政府の詭弁 10

カナビスの効力が増している

Your Government Is Lying To You About Marijuana
http://norml.org/index.cfm?Group_ID=5515#alleg10
updated: Jul 19, 2005


詭弁
「カナビスのTHC含有量は1970年代後半は1%以下だったものが、2001年には7%以上になっている。また、シンセミラの効力は6〜13%に増加し、現在では33%に達するものさえある。」

真実
この主張は不正確でかつ誤解を誘導しようとしている。今だかつて、THCが1%以下などという陶酔感も得られないようなカナビスを吸っていた人など一人もいない。また、カナダやEU諸国を含めて多くの国では、THC1%以下のカナビスは繊維用農作物ヘンプとして合法区分しているほどだ [76]

確かに、ミシシッピー薬理科学調査研究所が集計した年別のカナビスの効力では、近年、カナビスの強さが若干増加しているが [77]、この増加は、ホワイトハウス国家医薬品政策局が称する「劇的」にはほど遠い。さらに、市場での高濃度THCシンセミラは例外的なもので、全体からみればごく僅かしか出回っていない。

国立薬物乱用研究所(NIDA)が中心になって行なったカナビスの効力監視プロジェクトでは、連邦麻薬局(DEA)が国内で押収したカナビス・サンプルのうちTHC濃度が15%を越えていたのは10%以下で、濃度20%以上のものはサンプル全体の2%に過ぎない [78]。ヨーロッパのデータもカナビスの効力が増しているという主張には否定的で、「ハシシ樹脂と葉のカナビスの効力は、少なくとも過去10年間は全くといえるほどほとんど変化していない [79]」 と結論づけている。ドラッグ戦争司令官(Drug Czar ホワイトハウス麻薬撲滅対策本部長)の掲げる高濃度THCの数字は明らかに脅し戦法の一貫だ。

さらに重要なことは、より効力の強いカナビスが必ずしもより危険だとは言えないことだ [80]。基本的に、いかなる濃度のカナビスであれ過剰摂取で死亡する危険はない上に、もし、ユーザーが吸込む煙に発がん性があって健康を害するのであれば、より効力の強いマファナのほうが少量の吸引量で望む陶酔状態が得られるので煙の害を抑えることができる、という指適もある [81]。研究でも示されているが、カナビス・スモーカーは吸っているカナビスの効力の強弱を識別することができるので自分の必要摂取量を加減できる [82]。これはアルコール・ドリンカーが効力の強いバーボンなら少量、効力の低いビールなら多量に飲むのと同様だ。