沖縄で服役しているナタから手紙が届きました。抜粋して紹介します。昨年初夏にこちらから送った手紙が届いていないような印象を受けましたが、年末に送った分は手元に届いたようです。返信を書き、談話室の書き込みなども印刷して同封するので、激励の書き込みなどお願いします。
明けましておめでとうございます。白坂さんはいつも何かとお忙しい日々を送っておられるとは思いますが、年末年始くらいはゆっくりできましたでしょうか。穂高の山中、温泉付きの家で新年を迎えることができるというのは、本当にうらやましいことですね。こちらも年末から急に冷え込み、寒くなってきました。こう寒くなると信州の温泉がとても恋しくなります。ここでの入浴は週に2・3回、時間は15分、その時間内で体を洗い、ヒゲを剃り、とやっていると、湯船につかる時間など2・3分ほどしかありません。出所したらゆっくり温泉につかりたいものですねえ。
(中略)
送っていただいた資料258枚は、ぎりぎり年末年始の連休に入る前に手にすることができました。いつもお忙しい中本当にありがとうございます。
(中略)
密輸の濡れ衣を着せられ、実刑判決を言い渡されてしまった3件の冤罪事件、被害を受けられた方々のことを思うと本当に腹が立ちます。この国の警察・司法は、このままでよいのでしょうか。呆れてものも言えません。裁判官たちは自分の出した「実刑の重さ」が本当に分かっているのでしょうか。人の人生を大きく左右する立場にいるのだから、責任を持ち、もっと慎重にやっていただきたいものです。祐美さんの事件、裁判レポートや趣意書、ご本人からの手紙など、一通り読ませていただきましたが、祐美さんが有罪とされ、実刑判決を受けなければならなかったのか、僕にはまったく理解できません。もっと真剣に、捜査、審理が行われていれば「無実」という真実に辿り着いたのではないでしょうか。それにしても、なによりも腹が立つのは、祐美さんをだまし、利用し、その上お姉さんまでだまし送金させたクソヤロー。こいつは絶対許せない。なんとかこいつを捕まえて、祐美さんの無実を証明したいものです。これから上告審ということですが、何とか少しでも良い方向に進むことを心から祈っています。
(中略)
シャバでも大麻取締法のように理不尽な法律などがありますが、やはり塀の中で生活しておりますと、ここの規則の多さ、そしてその矛盾点や基準の曖昧さ等々、理不尽で納得のできないことが多く感じられます。
(中略)
僕としては、自分が受刑者で、相手が刑務官だから、なんてことは関係なく、一人の人間として、できれば周囲に迷惑をかけたくないという気持ちでいるのですが、納得できないことをそのままにしたくはありませんし、今後、関係職員の方々にも、できるだけご迷惑をおかけしないためにも、いったい何が基準なのかということをはっきりさせるために「面接願い」を出し、職員と話をさせていただいたのですが、結局は僕が「面接願い」という手続きをしたから一応話を聞きにきたという雰囲気で、本気で真剣に対応していただけたわけでもなく、一度不許可と決定されたことはくつがえらないし、もちろん再検討もしない、基準もはっきりせず、曖昧なままです。
(中略)
ここで生活をしている受刑者の多くは、まあそれが本心かどうかは別として、表面上は自分の犯した罪を反省し、1日も早い社会復帰、仮釈放を目指して毎日を送っているのだと思いますが、そういった面で僕は他の受刑者と違いますので、これまでにも再審資料の件等々、様々なことで職員の方々にもご迷惑をかけてきたでしょう。ですので、職員の中には僕のことを「面倒なヤツ」だと思っておられる方もいると思います。でも僕は自分の信念に基づき、純粋に正義の気持ちから行動をしていますし、間違ったことをしていないという自信があります。今はこのようにその行動が認められないことも多いですが、近い将来、法が変わったときに、そんな自分の気持ちやこれまでの行動を理解していただけたら良いなと思っています。
昨年は、ただでさえ自由の少ない受刑生活に加え、本や発信の不許可や工場での作業のこと等々、思い通りにいかないことも多く、ストレスが溜まり精神的にもまいってしまい、ついついかやさんへの手紙にも弱音を書いてしまいましたが、そのことがきっかけとなり、白坂さん、かやさんをはじめ、多くの方が僕のことを気にかけ、応援して下さっているということを改めて知ることができました。本当にありがたいことです。白坂さんもお忙しいので少し時間差はありましたが、皆さんからの温かい励ましのお言葉、お気持ちは塀の中に届きました。年末年始の連休中に、皆さんからのメッセージを読ませていただき、自分は一人ではない、たくさんの方が僕のことを気にかけて下さっている、ということを目の当たりにでき、2008年は心機一転、気持ちよくスタートすることができました。皆さん、本当にありがとうございました。
