神話 10
カナビスの
救急患者が増えている
The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_10_1095.html
禁止論者たちは、カナビスに害がある証拠として、カナビスの摂取に関連した緊急治療室への来院が最近急激に増えていることを上げている。
事実
確かに、薬物乱用警告ネットワーク(DAWN)の収集したデータによると、最近、カナビスを理由に病院の緊急治療室を訪れる人が増えている。緊急治療室では、アルコールの影響の有無と、最近使ったドラッグが4種類列挙されているフォームの 「ドラッグ乱用状態」 という1枚の調査シートが使われている。
DAWNは1970年代からデータの集積を始めているが、最近、記録様式や調査病院の選択、統計処理の方法に変更があり、1988年以前のデータと最近のデータを比較しても意味はなく、緊急治療室の動向に関する議論は1988年以降に限定する必要がある [67]。
カナビスを理由に訪れた人の数が最も少なかったのは1990年で1万5706人(ユーザー10万人当たり7.1人)で、最高は1993年の2万9166人(12.7%)だった。
この数字を使って86%も増えたという報告が作成されたが、1988年の1万9962人をベースに比較すると、増加率はとたんに半分以下の42%になってしまう。
カナビスは最も頻繁に使われている違法ドラッグであるにもかかわらず、緊急治療室の来院理由になった違法ドラッグとしては最も少ない。
1993年にカナビスが理由とされたケースは、全体で、コカインの15.3%、ヘロインの9.8%に対して6.25%に過ぎず、薬局で販売している医薬品の場合の9%にも及ばない。
17才以下の若者の場合、ヘロインやコカインよりもカナビスの理由のほうが多かったが、これは、カナビスにより害があるというわけではなく、若者の間ではヘロインやコカインは滅多に使われないためだ。この世代では売薬の鎮痛剤のほうがカナビスよりも大幅に多い。実際、カナビスが理由になっているのが6.48%なのに対して鎮痛剤は47%になっている。
全体として、カナビスが理由になっているのは他の違法ドラッグよりも少なく、しかもカナビス単独というケースは滅多にない。1992年では、ドラッグ乱用とされたもののうち、80%がカナビス以外にももう1種類のドラッグを併用しており、2種類以上は40%以上にもなっている。
1992年にカナビスが来院理由とされた2万4000件のうち、1万3000件以上がアルコールを併用し、およそ1万件がコカインも使っていた。
カナビスが理由のケースが増えているといっても、病院の緊急治療室が治療を求めるカナビス・ユーザーで溢れているようなことは起こっていない。1992年にドラッグ関連で治療室を訪れた人は総数で43万3493人だったが、カナビスの単独使用のケースは4464人で全体の約1%に過ぎない。
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