オランダ控訴審

医療カナビスの個人栽培を認める

Source: Drug War Chronicle
Pub date: 21 October 2006
Subj: Dutch Appeals Court Rules Medical Marijuana Patient Can Grow His Own
http://www.hempevolution.org/media/stopthedrugwar/s061021.htm


オランダでは現在でも医療目的でカナビスを個人栽培することは違法となっているが、今週行われた控訴審の決定で、規制に亀裂が入る可能性がでてきた。

オランダのコーヒーショップでは、容認政策のもとでカナビスの小売販売が認められているにもかかわらず、ショップへカナビスを供給するための栽培については認められていない。このため、ショップは事実上ブラック・マーケットから調達を余儀なくされている。

同様に、オランダの薬局での医療カナビスの販売が認められているにもかかわらず、供給ができるのは認定された僅かな業者のみで、患者が自分用のカナビスを栽培することまでは認められていない。

アジャンス・フランス・プレス が伝えるところによると、オランダ北部フリースランド州にあるレーワールデンの控訴審は、17日、多発性硬化症患者であるウイム・モーラグ夫妻の訴えを認め、1週間に20グラムのカナビスを治療用に栽培して起訴されていた件を却下する決定を下した。

下級審では、モーラグ夫妻は違法栽培で有罪になり250ユーロ(3万7000円)の罰金を科せられたが、控訴審では、病気にともなう痛みの緩和に栽培する権利がカナビスの栽培を禁じた州の利益よりも優先されるという考えを支持した。

モーラグさんは、コーヒーショップのカナビスがカビやバクテリアを含んでいるために、特に多発性硬化症患者には危険で買うことができないと訴えている。

モーラグさんの弁護士ウイム・アンカーさんは、「今回の判決は、多発性硬化症患者ばかりではなくエイズの人たちにとっても自分のカナビスを合法的に栽培できることを意味している」 と述べ、この決定が大きな分水嶺になるかもしれないと指摘している。

しかしながら、検察側ではまだあきらめたわけではなく、判決の翌日、レーワールデン検察のマリナ・ウイール広報官は、「決定を覆すように最高裁に上訴する」 と表明している。



オランダの医療カナビスの品質評価
Arno Hazekamp, Leiden University, Cannabinoids, 13 August 2006, IACM