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しらさんの助言を受けて、原案を大幅に見直しました。当センターの礎を築き、私の活動を支えてくださっているしらさんには本当に感謝しています。
国際条約による大麻の規制の見直しを求める提言
━ 第51会期国連麻薬委員会に向けて ━
大麻取締法被害者センター
1.はじめに
大麻は1961年の麻薬に関する単一条約(麻薬単一条約)及び麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(麻薬新条約)によって、けし、コカ樹などと共に規制されている植物であるが、近年の研究によって、大麻の有害性は、ヘロインやモルヒネ、コカインのみならず、現在は規制の対象外であるアルコールやたばこより低いことが報告されている。
大麻の適切な使用が、ストレスや精神の緊張の緩和を促し、体内の様々な器官での恒常性維持機能を高める働きをもたらすことは広く知られている。大麻は古くから医薬品として用いられており、多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛やオピオイド系薬剤による治療で効果の見られない末期がんの患者の疼痛、AIDS患者の進行性食欲減退や体重減少などの症状を伴う消耗症候群、依存性薬物の依存症など、様々な疾病の治療に有効であり、実際に、大麻が治療薬として認められ、処方されている国もある。
先進諸国の間では、大麻の有害性に関する最新の科学的知見に基づいた正当な評価、個人の価値観を尊重する考え方などに基づいて、薬物の害削減政策として、個人的な使用目的の大麻の少量の所持については、逮捕しない政策を採用している国が多いが、栽培を禁止している国際条約との軋轢により、犯罪組織への莫大な不正利益の供給や取締りに費やされるコストの増大、各国の国民の薬物政策への信頼性の低下など、様々な問題が生じており、現在の国際条約を改めるよう求める声が上がっている。
一方、わが国においては、国際条約による規制を理由に、大麻取扱者を除いて、大麻の所持や栽培が量や理由の如何を問わず、懲役刑をもって全面的に禁止されており、正当な手続きを行って、大麻取扱者免許取得を申請しても交付されない状況が続いている。こうした現在のわが国の大麻政策がもたらす社会的な損失は甚大であり、重篤な人権侵害を引き起こしている。
国連は、2008年を「反省と熟慮の年」(Year of Reflection)とすることを明言しており、過去10年間の薬物政策を総括し、新しい政策を話し合う会議が開催される。そこで、古い国際条約に起因する大麻問題の解決と大麻取締法の抜本的な改正に向けて、以下のとおり提言する。
1. わが国の大麻政策の現状と問題点
1.1 大麻政策の現状
・大麻取扱者を除いて、大麻の所持や栽培、配布が、量や理由の如何を問わず、懲役刑をもって全面的に禁止されている。
・医療用途の大麻の施用や施用を受けることを全面的に禁止している。
・薬物乱用防止教育として、大麻の健康への影響に関する、ことさらに害を誇張した、事実に基づかない誤った情報を流し続けている。
・麻薬単一条約は、産業用途(繊維と種)あるいは園芸用途に限られた大麻草の栽培には適用されないにも拘らず、産業利用目的で、正当な手続きを行って、大麻栽培者免許取得を申請しても、大麻が国際条約により規制されている植物であることを理由に交付されない。
・不正大麻撲滅運動と称して、野生の大麻草までも撲滅の対象とした活動を行っている。
1.2 大麻政策の問題点
・大麻の有害性はアルコールやたばこより低いことが明らかにされているにも拘らず、個人的な使用や非営利目的の大麻の所持や栽培、配布を懲役刑をもって禁止することによって、大麻使用者に重篤な人権侵害を行っている。
・大麻使用者を犯罪組織と結び付け、覚せい剤などの、より危険なハードドラッグとの接触の機会を増加させ、犯罪組織に、不正利益を供給している。
・アルコールやたばこより安全な代替として大麻を選択することが認められていない。
・大麻の取締りに費やす労力や費用が、大麻の実際の有害性に見合っておらず、税金を浪費している。
・医療用途の大麻の施用や施用を受けることを全面的に禁止することによって、患者の生存権を著しく脅かしている。
・アルコールやたばこ、覚せい剤などの、より危険な依存性薬物の依存症の治療に大麻を使用することが認められていない為、患者の依存性薬物からの脱却を困難にしている。
・薬物乱用防止教育として、大麻の健康への影響に関する、ことさらに害を誇張した、事実に基づかない誤った情報を流し続けることにより、主として、未成年者を含む若年層に、政府による薬物に関する情報への信頼性を著しく低下させ、深刻な混乱を引き起こしている。
