害悪」を立証するために、前回の控訴審第2回公判で捜査報告書として資料1として厚生労働省外郭団体「麻薬・覚せい剤濫用防止センター」のホームページの抜粋を提出したが、その内容について以下のとおり、釈明を求める。
資料1は、単なる主張であるから、それを裏付ける具体的根拠を明らかにしていただきたい。控訴審第2回公判で証拠として採用された添付資料の情報公開の結果からすれば、資料1を裏付ける資料は存在しないのではないのか?
添付資料
大麻に刑事罰を科する程の有害性があるのかどうかに関して、労働厚生省に対してなした情報公開請求の結果
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ヘルニアの痛みを抑える目的で大麻を所持していたNさん(26歳・男性)は、今年8月28日に大麻取締法違反容疑(所持0.4グラム)で逮捕され、9月8日に起訴された。Nさんの事件を継続的にレポートします。
Nさん裁判
第1回公判 2004年10月26日(火) 東京地方裁判所八王子支部
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米国での四年半の留学生活を終え、Nさん(26歳・男性)は、今年7月16日に帰国した。
8月13日、就職活動の用もあって大阪に出かけていたNさんは、東京での用事を片付けてから新宿発の高速バスで■■県の実家に帰る予定だった。
東京に着いた時は、移動の疲れもあってか、腰に辛い痛みを感じていた。持病のヘルニアだった。高速バスに乗るのも腰に負担となりそうだった。近くに整形外科があれば診てもらおうと思い、いくつかの病院に電話をしたが、お盆休みで緊急医しかいなかった。持病のヘルニア痛に大麻が効くことを知っていたNさんは、渋谷に向かい、イラン人と思われる男から0.5グラム4,000円で大麻樹脂を買った。
高速バスは、お盆の帰省混雑で空席はなかった。都内の友人宅に泊めてもらうことにし、所用を済ませたNさんは、吉祥寺駅に降り立った。徒歩で友人宅に向かう途中、井の頭公園を抜ける際、腰の痛みが激しくなっていたNさんは、大麻樹脂を一服した。パイプは米国滞在中に彼女から貰ったものだった。
Nさんが大麻を知ったのは米国に渡ってしばらくしてからのことだ。喘息に悩んでいたNさんに、大学の友人が勧めてくれたのだ。確かに、大麻を吸って、喘息がよくなった。だが、Nさんは大麻はあまり自分には合わないと思い、常用することはなかった。アルコールの方がいいと思っていた。パーティーなどでジョイントが回ってくることはあったが、吸わずに隣に回した。
喘息が治まると、Nさんは特に大麻と触れることもなく留学生活を過ごしたが、今年の1月末、腰痛に耐えかねて日本人医師のいる病院へ行った。ヘルニアと診断され、以降、4月まで毎週3回の通院を続けた。薬を処方されたが、便秘になったり、眠気が取れなかったりと、明らかに副作用があった。
当時、Nさんはジャパニーズ・レストランでバイトをしていた。50歳くらいの日本人オーナーは癌で、医師からマリノールを処方されていた。だが、オーナーはマリノールよりも大麻そのものの方が効果が高いと言って、マリノールではなく大麻を服用していた。その大麻は医療用に開発されたものだとオーナーは言っていたが、それが合法的に処方されたものかどうかNさんは知らない。
ヘルニアに悩んでいるNさんに、オーナーは、処方薬なんか服用しないで大麻を試してみたほうがいいと勧めた。Nさんは、喘息が治まったことを思い出し、大麻に切り替えてみた。日中も眠気が晴れないとか、便秘の症状は消え、大麻を吸って一定時間は痛みも治まり、快眠できるようになった。
それでもやはりNさんは大麻を嗜好目的で使うようにはならなかったが、ヘルニアの痛みを抑える目的で、時々大麻を服用するようになった。その事情を知った彼女が、自分の誕生日にプレゼントとして友人からもらったタバコ型のパイプを、自分は使わないからとNさんにプレゼントした。
帰国前には既にしばらく大麻から離れていたが、彼女からもらったパイプはお守りのように持ち歩いていた。
渋谷で買った大麻樹脂を一服してみたものの、パイプはしばらく使っていなかったせいもあり、埃でも詰まったのか、空気の通りが悪かった。午後11時半頃。Nさんは歩きながらパイプを口にし、空気の通りを良くするために、数度吹いたりした。
いきなり後ろから手を捕まれた。
「何か吸ってたろ?」
制服の警察官が二人立っていた。その場で所持品検査をされ、パイプと大麻樹脂が出た。パトカーが5台来た。警察官は10名ほどいた。パトカーの中で簡易試薬で検査したところ、反応が出たとのことで、三鷹署に連行され、取り調べを受けた。だが、その取り調べ中、パトカーの中では反応が出たように見えたが、明るい場所で見ると判別できないので、詳しい鑑定結果が出たら連絡するから出頭に応じるようにとのことで、パイプと大麻樹脂を任意提出し、採尿され、その日は帰宅を許された。
