「医療カナビスで乳がんを克服したメリッサ・エスリッジ インタビュー」という記事がカナビス・スタディハウスに掲載された。
大麻に医療的な効果があるのは今や医学的にも明らかで、制度的に扱う国や地域も年を追うごとに増えている。だが、日本では、大麻取締法によって、患者が大麻を選択する権利を懲役刑で禁じている。
先日、毎日新聞の記者氏は、「私たちは法律に依拠して報道している」と言ったが、現状の大麻取締法に依拠してしか記事を書けないのであれば、マスコミは医療大麻の事実について報道することはできないのだろうか。それは稚拙な言い訳に聞こえる。
このサイトは、人気ブログランキングの医療系のカテゴリーにも登録している。実際に病に苦しんでいる人がアクセスしている可能性もある。そのような人は、カナビス・スタディハウスに掲載されている数々の医療大麻の記事を読んで、どのような思いになるだろう。
多くの人に、医療利用を含む大麻の事実を知ってほしいと思い、このサイトでも記事を紹介したり、リンクしたりしているが、実際に病に苦しむ人に大麻そのものを紹介したり、提供することは、私たちにはできない。実際に大麻を提供することはできないのに、大麻の医療効果を喧伝することに申し訳ない思いも感じる。だが、問題の解決は、問題を問題として知ることからしか始まらないだろう。
大麻取締法の例に限らないが、ジャーナリズムには、事実に即して悪法を撃つ姿勢が必要ではないのか。悪法を批判できないのであれば、戦前の新聞と同じだ。それは社会を不幸に導く。記者クラブで得た大本営発表のような情報を垂れ流すだけでは「マスゴミ」でしかない。
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「これでいいのだ」というタイトルの記事、あんまりよくないという意見が出たので、削除しました。その他、これまでの記事のうち、掲載に異論が出たものも削除してあります。
これでいいかな?
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THCにはいろいろな相談が寄せられる。最近は種の規制が厳しくなり、実店舗でも、ネットでも、多くの種屋さんが撤退しているようだ。
大麻の種の売買自体は違法ではないが、発芽しないように処理されていない大麻の種を輸入することは、関税法で禁じられている。これまで、客が発芽させることを知っていて売ると、種屋さんは栽培の幇助として検挙されていた。だが、種屋さんたちは、「観賞用」とか、「発芽させるのは違法です」とか、ちゃんと断り書きを付けて売っていたので、取り締まり当局は捕まえるのに難儀していた。そこで、発芽しないように処理されていない種そのものを封じ込めることにして、関税法を適用することにした。
参照:大麻種子密輸に関税法初適用
ここのところ、種屋さんの販売記録を基に、種を買った人にガサに入る例が多いようだ。報道によると、栽培での検挙者数が増加しているらしいが、栽培するつもりで種を買った人にガサ入れしているのだから、栽培中に捕まる人が増えるのも当然だろう。捕まった種屋さんも複数あるようだし、きっと当局はまだまだ顧客リストを活用するのだろう。取り締まり当局は、おいしい芋づるを手に入れたのである。
捕まるかもしれない、という、種屋さんからの相談も何度かあった。夫が大麻を売っていて捕まったという相談も度々あった。聞くと、なんだかものすごい儲けていた話とか。
種を買った店に個人情報が残っていて、それが元でガサに入られて捕まったとか、本当に気の毒な人たちも多い。だが、種を売っていた者たちは、リスクを覚悟でやっていたことだろう。売って儲けて捕まった種屋さんや大麻屋さん、あるいはこれから捕まるかもしれない種屋さんや大麻屋さんには、しっかりと裁判で戦おうぜ、合法的に販売できる世の中にしようぜ、と言いたい。が、相談するだけ相談を持ちかけてきて、連絡がなくなる例が多い。・・・捕まってしまったのかもしれないが。
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昨日、毎日新聞の子供向け月刊誌「月刊Newsがわかる」の記者と話していて感じたことを書いておきたい。
記事の修正を求める私の言葉を、記者氏は真摯に聞いてくれたし、迅速に対応もしてくれた。そのことには率直に感謝したいと思う。個々の記者の良心に、大衆迎合とスポンサータブー、あるいはクロスオーナー制でどん詰まりになっているマスコミに、一縷の希望を見る思いもする。
私は、大麻の科学的な事実に基づいて記事を書いてほしいと要望した。一方では官僚の天下りを批判する記事を出しながら、他方ではその天下りが税金をたらふく使って無責任に垂れ流している情報を鵜呑みにする体質を改めて欲しい。海外の研究機関が次々と明らかにしている大麻の科学的な情報についても報道してほしい。そのようなことを伝えた。
記者氏は言った。「私たちは法律に依拠して報道している」と。
それならば、かつてのように、国家権力が言論や表現の自由を縛る法律を成立させた場合、それに依拠した報道をするということになる。治安維持法に毅然と対峙する根拠を失うことになる。ジャーナリズムが依って立つへきは、権力者の作った法律ではなく、事実であるべきではないのか。
マスコミという大きな組織のなかで、個々の記者ができることは限られているのだろう。社内的な力学に真っ向から立ち向かったところで、干されてしまうのが落ちなのかもしれない。だが、そのような、スポンサーや上司や長いモノには巻かれてしまう在り方は、そもそもジャーナリズムの否定ではないか。
