神話 6

カナビスは
性的成熟や生殖を害する


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_06_1095.html


カナビスは生殖ホルモンの生成を妨害し、成人ユーザーの生殖力を奪い、思春期の若者の性的発達を遅れさせる恐れがある、と叫ばれている。


事実
カナビスが男性の生殖機能を損傷するという証拠は見出されていない。

ジャマイカとコスタリカで行われたフィールド研究では、カナビス・ユーザーと非使用者の間でホルモン・レベルに何ら違いが見出されなかった。また、カナビス・ユーザーの疫学調査の中に、生殖力が重要な問題として取り上げたものもない。

1974年に、男性の長期のカナビス・ユーザーにおいてテストストロンが減少し、性機能が低下し精液の異常が見られたという研究が報告されているが [34] 、その後に同じ研究者によって行われた実験室での研究では、初期にはテストストロンが急激に減少するものの、喫煙9週後には慢性的な影響は見られなくなり精液の質と量の違いを見出せなかった [35]

他の研究ではほとんどがテストストロンの減少を再現できなかった [35] 。1日にジョイント20本づつ30日間という極めて多量のTHCを投与した研究の一つで、わずかに精液の濃度が減少しているが [37]、いずれの研究にしてもテスト結果は正常範囲内に収まっており、実際に生殖力に影響することはほとんど考えられない。

雄の動物実験でもいくつかの悪い結果がでているが、いずれも1日当たり極めて多量のTHCを投与した場合に限られている [38]。さらに注目すべきことに、人間の実験でも研究室の動物実験でも、いったんTHCの投与を中止するとどの実験でも変化は元に戻って回復している。

カナビスが女性の生殖機能を損傷するという主張もあるが、それを支持するような科学文献は存在しない。

女性のカナビス・ユーザーで生殖力が低下することを示唆する疫学研究はなく、最近の調査でも長期のカナビス使用が女性ホルモンに影響することを示したものはない [39]

動物実験ではホルモンが変化し排卵が抑制されたというものもあるが、極めて多量のTHCが投与されている。しかも、この場合でも男性と同じように、投与を中止するとその変化は消失している [40]。また、メス猿に1年間THCを投与した別の実験では、ホルモンに対する影響には耐性が形成され正常な排卵周期に回復している [41]

カナビスが生殖ホルモンに悪影響を与えるといういくつかの研究が発表されると、直ちに、カナビスが思春期の性的発達を阻害する可能性があるという警告が現れ始めた。しかし、カナビス使用者が16才になっても思春期にならないという報告は一つもなく [42] 、発達が阻害される可能性を示唆するものは全くない。

確かに思春期の若者がカナビスを吸うことは良いことではないとはいえるが、だからといって性の発達が阻害されるということではない。