実家に戻り、ネットで調べてTHCを知り、メールした。任意出頭に応じる必要があるのかどうか、問題が微妙で素人判断は危ないので、この問題に詳しい弁護士に相談することをTHCは勧めた。
東京に事務所を持つ弁護士◆◆先生に連絡し、Nさんは相談に訪ねた。弁護士は、悪いことをしたわけではないのだから罪の意識なんか持たずに元気を出すようNさんを励まし、事情を聞くとその場で担当の刑事に電話を入れ、状況を確認した。刑事の話では、お盆を挟んで鑑定が遅れているが、陽性反応が確認でき次第、逮捕状を取るとのことだった。
弁護士の相談料は10,000円だった。一時間の料金だが、相談は一時間半に及び、状況が明確になり、大麻問題について書かれた弁護士の著書ももらい、Nさんは相談して良かったと思った。
8月25日、夜。担当の刑事から電話。鑑定の結果、大麻の陽性反応が出たので、逮捕状を取るから28日土曜日に出頭するように。Nさんはそう告げられた。
8月28日、三鷹署に出頭。逮捕。
取り調べでは、ヘルニアの痛みを和らげる目的で大麻を買い、持っていたことを話した。米国内での経験も通院歴も話した。取り調べは実質3日で終わった。刑事に厳しく責められるようなことはなかった。調べは二人の刑事が行った。直接担当したのは新米の刑事だったが、補佐指導する立場らしい年配の刑事は渋谷で薬物事犯に20年関わっていると言っていた。
Nさんについては自分の腰痛治療目的の微量所持であり、不起訴にすべきであると、◆◆弁護士は参考資料を添付して検察に正式な文書を出した。
9月8日、起訴。大麻樹脂0.4グラムの所持。
年配の刑事は、起訴後になって、自分としては不起訴でいいケースだと思うが検察が認めないのだとNさんに話した。
9月14日、保釈。保釈金250万円。Nさんには人生で最も長い17日間だった。
法を犯したことについては反省しているが、痛みが激しく、病院も休みで治療も受けられず、緊急手段として手に入れた大麻だ。犯罪者として扱われ、罪に問われるのはおかしいのではないかとNさんは考えている。
被告人にされてしまったNさんは、ヘルニアでの通院歴を証明するため、米国の病院から記録を取り寄せる手続をし、書類を待っているところだ。
◆◆弁護士とも相談のうえ、Nさんは、裁判で無罪を主張するつもりだ
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前科は一生? ~不当判決を受けても立ち直れる~
2004/10/18
by CyberPunk (cyberpunk@taima-news.org)
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下記にNさんから頂いたメールを本人の了解を得て抜粋します。上から時系列に並んでいるので、このまま下に続いています。Nさんの取り調べでの様子や裁判の方針などは追ってレポートします。
▼ Nさんからのメール
<04.08.16.>
初めまして。Nと申します。インターネットのHPを見てメールさせて頂きました。■■県出身で、先月の15日まで4年半アメリカ(LA)生活を終え、現在、東京で就職活動中でしたが、先週の金曜日の夜、職務質問に遭い、パイプと大麻樹脂0,4グラムの所持により、警察で取調べを受けました。その場で大麻試薬の検査をし、一旦は、大麻成分が確認されたとのことで、三鷹署に連行されましたが、取調べ中に、「さっきのパトカーの中はライトの関係で大麻反応がでたように見えたが、明るい場所では、証拠としては使えない」との事で、何がなんだか分かりませんでしたが、パイプと大麻樹脂を証拠提出し、帰りに尿も提出し、父親が金曜日に入院したため連絡があり次第、出頭するとの条件で釈放され、今は実家のある■■市に帰っています。
ただ、刑事さんの話があまりにも人により違い、逮捕後の流れが一切分からなくて困っています。国選弁護士は、保釈請求してくれないのでしょうか?できれば、裁判が終わるまで、ずっと留置場も耐えれそうに無いですし、かといって仮に保釈金200万と言われても、現実問題払えません。いっその事、刑事さんから電話が掛かってくる前に、海外に飛んだ方がいいのか?も考えましたが、それでは、親にきちんと挨拶して来い。と言って、釈放?してくれた刑事さんを裏切ることになるし、一生日本に帰って来れなくなるのも考えものです。
僕自身、医療用大麻の合法化大賛成です。今年1月に、ヘルニアになり、痛くて寝れないのを、助けてくれたのも大麻です。医者に処方される薬は、過度の眠気、便秘等、副作用がきつくて、最悪でした。