ジャーナリストは、法律に依拠して仕事をするのではなく、事実に立ってものごとを報道してもらいたい。
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毎日新聞がYahoo!ニュースに配信した記事、一部を修正して頂きました。迅速に対応して頂いた「月刊Newsがわかる」の記者氏にお礼を申し述べたいと思います。修正されたのは、「大麻はクワ科の植物」の削除と、「大麻や覚せい剤などの薬物使用は法律で禁じられている」という箇所の大麻についての削除です。
最初の電話では伝えていなかったのですが、「マリフアナを取ると、その時だけ物がきれいに見えたり、音に敏感になったりする。効果が切れると、うつや無気力の状態になる。使う量が増えるにつれ、イライラや不眠などの症状が出て、被害妄想やパニック、錯乱を引き起こす」という記述についても修正をお願いしました。
大麻の効果が切れると「うつや無気力の状態になる」とか、「使う量が増えるにつれ、イライラや不眠などの症状が出て、被害妄想やパニック、錯乱を引き起こす」という、ダメゼッタイ情報には根拠がないからです。記者氏は、この点については、文献を確認して書いた部分であり、一存で決められないので、上とも相談して対応するとのことでした。もし修正して頂けないのであれば、記述の根拠を教えて欲しいと伝え、改めて連絡を頂くことになりました。再度の回答があり次第、続報します。
「マリフアナ」という表現にも違和感を感じたので、「ア」は小さい「ァ」で、「マリファナ」の間違いではないのかと訊ねたところ、記者氏もそう思っていたらしいのですが、「マリフアナ」という表記で統一するよう指示があったそうです。「月刊Newsがわかる」を購読している子どもたちは、マリファナではなく、マリフアナという単語として覚えることになるのでしょうか。一体、何の穴だろうと思ってしまいました。
修正後の同記事。
警察庁がまとめた今年上半期(1~6月)の薬物事犯の検挙状況で、大麻の摘発が過去最多だった。10~20歳代の若者が65%を占め、大麻を栽培する事件も増えている。
大麻の葉や花を乾燥させたものがマリフアナだ。マリフアナを取ると、その時だけ物がきれいに見えたり、音に敏感になったりする。効果が切れると、うつや無気力の状態になる。使う量が増えるにつれ、イライラや不眠などの症状が出て、被害妄想やパニック、錯乱を引き起こす。
覚せい剤などの薬物使用は法律で禁じられているが、薬物の誘惑は生活の中に潜み、使ってしまう人がいる。中高校生の場合、友だちや先輩から勧められ、深みにはまってしまう危険が少なくない。薬物は犯罪につながり、乱用はその人の未来を確実に破壊する。薬物の成分は脳に負担をかけ、大切な神経をこわし、体の機能を失わせ命を縮める。きっぱりと断る勇気が必要だ。
酒(アルコール)やたばこはどうだろうか。実は脳を興奮させる作用のあるニコチンを含むたばこ、脳の神経に軽いまひをおこすアルコールは、薬物の入り口だ。くせになるとやめられないし(=中毒)、取りつづけると体に悪い。未成年者が喫煙や飲酒をしないように周囲の大人の責任も重大だ。
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Yahooニュースに毎日新聞配信として次の記事が掲載された。
<薬物と若者>増える大麻栽培事件 酒やたばこも実は薬物の入り口
8月10日12時31分配信 毎日新聞
警察庁がまとめた今年上半期(1~6月)の薬物事犯の検挙状況で、大麻の摘発が過去最多だった。10~20歳代の若者が65%を占め、大麻を栽培する事件も増えている。
大麻はクワ科の植物で、葉や花を乾燥させたものがマリフアナだ。マリフアナを取ると、その時だけ物がきれいに見えたり、音に敏感になったりする。効果が切れると、うつや無気力の状態になる。使う量が増えるにつれ、イライラや不眠などの症状が出て、被害妄想やパニック、錯乱を引き起こす。
大麻や覚せい剤などの薬物使用は法律で禁じられているが、薬物の誘惑は生活の中に潜み、使ってしまう人がいる。中高校生の場合、友だちや先輩から勧められ、深みにはまってしまう危険が少なくない。薬物は犯罪につながり、乱用はその人の未来を確実に破壊する。薬物の成分は脳に負担をかけ、大切な神経をこわし、体の機能を失わせ命を縮める。きっぱりと断る勇気が必要だ。
酒(アルコール)やたばこはどうだろうか。実は脳を興奮させる作用のあるニコチンを含むたばこ、脳の神経に軽いまひをおこすアルコールは、薬物の入り口だ。くせになるとやめられないし(=中毒)、取りつづけると体に悪い。未成年者が喫煙や飲酒をしないように周囲の大人の責任も重大だ。
「大麻を栽培する事件も増えている」件は項を改めて述べるとして、まず読後の第一印象は、これは厚労省所管の天下り財団法人が運営するサイト「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの記述を元に、事実関係の確認もせずに書かれたのではないかという疑いだ。
大麻はアサ科の植物である。かつてはクワ科に分類されていたそうだが、平成3年の警察白書では既にアサ科として記述されている。
平成3年 警察白書
大麻は、アサ科の1年草である大麻草(カンナビス・サティバ・エル)から作られる。大麻の幻覚作用は、テトラヒドロカンナピノール(THC)によってもたらされると言われており、大麻草中のTHCの含有量は、成育地の環境、栽培方法等により異なるが、多いもので8%、平均1%から3%程度である。
「ダメゼッタイ」には大麻がクワ科と書かれているが、2006年9月に当時の糸井専務理事に対して問い合わせたところ、記述の見直しを検討すると回答したが、現在もそのまま放置されている。