野中さんとは以前お会いしたことがあったんですねえ。あの時のことは僕もよく覚えています。あの時はあんまりお話をすることができませんでしたが、出所後、再開できる日を楽しみにしております。また昨年はP・Kディックの本を送っていただきありがとうございました。拘置所にいたときに「パーマー・エルドリッチ」を読んでおり、別の作品も読みたいと思っておりましたので、とてもうれしかったです。
被害者さん、素晴らしい短歌を送ってくださりありがとうございました。今は辛いことや思い通りにならないことがあっても、それは自分自身を高めるために必要な修行期間なんだと思い、耐え忍び、満期出所後に、香り良い美しい花を咲かせる事ができるよう頑張ります。
和成さん、呼吸法実践してみました。「空気」を、そして「生きること」を感じましたよ。なんだかとても大切なことを思い出せた気分です。
フロッガーさん、メッセージ本当にとても勇気付けられました。今、自分は、受刑者ということで色々と制約の多い身であり、同じ志を持った皆さんと、同じように動くことはできないかもしれませんが、今、ここからでも何か自分にできることがあるのなら、何でもやる覚悟でおります。同じ目標を目指しがんばりましょう。僕も塀の中から皆さんを応援しています。
バングさん、ご無沙汰しております。桂川さんも僕のことを応援してくださっているということは本当になによりもうれしいことです。きっと多くの方もそう感じているでしょうが、僕にとって桂川さんという存在はとても大きく、本当に尊敬している「心の師」です。バングさんには近いうちに手紙を送ろうと思ってます。
そしてASSAさん、あなたの書き込みが一番嬉しく心に響きました。昨年は手紙もいただき、本当にありがとうございました。こちらからもすぐに返事を出しましたが届いておりますでしょうか。何もないのであればそれで良いのですが、その後、連絡がないので、少し心配しております。
逮捕から約3年が経ち、満期の日まで残すところあと2年3カ月となりました。出所し、皆さんにお会いしたとき、「5年の修行の成果があった」と思ってもらえるよう、これからも日々精進していきたいと思っています。本当に皆さんありがとうございました。
また、満期出所しても、その時もまだこの国に今のような形で大麻取締法が存在していれば、それは僕にとって「自由になる」ということではありません。「大麻取締法」という「塀」に囲まれているのですから・・・。
2008年が大麻を愛する全ての人にとって良い年となりますことを、そしてこの国が、真に平和で自由な社会に、少しでも近づける年となりますことを、心より祈っております。
1月7日
梵 nataraja
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
内閣府に設置された薬物乱用対策推進本部に厚労省が報告した、麻薬取締官OBらと学校等を巡回して普及したという薬物乱用防止に関する正しい知識について、一昨日の内閣府に続き、9日付で厚労省自身にも情報公開請求を行った。請求の内容は下記の通り。
薬物乱用対策推進本部のウェブサイトに、「薬物乱用防止新五か年戦略フォローアップ(平成19年8月3日付)」が掲載されています。
(URL:http://www8.cao.go.jp/souki/drug/sin5_mokuji.html)
その「目標1(1)学校等における薬物乱用防止に関する指導の充実」に、厚生労働省の報告として、「薬物乱用防止キャラバンカーが専門の指導員(麻薬取締官OB)とともに学校等を巡回し、薬物乱用防止に関する正しい知識の普及を図った。」と書かれています。
厚生労働省の報告にある「薬物乱用防止に関する正しい知識」のうち、大麻について、国民に普及した「正しい知識」を示す文書の開示を求めます。
内閣府(薬物乱用対策推進本部)は、厚労省が言う「正しい知識」について把握しているのか、また厚労省はどのような内容の「正しい知識」を学校等で普及したのか、回答によって明らかになる。
日本政府は本当に「正しい知識」に基づいて、国連麻薬委員会などでハームリダクション政策に反対しているのか、なぜ反対の立場を取っているのか、誰の判断で反対しているのか、政策責任を明確にし、問いかけを続けたいと思う。
厚労省を訴える件は、THCのスタッフである医師のフロッガーさんと、薬物政策研究者のTakuさんに手伝ってもらって、訴状を書いている最中です。お二人とも多忙なので、もうしばらくの時間が必要です。訴状としての意味を越え、医学的・社会学的な観点から大麻政策を見直す、意義深い資料になると思います。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