自分勝手に色々好き放題、一方的にメールして申し訳ありません。ただ、今は、日本の法律の大麻に対する過剰反応にやられています。0,4グラム所持してるだけで、パトカー5台、大の大人が10人も来て、笑いました。パトカーの中では、家庭内暴力の通報や、中国人窃盗団の通報があるにも関わらず、現場で10人が0,4グラムの事で一時間以上、あーだこーだやってるのを見てると、映画でも作って友達のアメリカ人に見せたかったです。ただのコメディとしか見てもらえないでしょうけど。何かアドバイスもらえれば嬉しいです。
<04.08.17.>
アドバイスありがとうございます。◆◆先生の事は友達からも聞いています。白髪で長髪の先生ですよね?裁判という事になれば依頼したいと思いますが、今のうちから相談した方が良いのでしょうか?
僕の場合は、現行犯で捕まり、パイプ、樹脂の鑑定結果を待ってから、携帯電話に刑事さんの方から電話が入るので、僕の方で出頭?する日を指定してから三鷹署に来てくれ、との事でした。という事はやはり強制では無く任意ですよね。不起訴になれば良いのですが。友達にも相談したところ、今外に出れたというのは奇蹟という事でした。
何にしろ、日本国内ではもう吸わないですよ。合法にならない限りは。
今回の事を、アメリカ人の友達にメールしたら、信じられないと言ってました。向こうは多分0,4gなら、チケットも切られず警官に取られて終りです。友達は前に、40g持って捕まりましたが、裁判所に罰金$500で終りでした。
本当の意味で日本はいつまで戦後アメリカから貰った法律を大事に犬みたいに何も考えずに、守っているんでしょうね?0,4gに大の大人が10人がかりで一時間も騒ぐ事が、とても正常に税金貰って働いてる人の神経じゃ無いと思いますし、その一時間で10人に払ってる給料のほうが無駄だと思います。犯罪が年々増えてる日本で一体何を考えてるんでしょうね?サラリーマンみたいな奴が多すぎて、誰も自分の頭でなんか考えないんだと思います。
精神的に結構参っていたので、メール貰えてとても嬉しかったです。今後どうなるか分かりませんが、結果は逐一報告しようと思います。では。
<04.08.25.15:45>
先日、◆◆先生のところに相談に行って来ました。担当刑事に◆◆先生の方から電話して確認して頂いたところ、正式鑑定がお盆を挟んだ為に遅れていて、その結果待ちで、大麻反応が出次第、逮捕状を執って逮捕の方針との事でした。現在東京地検では、大麻事件は全て起訴する方針で、どうやら逮捕されることになりそうです。
◆◆先生の話では、不起訴の可能性も無くはないが、パイプを所持していた事が常習性と見なされるので多分起訴されるだろうとの事です。その事を友達に話したところ、今の法律では一つのミスも許されないし捕まった俺が間抜け。僕は裁判が終わるまで拘置所に入ろうと思ってたのですが、中での生活は結構キツイし、弁護士代は高いけど早めに保釈して貰って次に進んだ方が良いんじゃないか。と言われ、ちょっと迷っています。
◆◆先生には悪い事はして無いんだから、罪の意識なんて持たないで、ただ事故に遭ったみたいなもんだから、と言って頂き、だいぶ気持ちがすっきりしました。
留置所、拘置所での事も◆◆先生にはアドバイスを頂き相談して良かったです。出所後は、父の事も心配ですので実家の■■市で生活するつもりですので、その時は美味い蕎麦と日本酒でも飲んで一緒にお話できればいいなと思っています。一人で色々悩んでいる時に白坂さんからのメール本当にありがたかったです。
日本に帰って来て、色んな事があって少しヘコんでますが、また前に向かって進んで行こうと思います。
<04.08.25.23:24>
今日の夜、担当刑事から電話があり、大麻反応が陽性のため逮捕状を取っているので土曜日に出頭してくれとの事で、行ってきます。何とか親から、弁護士代を借りれそうなので◆◆先生に頼んでみるつもりです。その友達も白坂さんと全く同じ事を言っていました。中で過ごしてる人間からの悪影響を考えたら、今死ぬ気で回りに頭下げてでも、弁護士雇って、早く出たほうがよっぽどいいとの事です。頑張って1ヶ月ぐらい我慢してこれを機に頑張ります。
親に理解を得ようとは思っていませんでしたが、親には覚醒剤も大麻も同じだ!と言われて、悪法のせいで、親から見た俺はシャブ中と変わらないそうで悲しいです。何とかこの機会に大麻とは何か?を教えたいのですが、◆◆先生の本すら読んでもらえない状態でまだまだ時間がかかりそうです。最終手段はオランダ連れていって吸わせますけどね。親父も元ジャズのピアニストで回りは多分大麻だらけだったと思うんですが。相談料は1時間1万円とのことでしたが、一時間半ほど相談してもらい一万円でした。◆◆先生の書いた本まで頂いて、◆◆先生には頭が上がりません。