また、「マリフアナを取ると、その時だけ物がきれいに見えたり、音に敏感になったりする。効果が切れると、うつや無気力の状態になる。使う量が増えるにつれ、イライラや不眠などの症状が出て、被害妄想やパニック、錯乱を引き起こす。」という記述も「ダメゼッタイ」に似た表現がある。このような大麻情報についても糸井元専務理事は「情報が古くて見直す必要がある」と認め、厚労省麻薬対策課の情報係長も「まあ、根拠はないんでしょうね」と他人事のように言っている。
毎日の記者は、「ダメゼッタイ」大麻情報を鵜呑みにして記事を書いたのではないだろうか。毎日新聞に記事の訂正を求めて電話した。
Yahooニュースの記事の下部には「薬物依存は、おそろしい」という毎日JPへのリンクがある。この「薬物依存は おそろしい」というシリーズは、毎日新聞が子供向けに発行している「月刊Newsがわかる」の転載だそうだ。こちらの記事でも大麻をシンナーや覚せい剤と同列に扱っていて、子どもたちに誤った知識を与えかねない不正確なものになっている。
Yahoo!ニュースに掲載されている「<薬物と若者>増える大麻栽培事件 酒やたばこも実は薬物の入り口」という記事は、子供向けの記事をアレンジして書かれたようにも思えるが、「月刊Newsがわかる」の編集担当によると、Yahoo!ニュースに出稿した記事がどの部署で書かれたものか分からないとのことで、改めて回答を頂くことになった。
それにしても、最近の毎日新聞は劣化が著しい。先に、関東学院大の学生が「自宅」で大麻を栽培して捕まったと報じていたので、「寮」であることを指摘し訂正を求めたが、黙殺された。記事の誤りを訂正することもできない驕った姿勢は、英語サイトで破廉恥な記事を掲載し続けて恥をかいた事件と通低する退廃があるのではないか。
参照:毎日新聞、「低俗過ぎ」英文記事問題で内部調査公表 再三の指摘放置、「深刻な失態」- ITmedia News
「酒やタバコは実は薬物の入り口」どころか、酒やたばこは大麻よりも毒性が強く、薬物そのものだ。そのことはアメリカの国立薬物乱用研究所(NIDA)やイギリスの科学技術委員会のレポートでも明らかである。
Yahoo!ニュースに配信された記事についての誤りや根拠については、毎日新聞社からの回答を得たら報告します。
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8月8日付けで、「大麻取締法被害者センター」の名称を、「大麻取締法変革センター」に改称しました。
大麻取締法被害者センターという名称は、私自身が逮捕された2003年7月に、拘留中の大阪拘置所で考えた名称でした。私の逮捕は予期できたこと、ほとんど予定に近い出来事で、近しい者たちにも私は逮捕されるだろうことを伝え、一定の準備と覚悟をしていたことでした。それでも、逮捕された私自身よりも、周囲に多大な迷惑をかけてしまいました。
こんな馬鹿げたくだらない法律で逮捕された者が被害者であり、何も知らなかった家族や近親者こそが真の被害者だと思い、パラダイムシフトとして、反大麻取締法を主張する意味で、「大麻取締法被害者センター」、略称を「THC」として、保釈後に動きを立ち上げました。
その後、これまでの取り組みを読んで頂けば分かるように、「被害者」支援と同時に、大麻取締法違憲論裁判を支援し、公的大麻情報の無根拠、大麻取締法の無根拠を、証明してきました。
大麻取締法が生存権を侵害していることを法廷の場で明らかにし、その主張に応えぬ司法の無機能を明らかにし、続けて、公的大麻情報に医学的根拠がないことを厚労省とのやりとりで明らかにしました。
既に「司法」と「行政」とのやりとりにおいては、実質的に私たちは勝っています。
今後、立法府に問題を持ち込み、私たちの意見を、国民の意思として、合意形成を図る必要があるでしょう。
その際、法律を破っておいて何が「被害者」だ、という、無用な誤解を避けたほうがいいだろう思います。この問題に理解のある人には、大麻で逮捕されるほうが被害者だという当たり前の主張は共感を得るでしょう。けど、大麻の事実を知らない人、行政のプロパガンダで偏見を抱いている人たちには、法律を破っておいて「被害者」はないだろうと、無用な反感を生じさせてしまうかもしれないと思います。
そこで、団体としての名称を再検討してきました。いろいろと意見が出ました。私は「大麻取締の改正を求める会」が良いと思い、提案しました。が、あまりにベタだし、既に一定程度の定着を得ている「THC」の略称は捨てがたいとの意見も強く、合議の結果、腫瘍内科医フロッガーさんの提案による「大麻取締法変革センター」を新名称として採用することにしました。略称はこれまで通り「THC」です。
私たちは、大麻取締法を、真に日本にとって善きよう改正することを求め、活動を深化したいと思っています。
2008年8月8日、私たちは「大麻取締法変革センター」として、改めて取り組みを進めることをここに宣言します。
・・・と、焼酎で酔って書いてるところが悲しいといえば悲しいんだけどね。
・・・でも気持ちいいんだけどね。(^^y-~
必ず変えてやる。首を洗って待ってろや、大麻取締法。
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ルールを守ったネット利用ができない厚労省のお役人による不正アクセスへの懲罰として、厚生労働省からのアクセスを禁止しました。
北京オリンピックが終わるまでの有期刑とします。
頑張れニッポン!くたばれ厚労省!