内閣府に設置された日本の薬物行政の司令塔、「薬物乱用対策推進本部」のサイトには、これまで実施した施策について、担当する省からの報告が掲載されている。
そのうち、「薬物乱用防止新五か年戦略 フォローアップ」には、厚生労働省からの報告として、「薬物乱用防止に関する正しい知識の普及」を行ったという表現が何度か出てくる。
しかし、厚労省と(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(ダメセン)に対するこれまでの情報公開請求や問い合わせへの回答を見る限り、厚労省もダメセンも、大麻についての「正しい知識」など持っていない。「正しい知識」どころか、厚労省の担当者も、ダメセンの専務理事も、情報が古くて見直す必要があるとさえ答えている。
厚労省が持っている大麻の情報の全ては、先に文書が開示された通りで、A4で1300枚と枚数はあるが、科学的な研究結果といえるのは国連が1997年に発行した「Cannabis」だけだ。しかも、ダメセンの大麻情報にはその「Cannabis」さえ反映されていないと専務理事は回答している。
日本政府が薬物乱用対策の一環として、閣議決定して設置したダメセン。その大麻情報、「精神的影響」と「身体的影響」についての記述は、15年以上前のアメリカ製薬物標本の説明書を翻訳したものでしかない。今やその原本すら残っておらず、厚労省が持っているのはダメセンからファックスで得たコピーだけだ。医学的な根拠どころか出典すら示せない「偽」の情報だ。
厚生労働省が薬物乱用対策推進本部に報告した「正しい知識」の内容はどのようなものなのか。それが本当に「正しい情報」なのかどうか確認するため、内閣府に情報公開請求を行った。尚、ダメセン大麻情報がいかに誤っているかを内閣府に伝える意味で、医学的検証論文を添付した。
以下、総理大臣宛に8日付で郵送した情報公開請求の内容。
薬物乱用対策推進本部のウェブサイトに、「薬物乱用防止新五か年戦略 フォローアップ(平成19年8月3日付)」が掲載されています。その「目標1 (1)学校等における薬物乱用防止に関する指導の充実」に、厚生労働省の報告として、「薬物乱用防止キャラバンカーが専門の指導員(麻薬取締官OB)とともに学校等を巡回し、薬物乱用防止に関する正しい知識の普及を図った。」と書かれています。
厚生労働省の報告にある「薬物乱用防止に関する正しい知識」のうち、大麻について、「偽」ではなく、「真」に科学的に「正しい知識」であることを示す根拠文書の開示を求めます。
なお、参考までに、厚生労働省所管の(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターの大麻情報がいかに誤りだらけであるか、医学的に検証した論文を添付致します。
内閣府は、厚労省がこれまで開示しなかった、大麻についての「正しい知識」を持っているのかどうか、それとも厚労省は根拠も示せない誤りだらけの情報を「正しい知識」と強弁して報告しているだけなのか、明らかにしたい。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
現在、日本の包括的な薬物乱用防止行政は、1997(平成9)年に内閣府に設置された「薬物乱用対策推進本部」が担っている。本部長は内閣総理大臣で、関係省庁の大臣が副本部長や本部員に名を連ね、日本としての総合的な薬物乱用対策を行っている。
同本部のウェブサイトには「基本指標」のページがあり、平成10(1998)年から平成18(2006)年までの薬物押収量推移などが掲載されていて興味深い。
薬物乱用対策推進本部は、平成15(2003)年から「薬物乱用防止新五か年戦略」を実施しており、今年7月にその期限を迎える。
これまでの取り組みの様子は、開催状況のページや、フォローアップのページから伺える。
この「新五か年戦略」、昨年8月に「一部改正」とあるが、何が改正されたのだろう。「新五か年戦略」の期限は7月だが、総括や、その後の薬物乱用防止政策はどう考えられているのだろう。
3月にはウィーンで国連の麻薬委員会(United Nations Commission on Narcotic Drugs)が開かれ、1998年に始まった「麻薬乱用撲滅の10年」の総括が行われるという。
1998年の「国際薬物統制に関する国連特別総会」の内容は、ダメセンのサイトでも報告されている。
参照:(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター「国際薬物統制に関する国連特別総会」
日本政府は、ウイーンで開かれる麻薬委員会について、どのような対応を考えているのだろう。