あまり、日本酒で辛口とか甘口とかは分からないんですが、アメリカで働いていたレストランでは、ハリウッドという場所柄、純米大吟醸でワインサイズ(720ml)で$100以上の日本酒ばかり飲んでました。万寿久保田や八海山、越の寒梅よりも僕は長野の「黒澤」が一番好きでした。
打ち上げ心から楽しみにしています。
<04.08.27.>
白坂さん、色々ありがとうございます。◆◆先生と相談したところ、起訴前から判決まで、無理を言ってだいぶ安い値段でやっていただく事になりました。まだ正式では無くて、親の承諾もこれからですが、僕の借金なので弁護士は◆◆先生に一任するつもりです。
僕の場合は、まだ不起訴の可能性もゼロでは無いので、今朝わざわざお金が無いと言ってる僕に、◆◆先生から電話があり昨日の時点では起訴後からの弁護代+報酬で100万以内で。という話だったのですが、起訴前から検事に掛け合って貰い、不起訴になれば報酬50万。起訴になっても、起訴後の報酬、頭金(取り掛かり金?)を全てひっくるめて、こちらの払える金額でいいから。という事でした。
◆◆先生は有名な先生ですし(僕はアメリカの授業で、まるっきり◆◆先生のHPを英訳したくらいです)その先生が、一般の弁護士と変わらない取り掛かり金(30万から50万の間で払える金額とおっしゃられてました)で引き受けてくれると言って下さった事に感謝しています。本当に良い出会いだと思います。
やっぱり、アメリカ留学中は潜りでジャパニーズレストランが王道ですよね。僕は未だに戻りたいですもん。仕事帰りにTIPで酒持ってクラブ行って、人種関係なく騒いで、帰りの車でCYPRESS HILLのI wanna get high~ so high~を大合唱の生活でした。白坂さんと話できる事を楽しみにして、ちょっとGhettoな社会見学に行ってきます。
明日は◆◆先生のところに行ってから、三鷹署に出頭する予定です。
起訴不起訴、どっちにしても秋に会いましょう!
<04.09.15.>
昨日付けで保釈請求が通り保釈されました。人生で一番長い17日間だったと思います。
色々な問題もありましたが紆余曲折何とか出れました。
裁判は来月の26日だったと思います(まだ召喚状が来てないので)理不尽な事に、海外から帰ってきたばかりだという事で2泊以上の外泊は許されず、裁判が終るまでは■■にずっといる事になってます。地元の友達と飲むしか無いですね。でも、まずは白坂さんと話したいです。あんまりこの話題で盛り上がる友達は■■にいないので。今週末あたりに、どうでしょうか?積もる話もあるので(僕の話長いですよ)葛温泉行きたいですね。5日に1回の風呂はきつかったです。僕は金曜まで、通院しなきゃいけないので金曜の夜以降は、大丈夫なので都合の良い日時を知らせて下さい。連絡お待ちしています。
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検察が大麻有害論の書証を証拠提出しました。内容は「ダメ。ゼッタイ。」ホームページなど、根拠不明なものであったため、弁護側が強く反論。次回公判が設定され、弁護側による反証が行われます。
桂川さんは、多発性硬化症や末期癌の病人たちに大量の大麻を無償譲渡していた事実を証言。さらに次回公判でも桂川さん本人に対する質問が行われる予定。
・桂川さん控訴審第3回公判
2004年11月24日(水) 午後3時30分より
大阪高等裁判所
* アナナイ通信創刊準備号完成!-桂川救援全国勝手連からのお知らせ-
獄中の桂川直文氏との交信を目的とするミニコミ誌『アナナイ通信』を、定期的に発行する予定です。購読希望者は下記へお申し込み下さい。一審の判決や控訴趣意書の抜粋、桂川さん自身による意見書などが掲載されている創刊準備号をお送りします。(年間購読料1000円)
〒369-1216 埼玉県大里郡寄居町冨田3604-27 山田塊也
TEL・FAX 048-582-1899
郵便振替 00130-0-89779
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〔桂川さん裁判〕
―以下、傍聴した桂川救援全国勝手連のスタッフ他からの伝聞です(文責:白坂)―
大阪高裁で13日に開かれた控訴審第2回公判はほぼ満席の傍聴席の注視のなか、証拠調べから行われ、弁護側からは追加分の減刑嘆願署名が出され、今回新たに検察からは大麻有害論の書証が提出されました。
しかし、その有害論の内容は「(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター」の“「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ”から大麻に関する記述を印刷したものと警察学論集の資料(大麻非犯罪化の非論理性や危険性についての論述とのこと)で、弁護側は有害論の根拠になっていないと反論し、“「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ”の責任者を証人喚問するよう求めましたが、容れられませんでした。