大麻取締法変革センター(THC Japan)は、北京オリンピックを応援しています。
厚労省には応戦しています。
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このサイトはできるだけ多くのお役人に閲覧してほしいと思っている。国益を損ねていることが明らかなのに、大麻についてのまともなデータも持っていないのに、敗戦以来、アメリカ連邦政府の金魚の糞のような薬物政策・大麻政策を続けている厚生労働省のお役人にもよく読んでほしいし、その他の省庁のお役人にも、厚労省の無策やアホさ加減を知って頂く意味でアクセスしてほしい。
だが、登録しないと読めないページについては、ちゃんとサポーター登録してアクセスするのが法律の決まりだろ。
今日、厚労省からのアクセスで、登録していないのにサポーター専用ページに複数回アクセスしようと試みたネットカフェ厚労省役人がいる。会費を払ってサポーターになりなさい。
訪問時間:2008-08-07 15:18:23
ユーザーID:597954426
ホスト名:extfproxy.mhlw.go.jp(厚生労働省)
IPアドレス:211.123.198.207
ブラウザー:Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.1)
画面情報:1024 x 768 x 32bit
JAVA:有効
COOKIE:有効
OS:Win32
CPU:x86
言語:日本語
国:日本
プロキシ:1.1 l1ncfpxy02s1 (NetCache NetApp/5.6.2R1D17), 1.1 d1ncfpxy02s1 (NetCache NetApp/5.6.2R1D17), Version 1.1-Build_SOL_1074 $Date: 02/08/2005 17:11:0020$(IWSS), 1.1 d1ncfpxy02s1 (NetCache NetApp/5.6.2R1D17)
プロキシ情報(IPアドレス) 10.38.3.15
心当たりのある厚労省のキミ、今度やったらmhlw.go.jpからはアクセスできないようにするからね。
お詫びの徴にランキングをクリックしなさい。しないと明日の夕方からアクセスできないようにするからね。
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産業大麻に関する構造改革特区の件、首相官邸のウェブサイトに、平成20年7月22日付、「内閣官房地域活性化統合事務局」の「構造改革特区及び地域再生(非予算関連)に関する検討要請に対する各府省庁からの回答について」という文書があった。これもPDFファイルで情報を探しにくいので、以下に抜粋する(PDFの47ページ)。
09 厚生労働省 特区第13次・地域再生第6次(非予算) 検討要請回答
要望事項:産業用大麻種子の流通体制構築(輸入規制緩和あるいは国内調達体制の確立)
提案主体名:産業クラスター研究会オホーツク「麻プロジェクト」
都道府県コード:北海道
規制の所管・関係省庁:厚生労働省 経済産業省
該当法令等;
・輸入割当てを受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地または船積地域その他貨物の輸入について必要な事項の公表を行なう等の件(昭和41年4月30日通商産業省告示第170号)
・輸入のけし、大麻種子の取扱について(厚生省通知:昭和40年9月15日薬務-第238号)
制度の現状:
輸入される大麻の種子については、熱処理等によって発芽不能の処理を施したものであることを証する書類(地方厚生局麻薬取締部が発行したものに限る。)を税関に提出しなければならない。
求める措置の具体的内容:
下記法規制緩和あるいは支援措置の実施
(法規制緩和)
学術上の分類は大麻(カンナビス・サティバ・エル)であっても、テトラヒドロカンナビノール(以下「THC」という。) の含有量が皆無である品種の大麻(以下無毒種)について、発芽不能処理を行わずその種子を輸入することができるものとする。
(支援措置)
国内における無毒種種子の流通体制の確立、または無毒種の開発に向けた研究の実施
具体的事業の実施内容・提案理由:
【提案の背景】
「北見地域産業振興ビジョン(経済産業省)」において、「遊休地を活用した産業用大麻の栽培及び建材等の開発」が推進すべきプロジェクトの一つに位置づけられていることから、提案主体は事業化に向け真摯に取り組んできた。しかし、国内で唯一事業化している栃木県においては県外への種子持ち出しを条例で禁じており、輸入についても法で制限されていることから、工業製品製造のノウハウを持ちながらも事業化に着手できない状態にある。こうしたことから、輸入、国内調達を問わず産業用大麻種子の流通体制確立に向けた法規制緩和もしくは支援措置の実施を要望するものである。
【大麻栽培による効果】
(1)大麻の繊維と茎を活用し、建材、断熱材、不織布、生分解性プラスチックとして利用可能。(廃棄物の減量及び化石燃料の使用抑制に寄与)
(2)生育速度が極めて速いことから二酸化炭素の固定化に特化しており、バイオマス燃料への転換などが期待できる。
(3)硝酸性窒素のクリーニングクロップとして地下水の浄化作用にも貢献できる作物である。(とりわけ北海道東部において地下水汚染が広がっている。)