薬物乱用対策推進本部のページに連絡先と電話番号が書いてあったので、7日、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)に電話で聞いてみた。
昨年8月の「新五か年戦略」一部改正については、マネーロンダリングに関する扱いを、これまでの金融庁から警察庁に変えたという内容だとのこと。
「新五か年戦略」は7月に期限を迎えるが、そのまま継続的に行うかどうかなどについては、関連する省が現在検討中とのこと。
3月の国連麻薬委員会への対応については、把握しているご担当が不在とのことで、改めて問い合わせることにした。
日本政府は、昨年開かれた麻薬委員会の第50回会合で、アメリカと共にハームリダクションに強く反対したそうだ。「ヨーロッパ、ブラジル、中国、イランはハーム・リダクション政策を支持しているのに対して、米国、日本はハーム・リダクションの一般的な議論や特に注射針交換に強く反対した。」とグローバル・エイズ・アップデートは報告している。
参照:グローバル・エイズ・アップデート「日米がハーム・リダクションに強く反対:国連麻薬委員会第50回会合 」
この麻薬委員会第50回会合については、「我が国代表として、天野ウィーン代表部大使、吉村警察庁次長他」が出席したそうで、外務省のサイトでも簡単に報告されているが、ハームリダクション政策に反対したことについては触れられていない。
参照:外務省「第50会期国連麻薬委員会について」
日本の薬物政策の今後について、政府はどう考えているのか、国連の麻薬委員会ではどのような立場を取ろうとしているのか、継続して注目していきたい。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
大麻吸引、12部員を不起訴…従属的な立場考慮か
関東学院大ラグビー部員の大麻事件で、横浜地検は28日、大麻取締法違反(共同所持)の疑いで書類送検された2~4年生の部員12人(19~22歳)全員を不起訴にしたと発表した。処分は20日付。
いずれも、元部員の梅埜桂嗣(21)、中村大樹(21)両被告(大麻取締法違反の罪で起訴、退学処分)に誘われて大麻を吸ったと認めており、従属的な立場だったことなどが考慮されたとみられる。
神奈川県警の調べによると、12人は7~8月、ラグビー部の寮として使っていた横浜市内のマンションや合宿先のホテルで、乾燥大麻を共同で所持した疑いが持たれていた。
(2007年12月28日19時36分 読売新聞)
読売新聞
この事件は、輸入モノの大麻の種が国内に出回り、大麻を栽培する者が増加していることに対する、取締当局の格好の弾圧材料として使われた。関東学院大学ラグビー部という広く知られた名前は、取締当局にとって格好の餌食だった。
私たちTHCには数多くの相談が寄せられるが、その多くが親しい人が逮捕されたというものだ。逮捕された夫や彼氏が大麻愛好者であること知らなかったという女性からの、いたたまれないような話も多い。大麻がどうのこうのよりも、人間関係が壊れてしまうことも多い。大麻取締法違憲論裁判どころではない。
関東学院大学の事件でも、きっと多くの人たちが、途方もなく、今もとても辛い思いをしているに違いない。気の毒なことだ。好奇心旺盛な若者たちが、ちょっと調子に乗って部活仲間と大麻を育てて吸っただけだ。
大麻には覚せい剤のように意識を錯乱させる心配などない。アルコールの酔いよりよほど穏やかだ。だから、彼らは現にどこにも被害や危害どころか迷惑すらかけていない。全ての災難やダメージは逮捕によって引き起こされたのだ。彼らのチームや大学だけでなく、大学ラグビー自体も大きな痛手を蒙った。ラグビーに打ち込むような、血気盛んな若造たちに負わせる罪として、あまりにも過剰でやり過ぎではないか。かわいそうに。まるで大犯罪だ。たかが大麻で目くじら立てて。
私たちに寄せられた相談の中に、関東学院大の事件と同じような例があった。その学生は、友人に誘われて一緒に何度か吸ったことがあるだけで、所持も栽培もしていなかった。友人が逮捕され、学生の自宅にも家宅捜索が入ったが、大麻もパイプも出なかった。学生は任意で警察に同行し、調書を取られて帰宅した。後日、改めて呼び出され、再び調書を取られたが、送検はされず、学生に対する調べは終わった。大麻には吸引や使用に関する罰則はないのだから、送検したところで起訴できる内容ではないからだ。同じような事例は他にも何度かあった。
今回の関東学院大学の件は、そもそも「共同所持」などとして送検したこと自体がみせしめであり、起訴できないであろうことは神奈川県警も最初から分かっていたのだろう。