懲役5年の実刑判決を受けている桂川さんにとって、このような根拠といえない有害論で服役するのは納得のできないことであり、検察の有害論に反証するための機会が必要であるとして、丸井弁護士の強い主張により、さらに次回の公判が設けられることになりました。
これまで「公知の事実」とされてきた大麻有害論の根拠が、法廷の場で厳しく問われることになったわけです。今や形勢は逆転しつつあり、被告側が攻めに転じている感があります。
前回に続き弁護人による被告人質問も行われ、桂川さんは自ら栽培していた大麻を、多発性硬化症や末期癌に苦しむ病人たちに無償で大量に譲渡していた事実も述べました。
また、公判に先立って行われた桂川救援全国勝手連主催の集いには、前回を越える人数が参集し、座る場所もないほどの盛況だったそうです。
これまで桂川さんの人柄を知る地元の者たち中心で取り組まれてきた減刑嘆願署名ですが、公判後の報告会では、傍聴した有志の方たちから、自分たちも減刑嘆願署名を行いたいという自発的な意見が出され、今後、地元の域を超えた視点で減刑嘆願署名に取り組むことも検討課題に上ってきました。
控訴審に入り、桂川さん裁判の状況は大きく変化しています。
控訴審公判第3回は、検察の出した大麻有害論について弁護側の反証が予定されています。桂川さん本人への質問も続けられるとのことです。状況は、桂川救援全国勝手連の大阪支部ができつつあるまでに盛り上がりを見せています。
桂川さん控訴審第3回公判
2004年11月24日(水曜) 午後3時30分より
大阪高等裁判所
前日の晩、桂川救援全国勝手連主催の集いがあります。詳細は分かり次第お知らせします。
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桂川さんの控訴審第2回公判が下記の期日に開かれます。
1回目に続き、弁護士による本人への質問があり、桂川さん自身が証言します。
2004年10月13日(水) 午後3時から3時30分
大阪高等裁判所1008号法廷
公判後、弁護士会館2F小会議室で報告会が行われます。
▼ 金井塚主任弁護士から以下のような通知(10/7付)が届きました。
「検察官の報告書の書証の形で、大麻の有害性についてのホームページや医学論文、警察学論集の論文(90年代初期までのもの?)等が提出されてきました。裁判所の指示で出してきたものでしょうが、一応、論争の形にはなってきました。」
これまで、大麻の有害性を「公知の事実」であるとして証拠調べすらしてこなかった司法が、検察に裏付けを求めたということでしょうか。丸井弁護士による重層的な数々の論証により、裁判官としても、歪んだ現状を支えきれなくなっているのかもしれません。
桂川さんの裁判、面白いことになってきました。
検察の出した「大麻の有害性についてのホームページ」、現物を確認していませんが、(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターに直接問い合わせてその無根拠を確認し、上告趣意書にも書いた者としては、大変に興味があるところです。
検察はどう言い繕うつもりなのやら。
長期的に展望すれば、 いずれ、必ず、勝機は来ると思います。
大麻問題に関心を持つ方は、ぜひ、傍聴にお出かけ下さい。
▼ 桂川救援全国勝手連主催の集い
公判に先立って桂川さんを支援する集いが開かれます。
ミニコミ「アナナイ通信」創刊準備号も配布される予定とのことです。
10月12日(火)午後7時より
・場所 お好み焼き「てんご」(大阪東天満 谷町筋の一筋西)
・電話 06-6881-5134
・企画 桂川救援全国勝手連
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大麻で逮捕されない社会は、既に複数の国や地域で実現されているし、そもそも取り締まりの対象などではない国や地域も多数ある。
欧州に目をやれば、薬物問題は犯罪ではなく健康からのアプローチが社会化されている。
井の中の蛙、日本。
大麻の個人使用で逮捕されない社会はそんなに遠くないと思う。
医療、産業、大麻の可能性は、そこから更に花開くだろう。
そこにどう辿り着くか。
大麻自由化というゴール、新たなスタート地点へ向けてのオリエンテーリング。
いろんな人やグループが、あっちのポイントやこっちのポイントを巡りながら紆余曲折、奮闘努力している。たまには衝突することもある。
大麻で逮捕されない日が来たら、THC解散記念大麻パーティーを開催したい。
その日をひとまず目標に。
欲しがりません。勝つまでは。
禁断症状もありません。(´・ω・`).
