バポライザー、魔法の蒸気


カナビスの活性成分であるTHCはバッズに生えたトリコームで樹脂としてつくられる。この樹脂は185度から190度で熱すると蒸散して乳白色の蒸気になる。

カナビスを燃焼させて煙として吸う場合は500度以上の温度が必要で、この温度ではタールなどの有害物質も排出されてしまうが、バポライザーは温度を200度前後に保つことで有害物質を含まないよりピュアーな蒸気としてTHCを取り出すことができる。

蒸気は香りがよく、にがみがないので吸引しやすい。このことは、効き方が早く吸引量の加減が容易にでき一層安全であることを意味している。


気化すると燃焼していない茶色ぽくなった抜け殻が残る

バポライザーは開発途上の分野なので次々に新しい製品がつくり出されている。まだ十分に普及しているとは言えないが、現在、EUではレストランなどすべての店舗内で喫煙スペースを規制対象とすることが提案されており、オランダのコーヒーショップでも先を見越してバポライザー専用のスペースを確保するところも出てきている。


バポライザーの種類

カナビスの活性成分THCを燃焼させずに気化させること自体はそう難しいことではなく、気化温度に晒されると数秒もしないうちに蒸気になる。

「燃さない」 ということは、直接カナビスに火をつけずに約200度の状態にするということで、ガラスや金属片の上に置いて下から火であぶったり、熱風を吹きかけて実現することができる。熱源としては、普通、ライターの火や電気ヒーターなどを使うが、変わったものでは、日光や摩擦熱を利用するものもある。

ライターの場合は適切な温度を保つことが難しいので加熱しすぎてカナビスが焦げてしまうという欠点もあるが、装置を簡単にすることができるので安価で小型化できる。電気ヒーターでは温度コントロールが容易なので確実に蒸気だけを取り出すことができる。しかし、どうしても装置が大型で高価になる。


ガラス瓶(フラスコ)を利用したバポライザー
耐熱性の透明の瓶に吸い口を付けただけの装置。カナビスを中に入れて瓶の外側からライターでカナビスが焦げない程度に加熱して蒸気を発生させる。蒸気は白いので目に見える。瓶が蒸気で満たされたら吸い口から吸い込む。


イーグル・ビルが発明した初期のバポライザー・パイプ。上の金属スクリーンを取り出して中に細かくしたカナビスを入れ、スクリーンを戻して下からライターで加熱する。

現在、安価で最も入手しやすいフラスコ型バルブ・バポライザー。キャップをはずしてバッズを入れる。熱が広範囲に均等に伝わるようにライターをできるだけ近づけて加熱する。蒸気を冷却するために吸い口の管を水パイプやボングに挿入して使ったりもできる。


ガラス管バポライザー
長めのガラス管の中間にカナビスを入れ、右側から細いマウスピース管でふたをして、左端を加熱して吸い込む。加熱された空気がカナビスを通過するときに蒸気を発生させる。


http://www.cheapvaporizer.com/



ホットプレート型バポライザー
透明な瓶やをドームとして、中に加熱できる小さなホットプレートを装備し、上にのせたカナビスを加熱して蒸気を発生させる。BCバポライザーが有名。


http://www.bcvaporizer.com/



ヒートガン・バポライザー
通常のホッカのボウル部の上からヒートガンで加熱した空気を強制的に送り込み蒸気を発生させる。一度に多量の蒸気を作り出すこともできる。バーダンパーが有名。現在ではあまり使われなくなった。


http://www.de-verdamper.nl/



ボルケーノ
ホットプレート型のバポライザーの応用だが、温度コントロール装置が内蔵され、カナビスが直接プレートに接触しないでゆっくり蒸気が発生するようにフィルタが工夫されている。立ち上った蒸気はポリ袋にたまるようになっているので冷めやすく吸いやすい。水蒸気のように凝結するようなことはない。医療患者向けには最もよく使われている。


ストルツ・ビッケル社日本語ページ   マニュアル

ボルケーノの原理を応用し、バッテリーを内蔵したハンディな装置

http://www.air-2.com/



新型バーダンパー・バポハイザー
ホッカの上部の加熱装置はヒートガンのような空気を送り込む機能はなく、常時加熱して置いてユーザーが吸入したときだけ熱い空気が流入するようになっている。このために吸い込んだときにだけ蒸気が発生し、無駄が無く蒸気も劣化しない。


http://www.de-verdamper.nl/


同種のバポライザー



バポスター
ボールの上部に貯熱用の金属蓋を装着し、吸引しながら小さな穴を通してライターで蓋を加熱し、ボール内部のカナビスに熱風を送り込む。蓋の下部には網がついており、炎を遮断して空気だけが流入するようになっている。ピンセットは熱くなった蓋をはずすときに使う。


http://www.vaporstar.co.uk/


ハーボライザー
ボング型のバポライザー。ホッカ型のバポハイザーよりも一気に多量に蒸気を吸い込むことができる。吸引力を必要とするので、ボングが好きな人向き。


http://www.herborizer.com/


バイパー・スネーク(Vapor_Snake)
小型簡易バポライザー。小型で、カナビスの出し入れ、機器の扱いが簡単。


Vapor_Snake  (YouTubu)


バイパー・ブラザーズ(Vapor Brothers)
1999年に発売された当時最新式ランプ加熱型バポライザー。箱の中にはランプが入っているだけで、おおざっぱな温度調整可能。バッズの装填がやや面倒だが、水を通さないので蒸気がよりクリア。


Vapor Brothers Vaporizer: The Basics  (YouTubu)