クッキング



カナビスを食べるには、味もさることながら、THCを失わないように調理し、さらに体内に吸収されやすくしなければならない。ただ、いつもの料理にカナビスを加えても効果が得られるとは限らない。ポイントには次のようなことが上げられる。


1. 加熱し過ぎない     THCは200℃で気化して蒸気になってしまう。加熱しすぎると一瞬でTHCが失われる。

2. 熱を加えない料理では事前にカナビスを少し加熱する     普通のカナビスには不活性のTHCAが多量の含まれているのでサラダのようにそのまま食べても効かない。オーブン100℃で15分(電子レンジでは約2分)温めて活性のあるTHCに変えることができる。加熱した料理では、この工程は自然に起こるので必要はない。

3. 油分や糖分に混ぜて調理する     食べた場合は、THCは胃や腸から体内に吸収される。だが、THCは水の溶けないので、油分や乳製品や糖分に混ぜて体内への吸収をよくする必要がある。

4. 量の多い料理にはしない     食べる量が多い料理は消化吸収に時間がかかるので効き方が緩慢になってしまう。チョコレートやクッキー、マフィンなどスナックのような軽いもののほうがよい。


調理に必要な基準量

調理に必要なカナビスの量については、カナビスの効力や形状などさまざまで明確な指針はないので、経験者の本などのレシピを参考に注意深く試してみることが欠かせない。

1980年にカリフォルニア大学のリース・ジョーン博士が議会で、「THCは、吸ったほうが食べた時より3〜5倍効力があると見積もられている」 と 証言 しているが、実際には、使うカナビスの効力、調理法、吸った際の煙のロス、体内での吸収効率などを考えればそう単純ではないだろう。

また、食べた場合は、THCは、肝臓の中で代謝されてTHCの4〜5倍の効力を持つ11-ハイドロキシーTHCに変わると言われている。代謝される量は形状や各人の吸収率などによって違うと考えられるが、いずれにしても、THCに加えて11-ハイドロキシーTHCの影響も受けることになるのでその分だけ効力が強くなる。

したがって、適正に調理してあれば喫煙と同等かそれ以上の効果が得られる可能性もある。基準としては、ジョイント1回分相当をクッキー1個分にして試してみればよいだろう。

また、医療患者用には通常の約半分の量を基準に調理する。少なめの量では、「酔う」 ことなく病状だけを緩和することができると言われている。

参考
カナビス・クッキング
カナビスの化学
THC4MS、カナビス・チョコレート配布運動

Cannabis Gran  パット・タブラム おばあちゃんのの料理サイト
Eric's Kitchen    クッキング・ブック 『Cannabis Cafe』 には多数の料理が美しい写真とともに解説してある。
American Alliance for Medical Cannabis    医師の監督による医療カナビス患者向けのクッキング・レシピが満載。