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米国のCBD研究団体 Project CBDの記事を翻訳して掲載するコーナーです。下記の記事リストからどうぞ。
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第2回公判に向けて検察が提出した大麻有害論の書証、表紙は下記の通りです。
捜査報告書
平成16年9月28日
大阪高等検察庁刑事部長 清水治殿
大阪高等検察庁
検察官検事 藤田義清(印)大麻取締法違反等 被告人 桂川直文
上記の者に対する頭書各被告事件につき、下記のとおり、大麻の薬効等に関する書籍及び資料を収集しましたので、末尾添付の上報告します。
記
1.資料1
厚生労働省外郭団体 財団法人「麻薬・覚せい剤濫用防止センター」ホームページ抜粋2.資料2
「薬物事件執務提要(改訂版)」最高裁判所事務総局刑事局監修3.資料3
「薬物事犯に関する裁判例」警察庁生活安全局薬物対策課4.資料4
「欧米諸国における薬物解禁論の非論理性と危険性」警察学論集第50号ないし第8号
注)量が多くて転載できませんが、各資料の発行所等、下記の通りです。
1.「タメ。ゼッタイ。」ホームページ中、大麻に関する記述の印刷
大麻とはhttp://www.dapc.or.jp/data/taima/2.htm
大麻の症状http://www.dapc.or.jp/data/taima/3.htm
大麻の身体的影響 http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-1.htm
大麻の身体的影響(詳細)http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-3.htm
大麻の精神的影響 http://www.dapc.or.jp/data/taima/3-2.htm
2.「薬物事件執務提要(改訂版)」最高裁判所事務総局刑事局監修
平成13年6月25日 第1版第1刷発行 発行人 白木勇 発行所財団法人法曹会
〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関1-1-1 電話03-3581-2146
3.「薬物事犯に関する裁判例」警察庁生活安全局薬物対策課
「四訂版発刊に寄せて」は平成13年8月に記載.
4.「欧米諸国における薬物解禁論の非論理性と危険性(一)」鎌原俊二(香川県警察本部長)
警察大学校編集-警察学論集-立花書房発行第50巻第5号 平成9年5月10日発行
「同(二)」第50巻第6号 平成9年6月10日発行
「同(三)」第50巻第7号 平成9年7月10日発行
要約がなくてすいません。関心のある方は原文に当たってみて下さい。
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〔桂川さん裁判〕
<ラバーズの掲示板から転載>
第1回公判、傍聴を呼び掛けながら私は行けませんでしたが、傍聴した複数の人の話によると、桂川さんは堂々と自分の見解を述べていたそうです。次回も引き続き桂川さん本人が話す時間を取ったそうなので、都合のつく方はぜひ傍聴して下さい
弁護側が提出した証拠のうち、証人関係は悉く不採用とのことで、厳しい状況ではありますが、本人はお元気そうです。公判後に届いた手紙には「8日の裁判では言いたいことを充分言いましたので気分はすっきりしています」とありました。
桂川さんを支援する「桂川救援全国勝手連合」のく●さんにもコメントを出したほうがいいとコメントしているのですが、多忙のうえ逮捕以来の支援活動で疲れもたまっているようなので、気長に待っているところです。
桂川さん控訴審第2回公判
大阪高等裁判所
2004年10月13日(水)午後3時00分から
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平成16年(う)第835号大麻取締法違反等被告事件
被告人 桂川 直文
控訴趣意書1の要約と補充2
平成16年8月26日
弁護人 丸井 英弘
大阪高等裁判所第6刑事部 御中
記
第1。大麻取締法は、社会的必要が無いのに、占領政策として一方的に制定されたものであり、無効でる。