(4)離農、減反等に起因して増加する耕作放棄地、休耕地(北海道1万ha)の農地保全を図るだけでなく、畑に工場を隣設して幅広く工業製品を製造することによって地域経済の活性化が可能である。
【代替措置】
都道府県知事による栽培許可の有無などの条件、制限や種子の管理方法などについて貴省の指示に従う。
【支援措置の要望】
地球環境保全が重要となる中、成長速度の速いバイオマスが注目されていることも併せ、公的機関による横断的な無毒品種の開発等を要望する。
○各府省庁からの提案に対する回答
措置の分類:C(特区・地域再生として対応不可)
措置の内容:Ⅲ(省令・告示上の手当てを必要とするもの)
提案に対する回答:
大麻事犯が急増しているという近年の薬物情勢の下、大麻乱用による保健衛生上の危害を防止するために、大麻の栽培を原則禁止している法の趣旨にかんがみれば、大麻の違法な栽培を助長することのないように現行の輸入体制を維持し、厳正に対処する必要があり、また、支援措置を講じる状況でもなく、その必要もないと認識している。
また、大麻の幻覚成分であるTHCは、微量の摂取でも精神作用が発現することから、THCの含有量が低い大麻であっても、抽出・濃縮等の方法によれば容易に乱用につながる危険性は十分に認められる。よって、大麻取締法は、THCの含有量にかかわらず、すべての大麻を規制対象としているところである。また、大麻種子の段階においては、生育した大麻のTHC含有量について判別することは極めて困難である。よって、THC含有量にかかわらず、すべての大麻種子の輸入について現行の輸入規制を維持する必要がある。
欧州やカナダでは薬物として意味のない産業大麻が生産され、自動車の内装や建築資材など、さまざまな分野で利用されているが、日本では厚生労働省という国賊が邪魔をして国益を大きく損ねている。
この際、厚生労働省は民営化してはいかがなものか。
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北見に「大麻特区」 産業用、道が認定(08/07 00:20)
道は六日、国の構造改革特区の北海道版「北海道チャレンジパートナー特区」に、北見市の「産業用大麻栽培特区」を認定した。麻薬成分が低い大麻の建築用資材などへの活用に向け、道が支援する。
同特区は二〇〇四年度に始まり、これまで四地域が選ばれている。北見市の特区は、遊休農地を利用した大麻栽培体制の確立が目的。輸入や国内流通が厳しく規制される大麻種子を確保するため道が検査態勢の整備など支援する。道は八日、市に認定書を交付する。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/109668.html
厚生労働省は、精神作用のない産業用大麻の栽培についての特区申請もこれまで認めてこなかった。この記事によると、北見の「大麻特区」は「国の構造改革特区の北海道版」とのことだが、厚労省も認めたのだろうか。
政府の構造改革特区に関する対応は、首相官邸のウェブサイトに「構造改革特区(第4次提案募集)に関する当室と各府省庁のやりとり」のPDFが公開されていて、例えば長野県美麻村(当時)が申請した「産業用大麻の免許要件の緩和」について厚生労働省管轄分に次のような記述がある。(PDFの24ページ)
管理コード:090830
規制の特例事項名:産業用大麻の栽培に係る免許要件の緩和
該当法令等:大麻栽培者免許に係る疑義について(平成13年3月13日付け医薬監麻発第293号)
制度の現状:大麻取扱者の免許交付審査においては、その栽培目的が伝統文化の継承や一般に使用されている生活必需品として生活に密着した必要不可欠な場合に限り免許すべきと解している
措置の分類:C(特区として対応不可)
措置の内容:Ⅳ(訓令又は通達の手当てを必要とするもの)
措置の概要(対応策):
大麻の幻覚成分は微量の摂取で精神作用が発現することから、たとえ低濃度であっても、乱用のおそれがある。また、幻覚成分含有量の少ない大麻から含有量の多い大麻への転換も容易にできる。そのため、大麻乱用による保健衛生上の危害を防止するため、幻覚成分の多寡にかかわらずすべての大麻を大麻取締法で規制する必要がある。
大麻に関しては、その有害作用から栽培等の行為は厳重に規制し最小限なものとする必要がある。大麻の栽培を安易に認めると、不適正な栽培、盗難、乱用の助長の問題等が起こりうることから、保健衛生上の危害を防止するためにも、必要不可欠な場合に限定して栽培免許を付与することは必要である。
いわゆる産業用大麻といわれるものもその実態は大麻そのものであり、乱用のおそれがあることには変わりないことからも、いわゆる産業用大麻の栽培をその他の大麻栽培と区別することは適切でない。
各府省庁からの回答に対する構造改革特区推進室からの再検討要請:
幻覚成分の多寡にかかわらずすべての大麻を大麻取締法で規制した上で、幻覚成分が微量の産業用大麻をその他の大麻と区別して、保健衛生上の危害を防止するための適切な代替措置を講じる場合においては、現在全ての大麻について栽培を認めている「必要不可欠な場合」よりも広く、産業用大麻の栽培を認められないか、検討し回答されたい。併せて、右の提案主体からの意見も踏まえ、再度検討し回答されたい。
提案主体からの意見:
「大麻の幻覚成分は微量の採取で精神作用が発現する」との指摘について、どのような研究結果に基づくものか開示願いたい。その開示されたデーターに基き、本件品種が具体的に精神作用を及ぼす科学的事実を判明させていただきたい。