今回の一連の出来事は、「種」や「使用」を抑え込みたい当局の大プロパガンダであり、印象操作だった。その効果はさっそく出ているようだ。聞くところによると、これまで種を売っていた店に、取り扱い中止が広がっているそうだ。当局の狙った成果だろう。
しかし、何か解決するだろうか。同じ者たちや別の者たちが、別の店や別の方法で販売を続けるだろう。しかも、きっともっと巧妙に。ネットで海外からも買える時代だ。何も解決しないのである。残ったのは、大麻は厳しく罰せられるという印象だけだ。種の販売も取り締まるという当局の姿勢を見せつけ、一緒に吸っただけでも「共同所持」とかでヤバイことになるという強い印象を国民に植え付けた。
大麻に手を出すととんでもないことになるぞ、という印象操作。今回の事件はただそれだけが残った。それが当局の目的でもあっただろう。
昨年、トンボ鉛筆の元会長が覚せい剤や大麻で逮捕された事件の初公判、検察は冒頭陳述で、「大麻について、被告人は、以前覚醒剤を購入した際におまけでもらったと供述している。」と述べたそうだ。
参照:産経新聞「留学中からマリファナ、コカイン…トンボ鉛筆元会長初公判」
大麻は覚せい剤のおまけだそうだ。ハームリダクション用かな?
種の販売を弾圧し、自分で育てることができなくなったユーザーたちが、大麻を入手する目的で、このようなブラックマーケットに接触し、おまけの大麻だけでなく、結果的に覚せい剤に手を出す危険性が増した。
ブラックマーケットの住人たちは喜ぶことだろう。神奈川県警さまさまである。まさか裏で神奈川県警とブラックマーケットがつながっているのではあるまいな。ありそうで怖い。
大麻取締法には栽培について免許制がある。厚労省は非科学的な戯言を言って、陶酔成分のほとんどない、誰も吸わねーよみたいな産業用の大麻栽培すら抑圧している。ばかばかしく、情けない話だ。こんな官僚たちに、大麻の可能性を活かせる日本など実現できるわけがない。
麻薬単一条約は、大麻産業はもとより、個人的な栽培を刑罰を以って禁じることなど要請していない。カナダ大使館のサイトでは同国での大麻産業について誇らしげに書かれている。
参照:カナダ大使館「カナダの麻(ヘンプ)栽培」
個人使用目的の大麻について、少量の栽培を認めている国や、事実上容認している国もある。
日本でも栽培免許制を活用し、二十歳以上とか、本数の制限など、一定の条件を決め、要件を満たしていれば個人にも栽培免許を交付すればいい。税収にもなるし、種の流通も管理できる。他の薬物との接点も切れる。
現状は、仕事もしており、家庭もあり、何の問題もなく暮らしている者を、ただ大麻を所持していたというだけで逮捕し、勾留し、仕事を失わせ、家庭を崩壊させている。そのようなことが莫大な税金を使って行われているのだ。なんと馬鹿げたことだろう。
大麻のリスクについても、嘘を並べて「ダメ!ゼッタイ!」と脅かすだけでは逆効果でしかない。大麻にはアルコールやタバコほど害はなく、それほどキケンなものではないし、むしろ薬にもなるし、予防医学的な意味からもいいものである可能性を、既に多くの者が知っている。
レスター・グリンスプーン博士は、「大麻はやがて21世紀のペニシリンと言われるようになるだろう」と言っている。
無意味で非生産的な大麻弾圧は、不幸な悪循環と、税金の無駄使いしか生まない。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
厚労省やダメセン[正式名称:(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター]と、私たちとのこれまでのやりとりを見て頂けば分かるように、彼らはまともに大麻政策のことなど考えていない。
日本政府は、アメリカの麻薬撲滅政策に追従し、その延長で大麻を弾圧しているだけだ。欧州は必ずしもアメリカの麻薬政策に追従していない。
参照:「ハームリダクション政策」 / 「オランダは素面、正面からカナビス法のあり方を議論」カナビス・スタディハウス
大麻取締法から派生する諸問題は、基本的には、政策を変えないと解決しない。
しかし、大麻取締法に関する問題は、今のところ国政レベルでは関心を持たれていない。
大麻取締法から派生する諸問題を国政レベルで解決するには、政治への働きかけが不可欠だ。そのような時期に来ていると思う。
政治への働きかけには、大麻党のような政党を作る方法もあるだろうし、主要政党への働きかけや、政治家個人への働きかけもあるだろう。
建設的で、実現可能な、未来志向の大麻政策を作り、こちらから働きかけなければ、黙っていては何も変わらないと思う。
大麻政策を牛耳っている厚労省は、大麻の科学的事実になど関心がない。それは厚労省が持っている大麻情報の全てを見ても分かる。