原判決は、この無効な法律を適用して、有罪判決をしているのであるから、刑事訴訟法第380条の法令適用の誤りがあるので、破棄すべきである。
1。第2次大戦前の日本における大麻の栽培風景は、1929年の第16回二科展に発表された清水登之氏の「大麻収穫」という次の絵のとおりである。清水氏は栃木県出身であり、その絵は1920年代の栃木県鹿沼地方での大麻収穫風景を描いたものである。(控訴趣意書1添付資料1「地球維新 vol.2」扉の裏参照)
また、中山康直氏著の「麻ことのはなし」評言社2001年10月10日発行の46頁で農業絵図文献よりの引用で「古来から日本の各地の畑で見られた麻刈りの風景」という題で次の絵が紹介されている。
さらに、昭和12年9月に栃木県で発行された大麻の生産発展を目的にして発行された「大麻の研究」という文献あるが、その45頁で日本における麻の分布図を引用しているがであるが、その内容は次のとおりであり、大麻が日本全国において縄文時代の古来から栽培利用されてきたことは明らかである。なお、「大麻の研究」の末尾で著者(栃木県鹿沼在住)の長谷川氏は次のように述べている。
「斯る折に本書が発刊されこの方面に関心を持つ人達に愛玩吟味されて日本民族性と深い因縁のある大麻に対する認識を新たにし、是が生産発展上に資せられたなら望外の幸と存じます。」(控訴趣意書1添付資料1「地球維新 vol.2」6~7頁参照)
2。大麻の栽培が日本の伝統的な文化財であることは、大分県日田郡大山町小切畑で大麻すなわち麻の栽培をしている矢幡左右見さんが 1996年6月26日、文化財保存技術保持者として文部大臣から認定を受けたことからも明らかである。大山町のホーム頁でその記事の要約を次のとおり紹介している。このように、大麻の栽培者が文化財保存技術保持者として文部大臣から認定を受けているのであり、大麻すなわち麻を犯罪として取り締まることが不適切であることは、明白である。
『 矢幡さんは、昭和6年に栽培を始め、49年から福岡県久留米市の久留米絣(かすり)技術保存会から正式な依頼を受けて粗苧の製造 を始めました。以来、矢幡さんは毎年、粗苧20Kgを出荷しています。粗苧(あらそ)とは、畑に栽培され、高さ2メートルに成長した麻を夏期(7月中旬頃)に収穫して葉を落とし、約3時間半かけて蒸し、さらにそぎ取った表皮を天日で一日半ほど乾燥させて、ひも状にしたものです。粗苧は、国の重要無形文化財である「久留米絣」の絣糸の染色の際の防染用材として使われ、久留米絣の絣模様を出すためには欠かせないものです。しかし、栽培・管理の手間に比べて利益率が低いことから生産者は減少の一途をたどり、現在では矢幡さん一家を残すのみとなりました。 久留米絣の模様は粗苧なしではできないといわれており、粗苧が無形文化財の保存・伝承に欠くことのできないものであるということから、今回の認定になりました。矢幡さんは、「ただ、自然にやってきたこと だけなのに、とても名誉なことです。」と話しています。』
また、「麻 大いなる繊維」と題する栃木県博物館1999年第65回企画展(平成11年8月1日ー10月24日)の資料集では、次のあいさつを紹介している。
「ごあいさつ
麻は中央アジア原産といわれ、わが国への渡来も古く、古代より栽培されています。
表皮を剥いで得られる繊維は、他の繊維に比べ強靱で、肌ざわりがよく、木綿や羊毛、化学繊維が登場するめで、衣服や漁網、下駄の鼻緒の芯縄、各種縄などに用いられてきました。その一方では麻は特別や儀礼や信仰の用具に用いられ、現在でも結納の品や神社の神事には欠かせない存在となっています。麻は実用のみならず信仰・儀礼ともかかわる、まさに大いなる繊維でした。
ここでは、質量とも日本一の「野州麻」の産地である足尾山麓一帯で使用された麻の栽培・生産用具、麻の製品、ならびに東北地方の一部で使用された麻織物に関する用具や麻織物を展示するものです。
麻がどのように生み出され、利用されてきたか、大いなる繊維「麻」について再認識していただければ幸いです。
おわりに、本企画展の開催にあたり、御指導御協力をいただきました皆様にこころより、御礼申し上げます。
平成11年8月1日 栃木県立博物館館長 石川格 」
