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2.1 原因を表す推論を作る

原因を表す推論は、なかでも、大麻使用と健康に及ぼす不利な結果との関連を示す証拠;大麻使用が健康へ及ぼす結果に先行したという証拠;関連の偶然の出来事とは考えられない説明であるという証拠;そして関連の真実味のある代替の説明の排除、を要求する。

大麻使用と健康へ及ぼす結果との間の関連を示す論理的な証拠は、症例対照、断面、コホート、実験的研究でのそのような関連の観察の結果によって提供される。

もし、大麻使用が健康に不利な結果を及ぼす原因であるならば、大麻使用が健康へ及ぼす結果にに先行するという正当な証拠がなければならない。最も説得力があるそのような証拠は観測的なコホート研究あるいは実験によって提供される。大麻の場合には、そのような研究が、大麻が国際的に管理された精神活性物質であるという事実の為に、実行するのが難しい。

結果が偶然生じたかもしれないという公算が非常に小さいことを適切な統計評価が示す場合、偶然は除外することができる。

除外するのが非常に難しい代替の説明は、大麻使用と健康に及ぼす結果のどのような関連も大麻使用と健康に及ぼす不利な結果の両方の原因となる未測定の可変要素によるということであり、すなわち'混乱させている'事実あるいは複数の事実である。実験の証拠はそのような説明を排除するための'ゴールド・スタンダード'を提供する。これは、使用者と非使用者は大麻の曝露に先だって全ての関連した点において等しかったことを確実にするために、大麻の使用あるいは非使用に対する人の無作為の割り当てを要求する。しかし、大麻に関する場合、そのような無作為の割り当ては、健康に対する影響が無害な研究を除いて、法律上の考慮すべき問題からかなり離れており、ボランティアの被験者に課す受け入れがたい危険性の為に非倫理的である。

実験動物を使用する実験は、大麻あるいはプラシーボの曝露への被験者の無作為の割り当てを可能にする。しかし、そこには、種を越えて結果を推定する際に相当な問題があるかもしれない。これらは、投与の異なる経路の重要性(例えば、口頭、静脈内)、大麻の異なる形態(例えば、純粋なカンナビノイド対植物原料の大麻の喫煙)、そして異なる種の間での投与量の等価性の問題(例えば、ラット対人間)への適切な注意によって最小限にされるかもしれない。

適切な動物モデルが存在しないとき、人体実験が非倫理的であるときに、観察研究が必要であり、そして、それらが適切に実行されるならば、非原因となる要素は制御することができる。 関連がそのような統計的な調整の後に持続するなら、健康へ及ぼす結果が曝露の影響という可能性、この場合大麻使用、は増加される。

原因の推論は、証拠が広く認められた基準を満たす範囲を審査することによって研究の調査結果から得ることができる。これらは以下を含む:連合性の強さ、連合性の一貫性、特異性、用量反応、生物学的妥当性、他の知識との一貫性。 これらの判定基準は、連合性が原因であることを示すのに十分ではないが、よりそれを満たすことは、連合性が原因であることはより考えられるということである。

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