政府の詭弁 15

カナビスは医薬品ではない

Your Government Is Lying To You About Marijuana
http://norml.org/index.cfm?Group_ID=5515#alleg15
updated: Jul 19, 2005


詭弁
「カナビスは医薬品ではない、というのが真実だ。信頼できる研究でそのようなことを示すものはない。」

真実
この主張は単純明白な嘘だ。アメリカ嗜癖医学学会が2001年に全国の医師を対象に調査した結果によれば、全医師のおよそ半数がカナビスの医療使用の合法化を支持している [105]。さらに、80以上の連邦及び州立の健康管理組織、例えば、アメリカ公衆衛生協会 [106]、アメリカ看護士協会 [107]、ニューイングランド医学ジャーナル [108] などが早急に患者が合法的に医療カナビスを利用できるようにすることに賛同している [109]。こうした医学界の医療カナビスへの支持は 「エセ科学」 などではなく、何千もの患者の声やカナビスの医療価値を認めた科学的な研究の結果にもとづいている。

近代医学の研究で、カナビスが幅広い臨床分野の治療に非常に役立つことが明らかにされてきたが、その効果としては、痛み(特に神経性疼痛)、吐き気、痙縮、緑内障、運動障害などの緩和があげられる [110]。また、カナビスには強力な食欲増進作用があり、とりわけHIVやエイズなどの消耗症候群や痴呆に苦しむ患者に効果が認められている [111]。さらに、先端的な研究では、カナビスの治療効果として身体を悪性腫瘍 [112] などから守る神経防護作用 [113] があることも示されている。

治療薬としてのカナビスを支持する最近の科学レビューとしては、1998年のイギリス上院科学技術委員会の報告がある。そこでは、「政府は医師が治療目的でカナビスを処方できるようにすべきで・・・カナビスは多発性硬化症などの特定の痛みを持った患者に沈痛効果がある・・・こうした所見は法律を変えるのに十分な正当性を持っている」 と結論づけている [114]

アメリカ医学研究所は1999年にホワイトハウス麻薬撲滅対策室(ONDCP)の依頼を受けてレビューを提出し、「累計されたデータからは、カナビノイドには薬として、特に、痛みの緩和、嘔気嘔吐の抑制、食欲増進などの治療価値がある可能性を示唆している [115]」、として、アメリカ政府がただちに患者の臨床試験を認め、特定の環境下でカナビスを医療目的で合法的に吸引できるようにすることを勧告している [116]

また同レビューでは、合法的な合成THC製剤マリノールの医療効果についても言及している。それによると、マリノールは 「生体的利用能が貧弱」 で、効果の発現が遅く、使用した患者のおよそ3分の1に 「不安、離人症、めまい、多幸、情動不安、眠気」 などの副作用があるとしている [117]。こうしたことから、多くの患者が合法的なマリノールの代替としてカナビスを吸引するほうを好んでいる、とも指適している。

カナダ上院違法薬物特別委員会も2002年にカナビスの医療効果について研究の概要を発表し、認定を受けた患者に対して現在の国の規制を改正し合法化することを議会に進言している。それによると 「消耗症候群、化学療法による治療、線維筋痛、てんかん、多発性硬化症、事故による慢性疼痛、などの疾病に苦しむすべての人たち、さらに、片頭痛,慢性頭痛、などの一部の人たちに対して、医師または地域の指定医療機関が正式に認可した医療関係者が患者の身体的状態を判断し、カナビスやその派生物を医療目的にために購入できるようにすべきだ [118]」 としている。

現在のカナダでは、医療カナビスとして、カナビスに加えて、カナダ保険省が認可した天然のカナビス抽出医薬品サティベックス [119]も合法的に利用できるようになっっている。

当然のことながら、医療カナビスについての政策問題は公衆衛生問題でもあり、ドラッグ戦争の人質にすべき事柄ではない。国は、思いやりと一般常識にもとづき、深刻な病気に苦しむ国民に対して医師が安全で痛みや苦痛の緩和に効果があると判断した医薬品の利用を許可するこのが求められている。科学的なデータは医療カナビスの利用を支持している。