ハシシ・ハニー・オイル

アルコールを使ったハシシ・オイル抽出法はカナビノイドだけではなく、植物の組織の破片、クロロフィル、芳香エッセンシャル・オイルなども一緒に抽出されてしまう。このためにオイルは不純物で色も黒っぽく、カナビノイドの純度にも限界がある。

これを改善したのがブタンガスを利用した超臨界流体クロマトグラフィー(Supercritical Fluid Chromatography, SFC)という方法だ。 この方法で抽出したオイルは不純物が少なく、琥珀色をしているので「ハシシ・ハニー・オイル」と呼ばれている。

超臨界流体というのは気体とも液体ともつかない高密度の流体で、ある温度以上ではいくら圧力をかけても凝縮せず、溶解力が極めて強いという特徴をもっているが、パイプの中にブタンガスを充満していくとこのような超臨界流体ができる。


原理はややこしそうだが、実際の装置は極めてシンプルで操作も簡単だ。「ガス・オ・レーター」 は、ポリプロピレンのパイプを使い、上側にブタン注入用の穴のあいたキャップ、下側には原料のカナビスが落ちてこないようにフィルターを内蔵したキャップが取り付けられている。装置はオイルが下へ流れ出てくるようにスタンドに立てて使う。オイルの受け皿はパイレクスやガラスなどを使う。


まず、下側のキャップをしてから、パイプに均一に細かくしたバッズを、ガスの通りが阻害されないように緩めに入れる。上のキャップを閉め、注入口にブタンガス・ボンベを押しつけてガスを注入する。ガスが下まで十分に充満するまで続ける。その後30分程放置してオイルが流れ出てくるのを待つ。最初のオイル皿を回収し、新しい皿に交換して24時間放置し残りを完全に回収する。


装置は単純なので自作し、ブタンガスはライター用やガスコンロ用卓上カセットボンベなどを使うこともできるが、ガスは引火性と毒性があるので扱いには十分に注意しなければならない。また、抽出直後のオイルやパイプ内のバッズ残留物にはブタンが溶けているのでしばらく空気に晒してガスを完全に蒸発させる必要がある。

参考
Gasolator マニュアル
Honey oil made easy