カナビス動物用医薬品


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Veterinary Preparation


自動車は発明される以前、馬は家族のペットとして扱われるよりは、日々の暮らしのなかで重要な道具の一つと考えられていた。農家にとってはトラクターであり、輸送業者にとってはトラックのエンジンであり、大半の人にとっては交通手段だった。

従って、常に良好な状態にメンテナンスしておくことが重要だった。人間のために製造されている医薬品のほとんどが動物の医薬品としても販売されており、違いといえば、服用量ぐらいのものだった。







ソローン博士の動物用疝痛治療薬。疝痛とは、いつも決まった時間になると腹痛のような症状をみせる状態をいう。成分は、アルコール20%、抱水クロラール10グレン、カナビス・インディーカ36.6グレン、その他。馬および牛用。1914年に更新された製品の広告では、名前が変更されてボトルのコルクや箱も改良されている。



ソローン博士の治療薬の別バージョン。オクラホマ・フロンティア・ドラッグストアー・ミュージアム提供。


ヘス博士の疝痛治療薬。オハイオ州アシュランド、ヘス&クラーク社。価格1ドル。箱のサイズは約16*6*3センチ。箱は未開封で裏を見ると、下部に小さな文字で次のように書かれている。

「チョウセンアサガオ抽出液、トウガラシ抽出液、石炭酸、穀物アルコール55%以下、クロロフォルム、カナビス・インディーカ・エキス78グレン。ロバを元気にさせたかったら、これをどうぞ。」


動物用駆風溶液NO.3。駆風薬とは胃腸内のガスを排出するための薬。イリノイ州ピオリア、サトリッフ&ケース社(1883年設立)。コルク栓の見事な大型ボトル。高さ35センチ、直径14センチ。成分は1液体オンス当たり、エーテル90ミニム、カナビス120グレン、トウガラシ30グレン、サリチル酸60グレン。


スノウ疝痛薬珠玉#4。非常にレア。ニューヨーク州ノウボロ、オールド・ホーム動物医薬品社。馬の疝痛および牛の下痢。スノウは会社のオーナーの名前。ラベルには、1907年の純粋食品医薬品法の指定マークが付いている。ラベルによると、抱水クロラールとカナビス11%入りとなっている。ボトルの高さは16センチ、幅7センチ。


ラウレイ疝痛・駆風薬。イリノイ州フリーポート、WT.ラウレイ社製造。ラベルには次のように書かれている。

「アルコール90%、1液体オンス当たり、(不明)グレン、カニバス・サティバ(不明)グレン、ベラドンナ根抽出液6グレン、トリカブト根抽出液12.3グレン、トウガラシ。馬と牛の下痢に使う。馬の疝痛には、カップ半分の水にスプーン2杯を1時間ごとに与え次第に間隔を伸して2時間おきにする。24時間でボトル1本以上を与えてはならない。牛の駆風には、生のアマニ油1リットルにスプーン3杯を1時間ごとに与える。24時間でボトル1本以上を与えてはならない。」

イリノイ州ステファンソン郡地域ミュージアム提供による。


ラウレイ疝痛・駆風薬のパッケージ内部に入っていた説明書。


ラウレイ疝痛・駆風薬ボトルの別の写真。カニバス・サティバ36グレンという記述が見られる。オクラホマ・フロンティア・ドラッグストア・ミュージアム提供。


ラウレイ動物用ボトル。このラベルは本格的な印刷で作られはじめた初期のもの。ラベルには会社の設立者で社長のラウレイ氏の写真が印刷してある。馬や牛の絵もある。このような見事な多色刷りは当時では珍しい。ラベルは左上が破損しているが90%は無傷で汚れも少なく、その時代の雰囲気を伝えている。文字も非常に読みやすい。

成分としては、アルコール87.4%、トリカブト1.4%、ベラドンナ16.5%、カナビス・サティバ8.1%、とラベルの書かれている。以前のカニバスというスペルはカナビスに変えられている。当時、カナビスやアヘンやモルヒネのような規制薬物が入っている専売特許医薬品は常に人気があった。

うすい水色のボトルで、高さは20センチ。サイドには、イリノイ州フリーポート、別サイドには、WT.ラウレイ薬品社、裏面にも、ラウレイ・トレードマーク、という浮きだし文字が入っている。