彼らの関心は、既得権益を守ることであり、天下り先を確保して、何度でも高額の退職金を掠め取ることであり、そのようなおいしい生活を維持拡大することだけだ。国や国民のことなど全く考えていない。
堺屋太一さんが実に鋭く分析し、指摘している。堺屋さんは官僚を「怠慢」で「無能」で「退廃」していると言い切っている。官僚組織は「仲間利益優先」で「悪い奴ほど出世する」。「官僚のエリート制度改善無くして、日本の明るい未来は見えてこない」と言っている。元官僚の堺屋さんだけに説得力がある。
janjanビデオコラム参照
堺屋太一のビデオコラム vol.90 公務員制度の改革(1)
堺屋太一のビデオコラム Vol.91 公務員制度の改革(2)
堺屋太一のビデオコラム Vol.92 公務員制度の改革(3)
堺屋さんは、政府が作った「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」の理事で、この懇談会の様子は首相官邸のサイトでビデオが公開されており、官僚組織に切り込む堺屋さんの様子を見ることができる。
参照:首相官邸「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」
頑張れ!堺屋さん!
国連でも薬物政策が検証される今年、国内においても「薬物乱用防止新五か年戦略」の節目の年だ。
大麻取締法から派生する諸問題を解決するには、政策をどうするか、腐った官僚の壁をどう越えるか、という現実と向き合う必要があるのだと思う。
このサイトの左側の目次で言えば、今年、「論」や「質問と対話」を充実させる方向で、私たち自身の取り組みを深めていきたいと考えている。
(この項終わり)
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
厚生労働省が持っている大麻情報の全てが明らかになりました。
回答のpdfファイルを公開します。内容はさておき、A4で1321ページとデータ容量として重く、直接アクセスして閲覧するには不向きなので、zipファイルにしました。ダウンロードしてお手元のパソコンで解凍して見て下さい。
厚生労働省が持っている大麻情報の全て(2625.zip 60.28MB)
先に回答のあった文書名リストと、pdfファイルの該当ページは下記の通りです。
1.「大麻」(依存性薬物情報研究班 昭和62年3月)/pdf-p.1
2.「大麻乱用による健康障害」(依存性薬物情報研究班 平成10年12月)/pdf-p.79
3.「薬物依存」のうち、「第13章 大麻依存」の部分/pdf-p.156
4. Cannabis : a health perspective and research agenda/pdf-p.175
5. DRUG EDUCATION MANUALのうち、「CANNABIS」の部分に係るFAX文書/pdf-p.226
6. 薬物乱用防止教育指導者読本のうち、「大麻(カンナビス)」の部分に係わるFAX文書/pdf-p.231
7. 薬物乱用・依存等の実態把握に関する研究及び社会的経済的損失に関する研究(平成15年3月)/pdf-p.236
8. 薬物乱用・依存等の実態その社会的影響・対策に関する研究(平成16[2004]年3月)/pdf-p.511
9. 薬物乱用・依存等の実態その社会的影響・対策に関する研究(平成17[2005]年3月)/pdf-p.709
10. 薬物乱用・依存等の実態把握と乱用・依存者に対する対応策に関する研究(平成18[2006]年3月)/pdf-p.1016
11. 薬物乱用・依存等の実態把握と乱用・依存者に対する対応策に関する研究(平成19[2007]年3月)/pdf-p.1134
以上が、厚労省が持っている大麻情報の全てです。
参考:情報公開請求の内容
1.厚生労働省が大麻の有害性を断定する根拠文書。大麻についての科学的・医学的・薬学的な研究に関し、厚生労働省が所有する全ての文書。(上記1-6が対応する回答)
2.大麻使用が原因で、身体的・精神的な疾病を発症した事例について、厚生労働省が把握している全ての事例、及びその具体的な症状を示す全ての文書。(上記7-11が対応する回答)
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
今日は多くの方が仕事始めでしょうか。
昨年の世相は「偽」という言葉に象徴されていましたが、今年は「真(まこと)」に反転するきっかけの年となるでしょうか。
私たちの取り組みから拾うと、昨年は、なんと言っても、大麻を吸ったことも見たこともなく、ただ騙されて何も知らずに海外から持ち込んでしまった人が、3人も、長期の実刑を受けてしまうという司法による犯罪がありました。冤罪は裁判の「偽」です。
