神話 9

カナビスには 中毒性がある


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_09_1095.html


今日では、カナビスには強い中毒性があり、使う程度が少しでも増えれば必然的にその分だけ中毒の度合も増える、と盛んに喧伝されるようになった。


事実
ある人たちに言わせれば、そもそもどのようなドラッグであっても 「中毒的なファッション性」 を持っている。しかしながら、カナビスに高い中毒性があると言うためには、かなり多くのユーザーがカナビスを中断しようと決心しても繰り返し失敗し、人生の他の活動まで犠牲にしてまで使い続ける、といった生活パターンに陥ることが示されなければならない。

全国的に行われた疫学調査によると、カナビスを経験したことのある大多数の人々は常用者にはなっていない。

1993年には、12才以上のアメリカ人いままでに1度はカナビスを使ったことがある人が34%なのに対して、過去1年で見ると体験率は9%、過去1ヵ月になると4.3%、1週間前までだと2.8%にでしかない [59]

若年成人に対する追跡調査研究では、高校時代にカナビスを経験した人が成人してから 「中断した率」 が非常に高いことも見出されている。77%の人がカナビスを経験していたが、過去1年でやっていない人の率は74%で、過去1ヶ月になると84%が使っていない[60]

もちろん、数年以上にわたってカナビスを使い続けている人でも必ずしも中毒になっているわけではない。常用者の多くは、毎日使っている人も含め、他の活動に支障が出るような使い方をしているわけではなく、一部の常用者たちは活動に積極的ですらある。

人間に対して、カナビスが身体的依存性や禁断症状を示すという証拠は非常に限定的なものに過ぎない。

ある研究では、人間の被験者に毎日180〜210mg (1日ジョイント15〜20本相当) のTHCを経口投与し、突然中断すると、睡眠障害、情動不安、吐き気、食欲減退、発汗などのマイナス症状が現れた。研究者たちはそうした症状を身体的依存の証拠として採用している。

しかしながら、症状は比較的軽い性質のもので、カナビスを通常量で普通に吸った場合は再現するかどうか疑わしい、とも書いている [61] 。実際、人間の場合は、自分で摂取量をコントロールできるようにしておくと、たとえ多量であっても禁断症状が現れることはない [62]

研究室の動物実験では、極めて多量の投与をすると禁断症状の兆候が現れることも示されている [63]。最近、国立薬物乱用研究所(NIDA)の後援を受けたカンファレンスで、ラットにTHCを投与し、その後、カナビノイド・レセプター・ブロッカーを与えるという、これまでにない研究が発表された [64]。 思惑どおり、ドラッグのレセプターの機能を無効にすると直ちに禁断症状が現れた。しかし、人間のユーザーがカナビスを使用を中断した場合は、レセプターからTHCが切り離されるのは非常に緩慢なので、同じような状態にはならない。

カナビス中毒について声高に叫ばれるようになったのは、近年、関係機関がだんだんとカナビス・ユーザーの治療にも保険の適応を認めようになってからだ [65] 。また、職場や学校などでドラッグ検査が行われる機会が増えてきたが、「中毒者」と判定されて、刑罰ではなく治療措置を受けるカナビス・ユーザーのグループが出現したことも関係している [66]