神話 4

カナビスを吸うと 肺癌になる


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_04_1095.html


カナビスの煙には害のある物質が高濃度で含まれており、カナビス・ユーザーが肺の疾患を患うリスクはタバコの場合と同等かそれ以上になる、と主張されている。


事実
精神活性物質を別にすればカナビスとタバコの煙はほとんど同じなので [21] 、確かに、大半のカナビス・スモカーがより深く煙を吸引し肺に長く留めておく分だけ1本当たりでは危険な物質をより多く吸い込むことになる。しかしながら、問題は1本あたりの量ではなく、吸い込んだ害物質の総量にある。

タバコの喫煙者の多くは1日に10本以上のタバコを吸う。一部には40本以上吸う人もいる。だが、カナビスの常用者の場合は1日に3〜4本以上吸うことは滅多になく、大半のユーザーはもっと少ない。従って、吸い込む害物質の総量がタバコ・ユーザーに匹敵することはまず有り得ない。

頻繁にカナビスを吸っている人たちは、長く咳込んだり、痰や喘鳴などで呼吸器に悪影響があることを経験しているが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気腫などの深刻な肺疾患を引き起こすリスクが増えることを示した臨床研究はこれまで無く、これからも出てきそうもない。

1982年以来、UCLAの研究者たちは、カナビスのみ、タバコのみ、両方の喫煙者、非喫煙者の4つのグループについて肺機能と気管支細胞の特性変化について調査して評価を行ってきた。確かにカナビスの喫煙者にも細胞の変化は見られたが、タバコ喫煙者に比べればほどんど目立つほどではなかった。

カナビスで引き起こされた細胞変化の特徴はタバコとは様子が異なり、主に肺の太い気道に限られ、タバコのように周辺の小さな気道には見られなかった。慢性気管支炎や肺気腫は小気道の炎症が原因で起こるので、カナビス喫煙者の場合はそうした疾患に発展しないと考えられる [22]

およそ1200人を対象とした喫煙と肺機能の疫学調査も行われており、大部分の人が肺機能試験を2年間隔で受けている。過去にカナビスを吸ったことのあると申告した小規模のグループで肺に特徴的な異常がみられたが、現在喫煙しているグループでは肺機能には何ら目立った低下はなかった [23]

カナビスのみの喫煙者が肺癌になりやすいことを示す疫学および臨床データは見つかっていないが、気管支細胞が前癌状態に変化することがわかっており、ヘビーなカナビス・ユーザーでは癌のリスクが高まる可能性も指適されている [24]

カナビスの肺疾患リスクは喫煙と関連しているので、摂取法を変えれば危険性を削減することができる。注意深いスモーカーは、高効力のカナビスを使い、害物質の吸引をより少なく抑えながら望むハイの状態を得ることで肺疾患のリスクを軽減している。また、実際には、深く吸引し長く煙を肺に留めておいてもわずかしか効力が増えないので、そうした吸い方をしないように注意することもできる。さらに水パイプやバポライザーを使って吸えば肺へのリスクはジョイントにして吸うよりも軽減できる [25]