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概要
物質乱用についてのプログラム
大麻:健康の視点と研究課題
精神保健の部門および物質乱用の予防
WHO
概要
大麻(国際的な管理の下の精神活性物質)の使用は世界中の至る所で広範囲に普及している。
大麻使用の実際・潜在的な健康へ及ぼす結果についての信頼できる情報は、したがって、保健政策分析、および国際的・国家的なドラッグコントロール戦略の開発のために重要な情報となる。
このトピックに関する最後のWHOの報告書は、1981年にオンタリオのアディクションリサーチ財団と共同で出された(ARF/WHO Scientific Meeting on Adverse Health and Behavioral Consequences of Cannabis Use)。何年もの月日が経ったことによって、WHOの大麻使用の健康に及ぼす結果に関する報告の更新について多くの要請があった。
これらの要請に応じて、WHOは、1993年11月.ジュネーブで大麻に関する科学的な専門家のグループを召集した。現在の報告書は、その会議からスタートした論評および更新処理の最終結果である。この報告書は、大麻の使用および健康に及ぼす影響に関する現在の知識の論評および要約を提供し、政策立案者、公衆衛生職員、教育者およびその他の健康促進を志す者にとって適切なものとなるであろう。
オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、アメリカからの疫学的研究は、最近の十年間の間若い人々による大麻使用の流行が増加していることを示した。他の地方、たいていの開発途上国では、利用可能なデータは乏しく、これらの国々での大麻使用の一般的なレベルに関するどんな結論も引き出すことを困難にしている。
過去15年にわたって研究に著しい進歩があった。そこに次のものを含んでいる:カンナビノイドの作用のメカニズムについての基礎研究(Δ-9-テトラヒドロカンナビノールあるいはTHCの研究は最も有力である)、そのような作用の為に必要とされる分子構造、カンナビノイド分子を脳細胞および他の組織の部位に結びつける特定の受容体(レセプター)分子の発見、標準的にそれらのレセプター部位に作用する脳の中の天然の化学物質の発見、また脳内の様々な部分や身体の他の部位におけるレセプター部位のマッピング。大麻は 急性的に認知発達および精神運動機能を損い、それは、大麻に酔って運転する人々の間の交通事故の危険性を増加させる。大麻の呼吸器および身体の免疫系中の様々なタイプの細胞に対する慢性的な影響を理解する際にもまた、多大な進展があった。慢性的に、認知機能を選択的に損なうことがあり、依存症候群は発展するかもしれない。慢性的な大麻使用は、統合失調症を患っている人の症状を悪化させるかもしれない。また、一方で、いくつかの研究は癌やエイズの進行した段階における吐き気と嘔吐に対するTHCの治療的な効果を立証しており、その他の治療的な使用の研究は進行中である。
大麻およびその派生物についての疫学的研究と応用研究の両方にはっきりとした必要性がある。大麻使用の健康に及ぼす結果についての知識には重要な相違があり、きちんとした対照試験からの報告が必要であり、開発途上国での大麻使用のパターンとデータ、カンナビノイドの慢性的な有害作用、医療使用の有効性に関わる研究を含むべきである。
World Health Organization,1997
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