来年5月までに裁判員制度が始まりますが、司法改革は何よりも冤罪を出さないことを目的としなければ意味がないだろうと思います。
私は裁判員制度や司法改革について不勉強ですが、裁判員制度の導入に強く反対している人たちもいるようです。確かに裁判員に指名された国民にとっては、仕事は休まなければならないし、重大な刑事事件の証拠調べなども、とても大きな負担になるだろうと思います。それでも、次々と冤罪を生み出してしまう現在の司法の欠陥を身に沁みて感じる者にとって、裁判員制度は、国民が裁判の内容を監視するという点において、意味を持ち得るのではないかと思います。ネットを見ても、実際に冤罪で泣き寝入りせざるを得なかった人や、不当な裁判に憤りを持つ人が、裁判員制度に肯定的な意味を見出そうとしているように思われます。私自身、大麻取締法は生存権をも侵害する糞法だと最高裁まで訴えましたが、裁判所は一審から最高裁まで、その主張について一言も触れずに黙殺しました。裁判員制度であれば勝てたのではないかと今でも思っています。少なくとも、司法は、棄却であれ、私の主張に何か反応を示すものだと信じていたので、そのためにこそ最高裁までやったので、全く一言も当方の主張に触れない裁判官たちには愕然とする思いでした。
これほどの冤罪だらけで、司法がまともに機能していないことを知るまでは、私はあまり裁判員制度に関心がありませんでした。しかし、大麻取締法違憲論裁判だけでなく、全くの冤罪がこうも多いので、既に導入が決まっている裁判員制度に関心を持つようになりました。
課題は山積のようです。「国民が裁判を監視する」ものであってこそ、裁判員制度には意味があると思いますが、どうも形式的に国民を裁判に参加させ、日本の前近代的な司法の実態に対する国際的な非難をかわそうとする下心を感じます。テレビでも新聞でも、裁判員制度が始まると盛んに喧伝していますが、いったい何でそんな国民の負担になるような制度が始まるのかという、肝心要な点が見過ごされているのではないかと感じます。技術的な話はもちろん大切ですが、何のための裁判員制度なのかといった議論があまりにも不足してはいないでしょうか。最高裁のサイトには裁判員制度の導入理由について次のように書かれています。
国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより,裁判が身近で分かりやすいものとなり,司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア等でも行われています。
果たして、裁判が身近で分かりやすくなることを望んでいる国民のみなさんって、どのくらいいるでしょうか。私個人は、裁判が多少分かりにくくても、身近なものでなくても、正しい裁判が行われているなら、それでちっとも構いません。誰が刑事事件の裁判を身近に感じたいでしょうか。しかし、こいつらに任せておいたら、無実の国民のみなさんが実刑を喰らったり、長期の拘留を受けたり、ちゃんと審理しなかったりと、とんでもないことになっているので、国民が裁判を監視する仕組みも必要悪かと思うのです。
最高裁のサイトにはこんなことも書かれています。
●どうして裁判員制度を導入したのですか。
類似 これまでの裁判に何か問題があったのですか。
これまでの裁判は,検察官や弁護士,裁判官という法律の専門家が中心となって行われてきました。丁寧で慎重な検討がされ,またその結果詳しい判決が書かれることによって高い評価を受けてきたと思っています。
しかし,その反面,専門的な正確さを重視する余り審理や判決が国民にとって理解しにくいものであったり,一部の事件とはいえ,審理に長期間を要する事件があったりして,そのため,刑事裁判は近寄りがたいという印象を与えてきた面もあったと考えられます。
冤罪だらけの判決を出しておきながら、「丁寧で慎重な検討がされ,またその結果詳しい判決が書かれることによって高い評価を受けてきた」と最高裁は書きますが、誰が高い評価などしたのでしょうか。無実の国民を刑務所送りにしている犯人たちがこのような問題意識では、何も解決しないのではと私は危惧します。
冤罪を出さない裁判を実現するためには、仮にうまく機能したところで裁判員制度だけでは全く不十分でしょう。国民が審理に参加する事件は重大な犯罪に限られていて、大麻取締法違反の事件には無関係です。大麻取締法違憲論裁判にも裁判員制度を適用してもらいたいと強く思います。
取り調べの可視化(録画と録音)も冤罪を防ぐ大きな手段のひとつになると思います。しかし、それでも不十分だろうと思います。
身に覚えがないことで、ある日突然逮捕されると、そのまま取り調べのために勾留され、私選で弁護士を雇うお金がなければ、起訴されるまで弁護士も付きません。文字通り、地獄の沙汰も金次第です。
