チラム、伝統の喫煙具

チラムはインドなどで古くから使われているカナビス専用の喫煙具だ。構造は簡単で、円錐形の筒になっているだけだ。素材は、木や金属、石、ガラス、牛の角などが利用されるが、インドでは使い捨ての素焼製のものが多い。

カナビスをそのまま詰めるのではなく、まずチラムに適当な小石などを入れてボウル部になる空間を確保する。完全に密封されることはないので、すき間から煙が流れるようになっている。素焼製の小さいチラムでは本体が熱くなるので、湿らせた布を巻いて使う。

普通、直接チラムを口にくわえるのではなく、両手をつかって煙のタメを作って親指と人差指のすきまから吸う。パイプと違って慣れないと少し難しい。両手を使い、さらに強い吸引が必要なので姿勢を構える必要があり、その仕草には神妙な雰囲気が漂う。インドのサドゥがチラムを頭上に捧げてからおもむろに吸う姿はとても印象的だ。