ドラッグ・ツーリズム問題の解決法 ティルブルグ市長インタビュー
Smoking without BordersHungarian Civil Liberties Union, 2009.1
Source: ENCOD Subj: Smoking without Borders date: January 13, 2009 http://www.encod.org/info/SMOKING-WITHOUT-BORDERS.html
2008年10月に、外国人ドラッグ・ツーリストの多量流入に音を上げたベルギーとの国境のベルヘン・オプ・ゾーム(人口6.5万人、ショップ数4軒)とローゼンタール(8万人、4軒)の市長が、半年以内にすべてのコーヒーショップを閉鎖する計画を発表した。 一部の新聞は、中心部の車の渋滞、違法駐車や立ち小便などの迷惑行為、さらに、ツ-リストを相手のハードドラッグ密売するに対処するなめに閉鎖を決めたと冷静に受け止めていたが、オランダのコーヒーショップ・システムが破綻して、ドラッグ政策の全面的な見直しが必要なことが明かになったとセンセーショナルに伝えるマスコミもあった。 このビデオでは、そのあたりの事情を知るためにベルヘン・オプ・ゾームの市長にインタビューを行っている。市長は、今回の問題が、毎週2万5000人ものツーリストが訪れることでさまざまな迷惑行為が起こっているためで、基本的にカナビス・ユーザーやコーヒーショップに問題があるわけではないとはっきり語っている。 コーヒーショップ閉鎖問題をめぐっては、2008年11月13日に30余りの自治体の市長が集まって 『カナビス・サミット』 が開催された。そこでまとめられた声明で市長たちは、「単純で透明な政策を採用して、ヨーロッパ諸国の政府とも協力できるようなコーヒーショップへの合法的な供給システムの確立」 を呼びかけた。 この提案にはベルヘン・オプ・ゾームやローゼンタールの市長も署名しており、両市のコーヒーショップの閉鎖計画が単に文字通り閉鎖すると言うよりも、現在では国会の努力を求めることも念頭に置いていることが明らかになってきている。 ビデオでは、隣接するティルブルグ市(20万人、13軒)のルード・フリーマン市長が、コーヒーショップへの合法的な供給システムの必要性と利点を分かり易く説明している。確かにベルギーやドイツを説得することは容易ではないが、ドラッグ・ツーリストはもともとそれらの国の人たちであることを考えれば、オランダの主張も当然だと言える。合法的な供給システム計画については東隣のアイントホーヘン市(21万人、15軒)も提唱している。 ドラッグ・ツーリスト問題は、カナビス・ユーザーやコーヒショップが原因で起こっているわけではない。本当の問題は、近隣諸国がカナビスを違法化していることにある。 問題は、コーヒーショップを閉鎖すれば解決するわけではない。ドラッグの供給は減らず、マーケットが地下に潜ってしまうことで、さらなる問題が発生するようになる。 真の解決は、近隣諸国の手の内にあり、カナビス市場を規制管理する必要がある。
ヒートアップするオランダのカナビス政策議論 (2008.12.12) ハーグ・カナビス民衆法廷2008 カナビス禁止法の終結を勧告 (2008.12.5) カナビスを守るために戦うアムステルダム (2008.12.4) オランダ市長の『カナビス・サミット』 犯罪組織によるカナビス供給の遮断を (2008.11.24) オランダの市長 半数以上がカナビス合法化を支持 (2008.11.19) オランダ国境の都市がドラッグ・ツーリスト対策サミットを計画 (2008.10.29) しばしば、オランダのコーヒーショップをカナビス問題の元凶のように論じて、すべてのコーヒーショップを閉鎖すれば問題は解決すると主張する人もいる。 しかし、オランダで生産されている カナビスの80%以上が輸出 されており、カナビスの大半はコーヒーショップ以外で密売されていることを考えれば、コーヒーショップを閉鎖しても何の問題解決にならないことを示している。 カナビス生産にギャングが乗り出してくるのはそれが禁止されているために大儲けができるからだ。カナビスを合法化して、各国でコーヒーショップでの販売を認め、生産はアルコールと同様に指定業者だけに認めてやすく供給できるようにすれば、ギャングの出る幕はなくなる。 オランダの司法関係者調査、半数以上がカナビスを合法化すべき (2008.10.10) オランダ警察協会会長 カナビス栽培を合法化すべき (2008.4.23) 観念論ではなく実務的なドラッグ政策を オランダの3市長と2議員が共同声明 (2008.3.4) オランダ、もっと柔軟なドラッグ政策が必要、元首相、現市長らがバルケネンデ首相に書簡 (2007.12.12) オランダのドラッグ問題対処法 (2007.8.15)
一部の新聞は、中心部の車の渋滞、違法駐車や立ち小便などの迷惑行為、さらに、ツ-リストを相手のハードドラッグ密売するに対処するなめに閉鎖を決めたと冷静に受け止めていたが、オランダのコーヒーショップ・システムが破綻して、ドラッグ政策の全面的な見直しが必要なことが明かになったとセンセーショナルに伝えるマスコミもあった。
このビデオでは、そのあたりの事情を知るためにベルヘン・オプ・ゾームの市長にインタビューを行っている。市長は、今回の問題が、毎週2万5000人ものツーリストが訪れることでさまざまな迷惑行為が起こっているためで、基本的にカナビス・ユーザーやコーヒーショップに問題があるわけではないとはっきり語っている。
コーヒーショップ閉鎖問題をめぐっては、2008年11月13日に30余りの自治体の市長が集まって 『カナビス・サミット』 が開催された。そこでまとめられた声明で市長たちは、「単純で透明な政策を採用して、ヨーロッパ諸国の政府とも協力できるようなコーヒーショップへの合法的な供給システムの確立」 を呼びかけた。
この提案にはベルヘン・オプ・ゾームやローゼンタールの市長も署名しており、両市のコーヒーショップの閉鎖計画が単に文字通り閉鎖すると言うよりも、現在では国会の努力を求めることも念頭に置いていることが明らかになってきている。
ビデオでは、隣接するティルブルグ市(20万人、13軒)のルード・フリーマン市長が、コーヒーショップへの合法的な供給システムの必要性と利点を分かり易く説明している。確かにベルギーやドイツを説得することは容易ではないが、ドラッグ・ツーリストはもともとそれらの国の人たちであることを考えれば、オランダの主張も当然だと言える。合法的な供給システム計画については東隣のアイントホーヘン市(21万人、15軒)も提唱している。