一方、取り調べる警察や検察は公務員であり、仕事として圧倒的な物量で捜査を行い、被疑者を有罪にしようとします。初めから勝ち目はないのです。私は、検察庁に対峙する機関として、弁護庁のようなものが必要だと思っています。現在の刑事裁判は、逮捕された国民に圧倒的に不利であり、不公平です。税金を使って国民を有罪にするための捜査が行われるのだから、被疑者となった国民を弁護するための仕組みも公的に保障するべきだと思います。
裁判は被告人に弁護士が付かないと開けないので、自分で弁護士を雇う経済的な余裕がない場合、国選の弁護士が付きますが、裁判の現実にちょっとでも触れた人なら知っている通り、国選の弁護士など何の役にも立たないことが圧倒的に多いのです。公判直前まで連絡すら取れない弁護士もいます。弁護士という肩書きを裁判に貸しているだけのような弁護士がすっっっっっごく多いのです。せっかく取り調べが可視化されても、弁護士にやる気がなければ猫に小判、「宝の持ち腐れ」ならぬ「証拠の持ち腐れ」です。現状は、国民を弁護する仕組みもまた「偽」なのです。
大麻密輸の冤罪で懲役5年罰金100万円の判決を受けた祐美さんの上告期限が今月9日です。本人だけでなく、逮捕から、一審、二審と、弁護士の費用を捻出し、懸命に妹を支えてきた姉のさゆりさんも、とても辛い思いで日々を過ごしています。祐美さんの件では、東京高裁は、初公判の日に控訴棄却の判決を言い渡しました。裁判官たちは祐美さん本人の話を法廷で聞くつもりが最初からなかったということです。初公判の日、すでに判決文は書き終わっていたのです。祐美さんの件も、裁判員制度で審理されていたら全く違った判決、当然の無罪が出ていただろうと思います。
現在の日本は、国民が主権力を発揮しなければどうにもならない状況にあるのだと痛感しています。
私たちは、昨日を変えることはできないけど、明日を変えることはできる。どこかで聞いたその言葉を、餅と一緒に噛み締めて、喉に詰まらないよう希望を持って前向きにお茶を飲みながら、新しい1年をスタートしたいと思うのです。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
【出版社/著者からの内容紹介】
かつては反体制のシンボルだったマリファナ。いまアメリカ各州で医療目的による使用が合法化されはじめた。最新の研究成果と患者・医師らの証言をもとに、マリファナ有害説がいかに医学的根拠に乏しいかを実証し、日米の薬事行政の違いを浮き彫りにした迫真のルポ。
【内容(「BOOK」データベースより)】
かつて“反体制のシンボル”だった非合法の薬物が、いま“医薬品”として正式に認知された。それはがん・エイズ患者などを、痛みや副作用の苦しみから解放するからだ。食欲が戻り、生きる意欲が湧く。偏見に抗して合法化を勝ち取ったカリフォルニア発ムーブメントに迫る。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
大麻規制の国際比較コーナーです。少量の大麻所持に関する規制状況の世界地図がWIKIMEDIA COMMONSにあります。
Image:World-cannabis-laws.png
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
外務省との対話コーナー。下記の記事リストからどうぞ。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
内閣府薬物乱用対策推進本部との対話コーナー。
・薬物乱用対策推進本部
・薬物乱用対策推進会議
・第三次薬物乱用防止五か年戦略(平成20年8月22日)
下記の記事リストからどうぞ。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
国連麻薬委員会 (CND)との対話との対話コーナー。下記の記事リストからどうぞ。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
米国の大麻合法化団体 NORML(The National Organization for the Reform of Marijuana Laws)の記事を翻訳して掲載するコーナーです。下記の記事リストからどうぞ。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
[深志神社御札(長野県松本市)]
謹賀新年
力を合わせて良い年にしましょう。
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート