アメリカ大統領候補に宛てた

医療カナビス患者による公開書簡

Source: MarijuanaNews.Com
Pub date: 28 Nov 2007
Subj: A Medical Marijuana Patient’s Open Letter to the Presidential Candidates
http://www.marijuananews.com/news.php3?sid=936


親愛なる [大統領候補] 殿

私は J と申します。

現在45才ですが、1992年に就業中の製紙工場の事故で障害を負って以来、慢性痛に苦しんでいます。この手紙は、痛みの管理に関連した公共政策についていっそう大きな関心を寄せていただきたく思って書いています。現在、痛みの管理には オキシコンチン などのオピエートが使われていますが、代替アプローチとして患者によるカナビスの使用を国も認めてほしいのです。

私は、1993年から1996年の間に脊髄の手術を5回受けました。この11年間は、高レベルの鎮痛医薬品の処方を続けるかたわら、左足が動かなくならないように多発硬膜外腫の摘出手術も必要でした。お医者さんから、将来、腰から胸部にかけての脊髄部分にさらなるレベル8の金属接合手術が必要になると言われています。

私は、事故以来、慢性的な痛みとともに生きてきました。毎日の痛みは体が不自由なだけではありません。自分自身が牢屋なのです。従来の痛み止めの薬の副作用はそれがさらなる副作用を引き起こしてしまうのです。私はそれが理由で、オピエートの依存が強要されるアプローチとは違う方法を探すようになりました。そして、カナビスやそれに関連した医薬品に行き着いたのです。オピエートの代替としてカナビスを使うと生活の質が大幅に向上するのです。

カナビスの活性成分であるTHCは、オピエートと同じように体内の痛みのネットワークを鎮めるように働くのですが、オピエートが引き起こす中枢神経系や心臓血管系の機能低下を始めとする多くの副作用がないのです。

痛みの管理にカナビスを使い始める前には、次のような処方医薬品を経験しました。最初は バイコディン でしたが、痛みが余りにも激しいので毎月300錠使っていました。次に、お医者さんが処方してくれたのが パーコセット で、その次に レボルファノール の処方を受けました。この薬を1年ほど続けた後で、当時は新薬だったオキシコンチンを奨められました。ロキシコドン と呼ばれる商品名の錠剤でしたが、7年半使いました。

この頃が処方医薬品を使っていた頂点でしたが、ロキシコドンの他にも11種類の処方医薬品も使っていました。例えば、その一つがアミトリプチリン(Elavil)で、足の痛みの刺激を受け取る脳の神経をショートカットして感じないようにすることを目的としていました。でも、私の場合は、そうした薬は効かなかったり、副作用でさらなる薬が必要になってしまいました。脊髄電気刺激療法もやってみましたが、やはり効果はありませんでした。

モルヒネポンプ を使うことも検討しました。体内に埋め込で3ヵ月分のモルヒネを供給できるのですが、その前にオピエートについてもっと知っておく必要を感じて勉強しておくことにしました。アメリカ医師会のウエブサイトには、オピエートが幻想痛を起こすこともあると書かれていました。また、カナビスがこれまでも、痛みの緩和ばかりではなく、ヘロインやモルヒネなどのオピエート関連のドラッグの中毒から抜け出す助けにも使われてきたことを知りました。

以前にカナビスを欝に使ったことがありましたが、オピエートで気分がひどく落ち込むでしまうので、少なくともまずはオピエートから離れる必要があると思いました。私の医療費用の支払いに責任を持っている保険会社も、オピエートの服用量を減らす治療を考えることを奨励していましたので、オピエート、ヘロイン、オキシコンチンなどの医薬品、さらにはカナビスについてもたくさんの資料を読みました。シアトルやオレゴン州のポートランドなどに行って、路上でヘロイン中毒の人たちからも話を聞きました。

これに意を強くした私は、カナビスのおかげでオピエートを完全に止めても痛みの管理ができるようになりました。大げさではなく心底、カナビスが私の人生を救ってくれたと感じています…… 私は、オピエートの処方をオープンに受けられるのと同様に、いつの日にかカナビスも自由に使えるようになることを願ってやみません。

私が思うには、オキシコンチンは合法ヘロインです。今では、生きたいという強い意思の力を持つことでオキシコンチンを止めることができましたが、オピエートに頼っていた頃は、やりたいことはすべて朽ち果てて死んだも同然でした。私は、このドラッグがアメリカでは最も危険なドラッグだと強く思っています。

患者には、死を乗り越えて生きることを選ぶ自由があるはずです。私は、現在ではカナビスしか使っていません。それまで使っていた13種余りの処方医薬品はすべて止めました。その中には1日の服用量が1125mgのオピエート類も含まれています。私には、1125mgのオシキコンチンなどのオピエート・ドラッグのほうがカナビスより安全だとする政府の見解を全く信じることはできません。

合法的に利用できる化学合成THCである マリノール を処方してもらったこともありますが、保険会社からは鎮痛剤として認証されていないことを理由に支払いを拒否されました。

また、臨床試験に加わって サティベックス を入手しようと試みたこともあります。ご存知のように、サティベックスは天然のカナビスの成分とアルコールでつくられたチンキの一種ですが、カナダで使えるようになっています。サティベックスも楽に生きられるようにしてくれると思いますが手に入りません。アメリカでも近く臨床試験が始まるようですがまだ認証されていません。

規制薬物法のカナビスの分類を変更することを求めた行政訴訟もブッシュ政権に対して起こされていますが、法廷で決着するにはまだ気の遠くなるような時間がかかりそうです。このような具合ですから、私が現在使える薬としては、連邦法を犯してカナビスを使う以外に残されていないのです。

カナビスを合法的に入手できるようになれば、個人的にも、保険会社にしても費用の負担はずっと少なくなります。しかしそれだけではありません。もっと重要なことは社会政策の観点です。医療カナビスを合法化すれば、痛みの管理に危険に高額なオピエートに依存する代替になるばかりではなく、国の財政負担も少なくて済みます。

大統領への選挙では特にこの点を考えていただければ、慢性的な痛みに苦しむ多くの患者を助けることができます。この問題についての公開討論に加わって、医療カナビスについての議論を盛り上げてほしいと望みます。100%体が不自由になって、どのようにしたらわれわれの社会が良くなるのか、そのためにはどうすべきなのかをずっと考えてきました。どうか、私のような患者のために法律を変えるのに手を貸してください。

敬具