・繰り返し環境に利用でき、環境問題を改善する貴重な資源である大麻の栽培者免許の取得を過剰に厳しく制限することにより、持続可能な社会の発展と構築を著しく妨害している。
・麻薬新条約には、「第14条 2 締約国は、麻薬又は向精神薬を含有するけし、コカ樹、大麻等の植物であって自国の領域内において不正に栽培されたものにつき、その不正な栽培を防止し及びこれらの植物を撲滅するための適当な措置をとる。その措置をとるに当たっては、基本的人権を尊重するものとし、また、歴史的にみてその証拠がある場合には伝統的かつ正当な使用について妥当な考慮を払うとともに、環境の保護についても妥当な考慮を払う。」と規定されているにも拘らず、環境の保護について妥当な考慮を払うことを怠り、野生の大麻までも撲滅の対象としている為に、重篤な環境破壊を引き起こし、税金を浪費している。実際に、アサカミキリという昆虫が絶滅の危機に瀕している。
2 日本政府への提言
上記のような、大麻政策の現状と問題が、古い国際条約による大麻の規制に起因していることに鑑み、日本政府に対し、第51会期国連麻薬委員会に向けて、以下の2つを提言する。
Ⅰ.第51会期国連麻薬委員会において、国際条約による大麻の規制を最新の知見と照らし合わせ、薬学的、医学的、社会学的な観点から再検証するよう働きかけることを求める。
Ⅱ.第51会期国連麻薬委員会において、世界の全ての成人の個人使用目的及び非営利的目的の為の大麻の栽培と所持の権利を制定するよう提議することを求める。
以上
謝辞
私達に、最新の科学的知見を与えてくださった全ての研究者に感謝の意を表します。
国際条約による大麻の規制の見直しを求める提言
━ 第51会期国連麻薬委員会に向けて ━
大麻取締法被害者センター
1.はじめに
大麻は1961年の麻薬に関する単一条約(麻薬単一条約)及び麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(麻薬新条約)によって、けし、コカ樹などと共に規制されている植物であるが、近年の研究によって、大麻の有害性は、ヘロインやモルヒネ、コカインのみならず、現在は規制の対象外であるアルコールやたばこより低いことが報告されている。
大麻の適切な使用が、ストレスや精神の緊張の緩和を促し、体内の様々な器官での恒常性維持機能を高める働きをもたらすことは広く知られている。大麻は古くから医薬品として用いられており、多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛やオピオイド系薬剤による治療で効果の見られない末期がんの患者の疼痛、AIDS患者の進行性食欲減退や体重減少などの症状を伴う消耗症候群、依存性薬物の依存症など、様々な疾病の治療に有効であり、実際に、大麻が治療薬として認められ、処方されている国もある。
先進諸国の間では、大麻の有害性に関する最新の科学的知見に基づいた正当な評価、個人の価値観を尊重する考え方などに基づいて、薬物の害削減政策として、個人的な使用目的の大麻の少量の所持については、逮捕しない政策を採用している国が多いが、栽培を禁止している国際条約との軋轢により、犯罪組織への莫大な不正利益の供給や取締りに費やされるコストの増大、各国の国民の薬物政策への信頼性の低下など、様々な問題が生じており、現在の国際条約を改めるよう求める声が上がっている。
一方、わが国においては、国際条約による規制を理由に、大麻取扱者を除いて、大麻の所持や栽培が量や理由の如何を問わず、懲役刑をもって全面的に禁止されており、正当な手続きを行って、大麻取扱者免許取得を申請しても交付されない状況が続いている。こうした現在のわが国の大麻政策がもたらす社会的な損失は甚大であり、重篤な人権侵害を引き起こしている。
国連は、2008年を「反省と熟慮の年」(Year of Reflection)とすることを明言しており、過去10年間の薬物政策を総括し、新しい政策を話し合う会議が開催される。そこで、古い国際条約に起因する大麻問題の解決と大麻取締法の抜本的な改正に向けて、以下のとおり提言する。
1. わが国の大麻政策の現状と問題点
1.1 大麻政策の現状
・大麻取扱者を除いて、大麻の所持や栽培、配布が、量や理由の如何を問わず、懲役刑をもって全面的に禁止されている。
・医療用途の大麻の施用や施用を受けることを全面的に禁止している。
・薬物乱用防止教育として、大麻の健康への影響に関する、ことさらに害を誇張した、事実に基づかない誤った情報を流し続けている。
