神話 11

カナビスは
無動機症候群をもたらす


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_11_1095.html


反対論者たちは、カナビスはユーザーを消極的で無感動にし、非生産的で責任を全うする意欲を損なって社会に悪影響がある、と言い立てている。


事実
無動機症候群という概念は、アメリカで若者たちのカナビス使用が増加した1960年代の終わりごろに現れた [68]。それ以来、概念に対する共通の定義がなされないまま、数多くの研究がそれを実証しようとして行われてきた。

高校生を対象に行われた大規模調査では、テストの平均点にカナビス・ユーザーと非ユーザーにほとんど何の違いも見つからなかった [69] 。ある研究では、毎日のようにカナビスを使っている学生のグループで成績が悪かったが、因果関係は確定できず、社会的・感情的問題が複雑に絡み合って、カナビスの使用と成績の悪化が平行して起こっていると結論づけている [70]

また、大学生を対象とした長期調査では、他の要因を統計的に補正した結果、カナビス・ユーザーのほうが非ユーザーよりも成績がよいことが判明し [7l] 、ほとんど同じように学業を達成している  [72] 。別の調査でも、標準アチーブメント評価値がカナビスを使っていた大学生のほうが非ユーザーより高かった [73]

ジャマイカ、コスタリカ、ギリシャで実施されたフィールド研究でも、カナビスを使っている人たちに無動機症候群を示す証拠は見つかっていない。

労働階級の男子では、教育や雇用の記録においてカナビス・ユーザーは非ユーザーとほとんど違いはなく、ジャマイカにおいては、生産性を上げるために仕事中にカナビスがしばしば吸われている。

実験室における研究でもほぼ同じような結果が出ている。

94日にわたって続けられた研究では、カナビスには学習や成績あるいは意欲に目立った悪影響は何もなかった [74]

別の31日間の研究では、カナビスを与えた被験者のほうが対照群よりも長時間働き、研究の終了時にも同等のボーナスを獲得している [75]

しかしながら、普段より多量のカナビスを使うことを要求されたカナダの研究では、摂取後の数日間は作業効率がすこし落ちたと書かれている [76]

当然のことながら、常時酩酊しているような状態でカナビスを連用している場合は他の活動はおろそかになるかもしれないが、科学的な証拠から見れば、カナビスの薬理特性には人の態度や評価、仕事の能力を変えるような側面は全くない。