痛みからの開放

カナビス・クッキング・おばあちゃんへのインタビュー


パトリシア・タブラムさん

Source: Independent on Sunday
Pub date: 03 Dec 2006
Subj: Pain Relief (Pat Tabram)
Interview by Julia Stuart
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=11947


カナビス・クッキング・おばあちゃんとして知られるパトリシア・タブラムさん(68)が最初にジョイントを吸ったのは3年前のことだ。それ以来、カナビスを使うようになって、自分と友達のためにカナビス入りの料理を始めるようになった。タブラムさんに何故カナビスを使うようになったのかインタビューした。


カナビス入りの素敵な料理を作り始めてもう3年になります。今は自分だけのためだけにしか作っていませんけど、しばらく前までは恩給生活者のカナビス・クッキング・グループもやっていたんです。カナビスは家で栽培していたのですが、これまでに3回も家宅捜査を受けましたよ。今は68になりましたが、それでも、刑務所に入れられる覚悟はできています。もう、長年痛みのなかで暮らしてきましたから、痛みを取り除いてくれるカナビスは私にとって変え難いものなんです。おかげで、今では首のギブスも杖も使わないで済むようになりました。

1975年のことですが、ベッドの中で息子が死んでいるのを見つけました。14才だったんです。ショックでおかしくなって、お医者さんにバリウムをもらいました。自殺未遂で精神病院に3ヶ月入院したりもしました。結婚が破綻してからは、母や父、祖父の死の世話もしました。それと、再婚した夫の世話もありましたから、どんどん強い睡眠薬や抗うつ剤を使うようになって、それが原因でいろいろな病気になってしまったんです。耳鳴り、ふきでものなどで余りにもひどくて、気がつかないうちにアルツハイマーになったかとも思いましたよ。肝臓や腸からも出血しました。

2003年になる以前は、自分の飲んでいる薬の副作用のことは知りませんでしたが、副作用のことを知って止めようと決心しました。でもうつがひどくなってしまいました。

ある日、友達が私の姿をみてショックを受けて、ジョイントを巻いてくれたんです。吸ってみたら、12時間以上も眠れたんですよ。信じられませんでした。それまでの25年間は自然に眠りにつくことなんてありませんでしたから。起きると、気分は爽快で、事故で傷めた脊髄の痛みも消えていました。

喉が調子わるくなるので、吸うには好きではなかったのですが、友達は料理にして食べることのできると教えてくれました。ディーラーがいるニューキャッスルのパブのことも教えてくれました。早速手に入れて、粉にして卵に入れて食べたんですが、5分もしないうちに頭がくらくらしてきて、気持ちわるくなって吐いてしまいました。入れるのが多過たんです。今度は量を減らして、チリオイルを加えたらうまくいきました。それ以来、レシピをいろいろ工夫して、寝る前にホットチョコレートに入れるようになりました。1週間もすると、痛みは全くでなくなって、目覚めは爽快で、毎日元気いっぱいに起きれるようになりました。

もう何年も前から知合いの人は、元気な私を見てどうしたのと聞いてきました。以前会ったときにはもうすぐ死にそうに見えたらしいんです。杖や首のギブスはどうなったのと言うので、カナビスを使いでしてから必要はなくなったと答えました。数日して彼女から、友達を何人か連れて行きたいんだけどという電話がありました。3ヶ月もしないうちに、5人の年金生活者のカナビス料理クラブになっていました。チキンやミートパイ、レモンとライムのチーズケーキ、キャセロール、ステーキ、キドニー・パイなどいろいろと料理しました。その他にもボードゲームで遊んだり、編みものなんかもしました。みんな、それまで使っていた薬とはさよならしました。

いっそのこと、カナビスは自分たちで育てようということになって200ポンド(5万円)づつ出し合って育成装置を買うことにしたんです。庭の簡易温室で31本を発芽させてから、屋根裏に移しました。

警察がやってきた頃には、1メートルぐらいになって非常に元気の育っていました。彼らがドラッグ担当なのは前から知っていました。誰かが密告したんです。ドアを開いてどうぞと招きいれました。カナビスを育てていることはすぐに認めて、お茶とコーヒーをすすめました。カナビス入りのクッキーも。でも、断られましたけど。

私は、供給目的での栽培と所持の罪で5時間留置されました。45分間の尋問を3回受けてから、警告されて家に戻されました。4ヶ月後にも再び家宅捜査されました。前の晩に買って、みんなに小分けするために9オンス(250g)のカナビスを持っていたんです。罰金750ポンド(17万円)と懲役6ヶ月執行猶予2年を受けました。それからは、自分の分だけ育てることに決めました。合法化活動にも加わって、総選挙では、カナビス合法化同盟から立候補して1000票獲得しました。本も書きはじめました。題は、『グランマ・イーツ・カナビス』(Grandma Eats Cannabis)って言うんです。

裁判の5ヶ月後、再び逮捕されました。裁判は3月に始まったんですが、今度は自分で弁護することにして、陪審になぜ薬が必要なのか訴えました。今では、1日おきに5回食べるだけになりました。3年近く食べていたら、必要な量が減ってきたんです。それでも痛みからは解放されています。カナビス問題の本当の犠牲者は、お年寄りや障害や病気の人たちなのです。