・麻薬単一条約は、産業用途(繊維と種)あるいは園芸用途に限られた大麻草の栽培には適用されないにも拘らず、産業利用目的で、正当な手続きを行って、大麻栽培者免許取得を申請しても、大麻が国際条約により規制されている植物であることを理由に交付されない。
・不正大麻撲滅運動と称して、野生の大麻草までも撲滅の対象とした活動を行っている。
1.2 大麻政策の問題点
・大麻の有害性はアルコールやたばこより低いことが明らかにされているにも拘らず、個人的な使用や非営利目的の大麻の所持や栽培、配布を懲役刑をもって禁止することによって、大麻使用者に重篤な人権侵害を行っている。
・大麻使用者を犯罪組織と結び付け、覚せい剤などの、より危険なハードドラッグとの接触の機会を増加させ、犯罪組織に、不正利益を供給している。
・アルコールやたばこより安全な代替として大麻を選択することが認められていない。
・大麻の取締りに費やす労力や費用が、大麻の実際の有害性に見合っておらず、税金を浪費している。
・医療用途の大麻の施用や施用を受けることを全面的に禁止することによって、患者の生存権を著しく脅かしている。
・アルコールやたばこ、覚せい剤などの、より危険な依存性薬物の依存症の治療に大麻を使用することが認められていない為、患者の依存性薬物からの脱却を困難にしている。
・薬物乱用防止教育として、大麻の健康への影響に関する、ことさらに害を誇張した、事実に基づかない誤った情報を流し続けることにより、主として、未成年者を含む若年層に、政府による薬物に関する情報への信頼性を著しく低下させ、深刻な混乱を引き起こしている。
・繰り返し環境に利用でき、環境問題を改善する貴重な資源である大麻の栽培者免許の取得を過剰に厳しく制限することにより、持続可能な社会の発展と構築を著しく妨害している。
・麻薬新条約には、「第14条 2 締約国は、麻薬又は向精神薬を含有するけし、コカ樹、大麻等の植物であって自国の領域内において不正に栽培されたものにつき、その不正な栽培を防止し及びこれらの植物を撲滅するための適当な措置をとる。その措置をとるに当たっては、基本的人権を尊重するものとし、また、歴史的にみてその証拠がある場合には伝統的かつ正当な使用について妥当な考慮を払うとともに、環境の保護についても妥当な考慮を払う。」と規定されているにも拘らず、環境の保護について妥当な考慮を払うことを怠り、野生の大麻までも撲滅の対象としている為に、重篤な環境破壊を引き起こし、税金を浪費している。実際に、アサカミキリという昆虫が絶滅の危機に瀕している。
2 日本政府への提言
上記のような、大麻政策の現状と問題が、古い国際条約による大麻の規制に起因していることに鑑み、日本政府に対し、第51会期国連麻薬委員会に向けて、以下の2つを提言する。
Ⅰ.第51会期国連麻薬委員会において、国際条約による大麻の規制を最新の知見と照らし合わせ、薬学的、医学的、社会学的な観点から再検証するよう働きかけることを求める。
Ⅱ.第51会期国連麻薬委員会において、世界の全ての成人の個人使用目的及び非営利的目的の為の大麻の栽培と所持の権利を制定するよう提議することを求める。
以上
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- 文書の内容 (匿名, 2008-1-14 3:14)
- Re: 文書の内容 (白坂@THC主宰, 2008-1-14 4:04)
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- Re: 文書の内容 (匿名, 2008-1-20 22:53)
- Re: 文書の内容 (白坂@THC主宰, 2008-1-21 5:53)
- Re: 文書の内容 (匿名, 2008-1-21 19:55)
- Re: 文書の内容 (白坂@THC主宰, 2008-1-23 4:32)
- Re: 文書の内容 (白坂@THC主宰, 2008-1-23 4:41)
- Re: 文書の内容 (匿名, 2008-1-28 2:11)
- Re: 文書の内容 (白坂@THC主宰, 2008-1-28 5:53)
- Re: 文書の内容 (匿名, 2008-1-30 4:00)
- Re: 文書の内容 (匿名, 2008-1-31 6:07)
- Re: EDIT (匿名, 2008-2-11 19:35)
- Re:edit (匿名, 2008-2-11 19:35)
- 国連麻薬委員会向けver.1.1 (匿名, 2008-2-13 23:18)
- 日本政府向けver1.1 (匿名, 2008-2-13 23:19)
- 日本政府向けver2.0 (匿名, 2008-2-17 12:36)
- 国連麻薬委員会向けver.2.0 (匿名, 2008-2-17 13:06)