神話 1

カナビス乱用率の増加は
憂慮すべき事態になっている


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_01_1095.html


最近、特に若者のカナビスの乱用が若干増えてきたと報道されている。これを契機にして、近い将来のドラッグ蔓延を回避するためにドラッグの危険性を訴える新たなキャンペーンを開始する必要がある、と国民に思い込ませようとする動きが出てきた。


事実
政府による国民調査では、カナビスの使用は1980年になると、それまでの10年間の着実な増加傾向から減少に転じている。1990年には減少傾向が鈍くなってきているが、それでも、使用者の率は1970年代の率に比較すれば大幅に低いまま推移している。

例えば、12〜17才の過去1年のカナビス使用率は、1979年の24.1%に比較すると1992年は8%に過ぎず、18〜25才の場合も1979年が46.8%なのに対して1992年は23%に過ぎない [5]。

高校生だけを対象とした調査でも同様な傾向が見られ、使用率は1992年に最低を記録してからその後の2年間は若干増加したものの、1970年代よりも1990年代のほうが明らかに低くなっている。

カナビスの体験率  高校の最上級生  1976-1994 [6]
1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994
52.8 59.2 60.3 58.7 54.9 50.9 47.2 40.7 32.6 38.2

高校生を対象にする調査は、非医学目的のドラッグ使用対策の一貫として国立薬害研究所(NIDA)によって発案されたものだが、高校生の使用率が大人よりも高いことを考えれば、この表から読み取れることは次の事実だ。

青年期はいろいろな活動を試す時期だが、そこにはドラッグも含まれる。青年のドラッグ・ユーザーの大半は 「ドラッグ乱用者」 にはなるまでは続けない。実際、ほとんどが数年の体験期間を過ぎると違法なドラッグを使うのを完全にやめてしまう。

80年代のカナビス使用率が上昇から下降に転じた理由は明らかではないが、最近の上昇傾向が10年におよぶ反カナビス・キャンペーンの洗礼を受けた世代で起こっていることは注目に値する。カナビスの害を誇張し、「ただダメと言おう(just say no)」 というイデオロギーをベースにしたキャンペーンが明らかに破綻したことを示している [7]

アメリカ国民は、若者の含め、自らのドラッグ使用と将来のアメリカのドラッグ政策を詳細な情報を得た上で決断すべきだ。そのためには、「ただダメと言おう」 ではなく、カナビスに関する科学的な事実を知る必要がある。