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7.4 その他のホルモン

カンナビノイドの曝露が視床下部-下垂体-副腎軸に影響を及ぼすことができるというかなりの証拠がある。初期の動物実験は、THCが雄のラットの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出の強力な刺激剤であることを立証した。急性のTHCの投与は、また、雄と雌のラットで血漿コルチコステロン濃度を高める。アナンダミド(カンナビノイド受容体の内在性リガンド)は、THCのそれらに類似した若干の影響を生じる。

Landfield et al. (1988)は、THCの投与に誘発された、高いコルチコステロンに起因するそれらに類似するラットの脳組織の老化のような退行性の変化を観測した。これらの研究者は、THCの投与が脳でコルチコステロン受容体を変えることも立証した。それは、コルチコイドとアナンダミドシステムが相互調節性である可能性があるように見える。そのような関係が立証される為には更なる証拠が必要とされる。しかし、重度の大麻使用者であった男性がコルチゾール濃度に変化(Block et al., 1991)、あるいはACTHに対する副腎皮質反応性の損傷を示さなかった点に注意する必要がある。

初期の研究において、THCが雄のラットの成長ホルモンの分泌を妨げることが示された。しかし、その他の研究は、THCを施された雄のラットで成長ホルモンの変化、あるいは増加を示さなかった。より最近では、成熟した雄のラットへのTHCの脳への直接的な注入が成長ホルモンの分泌を抑制することが示されている。動物モデルと、THCの投与の経路と用量の違いがこれらのTHCに対する可変的な成長ホルモンの反応を説明するかもしれないが、より多くの研究が、男性と女性の両方における成長ホルモンに対する大麻の曝露の影響を確実に明らかにするために正当化される。

その他の内分泌系はほとんど研究されていない。循環チロキシン濃度は、急性あるいは慢性のTHCの投与の後で減らされることが雄のラットとアカゲザルで示されている。THCの処置は、下垂体後葉ホルモンオキシトシンの放出にも影響を及ぼすかもしれない(Tyrey & Murphy, 1988)。

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