そして、表紙の2頁目では、次の鹿沼市立北小学校校歌が紹介されているが、このような麻が第2次大戦後の占領米軍による占領政策でもって犯罪視されてしまったのである。
「鹿沼の里に もえいでし
正しき直き 麻のこと
世の人ぐさの 鏡とも
いざ 伸びゆかん ひとすじに 」
3。米軍による軍事占領下の1948年(昭和23年)7月10日に大麻取締法が制定されてからすでに56年が経過した。そして、1950年に日本全国で25118名いた大麻栽培者は、1998年には102名まで減少してしまった。この減少した理由は、毎年の免許更新手続きが面倒な大麻取締法による規制のためと安価で大量に生産できる石油化学繊維の台頭によって麻製品の市場がなくなったことによると思われる。
しかしながら、大麻には、控訴趣意書1で述べたような有益性があるのであるから(逆に大麻にはこのような有益性があるから、日本をアメリカ系の石油系産業の市場とするために占領政策として大麻産業を規制したのが大麻取締法である)、占領政策である大麻取締法の当否を根本からみなおすべき時期に来ていると考える。
第2。原判決には、刑事訴訟法第381条の量刑不当があるので、破棄されるべきである。
現判決は、「被告人を懲役5年及び罰金150万円に処する」と判断しているが、その具体的根拠が明らかでは無いので、破棄されるべきである。
控訴趣意書1の要約と補充の8頁で述べた「被告人の大麻の栽培は社会的に公認されていた」との点を補充する。(同頁の下から8行目の「父親や支援者の話しによれば被告人の生活していた地方はかった大麻の生産地であり」を「父親や支援者の話しによれば被告人の生活していた地方はかって大麻の生産地であり」と訂正する。)
1。被告人の居住している長野地方もかって大麻すなわち麻の生産地として栄えたところであるが、最近その麻栽培を地域起こしとして復活しようという動きが起こっている。
被告人の居住している池田町のとなりにある美麻村では、商工会が中心になって「道の駅 美麻フェステバル2004」というイベントが開催されたが、その案内(別添資料1)で次のように述べている。なお、別添資料2として、美麻村の麻の館というパンフレットを紹介する。
● 開催のねらい
弥生時代から栽培され、村の特産品で、村名ともなったr麻」をテーマにしたはじめてのお祭りです。北アルプスの白馬へ行く道沿いにあるr道の駅ぽかぽかランド美麻」の施設を貸し切って開催されます。昔から美しい麻がとれることで全国的に知られていた美麻村では、1980年代を最後に麻栽培の歴史は途絶えてしまっていますが、国の重要文化財である旧中村家住宅(屋根材に麻殻を利用)や麻の資料館である「麻の館」があります。今日の麻を巡る世界情勢及び日本での動きを美麻村から新しい時代の鼓動として発信し、長野県及び日本全国に広げていきたいと考えています。麻に御縁のある方々の来場を心よりお待ちしております。美麻村商工会
● 目的
・美麻村の「麻」文化の再発見
・一般にはほとんど知られていない「麻」商品情報の発信
・「麻」復活の機運を盛り上げる
2。弁護人は、本件8月16日の午後、被告人の自宅を訪問して被告人の父親および支援者と会合をした。その際、弁護人が被告人が大麻を栽培していた場所を調査したところ、大量の大麻が生育していた。その大麻は自然に自生してきたとのことであるが、公道からも丸見えの状況であった(参考資料として本年8月25日に弁護人の依頼によって被告人の友人の白坂氏が撮影した現場の状況写真を資料3として添付します)。地元の人は大麻の栽培が違法であるという認識はないとのことで、地元の警察や長野県当局から、その自生している大量の大麻を取り去るようにとの指導は全くないとのことである。なお、被告人の父親の話しでは被告人の祖父が、昭和10年頃自宅で大麻の栽培をしていたとのこである。
このような状況の下において、被告人が大麻の栽培は社会的に公認されていたと考えたのは無理からぬものであり、原審の量刑はあまりにも重いものである。
添付資料
1。「道の駅 美麻フェステバル2004」と題するチラシ
2。「麻の館」というパンフレット
3。被告人の自宅で野生化している大麻の状況を写した写真4枚
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