1998年6月のフランス国立保健医療研究所による「麻薬の危険度調査」において、大麻がヘロインやコカインといった他の薬物は勿論のことながら、アルコールやたばこよりも危険度が低いとされた(1998/6/17共同通信ニュースより)ことや、世界的に著名な医学書である「メルクマニュアル」において「(大麻が)重篤な生物学的影響があるとする主張の大部分は、比較的大量の使用者、免疫学的、生殖機能についての積極的な研究においても、ほとんど立証されていない(万有製薬㈱提供 メルクマニュアル第17版日本語版より引用)。」と指摘している点について、貴省の見解を伺いたい。
「幻覚成分含有量の少ない大麻から含有量の多い大麻への転換も容易にできる」との指摘があるが、欧州やカナダ等でも同様の状況にある中で、政府による一定の規制のもとで、広く産業用の大麻栽培が行われており、我が国においても保健衛生上の危害を防止しつつ、健全な大麻産業を興すことは可能であると思われる。貴省の回答を見るに、それが不可能であるほど我が国の行政・治安が欧州各国やカナダなどに比べて劣っているとの指摘とも受け取れるが、そのような解釈でよろしいか。
そもそも、構造改革特区制度は、様々な規制を地域を限って緩和することにより、当該地域の事業者の創意工夫による新たな産業の創出を主な目的として実施されているものと認識しており、現在の規制状況をそのまま回答している姿勢は、ほかに産業の創出の難しい山間地の現状を全く省みない姿勢であると認識せざるを得ず、納得しかねる。
「大麻の栽培を安易に認める」との指摘であるが、本提案は、あくまでもカナダ政府の事例を参考としており、中央または地方政府の統制下における規制緩和といった意味からして「安易な栽培容認」とは言い難く、逆に栽培用途は限定されているものの、その品種については幻覚成分の多寡に関わらず許可されている我が国の大麻栽培の現状を改め、栽培用途の限定を緩和する代替措置として、幻覚成分の極めて少ない品種に限定することを求めていることからして、保健衛生上の危害を防止するための安全策を十分に講じた上での提案であると考える。欧州や、カナダに於ける産業資材としての大麻の活躍はめざましいものがあり、石油に頼らないバイオマス資源の開発は、広範な業種に新しい道を拓くものであり、安易に規制を考える姿勢は、石油輸入国である我が国の国益を阻害していると言わざるを得ない。もとより「幻覚成分の多寡にかかわらずすべての大麻を大麻取締法で規制する」ことに異論はないが、その規制のもとで、地域の事業者の創意工夫による健全な大麻産業を創出するためにも、法によらない本提案については、上記の措置を講じた上で緩和していただくことを希望する。
「措置の分類」の見直し:C(特区として対応不可)
「措置の内容」の見直し:Ⅳ(訓令又は通達の手当てを必要とするもの)
各府省庁からの再検討要請に対する回答:
大麻の幻覚成分であるTHCについては、「体重60Kgの人間が3ミリグラム相当を吸煙摂取しただけで作用がある」との報告(依存性薬物情報研究班編「依存性薬物情報シリーズ 大麻」)があり、THC含有量が0.3%以下のいわゆる産業用大麻であっても1グラム摂取すれば大麻の作用が現れる。また、THC含有率を高める大麻の栽培方法やTHCを大麻草から抽出・濃縮する方法が一般書籍にも掲載されている。さらに、THC含有量が低い大麻といわれるCBDA種は劣性遺伝であり、在来種との交配により幻覚成分含有量が通常の大麻と同様になり、恒常的にTHC含有量が低く保たれるものではない。したがって、THC含有量が多い大麻と少ない大麻を区別して規制することはできない。「メルクマニュアル」の「大麻が重篤な生物学的影響があるとの主張はほとんど立証されていない」との記述の「重篤な生物学的影響」が何を指すのかは明らかでないが、他方、同書では「大麻の慢性ないし定期的使用は精神依存を引き起こす」、「吸われた大麻は夢幻様状態をうむが、その状態では観念がばらばらになり、不安定となり、自由に流動するようである」、「精神分裂病様症状が、抗精神薬(例、クロルプロマジン)で治療を受けている患者においてさえ、マリファナによって悪化する場合がある」、「多量使用者は肺の症状(急性気管支炎、喘鳴、咳、粘液分泌過多のエピソード)を発生し、さらに肺機能が障害されることがある」、「長期多量使用者の少数サンプルにおいて認知機能低下が一部の検査で同定された」といった記述があり、大麻の人体への有害な影響を示唆している。また、フランス国立保健医療研究所の「麻薬の危険度調査」で大麻が、アルコールやたばこよりも危険度が低いとされたとあるが、マリファナの吸引によって幻覚等の作用が生じうるのに対して、たばこやアルコールでは通常の喫煙、飲酒で幻覚を生じることはない。WHOの1997年報告では大麻乱用の急性効果として知覚発達と精神運動作業の悪化等、慢性的効果として知覚機能の選択的低下や大麻依存症候群等の健康被害が指摘されている。「1961年の麻薬に関する単一条約」でも大麻はヘロイン等と同様に最も厳重に規制すべき附表Ⅳの薬物に分類されている。
「措置の内容」の項目にある通り、これは「訓令又は通達の手当てを必要とするもの」であり、法改正を必要としない、厚生労働省という役所による施策に過ぎない。
やりとりで出てくるカナダでの産業大麻については、カナダ大使館のウェブで紹介されている。
■カナダの麻(ヘンプ)栽培
