神話 12

カナビスは
交通事故の主要な原因になっている


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_12_1095.html


ハイウエイの安全にとってアルコールの悪影響は周知のことだが、カナビス反対派は、カナビスにも際立った害があり、使用量が増えればその分だけ自動車事故や死亡事故を誘発しやすくなる、と主張している。


事実
多量にカナビスを摂取すれば、大半の人が運転に支障をきたすようになるのは間違いない。しかし、現在のカナビスの使用状況がアメリカの自動車事故率の上昇に大きく関与しているとする証拠はない。

多くの研究が、死亡事故にかかわったドライバーの血液や尿中のドラッグ検査をして事故との関連を調べているが、50%以上にアルコールが検出されている。カナビスが検出されることはずっと少ない。しかも見つかった場合でも、大半がアルコールも同時に検出されている [77]

例えば、アメリカ・ハイウエイ安全協会(NHTSA)がスポンサーとなって行われた最近の研究では、およそ2000件の死亡事故を分析しているが、カナビスに陽性反応を示したドライバーは6.7%だった。しかも、そのうちの3分の2以上にアルコールも検出されており、それが死亡事故の主因になっていると考えられている [78]

死亡事故に対するカナビスの関与を正確に調べるためには、死亡事故を起こしたドライバーの陽性率と死亡事故を起こしていないドライバーの無作為サンプルの陽性率を比較する必要がある。とは言っても、運転免許を取得できる年齢以上のアメリカ人の過去1ヵ月のカナビス使用率は12%で、しかも血液中のTHCは代謝が遅く、摂取後1ヵ月程度は残留するので、検査時に酩酊していなくてもドラバー全員の中でかなりの人に陽性反応が出てしまう。

最近行われた研究では、午後7時から午前2時までに悪質運転で停止させられたドライバー(大半は若い男性)のうち3分の1がカナビスのみに陽性反応が出ているが [79]、その時点でカナビスの酩酊下にあったとは限らず、適正な対照群と比較しない限りテスト結果は意味をもたない。

運転シュミレーターを使った研究も多数行われているが、カナビスにはアルコールの中程度摂取で見られる精神運動障害のような状態は起こらないことが示されている [80]。実際、NHTSAの最近の研究では、統計的にカナビスの関連した唯一の顕著な行動は、速度を落として運転するようになることだった [81]

最近、カナビスの影響下での実際の運転能力を調べる研究が行われている。通常の医薬品で行われる損傷テストと同じ方法を使い、被験者グループにはそれぞれプラセボと3段階にTHC量を分けた試薬を投与し、混雑する都会を含めて3地域でテストを実地した。

道路の路肩線の横を離れずに走行するテストではTHC量に関連した障害が現れたが、最大量のTHCの場合でも障害の程度は、アルコール血中濃度0.03〜0.07%、あるいは多くの合法医薬品と同程度の比較的軽微なものだった。また、カナビスの影響下にあるドライバーは、速度を落として運転し、隣の車に近づく時にはより慎重になる傾向が見られた。

この研究の著者は、条件付きながら、「THCは大きな障害を起こすようなドラッグではない」 と結論している [82]