多発性硬化症 モンテル・ウイリアムズ
イリノイ州医療カナビス法案支持の訴え
Source: St. Louis Post-Dispatch
Pub date: April 03, 2007
Subj: Medical Use of Marijuana Should Be Legalized
Author: Montel Williams
http://www.mapinc.org/norml/v07/n429/a06.htm
私は多発性硬化症の痛みを抑えるために医療カナビスを利用してきましたが、そのことは、テレビのトークショーのホストをしていることもあって折に触れて語ってきました。
カナビスには医療効果あると聞いて驚く人も少なくありませんでしたが、それが正しかったことは最近の研究でも明らかにされています。また、各州は、早急に法律を改めて病気の人びとを犯罪人として扱うのを止めるように訴えてきたましたが、それも間違ってはいませんでした。イリノイ州議会におかれましても、直ちに州法を改めるように要請します。
私のテレビ・ショー(セントルイス・チャンネル4、平日午前10時)をご覧いただければ、私が健康そのものに見えると思います。しかし、見えないことろでは、足が熱いフォークで焼き刺されるような痛みで気が狂いそうになっているのです。
私の主治医は、最も強い鎮痛剤をいくつか処方してくれましたが、その中には、パーコセット、バイコディン、オキシコンチンなどもありました。過剰摂取の危険もあることは分かっていましたが、ただ一時の痛みを忘れるために常用していました。しかし、そうした強力で高価な医薬品を使っても安堵感は全く得られませんでした。眠れず、イラ立ち、無意識に足でベッドを蹴飛ばし、あまりの痛さに深夜一人で涙を流している自分がいました。
ヘビーな麻酔剤を使うとゾンビみたいに支離滅裂になってしまうので、仕事をしているときには使うこともできません。さらに悪いことは、そうした薬は中毒性が極めて高いことです。私は、ジャンキーのようにだけはなりたくないと願っていました。
ある人にカナビスを試してみたらと言われたときは、最初は全く信じませんでしたが、やけっぱちな気持ちもあって一服吸ってみたのです。すると、驚くことに、それまでの合法医薬品とは違うことにすぐに気付きました。3服ほど吸って数分もすると、耐えがたいほどの足の痛みが和らいでいたのです。おかげで、その夜は何ヶ月ぶりかで安らかに眠ることができました。
こうした体験は私だけではありません。最近、医学雑誌としては定評のある神経学ジャーナルの2月号に掲載されたカリフォルニア大学の研究でも明らかにされたとおり、カナビスに効果のあることは疑う余地がありません。
多発性硬化症の人は、神経に損傷を受けたことで起こる神経障害性疼痛と呼ばれる特別な痛みに襲われます。この痛みは、多発性硬化症では共通したものですが、糖尿病やHIV・エイズなどほかの多くの病気でも起こります。いずれも、焼けるような突き刺す痛みで、従来の鎮痛剤ではあまり役に立ちません。
ドナルド・アダムス博士らのチームが実施した新研究では、HIV・エイズ患者の神経障害性の痛みを対象にしていますが、HIVの人では3分の1が次第にこの種の痛みで苦しむようになります。しかし、これに対処できる治療法は、医薬品局の認可したものの中にはありません。一部の人は症状が悪化して歩くこともできなくなります。
博士らの研究は、無作為、二重盲検、プラセボ対照法を用いた臨床実験で、医学研究では最も厳格な方法で行われたものです。その結果、カナビスに効果があることが確認されたのです。一本のカナビス喫煙だけで平均72%もの痛みが軽減しています。しかも、深刻な副作用は観察されていません。
この研究が重要なのは、政府が供給するカナビスで実験が行われたことです。アメリカでは、カナビスの研究を行う場合は、政府の提供するものを使うことが義務付けられていますが、政府のカナビスは品質が悪く、効力も弱いことで有名です。従って、もっと高品質のカナビスを使えば、さらに痛みが軽減されることは想像にかたくありません。
私の場合、多発性硬化症であるにもかかわらず、医療カナビスのおかげで生産的で実り多い人生を送ることができるようになりました。私ほど知られていないかもしれませんが、現実には、私と全く同じような体験をしている人たちがこの国には何万人といるのです。
驚くべき事実もあります。アメリカ政府も、本当は、カナビスや医薬品として効くことを知っているのです。実際に、政府は、5人の患者に毎月医療カナビスを支給する事業を行っているのです。このプログラムは25年前に開始されたものですが、1992年以降は、新しい患者に門戸を閉じてしまっています。
このプログラムを受けている一人にフロリダの証券会社に勤めるアービン・ローゼンフェルトさんがいますが、2年前に私の番組にも出演していただきました。彼の話をうかがうと、もし、連邦政府の職員があなたの町にやってきて、カナビスが安全で効果のある医薬品であることは証明されていないと力説していても、それが嘘なのは彼ら自身も知っていることがわかります。
現在、まだアメリカの39もの州で、多発性硬化症やガン、HIV・エイズなどの患者が医療カナビスを使えば、たとえ医師の承認があったとしても、逮捕され投獄されてしまうのです。このような状態が改められることなく長く続いているのです。
幸い、このイリノイ州では、シカゴのジョン・クラートン上院議員(民主)がSB650法案を提出してくれています。この法案では、私のような患者が医師の承認のもとで医療カナビスを使っても、逮捕されたり投獄されたりしないようになります。現在では、同様な法律が11の州で成立しています。
州議会のみなさんは、早急にこの医療カナビス法案を通過させるべきです。病に苦しむ人たちを犯罪人として扱うことは止めるべきです。
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彼は、1999年に多発性硬化症の診断を受けたが、その後、いくつもの州の公聴会で証言したり、機会のある度にさまざまな集会で医療カナビスの合法化を訴え続けている。