麻栽培には長い歴史があります。世界でも最も古くから使われている資源の1つである麻は1万年以上の昔から食品、繊維、燃料として使用されてきました。18世紀や19世紀にはカナダでも広く栽培されていましたが1938年に栽培が非合法化されました。しかし麻が再び見直されるようになって10年、今では、世界的に麻市場は商業的な成功を収めています。
1998年にはカナダでも研究および商業目的での麻栽培が合法化され、農家の関心を集めました。カナダ政府も法令の改正や数百万ドルの研究開発補助金を投入して、カナダの麻栽培を積極的に支援しています。
(以下略)
カナダ大使館 - 経済/ビジネス - 農業・食品・水産品 - カナダの麻(ヘンプ)栽培
長くなったので、厚生労働省の言い分がいかに非科学的で馬鹿げているかは改めて指摘する。
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2.大麻使用の社会や健康への影響
近年の大麻使用の社会や健康への影響に関する研究には著しい進歩があった。現在の科学的知見は、大麻が「麻藥と同様な害毒をもつている」と考えられていた大麻取締法制定時とは大きく異なり、信頼性の高い複数の研究によって、大麻の有害性は、ヘロインやモルヒネ、コカインのみならず、現在は規制の対象外であるアルコールやたばこより低いことが報告されている。さらに、大麻の適切な使用が様々な疾病や不快な症状に対して治癒的な効果を示すことが明らかにされている。世界で最も権威ある臨床医学雑誌の一つ、英国医師会のランセットは、「大麻の喫煙は、たとえ長期にわたる場合でも健康に害はない。…大麻は、それ自体は社会へのハザードではないが、さらに続けて非合法な状態に追いやるならばハザードとなり得るであろう。」と結論づけ、大麻の規制の改正を支持する内容の文章を掲載している〔6〕。
このような大麻に関する最新の科学的な研究の結果の示す事実に基づき、政府は大麻のリスクを過大評価しすぎている現在の政策から、リスクとベネフィットの比較を通した大麻のリスクの正当な評価を反映する、使用者の人権に最大限配慮した政策へと方針の転換を図るべきである。大麻に関する最新の知見に鑑みれば、現在の大麻使用の最大のリスクは逮捕・拘禁されることである。
(1)大麻のリスク
大麻はアルコールやタバコよりも害が少ない
http://asayake.jp/modules/report/index.php?storytopic=34
より転載
(2)大麻のベネフィット
大麻の適切な使用が、ストレスや精神の緊張の緩和を促し、体内の様々な器官での恒常性維持機能を高める働きをもたらすことは広く知られている〔7,8〕。大麻は、多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛[9]やオピオイド系薬剤による治療で効果の見られない末期がんの患者の疼痛[10]、AIDS患者の進行性食欲減退や体重減少などの症状を伴う消耗症候群[4]、アルコール依存症[11]など、様々な疾病の治療に有効であり、各種運動障害などの治療、依存性薬物の依存症[12]、神経保護作用薬[13]、精神疾患治療[14]などへの応用が期待されている。実際に、大麻や、大麻からの抽出物を主成分とした薬剤が治療薬として認められ、処方されている国もあり、2007年2月14日、大塚製薬株式会社は、イギリスGW製薬で臨床研究され、カナダで医薬品として認可・使用されている大麻からの抽出物を主成分とした薬剤「サティベックス(Sativex?)」の米国における開発・販売に関するライセンス契約を締結している。
大麻の治癒的な効果が報告され、臨床適用が調査されている症例には、吐き気と嘔吐、多発性硬化症とその他の神経疾患、がんやエイズの食欲減退と体重減少、疼痛、眼圧の上昇、不眠症、不安や抑うつ状態、 てんかん、喘息、オピオイドの退薬、原発性腫瘍、解熱性や抗炎症性の活性、駆虫性、抗片頭痛、分娩誘発などがある。このうち、大麻といくつかのカンナビノイドは、制吐薬と鎮痛薬、眼圧を下げる薬剤として有効である。特定の神経疾患、エイズとある種のがんにおいて、症状の緩和と幸福感(well-being)の向上のエビデンスがある。カンナビノイドは不安を減少させ、睡眠を改善する可能性がある。抗けいれん薬としての活性は解明を必要とする。基礎研究によって特定されたその他の特性は評価を待つ。多くの関連した疾患に対する標準的な治療は不十分である。大麻は過量投与については安全であるが、一般的に、鎮静作用、陶酔、不器用さ、めまい、口渇、血圧の低下あるいは心拍数の増加などの不必要な効果をしばしば生じさせる。特定のレセプターや天然のリガンドの発見は薬剤の発展を導くかもしれない。投薬の用量と経路を最適化し、治癒的な効果と望ましくない作用を定量化し、相互作用を調べるために研究が必要である〔15〕。
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第2 意見の理由
1.はじめに
人類と大麻の共生の歴史は古く、大麻は中央アジアにおいて1万年以上も前から栽培されていたといわれている。中国では紀元前4000年、トリキスタンでも紀元前3000年ころには栽培が始まったと考えられている。医薬品としての利用も古く、インド、中国、中東、南東アジア、南アフリカ、南アメリカでは長い歴史を持っている。
大麻が医薬品として使われたことを示す最初の記録は、5000年前の中国を統治していた神農帝が出版したとされる草本録(神農本草経)にみられ、マラリア、便秘、リウマチ痛、放心、婦人病の薬としてあげている。その他にも、中国の薬草医は、手術の際の沈痛薬として、カナビスと松ヤニと酒を調合した薬について触れている。〔1〕
わが国においても、大麻は古来より穢れを祓う神聖な植物であると考えられており、様々な宗教的な儀式や神事、生活用品などに用いられてきた。戦前は、国家によってその生産が奨励されていたこともあり、繊維や種子を採取する目的で全国各地で広く栽培されていた。また、医薬品としても使用されており、日本薬局方には、1886年に公布されて以来、1951年の第五改正薬局方まで大麻が「印度大麻草」、「印度大麻草エキス」、「印度大麻チンキ」という製品名で収載され、鎮痛剤、鎮静剤、催眠剤などとして用いられてきた〔2〕。
このように、大麻は戦前の日本人にとって身近な植物であったが、戦後、連合国軍の占領下において、昭和20年9月にポツダム宣言ノ受諾二伴ヒ発スル命令二関スル件(昭和20年勅令第542号)が公布・施行され、これに基づき、大麻の規制についてはいわゆるポツダム省令、すなわち、麻薬原料植物ノ栽培、麻薬ノ製造、輸入及輸出等禁止ニ関スル件(昭和20年厚生省令第46号)が制定され、これにより、大麻についても麻薬としての規制が行われ、大麻草の栽培等が全面的に禁止された。その後、大麻取締規則の制定によって、麻薬から独立して大麻の規制が行われるようになり、用途を限定して許可制の下に大麻草の栽培が認められるようになった。
昭和23年、大麻取締規則が廃止され、大麻取締法(昭和23年法律第124号)が制定(同年7月施行)された。同法は、大麻の用途を学術研究及び繊維・種子の採取だけに限定し、大麻の取扱いを免許制とし、免許を有しない者による大麻の取扱いを禁止するとともに、違反行為を規定して罰則を設けた〔3〕。
大麻取締法制定の経緯については、同法案を審議する国会会議録において、「大麻草に含まれている樹脂等は麻藥と同樣な害毒をもつているので、…(以下略)」〔昭和23年06月12 日 衆議院厚生委員会 8号 厚生大臣 竹田儀一氏による発言〕、「大麻草に含まれている樹脂等は、麻藥と同様な害毒をもつているので、…(以下略)」〔昭和23年06月19日衆議院本会議 67号 厚生委員長山崎岩男氏による発言、昭和23年06月24日 参議院厚生委員会 厚生大臣 竹田儀一氏による発言〕、「麻藥と同様な害毒を持つておるのでありますから、…(以下略)」〔昭和23年06月28日 参議院本会議 54号 厚生委員長塚本重藏氏による発言〕などの発言が度重なってみられるが、このような事実を示す証拠は明らかにされておらず、また、現在の大麻の健康への影響に関する科学的知見とも大きくかけ離れていることから、同法制定の過程において重大な事実誤認があったことが窺われる。
その後、大麻は、1961年の麻薬に関する単一条約(麻薬単一条約)によって、特に危険な特性を有するものとして、附表I及び附表Ⅳに分類され、ヘロインやモルヒネと同等に最も厳しい規制を受けている。大麻がこのように分類されているのは、1957年のWHOによる大麻の「身体的中毒性」を持つという定義に依るものであるが、当時、大麻の依存性についてどこまで科学的に把握できていたかは疑問が残る。事実、1965年のWHOによる大麻の依存性に関する定義では、大麻の身体的依存性はほとんどないと述べられており、また、1997年のWHOによる大麻に関する報告書では、「これまでのところ、退薬症候群の生成について一般的な合意がない。」と述べられている[4]。また、近年の大麻に関する研究には著しい進歩があり、信頼性の高い研究によって、大麻の有害性は、アルコールやたばこより低いことが報告されている[5]。また、大麻の適切な使用が様々な疾病や不快な症状に対して治癒的な効果を示すことが明らかにされている。このような科学的事実に基づいて、先進諸国では、大麻に関する規制を改める動きが盛んである。一方わが国においては、もはや根拠の無い60年前の法律に基づいて、大麻使用者を逮捕・拘禁する厳罰政策が続けられているが、このような措置は重篤な人権侵害であり、早急にこれを改める必要がある。
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第1 意見の趣旨
近時の信頼性の高い研究によって、大麻の有害性はアルコールやタバコ以下であり、大麻の適切な使用が様々な疾病や不快な症状に対して治癒的な効果を示すことが明らかにされているが、わが国においては、大麻の所持や栽培、譲渡が量や理由の如何を問わず、懲役刑をもって全面的に禁止されている。大麻取締法違反は近年増加傾向にあるが、大麻に関する最新の知見に鑑みれば、末端の使用者に逮捕・拘禁を伴う刑事罰を課す措置は、憲法13条、25条及び31条に違反する重篤な人権侵害であり、個人や家庭、社会が被る損害は甚大である。このような立法の不作為による現在の状況の問題点を一刻も早く改善するために、大麻取締法を以下のように速やかに法改正すべきである。
1.成人による大麻の個人的な使用目的の所持及び栽培並びに未成年者への関与を除く 営利を目的としない少量の譲渡については刑事罰の対象から除外し、特に著しく公衆衛生に悪影響を及ぼすと認められる場合については、注意や警告、過料などの措置を講ずる。
2.大麻取締法第4条の2及び3を廃止し、大麻の医療上の目的の所持、栽培及び譲渡を法規制の対象から除外する。
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